渋谷辺りの気になる建物　ー　1

2016/07/11 - 2016/07/11

渋谷駅から直ぐのところに以前から気になっていた建物があります。行って見ると、ミキプルーンで有名な三木商事の東京支社でした。近くのクロスタワー20階に用事があったので、20階から見下ろしたのですが、建て込んでいるために今ひとつ全体図が分かりませんでした。坂が多い地形の角地に建つ、とてもユニークな建物です。1985年3月に竣工し、設計は竹中工務店の永田祐三です。竹中工務店から独立して、1991年11月に南紀白浜に「ホテル川久」を設計しました。総工費400億という贅を尽くした建物でした。1階ロビーフロアだけでも、1500平方mあり、40億掛けて内装をしています。この2年後に、この建物で第6回村野藤吾賞を受賞しています。しかし、バブルが崩壊し、1995年にホテルは倒産し、その後、北海道カラカミ観光が30億で買取し、現在に至っています。HPで見ると、永田祐三さんの設計がそのまま残っているようです。いつか見に行ってみようと思います。
そこから六本木通りを青山方向へ歩いて行くと、完成間近の日本コカコーラのビルが見えて来ます。老朽化のため、解体されて、どんなビルになるのかと楽しみでしたが、ちょっと面白いビルになっていました。

エリア 渋谷(東京)

• 旅行の満足度: 4.0

• 交通手段: 徒歩

六本木通りを挟んで、向かいのビル20階から見ると、こちら側の2面は傾斜のある壁面煉瓦タイルの外観で、銅板の変形屋根とその上に建つ煙突状の楕円柱は何でしょうか？空調機や給水タワーは地下でしょうから...

通りから見ても、ちょっと変わっているなぁ、と誰もが思うでしょうね。永田祐三さんは、この他、大阪四ツ橋の長瀬産業ビル新館、大阪北浜の光世証券本社ビル、松蔭学院チャペル...

正面玄関です。

傾斜面の外壁に使われているのは、20万個を越える手はつり煉瓦タイルです。この道路に面した2面には窓が殆どなく、縦長の小窓が何ヵ所ある程度です。手はつりとは、手作業で一つ一つ削って、厚みのある、様々な表面を作り出すもので、手間が掛かります。一方、機械はつりだと厚みのないタイルとなってしまいます。この写真でも分かるように凸凹具合が其々異なっています。これが手はつり煉瓦タイルの素晴らしいところです。

煉瓦タイルの焼成方法には、酸素濃度の違いで酸化と還元の2種類があります。煉瓦の生産技術としては、手はつり、テッセラ（割り肌、強還元焼成したもの）、粗面（ワイヤーカット）など様々なものがあります。

室内は恐らく、建物頂上に付いた煙突状の筒から採光されているのではないでしょうか。窓がないと息が詰まるでしょう...

玄関入口の外壁仕上げも左右異なり、右側が石材でスロープ状になっています。

隣接するビルとの間に僅かな空間があり、その面には幾つかの窓があるようです。

1階の駐車場

駐車場上に細長いの窓が開いています。影で三角形のように見えますが。

外壁が分厚いので、随分縦長の窓ですね。

玄関のステップ

左隣のビルとの空間には、非常階段が付いています。

ここから日本コカコーラの新社屋です。

歩道が狭いので、上を見上げるとガラス壁面とコンクリート壁が迫っています。

地上7階、地下1階での新社屋は、設計＆施工は大成建設です。

こちら側は常陸宮邸に面しています。

左端が非常階段になっています。

まだ工事中なので、空調でしょうか、窓ガラスから大きなダクトを出しています。今、内装追い込み中で、大変そうです。

六本木通りの角地には、電光掲示板らしきものがあり、完成後には、色んなコマーシャルやお知らせが表示されるんでしょうか。渋谷行きのバスからよく見えますからね。

全体を撮るには、ここまで下がらないと駄目なのですが、信号の所にある派出所が邪魔ですね。

向かい側からだと高速道路が視界を妨げるので、難しい位置にあります。