1986/09/04 - 1986/09/04
2位(同エリア23件中)
tadさん
古い写真を見直すシリーズに戻る。これは、肝心の写真にチーフ・パイロットの顔がはっきり映っているので、出すのをためらっていたが、とうとう顔を修正したうえで出すことにした。写真の修正はしたくなかったのだが。。
これは当時、選抜された少数の大学教員が英国に派遣された時の帰りのフライト。優遇されたプログラムだった。普段は使ったことのないビジネス・クラスのチケットを使用できて、ジャンボ・ジェットの2階席に坐っていた。ロンドンから北極点を経由するコースだった。
客室乗務員が流石親切で、なにかを飲もうとしてやりとりしていると、私がワインに詳しいとわかり、別のワイン・リストを持ってきてくれた。それをざっと眺めて、どれでもいいというので、これだと選んだ瞬間の彼女はえっという表情だった。勿論、私が高価な一本が入っているのを見抜いたからだが。。今、そのブランドは実はボルドーのグラン・クリュ・クラスのどれかだったのだが、具体的にはどれだか忘れたが、マニアックな一本だった。それを持ってきてくれ、すばらしい一本を楽しんだ。
そうしているうちに、乗務員がやってきて、「キャプテンがあなたに会いたがっている。」とそっと話してくれた。フライト中にコックピットに行くという話し自体は昔は時々聞いていたが、喜んで、招待を受けた。カメラはその時持っていたCanon FTBではなく、ロンドンのヒースロー空港で、セカンド・カメラとして購入したばかりのオリンパスの1万円台の小型カメラを持っていった。テスト撮影をしたばかりのものだ。
パイロット、サブ・パイロット、それに機関士の3人がジャンボ・ジェットを飛ばす時代だ。コック・ピットに入ると、興奮!!目の前は氷の海だ。1万メートルの上空から見下ろす北極海の周辺だった。北極点に向かって飛行中だったと思う。カナダの北の端を飛行中らしいことはパイロットが今飛んでいるところを地図で示してくれている。自動飛行中だから、話ができると言ってくれ、ワイン談義が始まった。私が一発で相当長いリストから選んだワインのことで、私に会いたくなったと言ってくれた。イギリス側に大変お世話になった滞在だったが、その話しもした。写真もここから撮影していいということで写したものを次に並べる。相当長い時間、そこにいた。乗務員は途中ででていったと思う。丁度30年前のことだが、今でも、はっきりと覚えている出来事の一つだ。
アラスカのマッキンレー山も撮影されているが、アンカレッジに途中で降りた。今は、ロシア上空を飛び、直行でヨーロッパに行くが、この当時はまだソ連上空は飛べなかったから、北極海上空経由でアンカレッジで給油して飛んでいたころだ。
1枚目は副機長。機長は左側に座っている。申し訳ないが、横顔を修正してぼかした。
(2016年記す)
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 飛行機
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友人もJALのジャンボ機のパイロットになっていたが、彼の部屋には訓練時代、これと同じ計器類の並んだ巨大な印刷物が壁と天井に貼ってあり、頭に叩き込む訓練をしていたものだ。本物を見ると目まいがするほど、複雑に並んでいる!近年のジェット機はもっと簡単になっていると思うが。。
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修正したパイロットの写真。飛んでいるところを地図で示している。ワイン談義の相手。
ワイン・ブーム時代には私もワインのことを雑誌等に連載したり講演したものだ。(私の専門とワイン文化を絡めた講演等) 当時はまだ、客室乗務員等がワイン・ソムリエの試験を受ける時代の先駆けだったし、詳しい人は少なかった。イギリスでは、Michael Broadbent やHugh Johnson等が既に活躍していて、一部の通は既にすごい情報量だった。私もロンドンのFoylesで、大量のワイン本を買い込んだものだ。なお、私の尊敬するワインの大家Broadbentとは、この後、ロンドンに行った時に、Christyクリスティのワイン・オークションで直接お話しする機会もあった。退職した今では、そういうワインを飲む資金はないし、かつてのような価格では買えないので、高級ワインからはほとんど遠ざかってしまった。もっとも、ワイン・セラーにはまだまだかなり残ってはいるが。。。
当時は本は買い込むと全て、船便で1ヶ月半かかって日本まで到着した。それでも日本の洋書取扱店で買うより遥かに安かったからだ。大学の研究費で直接外国の書店から洋書を買うのは、困難だった時代だ。
そのころ航空便でイギリスの新聞The Timesを1年間、取り寄せたが、新聞代より航空便の郵送費のほうが高かった時代だ。しかも日本の洋書店を通さないと購入できなかった。無駄遣いだった。バブル時代のころの話だ。
なお、地図の位置は推定。 -
これまではコック・ピットから撮影。
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この写真は、コック・ピットからか、座席での撮影か不明。角度的にはコック・ピットではないような。。。?
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アラスカのマッキンレー山。この写真は、コック・ピットを出た後に、座席から後で、写したものだろう。
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追加写真
ロンドンのヒースロー空港。搭乗したのは、British Airwaysのジャンボ機。 -
アラスカ上空を飛行中。
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当時はヨーロッパ線は、アンカレッジ空港で給油した。1974年に利用した時は冬のアンカレッジ空港だったが、この時は雪や氷はない。
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この旅行記へのコメント (6)
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- Zさん 2020/08/05 13:56:37
- この旅行記録は 特別に 好きです
- Tadさんの 旅行記録の 中では こちらの旅行記は 特別に 好きです。 あまりにも レア 過ぎて 貴重です
- tadさん からの返信 2020/08/05 14:43:15
- RE: この旅行記録は 特別に 好きです
- Sting boy Zさんを驚かすには、これくらいでないと、だめなんですよね!
東ドイツあたりの話題(1987年8月)では、ゆるすぎますか?共産圏の国のあくどさは酷いものですが、でも、当時は、あまりにも悪辣な公式の両替レートに激怒したものです。というか、実際に、9万円くらいの損失でしたから!旅行中のスリなどの話はよく聞きますが、これは国家ぐるみの詐欺ですよ。
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- Keiさん 2016/10/04 12:42:46
- 素晴らしい
- tadさん、こんにちは
素晴らしい御経験ですね!
オヤジは子供の頃に父親に無理言って地上でコックピットに入れてもらったことはありますが・・・(ジャンボではなくYS11だったか)
たまたま趣味の合うパイロットだったのでしょうが、tadさんの質の高い嗜好と経験を伴った人間力だからこそ、叶った出来事なんでしょうね。羨ましい!
Kei
- tadさん からの返信 2016/10/04 18:32:13
- RE: 素晴らしい
- > tadさん、こんにちは
>
> 素晴らしい御経験ですね!
>
> オヤジは子供の頃に父親に無理言って地上でコックピットに入れてもらったことはありますが・・・(ジャンボではなくYS11だったか)
>
> たまたま趣味の合うパイロットだったのでしょうが、tadさんの質の高い嗜好と経験を伴った人間力だからこそ、叶った出来事なんでしょうね。羨ましい!
>
> Kei
飛行機好きには、きっと羨ましく思ってもらえるでしょうから、満足です!
得意な趣味を持つというのは大事ですね。音楽とワインには相当入れ込んできましたから、70歳にもなると、時にはこういう自慢したい話もできますね。もっとも、今では、普段は田舎でじっとしていますが。。。
明日、台風のトラブルがなければ、イギリスから音楽とワインの趣味が共通の友人が来ることになっています。毎年、行き来している仲良しです。
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- Elliott-7さん 2016/09/29 10:24:07
- 貴重な写真ですねー
- tadさんへ
コックピットの写真は貴重ですネ、 今では絶対にダメでsからね、
小生もANA国内線の操縦席で写真撮らせてもらいましたが、空港に到着後でしたからね、それでも興奮したのを今でも覚えていますよ・・
ありがとうございました。
from Elliott-7
- tadさん からの返信 2016/09/29 10:44:16
- RE: 貴重な写真ですねー
- > tadさんへ
>
> コックピットの写真は貴重ですネ、 今では絶対にダメでsからね、
>
> 小生もANA国内線の操縦席で写真撮らせてもらいましたが、空港に到着後でしたからね、それでも興奮したのを今でも覚えていますよ・・
>
> ありがとうございました。
>
>
> from Elliott-7
日本でも昔は入れてくれることがあったとは聞いています。でも、飛行中は少なかったのでしょうか? 今は、すべてが厳しくなりましたね。友人のパイロットだった男も、昔はよかったといいますね。稼ぎも含めて。。。
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