2016/05/05 - 2016/06/03
7位(同エリア28件中)
スタリモストさん
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最後の訪問地のタブリーズ。世界遺産のバザールはとてつもなく広く、まさに迷宮だった。この街でもイランの人たちから親切を受け、様々なことを語り合った。
5月の1ヶ月イランにいた。アメリカの経済制裁が解かれたことや、アライバルビザが30日に延長されたことがイラン行きの背中を押した。
善意溢れるイランの人たちに支えられ、イランを南から北に縦断した。今までそれなりに海外旅行を重ね、現地の人たちの親切に出会ってきたが、今回イランで受けたような明けすけな歓迎や援助は経験がない。
絢爛たるペルシャの至宝、輝くモスク、賑やかなバザールとともに、親交を結んだイランの人たちが深く心に刻まれた。
※イラン通貨Rls(リアル)を日本に直すにはRlsを310で割る。
■旅程
5/5関空発→6.7.8シラーズ→9バンダル・アッバース→10.11バム→12.13ラフサンジャン→14.15.16ヤズド→17.18エスファハーン→19.20カーシャーン→21ゴム→22.23.24サナンダジ→25.26ウルミエ→27.28.29マークー→30.31タブリーズ→6/1.2テヘラン→6/3関空着
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□26日目(5/30)
ホテル前からマークーのバスターミナルまでの乗合タクシーの運賃は1人10.000Rls・・35円ほど、これはイランで利用したタクシーの中では最安値だった。
ターミナルでバスの発車時間を待っていた時のこと・・妻が何処かに消えて戻ってこない。探しに行ってみると、レストランで腰かけてチャイを飲んでいる。「ここのマスターに声をかけられて、チャイをごちそうになっているの・・」と。レストラン経営者が無償で売り物を提供するなんて(^^;)。一本の胡瓜と一個のタマネギの代金を受け取らない八百屋の店主もいたけれど(^_^)v。
日本のことに興味を持った彼のためにアイパッドミニで私たちの写真を見せた。・・・見せるのはこれで何回目になるだろうか。
(※私たちの写真・・今回のイラン行きのために編集して入れておいた・・日本の四季、社寺、和装結婚式の様子、家族の写真、東京等々) -
バス(110.000Rls )は、タブリーズのバスターミナルに4時間後に着いた。ここのターミナルはなかなかでかい。
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タクシー(100.000Rls )で Hotel MORVARID(1180.000Rls)に。
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ゴレスターン広場近くのクラシカルなホテルだ。
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さっそく、この街の名所バザールに出かけることにした。
※記念碑は「絨毯」・・タブリーズの絨毯は、品質管理が行き届き上質と言われている。 -
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「i」で街のmapをもらうことにした。
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「i」では「・・歩き方」にも掲載されていたナーセル・ハーン氏が出迎えてくれた。彼はしきりと「キャンドヴァーン村ツアー」を勧めたが、カッパドキアには行ったことがあったので、興味はなく断った。「両替も出来るよ・・」と言うのでお願いすると、電話で両替商を呼んでくれた。イランではカードが使えなかったので、ユーロとドルを多めに持ち込んでいたが、最終局面なのでリアルRlsを残さないように計算し・・150$分(=5100.000Rls)両替した。これで今の所持金と合計して帰国までしのげるだろう。
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当地のバザールは世界遺産にも登録されていて、1000年以上の歴史を有し、中近東の中でも有数の規模を誇るだけあり、回廊が縦横に走り7000余の店が軒を並べ、キャラバンサライやモスクも併設されていた。
あちこち見て回ったものだから、不覚にも入った正面入口に戻れなくなってしまった。まさに迷宮に迷い込んだような感じだ。 -
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タブリーズ・バザールは複数の専門バザールの合体だ。
絨毯屋が軒を並べる「モッザファリーエ・バザール」や宝飾品を扱う「アミール・バザール」などとエリアが分かれている。 -
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いい顔して写真に収まってくれる。
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絨毯絵画・・見事な出来映え。
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「アミール・バザール」宝石商のブースが並ぶ。
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大きな木戸が歴史を感じさせる。チャイハネ営業中・・
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世界遺産の中で果物を商う・・ゴージャス
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コーラン、宗教書を扱う書店。ぼかしを入れて雰囲気を演出・・・
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荷車が行き交う。
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イランらしいお店・・・
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チャイの必需品・・口に含みチャイを流し込む。
日本の角砂糖とは別物。 -
バザールの中庭
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バザールを出て北側に回ると・・
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ローカルないかにもB級グルメぽい料理に目がとまり食べてみた(100.000Rls)。ラヴァーシュ(薄焼きパン)に野菜と羊肉を炒めたものを挟んで食べる。・・美味しいとは言いがたいが不味くもなかった。その他にも茹でたジャガイモと卵を潰してパンに挟んで食べる料理も食べてみたかったが、機会を逸した。
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ホテルに帰る途中、男から片言の日本語で話しかけられた。「ジャパン スティ ワーク」と、どうも日本で仕事をしたことがあるようだ。久しぶりに聞く日本語がよほど懐かしかったのか、ぜひチャイをご馳走したいと、近くのファーストフード店に誘われた。
自分の分は頼まず、私たち2人分のチャイが出された時は、彼の今の暮らしぶりがしのばれて申し訳なく思ったが、これも成り行きだ。
バイクで配送業をしていると言う55歳の彼、「トウキョウ アルミ コウジョウ。・・ナウ ノービザ、、アナタ、ナマエ、アドレス、ノープロブレム、、」と。今の困窮から抜け出たいのか、身元引受人になってくれたら、再び日本に行ける、、そしたら生活が楽になる。とでも言いたげで、ちょっと切なくなった。
今の日本、かっての高度経済成長期のような勢いはなく、若者も仕事につけない厳しい現実があることを伝えておいた。
チャイのお礼に、持ち歩いていた絆創膏のセットを渡した。ちょうどバイクで転倒した際の擦り傷が癒えないようで喜んでくれた。
私たちとの30分ほどは、彼にとって東京で過ごした夢多き青春の一ページを回想する、かけがえのない時間になったとは思う。
硬い握手をして別れた。
※イラン・イラク戦争の後、イラン政府は復員した兵士の雇用を促がすため海外への「出稼ぎ労働」を奨めた。当時日本はバブル経済期であり、しかもビザなし入国が可能であったので、1990年頃には多数のイラン人が来日した。
しかし、偽造テレフォンカード事件などイラン人がからむ違法行為が頻発し、1992年、ビザ免除協定は停止された。 -
□27日目(5/31)
ホテルから歩いて「アルゲ・タブリーズ」に出かけた。
アルゲ・タブリーズは、モンゴル人の侵攻を食い止めるため13世紀にイルハン朝時代に造営された城塞だ。ここだけにポツンと一部が残されている。往時の隆盛が偲ばれる堂々とした佇まいだった。 -
アルゲ・タブリーズを後に絵はがきを出すために郵便局に向かった。
そのために、地図見ながらホテルで聞いておいた郵便局の位置を確かめていたら、「May I help you?」の声がかかった。※イランでは地図を広げていると、ほぼ100%声がかかる(^_^)v。
20歳台後半のDは、「ここから郵便局へは歩いていくには遠いです。車を近くに停めているので、送ります。」「私は夜勤明けで時間はたっぷりありますから。」と申し出てくれた。
熱心に勧めてくれるものだから、固辞するのも悪い気がしてお願いすることにした。 -
※Dの車に向かう途中で・・ワイン樽に見えてしまう。アルコールが恋しくなった。
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伝統的邸宅も残されている。
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確かに郵便局までは遠くて、歩いて行けば30分以上確実にかかっただろう。
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とても大きな郵便局。
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彼は局内に一緒に入ってきて、妻から絵はがきを受け取るや、窓口を特定し手続きを済ませ郵便代金まで払ってくれた。私たちは彼の後を追うのが精一杯だった。代金を渡そうとすると「値段はしれていますから、問題ありません。」と言って受け取ろうとしない。
その後Dは、「マスジェテ・キャブード」まで送り届けてくれて、おまけに「夜に、ホテルに迎えに行きますから、街の名所の『エルゴリー公園』に案内します。」と。この申し出は丁重に断ったが・・・。
降り際、妻はコレクションしていたジャパネスクなハンカチを、「(恋人はいないようなので)あなたのお母さんに」と、手渡して別れた。
イラン人の旅人をもてなすハートは熱く、そしてピュアだ。ありがとうD!! -
「マスジェデ・キャブート」(ブルー・モスク150.000Rls)に入った。
15世紀にレンガを積み上げて作られた歴史あるモスクだが、度重なる地震により大半のタイルが落下している。赤土色の外観はブルー・モスクとは言いがたいが、遺跡感は漂う。 -
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マスジェテ・キャブートに隣接している公園で休むことにした。
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※12Cの詩人ハーガーニーの像
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27歳の青年が話しかけてきた。彼はロボット工学に興味があるものの、イランでは学ぶ機会がないので、近い将来トルコの市民権を得て、その後アメリカに渡りたいのだと語る。「NASAでは多くのイラン人が活躍しています。私もアメリカで学びたいのですが、直接には渡米できません。まずTOEFLを受け、それからトルコに渡るつもりです。ハードルが高い道のりですが、夢を実現するためには、それがベストだと考えています。」と・・。
「イランには自由がない。」とも・・。そう言えば、イランでの生活を捨て、オーストラリアへの移住によって活路を見出そうとする青年にも旅行中に出会っている。
「宗教戒律のしめつけがイランの発展を妨げている。」と言った青年もいた。
現イラン政権に絶望し、海外移住を考えている若者たちが多くいることを実感した。 -
バザール正面入り口近くでランチ。ハンバーガーの写真を出している店に入った。
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ピザ(ドリンク付き130.000Rls)をオーダー。この店、とても繁盛していてお味もgood!!
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その後、バザール近くのTarbiyat通りに出かけた。
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オシャレな店舗や彫刻が出迎えてくれた。
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明日は、帰国にむけてテヘランに戻る。
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