2016/07/16 - 2016/07/16
16位(同エリア40件中)
ロク69さん
7月16日(土)、2016年夏のスイス・ハイキングの最終日となった。カンデルシュテーク滞在中の天候は、前半はまずまずで後半はあまり良くない日が続いている。最終日は絶好の快晴でロイカーバドまで遠征して、トレントホルンを目指すことにした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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カンデルシュテークからロイカーバド(Leukerbad)へは、通常ならブリークで乗り換えてロイク(Leuk)からバスで向かうのが普通だ。ところが朝早いダイヤを調べてみると、ブリークとは反対方向のトゥーン湖(Thunersee)畔のシュピース(Spiez)まで行って、折り返し新トンネルを経由しヴィスプ(Visp)で乗り換え、ロイク方面へ行くことになる。時間的にはあまり変わらないが運賃は約2倍となる。
乗車後の検札にきた車掌は切符を見て、不思議そうな表情で「どこへ行くのか?」と聞いてきた。通常ルートとは反対方向の列車に乗っているためだろう。拙い英語で説明して納得してもらう。
車窓からのブリュムリスアルプ連峰の白く美しい眺めが、今日の快晴の好天気を予感させてくれる。 -
ロイク駅前でロイカーバド行きのバスを20分ほど待つ。駅前から南方向の眺め。右の山はゴルヴェッチグラート(Gorwetschgrat、2025m)、左に聳えるのはイルホルン(Illhorn、2716m)だ。この間の向こう側に大崩落したイルグラーベン(Illgraben)があるはずだ。
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約30分のバス乗車で8:10にロイカーバドへ到着。ロイカーバドはその名(BAD)が示すとおり温泉地で多くの観光客が訪れる。ホテル、娯楽施設、病院などが揃っていて賑やかだ。街中を約10分歩いてトレントバーン(Torrentbahn)のロープウェイ乗り場へ向かう。
歩く背後には、ダウベンホルン(Daubenhorn、2942m)の山群が厳つくそびえている。 -
ロープウェイ乗り場でトレントホルンの状況を聞くと、「山頂付近は50cm以上の積雪がありピークまで行くのは無理だろう」とのこと。ともかく行けるところまで行ってみようと上部駅リンダーヒュッテ(R i n d e r h ü t t e 、2313m)を9時ちょうどに出発する。空は快晴で雲ひとつないので、とてもうれしい気持ちだ。行き先表示板には山頂まで2時間となっている。
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左手の北方向には、端正な三角形のシュテークホルン(Steghorn、3146m)が見える。右のやや低いピークはティエールホルン(Tierhorn、2894m)、左奥はグロスシュトルーベル(Grossstrubel、3243m)、そして手前の黒い尾根の鞍部がゲンミ峠(Gemmipass、2322m)だ。
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少し歩いてロープウェイの上部駅リンダーヒュッテを振り返る。素晴らしい青空の下、スイス南部からフランスに掛けての大パノラマが広がっている。左からワイスホルン(Weisshorn、4506m)、ダン・ブランシュ(Dent Blansche、4357m)、グラン・コンバン(Grand Combin、、4314m)モン・ブラン(Mont Blanc、4808m、上部駅右上)が一目で見渡せる。
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右のモン・ブランの遠望。大きく雄大な山容は欧州アルプスの王者の風格があふれている。
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その左側の拡大。右端は巨艦を思わせるグラン・コンバンの威容、ついで針峰ルージュ・ダローラ(Aig. Rouges d’Arolla、3646m)、奇怪な双耳峰のベック・ド・ボソン(Becs de Bosson、3149m)、モンブラン・ド・シェイロン(Mont Blanc de Chei3879m)lon、、サスネール(Sasseneire、3254m)、ピーニュ・ダローラ(Pigne d’Arolla、3790m)とヴァリスの高峰群が続いている。
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進む右手はミシャベル山群が美しい。中央の主峰ドム(Dom、4545m)、右のテーシュホルン(T ä s c h o r n、4491m)左の尖がりのナーデルホルン(Nadelhorn、4327m)と4000m超の山々が揃う。
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その右には、左からブルネックホルン(Brunegghorn、3833m)、鞍部を経てビスホルン(Bishorn、4153m)、右の高峰ワイスホルンと続く。
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歩く左手には、左のリンダーホルン、中央奥のアルテルス、右の白いバルムホルンがそろって見えてくる。うれしいことに、空はずっと快晴のままだ。
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南方向、ゲンミ峠のはるか向こうにはヴァリスの名峰が揃う。まずは、左にダン・ブランシュ、手前にすっぽりと重なるグラン・コルニエが見える。手前の黒い尾根のピークはレ・ディアブロン(Les Diablons、3609m)が大きくみえている。
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その右手は、左から三角の鋭峰モンブラン・ド・シェイロン、右手前の黒いピークはベック・ド・ボソン、その左奥にはラ・ルイネット(La Ruinette、3875m)、右奥のギザギザはルージュ・ダローラの針峰だ。
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その右はグラン・コンバン(Grand Combin、4314m)の山群が巨艦のような姿を見せている。手前の黒茶の台形の山はラ・マーヤ(La Maya、2916m)ですぐその向こう側は、エランの谷(Val d’Herens)になる。
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ついでモンブランの山塊と続く。左端の黒い山はグラン・ジョラス(Grandes Jorasses、4208m)だ。
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左側のシュテークホルン、グロスシュトルーベルも近く大きく見えてくる。
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リンダーヒュッテの出発から約50分登ってきた。一番下の建物がリンダーヒュッテの駅、横のピンクの建物はホテル(クローズ中)、左がリフトの上駅などが眼下になった(2690m地点)。
はるか南方向は、ローヌの谷を経てモンブラン・ド・シェイロン、ルージュ・ダローラ、グラン・コンバン・モンブランの大パノラマが広がっている。 -
モンブラン、グランド・ジョラス方面の遠望拡大。
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左のピーニュ・ダローラから白いラ・セルパンティーヌ、モンブラン・ド・シェイロン、少し手前の黒いベック・ド・ボソン、針峰群のルージュ・ダローラ、グラン・コンバンが遠望できる。左手前は大きく口を開けたイルグラーベンだ。
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さらに左の遠望拡大。ダン・ブランシュ、重なるグラン・コルニエ、懸垂氷河を持つポアント・デ・ムルティ(Pointe de Mourti、3564m)、その右奥はブクタン(Bouquetins)山群の鋭いピークが続く。
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その右は、ダン・ド・ベルトール(Dents de Bertol、3524m、3547m)の2つのピークを経て天を刺すエギュイーユ・ド・ラ・ツァ(Aiguille de la Tsa、3668m)、ジェネヴォア(Genevois)ペロック(Perocc)山群と連なる。手前の右下がりの山並みはポアント・デ・ナヴァ(Pointe de Nava、2768m)連峰、稜線の右下部にホテル・ワイスホルンが米粒のように小さく見えている。右手前の丸いピークは2011年に登ったレ・トゥーノ(Le Tuono、3018m)だ。
参考:トゥーノへ登った2011年の記録
http://4travel.jp/travelogue/10586772 -
さらに高度が上がってくると見える山々の様子がより詳細にまた身近に感じられる。リンダーホルン、アルテルス、バルムホルンの3山も山肌を大きく見せて、山容が大きく見えてくる。コースの周辺に残雪が見え始めている。
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バルムホルンの右手前には黒茶の丸みを帯びた山が見える。おそらくフェルデンロートホルン(Ferdenrothorn、3180m)と思われる。とすればこの山の右下にはレッチェンパス(L ö t s c h e n p a s s、2690m)があるはずだ。このパスには過去2回行っている。
参考:レッチェンパスの過去2回の記録
2013年 https://ssl.4travel.jp/tcs/t/editalbum/edit/10799198/
2014年 https://ssl.4travel.jp/tcs/t/editalbum/edit/10933662/ -
出発から約70分で2890m付近を通過する(10:07)。残雪が広がる丘陵が目の前に横たわっている。雪の深さは20〜30cm程度だが、傾斜が緩いのでさほどの苦労はいらないが、距離は結構ありそうだ。ロープウェイ乗り場で聞いた「山頂付近は積雪50cm以上」という言葉が頭をよぎる。
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振り返って出発点と大パノラマを眺める。空には一点の雲もなく最高の天気でとてもうれしい。
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15分掛かって残雪帯を通過できた。すると今度はザレた急斜面のコースをジグザグに登るようになる。風がとても強くなってきた。
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ジグザグに登るので左右の眺めに変化が大きい。真下に登ってきたルートが見える。駅舎、ホテル、リフト上部駅などが直線的に並んでいるのが分かる。積雪は見る限り大丈夫そうだ。
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右手の尾根越しに変化に富んだ山々が見える。左から、白い名峰ワイスホルン、天を刺す尖峰チナールロートホルン、へら状に見えるマッターホルン、ダン・ブランシュと素晴らしい山々が勢ぞろいだ。
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さらに登るとワイスホルンの左側も景観が広がってくる。左はドムを中心としたミシャベル山群、黒い岩の右奥にはモンテローザ、リスカム、少し手前のピークはブルネックホルン、そしてワイスホルンと続いている。
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ミシャベル山群の拡大。中央に高く主峰ドム(Dom、4545m)、右にテーシュホルン(T ä s c h h o r n、4491m)、左の尖峰はナーデルホルン(Nadelhorn、4327m)、すぐ右はシュテークナーデルホルン(Stecknadelhorn、4241m)、その右はホーベルクホルン(H o b ä l g h o r n、4219m)、手前に重なる黒い山はディッルホルン(Dirruhorn、4035m)だ。左端はバルフリン(Balfrin、4796m)、すぐ右の白い三角ピークはウルリヒスホルン(Ulrichshorn、3925m)だ。ともかくミシャベルは4000級の山々が密集していてもったいない気がする。
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もう一度ワイスホルンからダン・ブランシュまでの素晴らしい山並みを眺める。
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マッターホルン(Matterhorn、4478m)のズームアップ。ツェルマットから見える鋭いピークと違って、こちらの姿は「おっとりとぬうっと」しているようで面白い。左の2番目に高いのがオーバーガーベルホルン(Ober Gabelhorn、4063m)、手前の大きな山はチナール村に近いレ・ディアブロン、その右の低く黒いピークはベッソ(Besso、3668m)だ。
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こちらはミシャベルの西対岸にある高峰、右からワイスミース(Weissmies、4017m)、ラッギンホルン(Lagginhorn、4010m)、フレッチホルン(Fletschhorn、3985m)の3山だ。ミシャベルと対峙するような形で存在感も大きい。下の谷はサースタール(Saastal)になる。
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南方向に見える左のモンテローザ(Monte Rasa、4634m)と右の銀の鞍と呼ばれる白いリスカム(Liskamm、4521m)。絶好の好天の下、こうした山々が遠望できる喜びはとても大きい。
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バルフリン、ミシャベルからモンテローザ、ワイスホルンまでの遠望。一同に会した山々はアルプスの醍醐味を伝えてくれている。
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山頂直下までやって来たが、心配した積雪はほとんどない。間違った情報で余分な心配をしてきたが、実際の登行にはほとんど雪の影響はなかったといえるだろう。ケルンを入れてアローラ方面の山並みを見る。中央の大きいグラン・コンバンと針峰のルージュ・ダローラが一番に目立っているようだ。
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同じくケルンと共にワイスホルンからマッターホルン、ダン・ブランシュまで眺める。
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西方向にはレ・ディアブルレ(Les Diablerets、3210m)が氷河を持って横たわる。
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快晴の素晴らしい青空の下、前後左右の眺望を楽しみながら登ってきて10:47にトレントホルン(Torrenthorn、2998m)の頂上に到着した。リンダーヒュッテ出発から1時間47分だった。頂上に着くとこれまで見えていなかった東、北東方向の眺めが一気に飛び込んでくる。すなわち、レチェンタール方面、さらに遠くベルナーオーバーランドの山々も見えてくる。ピークには大きな十字架があって目印となっている。
このあとの記録は、(その2)で記載いたします。
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この旅行記へのコメント (3)
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- とらいもんさん 2016/09/25 08:04:24
- スイスアルプス
- おはようございます。
朝から、素敵な山々をはいけさせていただきました。
ありがとうございました。
壱番大好きな山の名前「グランジョラス」がよく見えないのが残念でした。
感謝です。
- ロク69さん からの返信 2016/09/25 11:48:57
- RE: スイスアルプス
- とらいもんさん
こんにちは、ご無沙汰しております。
早々にご連絡を頂ありがとうございました。
毎年夏のスイスハイキングは、我が家の恒例行事となりました。
今夏のカンデルシュテーク滞在はあまり天気に恵まれませんでしたが、最終日のトレントホルン遠征では一気に鬱憤を晴らすような好天気でした。
360度の眺望を楽しむことができて、おおいに喜んでいます。
モンブランやグランジョラスは遠いので写真ではかすみ勝ちになりますね。
でも見えたことに喜びを覚えます。
とらいもんさんは、最近は国内各地を精力的に旅されておられるようですね。
これからもお元気で楽しい旅をされることを祈っております。
ありがとうございました。
ロク69
- とらいもんさん からの返信 2016/09/25 11:58:54
- RE: RE: スイスアルプス
- お返事頂き嬉しいです。
現在は「FB]にはまってます。
フォートラベルに投稿できる内容がないので、お休み中です。
しかし、毎日拝見してます。
では、お元気で。
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