2016/05/03 - 2016/05/08
152位(同エリア450件中)
夏目さん
2016年5月、南のワイト島から本島の小さな城下町アランデル、物語の舞台ペットワースへ。その特別編。
ジョーン・エイキン著〝オオカミ年代記〝「かっこうの木」の舞台を訪ねました。思いがけなくスペシャルな出来事になったのと、そしてエイキンさんの本の舞台についてはなかなか日本では情報を得難いと思うので地どりしたい愛読者へのヒントになればと特別編として旅行記を記載します。
旅行記中の各種価格記載は旅時現在のものです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
英国の作家ジョーン・エイキンの著作に「ウィロビー・チェースのおおかみ」から始まるシリーズ「おおかみ年代記(Wolves chronicle)」があります。ファンタジーと呼ぶには現実的、歴史ものというにはパラレルなこのシリーズが大好きで、そもそもイギリスで「セント・ポール大聖堂に行きたい!」と思ったのはこの「かっこうの木」を読んだのが原体験だった気がします。?ささやきの回廊?あこがれたなあ。バターシーに城がないって知ったときはがっかりしたものだった(笑)。
「かっこうの木」を初めて読んだときは物語の舞台であるペットワースが実在する土地だとも知らなかったのだけど「英国ナショナルトラスト紀行」にペットワースハウスが掲載されていて、あれっ、ペットワースっていうところ本当にあるんだ!と知って早何年…ようやく訪れる機会ができました。
英国も何度も訪れて(英語は上達しないけど)だんだん厚かましくなってきた私…どうせ行くなら「かっこうの木」の舞台をがっつりめぐりたい!…それ以前にそもそも「かっこうの木」は実在するのだろうか…ペットワースが実在の街なら、主人公ダイドーが走り回ったそこここも実在しないってことないんじゃない?と。
ありがたいことにweb情報も爛熟期、ぐーぐるまっぷさんも精度が高まってきた今日この頃、調べるのは容易だ!…と思ったけれどそううまくはいかないもので。 -
まずぐーぐるまっぷさんでペットワース近辺の地名をチェック。最近は地図上でパブや宿の名前も確認できてとてもありがたい。
「かっこうの木」の出だし、チチェスター港から馬車でペットワースへ行く道すがら馬車がドロップしたわけで…と地図を見つつ大体のルートを予想。このルート上にドッグケネル小屋もあるはず…と英語でweb検索するとなんと出てきた!…といってもたぶん不動産売買のページなのだけど、実在するんだなってことに勇気を得て調べを続ける。
簡単に見つかったのはペットワース(もちろん)とストッパムブリッジ、橋のたもとのホワイトハート(パブ)、エンジェル旅籠。ドッグケネル小屋はそれらしき場所を見つけたのだけれど、ドッグケネルとキーパーズコテージと両方名前があって、本当にこれかな〜?。
そしてファイティング・コックス旅館とテグリーズ屋敷が見つけられないまま手詰まりに。手詰まりといえば肝心の「かっこうの木」。検索してもこの本のことしか出てこない。たぶん英語が堪能なら世界のwebsiteにはいろいろヒントがあったのだろうけど…。
しかし。日本語で「かっこうの木」を検索して、たった一つヒントとなるwebサイトに出くわしたのです、エイキンファンの日本の方で、なんと実際かっこうの木を訪れたという記載のあるサイトが…!。
とみなが貴和さま
雑多な苔/ペットワースへの遠い道
http://homepage1.nifty.com/kiwat/ZT09.htm
※近々移転ご予定だそうです。
その記事自体ではペットワースを訪れた訪問記のみでしたが、前後の記事を読んでいるとどうやらその後リベンジを果たし、かっこうの木を訪ねられた様子。しかしその訪問記は未掲載…。…。旅の恥はかき捨てって言葉があるけど、まだ旅に出ていないけど、でも旅に出るための準備だから旅に含めてもいいよね!これ!と、恥を忍んでお問い合わせしちゃいました。かっこうの木の場所をご存知ですか、と。
しのんだ甲斐あって(笑)見ず知らずの私に大変親切なお返事と地図とアドバイスを頂戴しました。旅の情けのありがたさ←まだ旅には出ていない。
よし、かっこうの木はこれで解決!。 -
実はジョーン・エイキンさんはお亡くなりになっているけど公式サイトがあるんです。
Joan Aiken com
http://www.joanaiken.com/pages/index.html
無論英語(ここであきらめてた)。一応コンタクトできるアドレスが記載されているし…せっかくなんとかわかりかけているドッグケネル小屋には訪れたいし…と、悩み…き、聞いてしまおうかな(またしても旅の恥はかき捨て方式)。
期待はせず、これこれこういう訳でドッグケネル小屋ってここでしょうか?あと、かっこうの木の地図があったらぜひ見せていただきたいのですが、とメールを送ってみました。
ら。
何とジョーンさんの娘さんリザ・エイキンさんからとても親切なお返事をいただきました。ドッグケネルはビンゴ、地図は作成してくださるとのこと、やった!。
そして後日、地図を送っていただいた際に「自分も長らくサセックスに戻っていないので(今はロンドンにお住まい)、予定が合えばパートナーの車でかっこうの木まで案内してあげるわ」と。
え。
え!
えええええ〜〜〜〜〜いいんでしょうか私ただのファンですよ!?。
…でも、でも自力でかっこうの木に行くのは結構難しそうだし、千載一遇のチャンス…厚かましくもお願いしてしまうことにしました。
こんなことってあるのねえ…。 -
さて、そういったわけでやってきました5月のイギリス、ウエストサセックス。
前日までARUNDELに滞在していたので、アランデル14:12の列車でPulboroughへ。車窓がすごくイギリスで(※あたりまえ)…青い空、緑のダウンズに白い羊の水玉模様。菜の花畑。いつ来てもうっとりする季節。
でも、「かっこうの木」は11月くらいの出来事なのよね。…うう、11月とかだとすぐ暗くなるし寒いし、田舎は特に心細いだろうな…ダイドーすごいよ…。 -
ペットワースの最寄駅(最寄、という意味ではほかにもあるけれど、バスのツールがある駅という意味)Pulboroughに14:23に到着(アランデルから2駅なんだもん)。プルボウ、かな、と思うけど読み音はポウボー、が近いかな。前述のとみながさまの旅行記の、読み方で四苦八苦するエピソードが面白すぎて大好き…。
駅舎にくっついて結構立派な売店があって、多分超早い・超遅いのでなければタクシー手配もやってくれる(看板もあるし、タイミングが良ければタクシーが2~3台売店の前にタクシー駐車場に止まっている)。駅舎を出ると、ターミナルラウンドを少し下ったところに道路が、その道路を渡ったところのバス停がペットワース方面行のバスのバス停(渡る前にあるバス停は逆方面行のバスのバス停)。
ペットワース方面行のバスは一時間に一本くらい、ペットワースへの所要時間は大体30分。
バスの時間は今日びWEBで簡単に調べられるありがたさ。ただ、そんなにたくさんバスが走っているわけでもないのになぜか列車の到着時間とバスの発車時間がリンクしていないのです。
あとから推察するに①ペットワースと逆方面行のバスが列車とリンクしている(私たちが到着した時にちょうどいいバスが来ていた)②プルボウからペットワースへのバスは、プルボウからペットワース、という区間ではなく、Worthing(ワージング)からMidhurst(ミッドハースト)という結構な長距離バスで、プルボウもペットワースも中間の経由地点なのです。そのせいで時間あわせが無理、なんだろうと思います。
で、ペットワース行きのバスは14:58。あと35分もある…うーん、タクシーを呼ぶかどうか迷うところ。「時間もったいないかな」「うーん、そうだねえ…」「でもタクシー高いしねえ」「うーむむ、でも時間も惜しいよねえ」というわけでタクシー事務所(兼売店)のお姉さんにタクシー手配できますか?と聞くと15分くらいかかるって…うーん…じゃあバス待つ?ってことで待ったら結構遅れてきた、バス。イギリスの田舎のバスって相当に時間正確な印象なのだけど、やはりルートの長いバス路線はいかなイギリスの運転手さんも時間道理の運航は難しいみたい。 -
バス乗車珍道中につきましては2016年英国紀行(中編)をご覧ください(笑)。
ペットワースのバス停は、ペットワースの町の入り口ちょっと手前のAngel streetと町の中心Market squairの2か所。
このマーケットスクエアが「かっこうの木」に「町の中心」って書かれているところだと思う。
悪者たちの宿泊地(!)The Angel innは、エンジェルストリートバス停のちょっと先になります。のでエンジェルストリートのバス停で降りるのがよいかと(私たちはエンジェルインの前で下してもらっちゃったわけですが)。
おお〜、ここがダイドーのとうちゃんとハノーバーの一派が泊まってた(そしてご亭主がそのことをヤンにちくった(笑))エンジェル宿屋!。 -
エンジェルインに到着したのが大体15:15頃。チェックインもそこそこに(「私たち時間ないの!ペットワースハウスに行くから(ペットワースハウスはお庭含めて相当にだだっ広いのに17時に閉まってしまう)戻ってきたらチェックインするから、ごめん、荷物だけ置かせてね!」って走り去ったよ…)ペットワースハウスへ。
ペットワースは路地を歩きつくしたとしても、2時間もあれば十分に巡りつくせてしまうこぢんまりした町です。その町が舞台なのに、そういえば「かっこうの木」にはペットワースハウスが出てこないんだよね…パラレルだからありだけど、何故なんだろう?。
ペットワースハウスとケイパビリティ・ブラウンのお庭を堪能して出口へ向かっていると中庭でお茶を飲んでいた英国のご婦人に「もしかして、夏目(※仮)?」と声をかけられました、英語で。え?(混乱)。
なんとリザ・エイキンさんとパートナーのピーターさん!。わああああああ吃驚したああ!。曰く、もう長いことペットワースハウスを訪れてないから今回の機会に再訪してみたのだそう。それにしてもここで会えるとはなんというタイミング!。なんか感激。
や〜吃驚した。後から、会ったことないのによくわかったなあと思ったけど…まあ、ペットワースまでくる日本人てめったにいないってことだよね(苦笑)。 -
リザさんと明日の約束を確認してしばしの別れ。
ペットワースハウスは17時に閉まっちゃうのだけど、5月の英国は21時くらいまでは明るいのです。さて、ペットワースの町を地どりだ!。
まず、リザさんに教えてもらったファイティングコックス旅館へ。エンジェルインの一本南の通り沿いにあります。
ここがヤンのおばさんセアラーさんが切り盛りして、屋根裏に艦長さんをかくまったり、羊の毛でふかふかのお部屋に双子をかくまったりしていたファイティングコックス旅館!。わお。
白い横長の長屋的建物で、たぶん内部はセパレートされて独立していてそれぞれ別の家族がお住まいになっている模様。なので建物としてはそれぞれの扱いのようで、確認できただけでも4つの建物名が表記されてました。日本と違って建物の寿命が長い英国では、住む人が変わっても建物の名前は変わらず残って表示されているのよね。残念ながらこの中にファイティングコックスという名前はなかったけれど。
リザさんによるとジョーンさんは若いころここに滞在して「かっこうの木」を執筆したのだそう。だから宿であったことは確かだと思うのよね。宿であってかつファイティングコックスという名前だったかはわからないけど、作中のファイテイングコックスのモデルであることは間違いない。実際昔中庭では昔闘鶏をおこなっていたと聞いた気がするのだけど、妄想かな?(笑))。 -
この長屋、向かって右の部分、真ん中の三角屋根部分、その左に同じタイプの長屋2軒つながっていて、写真はこの双子部分ですが、ちょうど工事中の方(なんてこった)がジョーンさんが滞在していた場所です。彼女がこの入口で撮った写真が残っているとリザさんが教えてくれました。建物の裏側(中庭)にキッチンがあって小さなガーデンがあったそうで…裏側には行けないかな…とうろうろする怪しい私←。
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ま、双子なので、工事していないほうをイメージ画像として(笑)。もちろん双子だけど建物の名前も別々。こちらはホワイトハートコテージ。ホワイトハート「白い心」じゃないんですよ(綴り違うし)。白い牡鹿という意味で、すごく少ないんだそうです。縁起物的な。パブにも多いですよね、ホワイトハート。
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ダイドーは建物の中庭でヤンに声をかけられるまで頑張って闘鶏を見ていたわけで(闘鶏嫌だなあ、と思いながら見ているのが好感なのだ)…中庭…。
3枚前の写真の三角屋根と、2枚前の写真の長屋の間に路地が…。HICHの意味がヒットしなかったので、これは固有名詞なのかな?。でも見てください、この路地の屋根、弓型じゃないですか。「建物のわきの低い弓形の屋根のついた道」@「かっこうの木」…これってまさに「弓形の屋根」じゃないの?。
細い路地を向こうへ抜けてみると… -
素敵な中庭があったらよかったんですがね(苦笑)。そううまくはいかないですよ。お直し中の細い路地があっただけ。もしかしたらもっと先へ行けたのかもしれないけど、人のうちなのでちょっと遠慮、残念。でもさあ「狭い、丸石を敷いてある急な坂道@かっこうの木」と、殆ど近いよね?。坂じゃなかったけど。
昔とは変わってしまったのだろうけど…でも、っていうかこれだけ保っているというだけでもミラクルですがね!。 -
白い三角屋根を挟んで反対側にも路地が。…これは弓型の屋根とは言えないかな…でもなあ、この長屋が一つの建物だということなら、まあ裏側がつながって中庭になっているという解釈もいいのでは?、と入り込んでみる。
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建物アーチを抜けると…おお…おお?広い、明るい中庭…というか、中庭までの立派な私道が
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「ポストがあるから大丈夫、郵便屋さんはここまではいてくるわけだから(言い訳になっていない)」。わー、立派な中庭じゃないの!。闘鶏できる!(そればっかり)。
中庭の向こうに別のおうちも建っている。振り向くと正面の白い三角屋根の建物の裏口。ちょっと見上げて、ダイドーとヤンが階段を上って行ったりしたのはこういう雰囲気の場所…としばし妄想。 -
や〜楽しかった。
ファイティングコックスを後に、今度はジョーンさんが晩年お住まいだったおうちに向かいます。
昔読んだ出口保雄さんのエッセイに、名前はちゃんと書いてなかったけど絶対これエイキンさんのことだよねっていうエッセイがあって。出口さんの英国エッセイは結構読んでいたのでこの文章に出会ったのは本当に偶然だったのだけど「ペットワースのハーミテイジ(隠者の館)に女流作家が住んでいて、一度訪問してみようと思って連絡を取って歓迎してもらった」っていうような内容。
そして今回、前述のとみながさまから、かっこうの木の場所と一緒に、ハーミテイジがエイキンさんの終の住まいであったこと・ペットワースのハイストリートにあることなど丁寧に地図を添えて教えていただいたのでした。とみながさまはハーミテイジにジョーンさんがお住まいだった時に訪問されたんですよー、何たる素敵な経験でしょう。
ジョーンさんがお亡くなりになってから売りに出されたようで、もしかしたら名前が変わってしまったかも…と聞きしていたのですが、さて、どきどき。 -
ありました、ちゃんと。THE HERMITAGE!。
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ハイストリート沿いのこの門柱の中は多分私道で、その私道沿いにいろいろおうちが並んでいる様子。すごく余裕がある感じで…上賀茂神社の氏子さんたちのおうちみたいな様子?。わー、立派な道だよ…静かでいいなあ
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…しかし歩けどもあるけども…大丈夫かな(汗)、と思ったところで突き当りが見えてきた。突き当りには門が。
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門から中を覗くと…これがジョーンさんが亡くなるまでお住まいだったハーミテイジ(出口さんが「隠者の住まいにしては立派すぎる」とごねていたけど、確かに(笑))。おおお〜〜〜写真写真!とか言って門越しに写真を撮っていたら、建物の手前の扉からおにーさん(とおじさんの間くらい)がわんことともに出てきて「何?何か用?」…。そ、そりゃそうだよね、自分の家ぱちぱちとられてたらなんじゃろって思うよねえ!。今思い返せば脂汗ものなのだけど、悪気がないって恐ろしいもので私その時少しもあわてず「こんにちは(よく言ったよいうに事欠いてこんにちはとは…(汗))、えーと、私日本から来たんですが、ジョーン・エイキンさんのファンでして…エイキンさんがここに住んでいたというので写真を撮りたくて…あ、エイキンさんは作家で、ご存知ですか?(ということをしゃべったつもりということであって実際は相当ブロークン英語だったと思います)」「もちろん知ってるよ、そう、それなら中に入って写真を撮りなよ」。…えっ(笑)。
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「どうぞ入って」と快く門を開けてくれて、はしゃぐわんこに「遊びたくてしょうがないんだよー」となでなで、そして「自由にとっていいよ」と放っておいてくれました。何たる寛大。
「ありがとうございます!」と本当に写真を撮りまくる私たち(笑)。
うわー、立派な、そして素敵なお家だなあ。 -
ハーミテイジから見渡せるサセックスのダウンズ…わああ…素敵だ…。
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お庭もとても広くて、程よく手入れがされていて牧歌的な気持ち。
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なんという素敵なところにお住まいだったのだろう…。
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「本当にありがとうございました!(語彙が少なくてつらい)」「いいよー、ジョーンさんの娘さんのリザさんが今ペットワースに来ているのは知ってる?」「あ、明日かっこうの木まで連れて行っていただきます」「そうか、よかったね、楽しんで」「ありがとうございましたー!」
いや〜、旅しているとほんと、悪い人なんていないんじゃないかって思っちゃう※悪い人もたくさんいるので気を付けよう。
ところで会話するのに一生懸命でその時はぴんと来なかったのだけど、なんで現ハーミテイジのご主人が今日リザさんがペットワースにいることを知っていたのか。それはまたあとで…。 -
帰国してからグーグルマップさんで作った「かっこうの木」関連ペットワースの地図。
①エンジェルストリートバス停
②エンジェルイン
③ハーミテイジの入り口
④ハーミテイジ
⑤ファイティングコックス
⑥マーケットスクエアバス停 -
翌日エンジェルインで朝ごはんを済ませ、軽く街中を散歩してランチのパンを調達。11時にリザさん・ピーターさんがエンジェルインにきてくださいました!。
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ピーターさんの車で一路バーラビントン方面へ。
当初このペットワースからバーラビントンまでのルートは①徒歩②バス③タクシーを考えていました。
①徒歩、ペットワースからドッグケネル小屋まで歩くと大体1時間50分程度だから不可能ってわけじゃないのですよ。ただ、英国の田舎をあっちゃこっちゃ歩いていて良くわかったことは、日本みたいに車道に歩道がちゃんとくっついてるってわけではなくて、よゆーな歩道かと思えばみるみる狭まって白い線一本だけになっちゃったりとか、道路沿いを歩くのがほどほど困難。英国の車はハイスピードでぶっとばしてるしね。でも、歩けないことはない。困難も伴うけど、5月の英国の田舎の景色の美しさときたら、車でさっと通ってしまうのはもったいないほどなので。
ただ、ドッグケネル小屋はこれでクリアできるとして、とみながさまに実在を教えていただいたかっこうの木まで行くとなると、ドッグケネルからかっこうの木が結構距離がある…。
②バスですが。なんとあるんですよ、ペットワースからチチェスターまで99番というバスが、しかもドッグケネル小屋のすぐ前にドッグケネルっていうバスストップがあるわけ。1日6本くらいだけど(笑)。ペットワース‐チチェスターってことは、ダイドーがチチェスター港に上陸して、ロンドンへ向かっている途中ペットワース手前で馬車がドロップする、まさにそのルートですよね!。
まあ、これもかっこうの木に行くには①と同じ問題が。
でもってできれば帰りにバスに乗りたいけど、帰りは時間測れないから1日6本くらいだとちょっとあてにはしづらいし…。
でも、まあバスを使おうかと考えた時点では行きにバス、帰り歩きっていうのも考えました。
③タクシーはイージーですよね(笑)。しかしこれの一番の問題は、ペットワース→ドッグケネル→バーラビントン(かっこうの木)と運んでもらって、バーラビントンからかっこうの木を見つけにさまようことにした場合、いったい何時間後に、何をランドマークにタクシーに迎えに来てもらうのか?ってこと。
とみながさまから地元の教会にかっこうの木のタペストリーがあるっていう情報があって…意外に土地の人ならイージーに「ああ、あそこね」ってなるランドマークかなとも思ったのだけど、事前にウエストサセックスのインフォメーションに問い合わせたら「わかんない、ごめんね」って返事が来た…ってことはほんと狭い範囲でのランドマークなんだろうな…。あ、でもね、インフォメーションセンターの方は「少しでも参考になれば」と英国の樹木検索サイトとか櫟の木の画像検索ができるサイトを教えてくれて、とても親切でした。有難う…!。 -
車窓はこんな感じ。ほのぼのするー。いや、まあ、5月だからだよ。そして昼だから。
ダイドーはダップルに乗ってこの道を往き来したわけで、途中で「あ、あそこがファーキンさんが教えてくれたダンクトンの町だな」って思ったりしていたあの道。
しかし土地勘もないところで夜であろうと馬で行ったり来たりしたんだなーと思うとあの子本当にすごい。 -
見えた!これがDogkennecottage、ドッグケネル小屋です。
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ピーターさんが車を止めてくれて、外に出て周りを見渡すと、ああ〜絵にかいたような牧歌的な英国の5月の景色。と、リザさんがドッグケネル小屋と道を挟んで反対側(西)を指さして、「あっちがテグリーズ屋敷の方向よ、残念ながら道はないんだけど」…え。えっ!?テグリーズ屋敷あるの!?まじで!?調べても全然わかんなかったのに!。この黄色い菜の花の丘の向こうどこかにテグリーズ屋敷が(感動)。
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そしてテグリーズ屋敷と反対側、ドッグケネル小屋の裏手方面の景色。バーラビントン方面です。てことは、クリスがドッグケネル小屋の屋根裏から抜け出して白いリボンの様な道をかっこうの木まで走るのをダイドーが追いかけて行ったのはこの丘だってこと。残念ながら「白いリボンの様な道」は判らないかったけど、もしかして冬になったらこのはがすくなくなって道が見えてくるのかも…。
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ドッグケネル小屋をもっと近くで…これはさっきの写真の手前の方から回り込んだドッグケネル小屋の写真。写真撮ったり景色を眺めたりしていたら、なんと現在の住人の方が「なに?(不審そう※当たり前)」ってお家から出てこられました…。
リザさんが「私の母が書いた小説にこの建物が出てきて、ファンの人たちがそれを見たいっていうので」と説明してくれたら「あっそ、ま、いいわ」みたいな。…これはまああれなんですけど…この現住人のおばさま、ふくよかで険しい目をしていて小花柄のプリントドレスを着ていて…もう、もうなんというか私の脳内想像通りのミセス・ラベージだったです…!。感動!←。 -
ドッグケネル小屋の手前に鶏小屋が。…こ、この鶏小屋のもう原作通りイメージでもう…!(笑)。卵が産んでありました。
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テグリーズ夫人が「ドッグケネルには何人か小作がいるでしょ」みたいなことを言うシーンがあるけど、この辺はフリント石造りの小屋が固まって何軒か建っています。作中ではほとんど空き家だったけど、ぐーぐるまっぷで確認すると、ドッグケネル小屋の向かいの建物はキーパーズコテージっていう名称でベッドマーク(※宿の意味)がついてるのよね。え?宿泊施設なのかなあ、って思っててちょっと見てみたけど、あんまりそういう感じでもなかった…昔は宿だったのかも?。
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これがフリント石。たくさん落ちてる。「フリント石造りの建物」って「かっこうの木」に書いてあって、なんだろうって思っていたのだけど謎が解けた。これはめ込んであるのね。
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ドッグケネル小屋の裏にも道に面していないフリント石造りの建物が何軒か。多分これらのうちどれかが、ダイドーが館長さんを寝かせておいた少し小ざっぱりした小屋で、どれかがファーキンさんとわんこのお家なんだろうな。感慨。
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「このあたりはチョーク質の石が多いんだよ」とピーターさん。そうか、ウエストサセックスだもんね、ヒルフィギュアのメッカだもんね。
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さて、少しペットワース方面に戻って途中の道を右へ。バーラビントンを目指します。道は登り…景色が良く見えてきた。向こうの方に菜の花畑の黄色が見えます。
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見晴らし台になっているところでまた車を止めてもらい、ペットワース方面を望みます。
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さて、バーラビントンに到着しました。
バーラビントン村のパリッシュセントメアリー教会です。 -
こぢんまりした、ほんとうに"村の教会"っていう佇まい。
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中はひんやり…。
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本当にこの日はいいお天気で、太陽がステンドグラスのきらめきを協会の静かでひっそりした壁に反射して美しい。
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協会の敷地内にはデイジーがあちこちに。リザさんが「デイジーはね"日(day)"の"目(eye)"でデイジーなのよ」って。
そういえばダイドーを助けてくれたとらさんは名前デイジーだったな。 -
そして素敵な椅子が。切株をアレンジして作ったのですね。たぶん着るに忍びないきだっけど病気かお年で切らざるを得なくなり、でも残せる形で残したんだろうなあ。
とってもすわり心地がいいの。 -
バーラビントンの地図を見るとインフォメーションマークがあって、「ん!?こんなとこ(失礼)にインフォメ!?と思った正体がこれでした(笑)。まあね、インフォメーションと言えばインフォメーションだよね。ポストと、町のインフォメーション。この辻の向かいが「かっこうの木」への入り口です。
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一枚前の写真のインフォメーションの向かい側はこんな感じ。
手前にフットパスの表示、三つ又の道で門なしの左の道、アルミの門がついた真ん中と右の道。 -
一番右の道を行くそうです。フットパスのアルミゲートは動物たちの出入りを制限するために設えてあるので、人間は勝手に開けて入ってかまいません。あとはちゃんと閉めましょう(勝手に閉まるようにもなっているのが殆どだけど)。
「さて、ピクニックの、冒険の始まりよー!」とリザさん。「おー!」。 -
右側に灌木の並木、左側は見晴らしの草原とダウンズ。
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足元は少しぬかるみ気味…そうでした、私たちがイギリスに入る前の週は本当に寒くて、雨がちだったそう。私も毎日イギリスの気温チェックして「ダウンコートにすべきか」と思っていたのでした。しかしこの週はほんとちょっとした夏のようなあたたかさで本当にラブリーでした。
木漏れ日の中、一路かっこうの木を探して…。 -
左側のダウンズの見晴し。
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坂道を登り切ったあたりに、左側にずっと見えていた見晴らし方面へのフットパスゲートがありました。このフットパスゲートに小さな窓が。「これはね、わんちゃんが通るためなんだよ人間はゲートを乗り越えるけど(ここのゲートは乗り越え型)犬は乗り越えられないから。ほら、ばねで止めてあって開くようになっている」。本当だ、わんこゲート初めて見たなあ。ここの道はフットパスとして利用頻度高いのかも。
私たちはわんこ用ゲートを左に見ながら、道をそのまま進みます。 -
このあたり境に見晴らしとはお別れ。
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灌木の道に入ります。この辺はフットパスと言ってもまだ道がわかる…。
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灌木と藪。素敵な景色。
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下ばえの草花もかわいい。
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道と藪があいまいな感じになってきた(笑)。
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道が二股に。中央に木の杭が建ててあって、左の道の方向に青い矢印が。ピーターさんが「これはね、フットパスですよっていう矢印なんだ」。そうなんだ!。フットパスって「footpath」って書いた矢印しか知らなかった。もっと簡易な表記なんだね。つまり、青い矢印のない道はフットバスではない、または道ではない、ってことか。
リザさんが「こっちよ」って左へ。
左の道を行くとまたすぐに道が二股に!。「あら…こんな道あったかな…うーん、でも左の方だったから…」と左へ。 -
斜面につけられた道を行きます。
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だんだん森が深く。
「…うーん、道違うかも…」「GPSは?」とスマホをチェック。「電波こいこい〜」。なんというか、楽しそうだしおおらかで、道に迷ってるのに全然不安にならない。大体ここはリザさんのホームグラウンドだから、迷うといっても私が銀座で迷う程度のもんだってこと※銀座に住んでいるという意味ではないです…。 -
と、車がやってきた…ダットサンみたいのが3台、金網や材木を積んで、シートにわんこを乗せている。ピーターさんが呼び止めて話を。
彼らは森林整備の仕事中なんだそう。写真に写っている彼は小さいころ横須賀にいたんですって!「コンニチハ」って(笑)。横須賀にいたってことはお父さんがアーミーだったのかなー。
…などと私たちが雑談をしている間に道の件は解決していました。曰く、この道は最近できた道でまだ整備中(鹿がどんどん若芽を食べちゃうから金網を張っているんですって)。なので前の分かれ道まで戻ることに。分かれ道の左が新道、右が昔からある道だったということ。もうこれは時代の流れで分からないものね。
しかし彼らに会えてラッキーだった。そしてこの整備隊のリーダーはジョーンさんのお友達の息子さんだったという!。 -
ちょっと道順がごちゃってきたので、ここで帰国してから作ったグーグルマップ地図を。まあ、灌木の林に入っちゃったらよくわからないのでめやす、ですが。
①バーラビントンのセントメアリー教会
②ポストのあるインフォメーション辻、アルミゲートのあるところ。ここでピーターさんは車を止めました
③ゲートから上り坂を登りきったところ
④青い矢印のある分かれ道、左に行くとまたすぐ分かれ道があって、ここを右に行く(左は新道) -
さて、件の分かれ道まで戻って、今度は右に。巨大で不思議な形の木たち。
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このあたりはイチイの木が多いのですね。みんな結構巨大。イチイの枝は垂れ下がるから、ほら、トンネルが続いているみたい。ほんと物語世界だな!。
あるのかな、かっこうの木。見つけられるのかな。
途中「あの木?」「違うわよ、見たらすぐわかるから」という会話を。 -
「ほら、あれよ」とリザさんがにっこり振り向いて…あっ…あ、ああ…そうだね、すぐわかるね!すぐわかる、かっこうの木だ!。
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木に走り寄ってバンバン写真を撮っていたらリザさんが「登ったら?」「え、登っていいの?大丈夫?」だって結構小さい木なのですよ。そりゃあクリスやダイドーくらいのサイズだったらいいだろうけど。「だいじょぶよー母も登っていたし、その写真残ってるもの」。
よーし、せっかくだから、と思ってよじ登り。
おお…形は小さいけれど、登ってみるとわかる安定感と逞しさ。私の体重を乗せても枝はびくともしない。 -
枝が複雑に絡み合って伸びていて、「かっこうの木」でクリスとダイドーがしていたように(これ、ジョーンさんもやっている写真が残っているのです)頭を梢から出してドーナツ型の枝に腰を掛けた足をぶらぶらさせることはできなかったけど木の中からの眺めはこんな風。
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梢から見下ろす。
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"かっこうの木"は、イチイ(yew)の木なんだそうです。イギリスでは結構イチイを見る気がするな…クリスティの「ポケットにライ麦を」ではイチイから取ったタキシンていう毒が使われてるよね。それにハリー・ポッターの悪役ヴォルデモートの杖もイチイ。
この木がなぜこの辺のランドマークとして「かっこうの木」と呼ばれているか、詳しいことはわからないそうです。ただ、かっこうが声が斜面に反響して聞こえるとか、あとこの木は不思議な木で、いつまでも小さいのだそう。樹齢としては300年くらいあるのだけど、普通イチイはどんどん大きくなるのにこの木だけは小さいサイズを保っているんですって。「日本人は多分すごく好きね、ミニチュア好きだから」「!あ!盆栽ね!」「そうそう、BONSAIみたいでしょ」。 -
「かっこうの木」ではかっこうの木に登るとペットワースが見えるはずなのだけど、見晴らしはないな…と思ったらそれにはちゃんと理由が。リザさん曰く「このあたりに十何年前、伝染病が流行して兎が全くいなくなってしまったの。木の芽が出るとそれを食べていたウサギがいなくなってしまったのでどんどん木が育ってしまって…今は見晴らしがないのよ。見晴らしが良かった頃はここにピクニックにくる家族もたくさんいたのだけど。」ちなみにその後伝染病は収束し、兎たちも戻ってきたそう。でも、大きくなっちゃった木は兎は食べないからこのままよ、とリザさん。
そうかー、斜面に灌木の茂みができてしまったので、今はかっこうのこえの反響も聞けないのね…。
「ドッグケネルからここまでダイドーは走ってきていたけど、結構距離ありますよね?」「まあ、その辺はある程度小説上のフィクションね(笑)」。なるほど。 -
かっこうの木の根元。ここにコルクの栓抜きを差し込んでおくとワインベリーの男たちがやってくるというわけ。
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木登りしたり写真を撮ったりして、お弁当タイム〜。私たちはペットワースのパン屋さんでパンを買ってきました。リザさんとピーターさんがデリで買ってきたポークパイを分けてくれました。おいし〜。英国風パイ、大好き。
イギリスって所謂お弁当文化はないと思うのだけど、成程、お野菜とパイとパンとか、そういう風にチョイスして持っていくのね。イギリスの暮らしの一端を垣間見ることができてそれも楽しい。
兎の伝染病が流行る前、このあたりはもっと開けていたので、ここまでピクニックに来る家族やなんかも多かったんですって。 -
と、馬が…お母さんと娘さんでした。地元の方かな?。「こんにちは…何してるの?」リザさん応えて「母の書いた小説の舞台を日本から見に来てくれた子を案内してるのよ。この木はこの辺のランドマークなのよ」。
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木の根元に座って日本から持ってきた「かっこうの木」の、ダイドーがクリスを追ってかっこうの木に来る場面を読む。
何と贅沢な時間。
さて、そろそろ行きましょう。いや〜、本当に訪ねることができるなんてすごいな…来られてうれしかった。ばいばい。 -
帰り道、こういう風に大きくなるのが本来のイチイらしい。
しかしさあ、何度も言うけど14・5歳の女の子が寒い11月の英国の昼なお暗い藪の丘の中を行くとか…うーん、ダイドーすごい。やっぱかっこいい主人公だよ。 -
バーラビントンの教会へ続く坂道へ戻ってきました。気持ちのいい景色だなあ。
さて、再びピーターさんの車に乗せていただいて、一路Sutton(サットン)へ向かいます。 -
サットンもとっても小さい村ですが、その中の一軒…こちら。このおうちはジョーンさんが子供のころ住んだ、お母さん方のおばあちゃんのおうちなんですって。
ジョーンさんはアメリカの作家コンラッド・エイキン(日本ではマイナーですな…1作しか翻訳されていないかも)の娘さんで、彼女が生まれたときご両親が教育のために英国はライに移住、その後ご両親は離婚されて、お母さんがジョーンさんたちを連れてサットンのおばあちゃんの家へ転居したんだそう。 -
門の階段の一番下の丸い石…これは古い石うすなんですって!。
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今はまったく別の方がお住まいで、その方は今日はペットワースのアンティークショーに行ってらしてお留守だそうなのですが、お庭は自由に見ていいですよとリザさんが了解をいただいてくれたそうで…すごい、ありがたい。
…と、ここで気が付いたよ。アーミテイジの現ご主人が、なぜリザさんが今日ペットワースに来てることを知っていたのか。多分、多分だけどアポとってくれたんじゃないかな。現ご主人はきっと今日ご用事があったのだろうけど…でもこれってすごくない?ですか?感激、ですよ。
お庭には井戸もあります。いいな、このポンプ懐かしい。素敵。 -
裏庭…ひ、広いー!。
この写真正面の右前方面がかっこうの木のある方向。小さいころジョーンさんは弟を連れてここからかっこうの木まで遊びに行ったりしたそうです。田舎の子の脚力恐るべし…それが「かっこうの木」にも反映されているんだなーって思いました。結構ダイドーは走って移動しているもんね。 -
おうちの壁に蹄鉄が打ち付けてありました。幸せのおまじない。日本で言ったらお札が貼ってあるような感じかな?。
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サットンの村はずれにある…昔ここは雑貨屋さんだったそうで、ジョーンさんはここで初めてノートを買ったんだそうです。
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サットンのパリッシュ教会。セントジョンバプテスト。
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バーラビントン教会より少し大きめ。
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素敵な内観。静か…。小さなパイプオルガンがあって、ピーターさんがトライしていました(笑)。
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ここに来たのはこれを見るためです。周辺の地図をタペストリーにしたもの。「どこにかっこうの木が書かれてるかわかる?」「ええと〜〜〜〜」。
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「あった!」。
教会の近隣地図タペストリーに載っているというのは、やっぱりランドマークなんだなあ。 -
かっこうも。
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サットン教会の出口の十字窓。
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ジョーンさんのお母さん一族のお墓はこちらにあります、見せていただきました。が、やっぱり日本人てお墓撮るのちょっと抵抗がね…。でも一族の墓地で、お名前もちゃんと入っていましたよ。
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墓地のわきの不思議な木のアーチ。
さて、そろそろ「かっこうの木」ツアーも終わりが近い。ピーターさんの車でペットワースへ戻ります。 -
ロンドンからいらしてくださったリザさんとピーターさん。本当に素敵な方たちだった…リザさんのはすごくお母さんのことを誇りに思っているのがよくわかったし、私たちが訪ねたことを心から喜んでくださいました、一介のファンっていうだけなのに!。本当に驚いた…同行者が「きっとジョーンさんからファンを大事にするように教わったんだろうね」って。ピーターさんの穏やかで優しい話かた、「英語できないんです」っていうのをすごく汲みとってくださって優しい英語で話してくださいました。お二人でいるのを見るにつけ、楽しそうで本当に素敵なお二人でした。
本当にありがとうございました。 -
さて、ペットワースからプルボウ駅まで、いろいろあってタクシーで向かうことになりました。…そうだ。乗車中に思い出した。「あのー、ストッパム橋ってありますよね?」「あるよー」「写真撮りたいのでちょっととめてもらえますか?」「いいよ、どっち?」「…ど、どっち?って?」「手前?」「…」「とりあえず手前で止めるね」。
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はい、ストッパムブリッジの手前です。川は遠くてほとんど見えなかった…けど、ダイドーはセアラーさんに「川を渡る手前を左に向かう」って言われていたので、この方向に向かっていく途中に悪者につかまって、そのあとスープ卿とデイジー(虎さん)に助けてもらうんですよね。
「ありがとー」って車に戻ると「向こうでも止める?」「?あ、じゃあお願いします」。 -
そして"向こう側"の意味が分かりました。
ストッパム橋は今は道路として新しい橋を使っているのです。向こう側(プルボウ駅側)からは古い石造りのストッパム橋が見えるのでした。かくかくしたデザインの不思議な橋。英語版のwikiにはストッパム橋のタイトルがありますよ(読めない側わからないけど)。
なので「かっこうの木」に出てきた橋はこっちの古い橋。写真の手前側にセアラーさんが目印として言っていたパブ、ホワイトハートが今でも営業をしています!。寄りたかったなあ!。 -
結構木が茂っているのでわかりにくいけど。橋の下の方はこんな感じ…頑健で立派な石造りでした。素敵だ。
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プルボウからロンドンヴィクトリア駅へ。
いや〜、濃い滞在だった…楽しかったなあ。 -
かっこうの木でリザさんが「記念に葉っぱを取ったら?」と言ってくださったので本に挟んできました。
リザさんのブログ
https://joanaiken.wordpress.com/ -
帰ってきてから書いた地図。縮尺はてけとーなのでそういう意味ではだめなんですけど、大体位置関係はこんな感じ。
左下にあるテグリーズファームは、帰国してからリザさんがドッグケネル小屋から指差していたテグリーズ屋敷の方角をグーグルマップでチェックしたらあったのでした。テグリーズが地名なのか人名なのかなぞだけど、屋敷は見つからずファームがあったという訳。テグリーズ屋敷は架空なのか、今はもうないのか、どっちなのかな…。
現地を訪ねたいなあっていう程の読者が日本にどれだけいるかわからないけれど、参考に…とはいえ、他はともかくかっこうの木を探すのはかなりハードル高いです。フットパスはあるけど写真のとおり昼なお暗い灌木の藪なので、一人では絶対お勧めしません。よくよくリサーチするか、わかっている方に連れて行ってもらうのが吉だと思います。
他の場所
は足さえあればルート的には難しくないし、物語世界が今でもそのまま残っていて、訪ねたらその違和感のなさに驚き感動すると思いますよー!
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この旅行記へのコメント (2)
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- arareさん 2017/04/29 18:49:00
- 訳者です
- メールをありがとうございました。「かっこうの木」のサイトは、わたしもまだ訪ねたことがないので、とてもありがたく、また嬉しくぞんじました。リザさんご夫婦のお写真も懐かしく拝見いたしました。さっそくお返事をさしあげようと思ったのですが、どういうわけかいただいたメールが行方不明になってしまいました。編集者にも転送したいと思っておりますので、たいへん申し訳ないのですが、もう一度送っていただけますでしょうか?どうぞよろしくお願い申し上げます。 こだまともこ
- 夏目さん からの返信 2017/04/30 13:20:40
- RE: 訳者です
- こんにちは、うわー、ご覧いただき、書き込みいただき恐縮です。情熱ばかりで書いていて、ちょっと恥ずかしいですが、嬉しいです。
承知しました、GW明けに改めてお送りしますー!。
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