観光客のいない有名観光地1 車でナイル川遺跡めぐり (Deserted desert tourist spot, Nile river)

2016/04/23 - 2016/04/24

2016年4-5月にエジプトに行ってきました。エジプトもずっと昔から行ってみたかった所のひとつですが、テロの不安からなかなか決断ができませんでした。エジプトのテロは現在のISが登場する以前の1990年代から起きており、今に始まったことではありません。しかしルクソール周辺のその当時の外務省の勧告は「レベル１：十分に注意してください」、行ける時に思い切って行ってみることにしました。詳しく調べると小さな事件は毎日の様に起きており不安になりますが、カイロは2000万人が暮らす大都市、テロに当たる可能性は宝くじにあたる程でしょう。テロさえなければ人は親切で物価もすごく安くて良い国なんですけどね。

2週間のエジプト・ヨルダン・イスラエルの旅の最初の旅行記は、ルクソール＆ナイル川流域編です。

エリア ナイル川流域(エジプト)

• 旅行の満足度: 4.5

• 交通手段: タクシー

ドーハからルクソール行きのカタールエア。乗客の80%は中国人。5月の中国連休前だからの様。日本でもそうですが、日本人は見かけません。中国人が多いのは世界どこでも、エジプトも例外ではありません。

窓から見えるのは一面の砂漠。紅海を超えて、いよいよエジプトの上空へ。

エジプトに入っても砂漠が続きますが、緑が見えてくるとナイル川が突然現れます。暫くするとルクソール Luxorに到着です。エジプトビザをルクソールの空港でUS$25で買えます。金曜日の仕事後に出発して、土曜の朝9時にはエジプトに到着です。

ルクソールの中心部までタクシーで50ポンド。カフェで朝食です。ルクソールは誰でも知っている有名観光地ですが、街中を歩いている観光客は殆ど見かけません。なので、中東らしい雰囲気が残っています。

カルナック Karnak宮殿へ向かいます。馬車で10ポンド。観光客が少ないので、歩いていると勧誘が煩わしいですが、交渉次第では安く移動できます。

カルナックの入口、ライオン達がお出迎えです。驚いたのが、観光客が誰もいない！ここはあのルクソールの最も有名な場所なのに。2015年末に起きたロシア飛行機撃墜事件でヨーロッパからの観光客が激減した為です。入口ではセキュリティチェックがありますが、果たしてテロ防止にどれほど効果があるのかは疑問。

巨大な柱が並んでいます。壁には壁画が残っています。ここは、BC1500ごろ(3500年前)から歴代の王が築いてきた場所です。

昔のファラオ(王)も同じ景色を見ていたのでしょうか。想像が膨らみます。

Hatshepsut女王のオベイスク。高さ30mはエジプト一の高さ。

7番目のパイロンの前にはTuthmosis 3世の像が並んでいます。

この巨大な像はRamses 2世。上記3名の名前はルクソールのあちこちで出てきます。しかし、とても静かでとても暑い。まだ4月ですが日差しが強烈で日陰の道を選んで廻りました。

カルナック入口の建物には、過去の修復の様子が記録されています。修復前はご覧の様子でした。

到着１日目は暑さにやられ、あまり行動することができずカルナックへ行っただけ。あとホテルのプールで泳いでいました。写真のWinter Palaceの別館に泊まりましたが、破格に安い値段でした。この近くには幾つか旅行会社があり、明日からのツアーを予約しました。

ナイル川の夕暮れ。昨日までの忙しい日々が嘘のようなゆっくりとした時間。

2日目、昨日予約したツアーに参加します。最初はデンドラまでの1日クルーズを探したのですが、参加者が少なく今はやっていない様。アスワンまでのクルーズは最低3日必要なのですが、車で行けば同じ場所に1日で行けるので、時間の都合で車で行くことに。これも他に参加者がいないため、プライベートツアーです。値段は700ポンド(US$70)、これは車代、往復500kmのガソリン代、3箇所の遺跡の入場料(計170ポンド)が含まれてです。ガイドブックにはUS$200と書かれていたので、破格の値段。写真は、道路からナイル川のクルーズ船を撮ったところ。

最初に寄ったのがエドフ Edfu。ナイル川沿いはイスラム色が強いですが、ここはその中でも特にその雰囲気。ほぼ全員が伝統的な服装です(カイロでは逆に伝統的な格好をしている人は皆無で同じ国とは思えません)。

エドフのホルス Horus宮殿。両サイドの壁にはファラオが敵を打ちのめしている絵がかかれています。この高さは36m、10階建ての建物以上の高さがあり、圧巻です。こんな大きな建物が2000年以上前に建てられていたとは。当時の繁栄が想像できます。2000年前とは相当古いですが、ルクソールやピラミッドなどエジプトの歴史の中では新しい方であることに驚きです。

ホルスとは、ご覧のファルコンの事。ファルコンの神を称えた場所なのです。古代エジプトでは、他にも色んな動物が神となり、宮殿を建てたり、壁画に描かれています。

中庭にも沢山の柱とそこに埋め尽くす壁画が。

建物の中に入ります。

これといって有名な壁画はないのですが、それでも立派なものでした。他に50人程のクルーズの団体が1組いただけなので、その団体を避ければ静かに見学できました。

更に南下してナイル川の上流を目指します。右側の川沿いは緑がありますが、少しでも内陸に入ると砂漠地帯です。

コムオンボ Kom Ombo宮殿に到着です。写真は脇から見たところ。ここでは他に殆ど人はいなく、独占状態です。クルーズ船はライトアップされた夜に来る様です。クルーズだと人が全く写らない写真をとるのは難しいでしょう。

Ptolemy 7世とそれを囲む神たち(Haroeris, Isis, Raettawy, Thoth)。それぞれの神はあることを象徴いています。例えばIsisは母であり守護者です。テロリストではありません。

Ptolemy 8世とその後ろにいるのがCleopatra 2世(あの有名なクレオパトラではありません)。壁画はここが今日一番良かったです。

ここは左右対称の形になっており、片方がSobek(ワニ)の神、もう一方がHaroeris(これもファルコン)の神に捧げたもの。

少し離れた建物に、この宮殿の主であるワニのミイラが飾ってあります。コムオンボ有名な割には意外と小さかった印象です。1時間ほど滞在しました。

更に南下すると緑は更に少なくなり砂漠が川の側まで近づきます。移動中はガイドブックで次の場所の予習です。このツアー、実はガイドがついていません。ドライバーは全く英語が話せないので、何も訊く事ができません。

アスワン Aswanの町を遠くに見たところ。1日ツアーではアスワンの町を見る時間はなく、ランチを取るだけですぐに出発です。

アスワンを過ぎ更に10km行ったところで、ボートに乗り換え３番目の目的地フィラエ Philae島へ向かいます。正面に見える緑が多いところがそれです。ボート代は別で往復100ポンド、全く値切れませんでした。

これが、Hather宮殿。Hatherの女神は愛や性の象徴です。先ほどのHorusの妻でもあります。確かにこの宮殿もそんなセクシーなデザインです。エジプトなのにどこかギリシャ風でもあります。それは、これが建てられた2000-2500年前は時代はギリシャから渡った王が統治していた為です。今日見た中で一番優雅な感じがしました。

続いて、Isis宮殿まで続く道を歩きます。

Isis宮殿は、どことなくEdfu宮殿と似ており、それを小さくした感じ。迫力ではEdfuの方がすごかった。

内部のサンクチュアリ。良い雰囲気だったのですが、今日１日沢山の壁画を見すぎて、もはやどこで何を見たか記憶が曖昧です。

アスワン旧ダムです。アスワンハイダムは写真が撮れないそうですが(そちらには行っていない)、旧ダムは写真撮影ができます。小さいほうのダムですがそれでも結構大きいです。ダムの上からファラエ島を見ることができます。

この時4時過ぎ。この後、4時間半かけてルクソールへ戻り、夜9時の到着となりました。かなりハードな１日でしたが、エアコンのきいたクルマでの移動だったので、昨日ほどは疲れませんでした。クルーズでのんびりの旅も良いでしょうが、車で移動すると他に殆ど人がいない遺跡を独占できる点ではお勧めです。