グリーンランドの世界自然遺産の町イルリサットを訪問

2016/08/13 - 2016/08/16

グリーンランドは世界最大の島で世界地図では目立っています。大部分が北極圏にあり、氷に覆われ、人口も極端に少ないデンマーク領です。地球温暖化の影響で氷河が後退していることがTVなどで報道されています。不便な場所ですので多分訪れることはなかろうと思っていましたが、昨年アイスランドを訪問した際に（https://ssl.4travel.jp/tcs/t/editalbum/edit/11049378/）、首都レイキャビクからグリーンランド・ツアーがあることを知りました。申し込んでみました。「Greenland getaway from Iceland」というツアーでグリーンランド西岸のイルリサット(Ililissat)を３泊４日で訪問します。この町は2004年に世界自然遺産に指定されています。人数限定で結構な高価格ですが、夫婦で参加することにしました。

支払いを済ませると出発の１カ月程前に、航空便チケット、ホテルクーポン、現地ツアーチケットなどがメール添付で送られてきました。集合場所や集合時間などの指示は全くありません。チケットやクーポンがあれば何とかなるだろうと軽く考え、まずは出発地であるレイキャビク国内空港に行ってみることにしました。

エリア その他の都市(グリーンランド)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 徒歩
• 航空会社: アイスランド航空
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行なし）

８月１３日
前泊をレイキャビク国内空港に付属したホテル(Icelandair Hotel, Reykjavik Nature)としました。空港出発ロビーが徒歩圏内であろうとの推定でこのホテルを選びました。しかし先の旅行記(https://ssl.4travel.jp/tcs/t/editalbum/edit/11165275/)に記しましたが、ホテル直近の空港施設は貧弱で出発ロビーと違うのではないかと感じました。そこでホテルフロントに念のため確かめたら、案の定、ホテルから2km程離れた反対側が国内空港の出発ロビーとのことでした。とんでもない思い違いをしていました。何故出発ロビーから遠く離れた不便な場所に航空会社ホテルを作るのか？、と苦情を言いたくなりました。時間も迫っていたので急いでタクシーを呼んでもらって、出発ロビーに移動しました。
出発時刻１時間程前でしたが、写真に示すように人影がまばらです。？？？　飛行機の出発が１時間程遅れることがアナウンスされました。

レイキャヴィーク空港 (REK) 空港

１時間半程待って、やっと搭乗口への案内が始まりました。ツアーの添乗員や案内人は見当たりません。航空便チケットがありましたので、航空便に搭乗することにしました。

レイキャヴィーク空港 (REK) 空港

航空機搭乗のセキュリティー・チェックを終え、待合室で搭乗を待ちます。待合室は狭くて椅子の数も足りません。もう少しで搭乗です。我々も含めて多くの乗客が立って待っていました。すると航空機の出発が更に１時間遅れるとのアナウンスがありました。合計２時間遅れです。
ツアー案内人もいませんので、どうなることやらと気になりましたが、いまさらジタバタしても仕方がありません。写真は待合室に隣接した免税ショップです。アルコール類が多数販売されていました。グリーンランドは寒いのでアルコール消費量も多いのかなと思いました。

レイキャヴィーク空港 (REK) 空港

予定時刻より２時間以上遅れてやっと搭乗です。この飛行機でグリーンランドに向かいます。プロペラ機です。目的地のイルリサットまで約４時間です。

レイキャヴィーク空港 (REK) 空港

機内の様子です。ほぼ満席ですが、チラホラ空席もありました。

グリーンランド上空から見た景色です。氷と雪に山々が覆われています。プロペラ機なので、ジェット機よりも低空を飛行しますので下の様子も良く見えます。

目的地のイルリサット(Ilulissat)空港が近づいてきました。飛行機の車輪が出てきました。間もなく着陸します。海面には流氷が浮かんでいます。

イルリサット空港です。歩いて空港ターミナルに移動します。快晴です。空気がきれいなためか、陽射しを強く感じます。

イルリサット空港 (JAV) 空港

イルリサット空港入り口です。宿泊するホテル(Hotel Arctic)のバスが迎えにきていました。バスでホテルに移動しました。空港から５分程の距離です。

イルリサット空港 (JAV) 空港

ホテルのフロントです。名前を伝えると、部屋の鍵を渡してくれました。ツアーコンダクターは現れませんでしたが、宿泊手配はされていました。
チェックイン後にツアー会社の職員が現れ、今後のスケジュールの概要を説明してくれました。でもツアーに同行してくれる訳ではありません。チケット等を手配してくれるだけのようです。日本人が想像するツアーとは大分異なる形式です。予定時間、集合場所に間違いなく自己責任で集まることが必要です。独自行動が求められます。

ホテル アークティック ホテル

ホテルの部屋からの景色です。目の前に海があり、流氷が浮かんでいます。空気が澄んで快晴です。珍しい景色が広がっています。

ホテル アークティック ホテル

ホテル周囲を歩いてみました。正面に見えるのが宿泊しているホテルです。

直ぐ近くに港があります。この港から氷河観光などのボート・ツアーが出発します。

今夕は屋外バーベキューでした。レストランのベランダで火を焚いて、肉、魚、エビなどが調理されました。野菜、果物、デザートも豊富で、リッチな夕食です。ベランダで食事もできますが、レストラン内に料理を持ち込んで食べることができます。
食後にレストラン内から見た外の景色です。氷山や流氷が見えます。夜８時を過ぎても結構明るいです。

ホテル アークティック ホテル

８月１４日
朝食時のレストラン内の様子です。本日は午前7:00am出発の氷河ボートツアー（Eqip Sermia Glacier）に参加しますので、早めの朝食です。ボートツアーは往復10時間、現地滞在２時間を含めて合計12時間の予定です。

ホテル アークティック ホテル

ビュッフェ形式です。野菜、フルーツも揃っています。

ホテル アークティック ホテル

早めに朝食を済ませると、ホテル前から送迎バスに乗車し、町中の集合場所に向かいます。ここが集合場所です。次々と人が集まってきました。揃ったところで、バスで港まで行って船に乗り、氷河観光ツアーに出発します（氷河観光ツアーhttp://4travel.jp/travelogue/11168542）。

８月１５日
イルリサットの町を観光しました。ホテルからの眺めです。空気が澄んでいるためか、遠くの景色もクッキリと見えます。流氷、青い海、苔むした岩山に囲まれた港の景色は、別世界です。左手が港で、船が出入りしていました。

流氷が見えます。陸は岩石だらけで、樹木はありません。苔が生えている程度です。岩石群の中に歩道があり、宿泊客が散歩を楽しんでいました。

イルリサットは人口4000人ほどのグリーンランドでは比較的大きな町です。古くから人が住んでいたことが知られており、世界自然遺産に登録されています。ここはイルリサット氷河を見学可能なトレッキングコースの出発点です。途中に、昔の居住跡（Sermermiut, the abandoned settlement）もあります。現地観光ガイドの案内でトレッキングに出発です。

墓地です。白い十字架が見えます。ガイドの説明では、青い十字架もあるがそれらは狩り等に出て戻らなかった人の墓標だそうです。また、イヌイット伝統では亡くなった方の名前を次に生まれた赤ん坊が引き継ぐ風習があるそうです。引き継いだ多くの名前を持つ現地の方も多いとのことでした。

トレッキングコースの出発点の案内看板です。木製の歩道が整備されています。ガイド説明では車いすでも大丈夫とのことでした。

途中でガイドが説明してくれます。グリーンランドでは１m程土を掘ると永久凍土になるそうで、古くから住居がこの辺りにあったことが分かるそうです。現在は苔むしたゴツゴツした岩に覆われた原野が広がっているだけで、住居跡らしきものは見当たりません。

木製歩道を進むと、前方に氷河、流氷が見えてきました。

トレッキング路に沿って進むと、目の前に広大な氷原が広がっていました。イルリサット氷河です。雄大な眺めです。

日に照らされて、氷河が輝いて見えます。気温は数度Ｃ程度でしょうか。そんなに寒くありません。

光入射方向の違いで、氷河の見え方も異なります。

目の前に迫る氷河を見る観光客。晴天で空気も澄んでいるので、氷河の迫力が迫ってきます。

岩場に植物は殆どありませんが、場所によってこのような低木植物が生えていました。

岩石は苔に覆われているものもあります。

氷河見学トレッキングを終えて、イルリサットの町に戻ってきました。流氷を背景にした海岸に建つ教会で、町のシンボルです。

博物館（クヌート ラスムッセン博物館）です。教会から200m程の場所にあります、

博物館入口にあるクヌート ラスムッセン像です。極地探検家で人類学者でもあったとのことです。

博物館内部です。現地の人が動物の骨を削って作った小さな像や矢じりなどが展示されていました。

漁業で使われたモリや物資を運ぶためのソリ等も展示されています。

絵画展示もありました。昔の光景ですが、現在と大きな違いはないようです。海岸には教会が見えます。

博物館の外にもソリなどの生活用具が展示されています。外の景色は、流氷の位置は違いますが教会などの建物は先に見た絵画とほぼ同様です。

グリーンランドの昔の住居が再現されていました。岩と土で家が覆われています。アイスランドや北欧でもこの様式の住居が見られます。冬の寒さを防ぐ手段でしょう。

住居の中の様子です。

町中を散歩すると、美しい花が咲いていました。

白いのはワタスゲでしょうか。向こうに教会が見えます。

教会から見た海岸風景です。すぐ近くまで流氷が来ています。

町中を散歩してみました。スーパーマーケットです。多種類の果物が売られていました。価格は高くありません。アイスランドとほぼ同程度です。多分デンマークから船で運ばれてきていると思います。

野菜類も結構豊富です。日本のスーパーの品揃えと大差ありません。

メロンやスイカも販売されていました。

町中のガソリンスタンドです。イルリサット唯一のガソリンスタンドと思われます。

ガソリンスタンドの隣にパナソニックショールームがありました。中には多種類の家電品や音響機器が展示されていました。メイド・イン・ジャパンの専門店がグリーンランドにあるのには多少驚かされました。

幼稚園です。多くのちびっ子が校庭を走り回っていました。

港の近くにあるイルリサット・アート美術館です。入場券は博物館とセットになっています。

昔のイルリサットの冬の情景を描いた絵画です。厳しい環境のなかで生活している様子が描かれています。

別の絵画です。

工芸品も展示されていました。

セイウチかアザラシの骨を活用した工芸品です。

ユーモラスなスタイルの像です。

比較的新しい絵画です。グリーンランドの雰囲気が良く表現されているように思います。

宿泊ホテルの夕食ビュッフェです。魚の刺身や寿司もありました。魚やエビは近くの海で捕れたものと思われます。ワサビと醤油もありました。刺身は美味しかったけど、寿司はいまいちの味でした。具は良いけど米がネッチリ糊状で、和風の寿司ではありませんでした。

ホテル アークティック ホテル

グリーンランドで醸造された地ビールです。サッパリとした味わいのビールでした。麥はグリーンランドでは育たないので、原料を海外から持って来てこの地で醸造が行われていると思われます。この他、ホテル(Hotel Arctic)醸造のビールもありました。輸入ワインよりもビールがお勧めです。

ホテル アークティック ホテル

ビュッフェではコックさんが肉をその場で調理してくれます。アザラシ肉もありました。
これから流氷観光のサンセット・クルーズに参加します。夜８時出発の２時間程のボート・クルーズです（http://4travel.jp/travelogue/11168660）。

ホテル アークティック ホテル

夜１１時過ぎにホテルの部屋から見た景色です。日没後の薄明かりの中に浮かんでいる流氷が見えます。８月半ばは白夜ではありませんが、直ぐに日が昇りますので遮光カーテンを閉めて一寝入りです。

ホテル アークティック ホテル

８月１６日
翌朝です。これからホテルをチェックアウトして空港に向かい、昼過ぎの便でレイキャビクに向かいます。遅めの朝食です。

ホテル アークティック ホテル

ホテル入口です。寒さに備えた作りになっていました。

ホテル アークティック ホテル

ホテル前です。ここからホテルのシャトル便で空港に向かいます。

ホテル アークティック ホテル

イルリサット空港の待合室です。出国審査、セキュリティー・チェックはありませんでした。航空券とパスポート確認があるだけで、搭乗機に向かいます。

イルリサット空港 (JAV) 空港

これが搭乗する飛行機です。

イルリサット空港 (JAV) 空港

離陸しました。何もない岩場と流氷が見えました。

グリーンランドは居住地区以外には家も人影も動物も見当たりません。岩場の荒涼たる光景が広がっています。

飛行機は徐々に高度を上げ、レイキャビクに向かいます。荒涼たる光景です。

機内の様子です。

シートカバーにレンタカー会社の宣伝がありました。レイキャビク国内空港でこのレンタカー会社に予約してある車を借りる予定です。「航空機を降りるとレンタカーへの速やかな乗り換えができ、皆がニコニコの満足顔」になります、と書かれています。

レイキャビク国内空港に着陸します。グリーンランドとは全く異なる風景です。天候もグリーンランドは晴天続きでしたが、アイスランドは曇っていました。夕方の７時過ぎです。

着陸しました。出発時と同じ場所です。航空機を降りて空港ターミナルに向かいます。荷物を受け取って、空港内にあるレンタカー会社のカウンターに行きます。車が準備されているはずです。

レイキャヴィーク空港 (REK) 空港

レンタカー会社のカウンターです。誰もいません。???? カウンターに電話機があり、不在時には電話するようにと書いてあります。電話してみましたが、故障で通じません。今夕のホテルは空港から60 km程先で、レンタカーが無いとどうにもなりません。困りました。

空港にいたAir-Icelandの職員に事情を話したら、航空会社の電話をレイキャビク市内にあるレンタカー会社の事務所に繋いでくれました。親切な方に巡り合って、大変助かりました。電話で担当者に空港に来てくれるように頼みました。「少しだけ待ってくれ」とのことでしたが15分程でレンタカー会社の担当が現れました。車は既に準備できていました。これで宿泊予定のホテルに向かうことができます。思わぬトラブルで不安を感じましたが、車を借りることが出来て一安心です。国内空港なので、レンタカーの利用者が多くないことも関係しているかも知れません。海外でレンタカーは度々利用していますが、初めての経験でした。

３泊４日で訪問したグリーンランドは別世界でした。４日間とも快晴でした。氷山や氷河なども含め珍しい景色を楽しみました。他の観光地ではとても体験できないような強烈な印象が残った旅行でした。ツアー価格は結構高かったけど、十分な価値があったと思います。

レイキャヴィーク空港 (REK) 空港