2016/06/12 - 2016/06/22
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茶柱タツ子さん
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10日間ほど私は愉しい夢をみていたのだと思う。
これ以上ないというぐらいに、私は夢の中で笑い転げた。笑い皺というのが本当にあるのであれば、私は皺くちゃババアへの道をまっしぐらに突っ走ったはずだ。
いつか夢から醒めなければならないのを知りながら、私の目は今も固く閉ざしたままである。虚脱の海を彷徨いながら、ブータンの空を見上げ、心地良い風を感じ、腕白な子供たちの愛くるしい顔を瞼の裏に浮かべようとしてる。色褪せていく記憶を少しでも繋ぎ止めるために。こんなにも人とタイミングにツキまくることはないだろう。二度と同じ旅はできないと分かっているからこそ、軽い気持ちで戻れない国になってしまった。そこに若干の心の憂いがある。
カディンチェ、素敵な素敵な愛嬌たっぷりの国、ブータン。
ブータンで出会ったひとたちが私を例え忘れたとしても、私は彼らを忘れない。
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仏間があるから見れば?と呼ばれていったら、仏間というより寺のような一室で驚いてあんぐり口を開けた。この装飾品から始まり、壁画に至るまで、一体全体いくらかかったのだろう。庶民にとってこれは絶対に安くはないはずだ。
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法主用?の座まで用意されている。どれだけエライ人がやってくるのだろうか。
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鈴。
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経文?
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唖然。
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でもお二人の興味はあくまでアーチェリー。
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実はこの日は親戚のお嬢ちゃんの大学入試の合格祈願?でお坊さんを呼んでいるということだった。よって今日の予定は、それを一通り見てからゾンへ行く流れにしようということになった。田舎だから予定もすかすかなのだ。
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お坊さんがすでに準備に入ってるというので覗いてみると、粘土細工の途中だった。トルマと呼ばれるもので、麦粉を水で溶いてコネコネしているとのこと。ブータンの僧侶はこんな技術まで求められるのか。
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不思議な形だ・・・。
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バターに絵の具を練りこんでカラフルに飾り付けしている。
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岡本太郎の太陽の塔が大量生産されてる感じがして、何だかおかしくなってきて一人でニタニタ。
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太陽の塔と大学入試が頭の中でイメージ的に結びつかず。
茶「ねえ、大学受験じゃない祈願の場合はこの形も変わるわけ?」
キンレイ「変わる」
適当に答えてないか・・・?
学生の頃、大事な試験のときに30分夢の国へ行き、危うく落ちそうになったというキンレイは、「この祈願はやっておくべきだ」と言った。 -
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あ、仏壇にお供えしましたね。
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そして、ついに長い長い、途方に暮れるほど長い読経が始まった。一心不乱にリズミカルに祈るのかと期待していたが、ミルクティーを時折飲みながらの気怠いリズム。だめだ、具合が悪くなりそう。受験生はやっぱり、必勝って鉢巻頭に巻き付けて頑張るしかないのだと思う。
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ち〜ん、ち〜ん、ち〜ん。眠くなってきた・・・
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こがね丸があまりに真剣に読経姿に見入っているので、おかしくなったのか、キンレイはその辺を飛んでいたハエを生きたまま捕まえ、こがね丸に手渡して驚かすという悪戯をした。読経中に大声で笑うわけにはいかないので、4人で身体を小刻みに震わせて笑いを堪えること数分。
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一般家庭のお部屋とは思えない。
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テンジンさんさえもスマホをいじり始めた。キンレイは耐えられなくなり、部屋へ引き上げた。
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突然遥か彼方から、民族チックな音楽が聞こえてきた。残された3人は一瞬、飛んでるハエを追うように宙に目を泳がせた。「ナニこの音楽?どこから?」。まさかの坊さんの携帯!そしてお経を中断した!出るのかい!アンビリーバボー!
開いた口がふさがらない茶柱とこがね丸。驚いてる私たちを見てテンジンさんが笑いを堪えてる。煩悩だらけじゃ。 -
そしてついにテンジンさんも耐えられなくなったのか、忽然と去った。大学受験するご本人はおろか、家族の姿すら見えない。他力本願もいいところだ、とこがね丸と二人で苦笑い。そしてこの部屋に残されたのは、大学受験とまったく無関係の日本人二人。「ないでしょ、ご利益。あってたまるか。」と笑うしかない。
お茶を飲みながらの読経、そしてお経を中断して携帯に出たことで、不信を募らせた正義感の強いこがね丸は「ここで私まで去ったら、最後まで真面目にやらないかも」と思ったらしく、最後まで踏みとどまる決心をしたらしい。私は正直部屋に引っ込んでしまおうかと思ったが、ええい!乗りかかった船だ!最後まで気怠いリズムを見届けてやろうじゃんという気になった。 -
読経がやっとこさ終わり、例の岡本太郎の太陽の塔を屋根の上に乗せることになった。これでカラスが太陽の塔を食べつくせば、「吉」ということらしいのだ。
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凄い、あのハシゴをスタスタあがってくおばあちゃん。
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こがね丸もスタスタ上がってく。
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屋根にあがっていくこがね丸を面白がってスマホで撮ってるテンジンさん。
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本当に屋根の上に置くんだね。
カラスよ、頼むから食べに来てあげておくれ。 -
上がったまでは良かったが、怖くなって暫く降りれなかった。
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午前中はお経をきいただけで早くもランチタイム。キンレイが「町で食べたい、それともここで食べたい?」と聞いてきたら、こがね丸が「ここ」と即答。一瞬落胆したキンレイの顔色を見逃さなかったぞ。笑い出したいのを必死に堪え、ポーカーフェイスを保つのに一苦労した茶柱。
何だかこのダイニング、慣れてくると不思議と落ち着く。 -
今日もおばあちゃんが手際よく作ってくれた。
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美味しそう。グリーンピースみたいなものが出てきて嬉しい。
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いつも大盛りのキンちゃん。男はこれぐらいがいいと思います。食欲のない男は見ててこちらも不安になる。
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午後はお約束のゾンへ。工事中で通行止め。
ラッキー、今回は外してくれるかも・・・と密かにしめしめと思っていたら、「大丈夫、行ける」とキンレイは強行突破。 -
野苺。
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くぐって入るときに思いっきりおでこをぶつけた茶柱。一瞬星を見た気がする。無駄に脳細胞を殺してしまった。ショック・・・
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そして、ここにもマリファナが増殖中。
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帰りは町でおろしてもらい、散歩して帰宅。
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またスマホでもやりながら寝てるのかね・・・
そういえば、キンちゃんはハラこそ出ているが、雪山トレッキングスペシャリストだけに足の筋肉が凄かったんだよ、とこがね丸。靴下を脱いだ時に見えたらしい。
こがね丸「足の筋肉は素晴らしいよね」
キンレイ「えっ・・・見せてもないのにいつ筋肉見たの」
茶「寝てるときだよ・・・(ニヤリ)」
褒められて満更でもない表情。
ちなみに下着はカルバンクラインがお好みらしい。しゃがんでいるときに見えてしまった。よっぽどからかおうかと思ったが、逆セクハラになるといけないので思いとどまった。いろいろこだわりもプライドもある男なのだ。そしてそのこだわりは別のところで裏目に出ることになった。 -
今夜はゴーヤカレーにローストポテトを作ると朝宣言していたが、かなり楽しみにしていたら、午後になり急遽メニューに変更が入り、ゴーヤのフリッターとポテト炒めになったという。そして男のこだわり料理なので「オレさまの料理」には手出しさせないのだ。
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皆な仕方なくミルクティーでも飲んで見守ることに。
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お母さんもでしゃばり過ぎないように気を使っている。
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こうやってゴーヤをスライスしたことはないかも。
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スナック。あられみたいなものをミルクティーの中に入れて飲んでる。
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きんちゃん、ゴーヤの衣作りにこだわりがあるらしく、結構下準備に時間をかけている。外は大分暗くなった。
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お母さん、手伝わせてもらえないので仕方なく洗い物に専念。
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大変だにゃ、男の料理は。
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結構時間がかっているけど、相変わらず手伝わせない。
お陰でこがね丸と「男の料理へのこだわりほど手に負えないものはない」という議題で盛り上がった。
「あの鍋やるときのこだわり」
「入れる順番とかね」
「春菊入ってないと絶対ダメとかね」
「うるさいっていうの!」 -
きんちゃん、ゴーヤを何ラウンド揚げれば気がすむのか。
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おぉ、でもそれらしき香りがしはじめたぞ!
ゴーヤのフリッターって初めてだけど形がカワイイね♪ -
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キンレイが「お腹すいた?」と聞いてきた。
本来であれば、「大丈夫大丈夫」というのであるが、もう垣根が取っ払われているので嘘がつけず、「うん、空いた」と返したら、「もうすぐだから!」とちょっと焦り出した。しかし、そこから優に30分。 -
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どう見ても数揚げすぎ。
しかもゴーヤがあまり好きではないらしいこのご一家のリクエストで、ついでに唐辛子のフリッターも作ることになったキンレイ。一体いつ終わるんだ、このフリッター地獄は。 -
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皆なソワソワ・・・・
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収拾がつかなくなったゴーヤフリッターの業務効率化を図ろうと全員が立ち上がった。
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ようやくこの辺りから夕飯が遅れるという危機感を抱きはじめたキンレイは少しずつ皆なに手伝わせるようになった。最初はゴーヤを器に移すことさえさせなかった。笑える。
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唐辛子のフリッター。
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ポテト美味しそう♪カメラを構えたら誇らしげにどいてくれた。ぷぷぷぷ。
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ポテトに最後パクチーをふりかけてます。良い香り。
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うん?もう一品作る予定?随分心の余裕を取り戻したね。
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卵とバターとチーズの料理?
卵はスプーンで割るんだね。 -
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良い香りだ。
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じゃじゃ〜ん、キンレイの手作り。揚げ物四種でフィッシュ&チップスを超越したね。私たちが町で買ってきたヘンテという餃子も「このままでいい」という私の希望を制して、「これはまだ完璧ではない!」と揚げられてしまった。要するに彼は、揚げものを欲していたのかも知れない。自ら作った料理を最後スマホで撮って満足そうにしていた。
振り返るとこの食事が一番思い出深いものに。食事ってそんなものだ。
翌朝「帰りたくなくなった」とキンレイが冗談で言い始めた。その一言で私は町ですれ違ったブータンクールビューティーを突然思い出し、「キンレイ、町に超綺麗なひとがいたけど、見た?本当にこの辺にいない美女。」というと、「お店で働いていたひとでひとり綺麗なひとはいた」というので、「いやいやこの町のひとではないと思う、たまにはあなたも町を歩いたほうがいいよ」といったら、「ふーん」みたいな感じで聞き流された。かなり時間が経過してから、「その人と話したの?」と聞いてくるではないか。「うん?その人?どの人?」とハテナになったのだが、その幻の美女のことだと気づいたとき、思わずにんまりとなった。ハナシが続いていたんかい、君の中では・・・やっぱり男だな・・・ククク -
空港のあるパロへ向けて朝9時にハを出発。
もうあまりブータンでの時間が残されていないかと思うと、さすがの私もこの日だけは凹んだ。
キンレイが担当したドイツ人観光客の女性が前週にここ、チェレラ峠で高山病にかかりそのままパロの病院に直行したらしい。ハからチェレラ峠に上っていく際に、「ねぇ、空気が薄くなってきた気がする」と隣に座ってるこがね丸に話しかけると、「気のせい」と一蹴された。さすがマチュピチュ体験者は強い。頂上に着いたときに「キンレイよ、具合が悪い、パロの病院に連れていってくれ」と言うと「本当に?」と振り返ったが、私がぴんぴんしているのを見て、振り返って損したという顔をされた。
民泊は楽しかったなぁ。
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