阿波池田・つるぎ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
以前、吊床版工法での四国一の人道吊橋の旅行記を投稿したが、一般的な工法で四国一の長さになるのではないかと思われるのが、JR阿波池田駅から徒歩20分少々ほどの国道32号下に架かる敷之上橋。全長195m、塔柱の高さ18.35m、湖面からの高さ37mの規模。<br /><br />池田ダムの建設に伴い、吉野川の渡しが利用できなくなることから、昭和49年3月、橋が完成した。<br />橋からは巨大な高速の「池田へそっ湖大橋」が望まれる。<br />東岸の山上にある丸山公園は、阿波池田随一の展望所で、私の研究では公園南の細野峠を坂本龍馬が土佐への帰国途次の文久2年2月下旬、越えている(脱藩ではなく、藩に許可を得ての旅)。<br /><br />橋を往復してからは、県道12号を東進しながら、そこから北方にある三ヶ所の滝を巡った。<br />[各滝へのアプローチとコース]<br />まずは三好市州津谷奥の不動の滝へ向かう。国道32号と県道12号が交差する州津交差点を東に折れ、ほどなく現れるY字路を左に急角度で上がる狭い道路へ進み、北上。<br /><br />JR土讃線の狭い踏切を越え、最奥の民家を過ぎると、廃屋の横で道路はヤブ化する。そのヤブや垂れ下がった木の枝を車ではじきながら進むと、「中国健身療法センター」(多聞院別院による運営)の看板の建つ橋との三差路に出るので、その前のヤブ広場に駐車。<br /><br />車での走行が不能になった林道をそのまま北上すると分岐があり、奥に多聞院別院の屋根が見えていたように思う。別院裏の滝行場跡に滝が懸かっている。<br />最寄り駅のJR土讃線箸蔵駅からは徒歩十数分ほど。<br /><br />滝の落差は十数メートルほどだが、周囲の岩盤には数々の石仏や石灯籠の台座が張り付くように建っており、異様な光景。石仏・石碑の覆屋や行場の小屋のような建物も倒壊しており、「廃墟行場」と化している。<br />多聞院(昭和20年代創建)での毎月の護摩祈祷や夏の大祭は今でも行われているのだろうか。<br /><br />県道12号に戻ると東進を再開、昼間橋袂を左折し、小川谷川沿いの県道4号を遡って行く。<br />最初は「阿讃サーキット」の道標に従って進んでいき、最後の三差路で「三枚とべ」道標の示す狭い道路に入る。トイレ前に三台ほど駐車できる広場がある。<br /><br />滝久保川の三段になった岩盤に滝が懸かっているが、「三枚とべ」とは「三段滝」ということか。滝の落差は三段の合計で二十数メートルほどだが、段下するたびに滝は右に大きくずれている。<br /><br />二段目の滝の前に、JR土讃線の枕木で造った遊歩道の木橋が架かっており、これを渡って行った終点の支流に、「愛々橋」という微妙なネーミングの金属製の簡易橋が架かり、その下流側の川床には、「夫婦渦」という二段に並んだ浅い甌穴がある。<br /><br />上段の甌穴はきれいな円ではないが、両方の甌穴共、流れ込んだ渓流がゆっくりと渦を巻いている。<br />更にその下流のなべら状(滑らかな滝状)の流れは岩盤に激突し、右に急カーブしている。<br /><br />最後の滝へは、再び県道12号を東進、河内谷橋袂の十字路を左折し、県道108号を数キロ北上する。<br />太刀野山簡易郵便局を過ぎてほどなく現れる松尾橋を渡った先の三差路角に「八枚なべら」の案内板が建っている。<br /><br />そこを左折して行った先に墓のある駐車場がある。そこに駐車してもいいが、更に幅員が狭い急坂を上がって行った先、舗装が途切れる地点にトイレと二台分の一般駐車枠と一台分の身障者用駐車枠のある駐車場がある。しかし車椅子で八枚なべらを探勝することは不可。<br /><br />「八枚なべら」とは、松尾川上流に形成された、二十畳敷ほどの巨大ななべら(滑らかな)岩が八個ある箇所を流れる滝状渓流の景勝。しかし残念ながら探勝路の整備があまり行われておらず、ヤブのため、ごく一部のなべらしか見ることができない。<br /><br />時には滝はなべら岩の両側を流れ、時には狭まった岸の絶壁から落下し、時にはなべら岩の上を滑るように流れている。<br />整備された遊歩道は途中で終わるが、取水設備の水槽まで踏み跡を登ると、その下に八枚目のなべらがあり、滝壺に下りることができる。

阿波池田の四国随一の歩道吊橋と三好郡の滝巡り

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2016/09/17 - 2016/09/17

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マローズ

マローズさん

以前、吊床版工法での四国一の人道吊橋の旅行記を投稿したが、一般的な工法で四国一の長さになるのではないかと思われるのが、JR阿波池田駅から徒歩20分少々ほどの国道32号下に架かる敷之上橋。全長195m、塔柱の高さ18.35m、湖面からの高さ37mの規模。

池田ダムの建設に伴い、吉野川の渡しが利用できなくなることから、昭和49年3月、橋が完成した。
橋からは巨大な高速の「池田へそっ湖大橋」が望まれる。
東岸の山上にある丸山公園は、阿波池田随一の展望所で、私の研究では公園南の細野峠を坂本龍馬が土佐への帰国途次の文久2年2月下旬、越えている(脱藩ではなく、藩に許可を得ての旅)。

橋を往復してからは、県道12号を東進しながら、そこから北方にある三ヶ所の滝を巡った。
[各滝へのアプローチとコース]
まずは三好市州津谷奥の不動の滝へ向かう。国道32号と県道12号が交差する州津交差点を東に折れ、ほどなく現れるY字路を左に急角度で上がる狭い道路へ進み、北上。

JR土讃線の狭い踏切を越え、最奥の民家を過ぎると、廃屋の横で道路はヤブ化する。そのヤブや垂れ下がった木の枝を車ではじきながら進むと、「中国健身療法センター」(多聞院別院による運営)の看板の建つ橋との三差路に出るので、その前のヤブ広場に駐車。

車での走行が不能になった林道をそのまま北上すると分岐があり、奥に多聞院別院の屋根が見えていたように思う。別院裏の滝行場跡に滝が懸かっている。
最寄り駅のJR土讃線箸蔵駅からは徒歩十数分ほど。

滝の落差は十数メートルほどだが、周囲の岩盤には数々の石仏や石灯籠の台座が張り付くように建っており、異様な光景。石仏・石碑の覆屋や行場の小屋のような建物も倒壊しており、「廃墟行場」と化している。
多聞院(昭和20年代創建)での毎月の護摩祈祷や夏の大祭は今でも行われているのだろうか。

県道12号に戻ると東進を再開、昼間橋袂を左折し、小川谷川沿いの県道4号を遡って行く。
最初は「阿讃サーキット」の道標に従って進んでいき、最後の三差路で「三枚とべ」道標の示す狭い道路に入る。トイレ前に三台ほど駐車できる広場がある。

滝久保川の三段になった岩盤に滝が懸かっているが、「三枚とべ」とは「三段滝」ということか。滝の落差は三段の合計で二十数メートルほどだが、段下するたびに滝は右に大きくずれている。

二段目の滝の前に、JR土讃線の枕木で造った遊歩道の木橋が架かっており、これを渡って行った終点の支流に、「愛々橋」という微妙なネーミングの金属製の簡易橋が架かり、その下流側の川床には、「夫婦渦」という二段に並んだ浅い甌穴がある。

上段の甌穴はきれいな円ではないが、両方の甌穴共、流れ込んだ渓流がゆっくりと渦を巻いている。
更にその下流のなべら状(滑らかな滝状)の流れは岩盤に激突し、右に急カーブしている。

最後の滝へは、再び県道12号を東進、河内谷橋袂の十字路を左折し、県道108号を数キロ北上する。
太刀野山簡易郵便局を過ぎてほどなく現れる松尾橋を渡った先の三差路角に「八枚なべら」の案内板が建っている。

そこを左折して行った先に墓のある駐車場がある。そこに駐車してもいいが、更に幅員が狭い急坂を上がって行った先、舗装が途切れる地点にトイレと二台分の一般駐車枠と一台分の身障者用駐車枠のある駐車場がある。しかし車椅子で八枚なべらを探勝することは不可。

「八枚なべら」とは、松尾川上流に形成された、二十畳敷ほどの巨大ななべら(滑らかな)岩が八個ある箇所を流れる滝状渓流の景勝。しかし残念ながら探勝路の整備があまり行われておらず、ヤブのため、ごく一部のなべらしか見ることができない。

時には滝はなべら岩の両側を流れ、時には狭まった岸の絶壁から落下し、時にはなべら岩の上を滑るように流れている。
整備された遊歩道は途中で終わるが、取水設備の水槽まで踏み跡を登ると、その下に八枚目のなべらがあり、滝壺に下りることができる。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
交通
4.0
交通手段
自家用車
  • 敷之上橋西岸の入口

    敷之上橋西岸の入口

  • 橋ができる前、舟の渡しの安全のため、明治15年、三界万霊地蔵が西岸の集落の人々によって建立された。

    橋ができる前、舟の渡しの安全のため、明治15年、三界万霊地蔵が西岸の集落の人々によって建立された。

  • 歩道吊橋としては屈指の高さを誇る塔柱

    歩道吊橋としては屈指の高さを誇る塔柱

  • 湖面を間近に感じる

    湖面を間近に感じる

    敷之上橋 名所・史跡

    四国随一の歩道吊橋(池田湖) by マローズさん
  • 橋からへそっ湖大橋をズームで

    橋からへそっ湖大橋をズームで

    池田へそっ湖大橋 名所・史跡

  • 国道32号から敷之上橋を俯瞰する。

    国道32号から敷之上橋を俯瞰する。

  • ウマバ集落から敷之上橋を撮る

    ウマバ集落から敷之上橋を撮る

  • 中国健身療法センターの看板前の覆屋が崩れた地蔵。決してレスラーの外道を真似ている訳ではない・・・?

    中国健身療法センターの看板前の覆屋が崩れた地蔵。決してレスラーの外道を真似ている訳ではない・・・?

  • 庚申大明神碑や石仏の覆屋は倒壊

    庚申大明神碑や石仏の覆屋は倒壊

  • 石仏だらけの不動の滝

    石仏だらけの不動の滝

  • 不動の滝

    不動の滝

  • 不動の滝の天辺だったか

    不動の滝の天辺だったか

  • 三枚とべ展望所より

    三枚とべ展望所より

  • 三枚とべの「二枚目」の岩盤前に架かる枕木橋

    三枚とべの「二枚目」の岩盤前に架かる枕木橋

  • 枕木橋下から三段目の滝が落下する

    枕木橋下から三段目の滝が落下する

  • 夫婦渦。多分、左が雌渦で右が雄渦。

    夫婦渦。多分、左が雌渦で右が雄渦。

  • 手前が雄渦で右上が雌渦

    手前が雄渦で右上が雌渦

  • 愛々橋下流東岸の岩屋にミニ四国霊場石仏

    愛々橋下流東岸の岩屋にミニ四国霊場石仏

  • 夫婦渦下流のなべら下で渓流は急角度で右に曲がる

    夫婦渦下流のなべら下で渓流は急角度で右に曲がる

  • 松尾川に架かる八枚なべら遊歩道の橋

    松尾川に架かる八枚なべら遊歩道の橋

  • なべら岩の両側を流れ落ちる滝

    なべら岩の両側を流れ落ちる滝

  • 巨大岩盤下の滝

    巨大岩盤下の滝

  • 八枚目のなべら

    八枚目のなべら

  • 八枚目なべら下流で前述の岩盤に突き当たり、流れは急角度に右に変わる。

    八枚目なべら下流で前述の岩盤に突き当たり、流れは急角度に右に変わる。

  • 八枚目なべらの天辺

    八枚目なべらの天辺

  • 八枚目のなべら付近の左岸の崖には、洞穴か岩屋が見える。

    八枚目のなべら付近の左岸の崖には、洞穴か岩屋が見える。

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