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[矢田丘陵に抱かれた日本の地蔵発祥寺と最古の厄除け寺]<br />大和郡山市と生駒市、生駒郡斑鳩町の境界を南北に走る尾根を矢田丘陵と言い、周辺は県立矢田自然公園に指定されており、丘陵西方の近鉄生駒線と東方の富雄川より西側のバス停より、ハイキング・コースが通じている。<br /><br />そのコースは北の金剛山寺(通称:矢田寺)から丘陵に上がって南の松尾寺へと縦走しているが、前者は昭和後期以降、「紫陽花寺」と呼ばれるほどの約60種、1万株以上の紫陽花が6月に開花し、西日本屈指の紫陽花名所(有料)になっている。<br /><br />矢田寺は大海人皇子(後の天武天皇)が、壬申の乱の戦勝祈願のため矢田山に登られ、即位後の白鳳4年(676)に造営。弘仁年間(810〜24)、満米上人が日本で初めて地蔵菩薩を本尊として祭って以降、地蔵信仰の一大道場となった。<br /><br />松尾寺は明治に再建された(藩政期の旧建材も使用)三重塔が印象的で、まるで観光ガイドブックの表紙を飾るような景観。<br />造営は舎人親王が日本書紀編纂時、厄年であったことから、厄除けと編纂事業の完遂を祈願して養老2年(718)になされた。その後、修験道の霊場ともなって神仏習合の形態を取りつつ、近世には日本最古の厄除け観音霊場として大いに栄えた。<br />5月中旬から6月初旬には、昭和27年の本堂の昭大修理を記念して植えた色とりどりのバラが咲き誇る。<br /><br />両寺には車道が通じているが、矢田丘陵のハイキング・コースは関西では有名なので、ハイカーも比較的多い。当方はバスよりも利便性が高い近鉄生駒線南生駒駅からスタートし、丘陵の榁木峠を一旦越え、東明寺から南下して矢田寺に向かおうとしたが、当時は地形図を持参せず、ガイドブックのコピーのみ見て歩いていたせいで、峠に到るまでの分岐で進路が分からなくなってしまった。<br /><br />野良仕事をしていた老婆に道を尋ねると、東明寺への古い道しるべがある分岐から案内して戴き、ヤブに覆われた箇所は鎌で刈り分け、道の状態がいい所まで先導して貰った。この道は荒れていたことから、明らかに一般のハイキングコースとは違うが、その内、丁石の建つ正規のハイキングコースに出ることができた。<br /><br />趣のある山中の池を見て、ミニ霊場石仏が次々と現れるようになると矢田寺に到る。現在、各サイトでは紫陽花の開花時期を6月上旬から7月上旬としているが、7月初旬には既に多くの花が萎れていたので、訪れるなら6月中がいい。<br />寺からは再び西に登り、丘陵の稜線に出ると南下する。<br /><br />現在、松尾寺に至るまでの間に展望所があり、また、松尾山(315m)山頂への道も整備されているようだが、展望の優れた景色や山頂の写真を撮ってないことから、当時は整備されてなかったか、木々のせいで展望が悪くなっていた可能性がある。<br /><br />松尾寺からは南西に下って行ったが、途中、スズタケが頭上を覆い、トンネル状になっている箇所があった。このコースを歩く者は少ないのだろうか。<br />樹林を抜け出すと、参拝道だけあり、道沿いに石仏が多い。

奈良県一のあじさい名所寺と三重塔が美しい寺

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1990/07/08 - 1990/07/08

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マローズ

マローズさん

[矢田丘陵に抱かれた日本の地蔵発祥寺と最古の厄除け寺]
大和郡山市と生駒市、生駒郡斑鳩町の境界を南北に走る尾根を矢田丘陵と言い、周辺は県立矢田自然公園に指定されており、丘陵西方の近鉄生駒線と東方の富雄川より西側のバス停より、ハイキング・コースが通じている。

そのコースは北の金剛山寺(通称:矢田寺)から丘陵に上がって南の松尾寺へと縦走しているが、前者は昭和後期以降、「紫陽花寺」と呼ばれるほどの約60種、1万株以上の紫陽花が6月に開花し、西日本屈指の紫陽花名所(有料)になっている。

矢田寺は大海人皇子(後の天武天皇)が、壬申の乱の戦勝祈願のため矢田山に登られ、即位後の白鳳4年(676)に造営。弘仁年間(810〜24)、満米上人が日本で初めて地蔵菩薩を本尊として祭って以降、地蔵信仰の一大道場となった。

松尾寺は明治に再建された(藩政期の旧建材も使用)三重塔が印象的で、まるで観光ガイドブックの表紙を飾るような景観。
造営は舎人親王が日本書紀編纂時、厄年であったことから、厄除けと編纂事業の完遂を祈願して養老2年(718)になされた。その後、修験道の霊場ともなって神仏習合の形態を取りつつ、近世には日本最古の厄除け観音霊場として大いに栄えた。
5月中旬から6月初旬には、昭和27年の本堂の昭大修理を記念して植えた色とりどりのバラが咲き誇る。

両寺には車道が通じているが、矢田丘陵のハイキング・コースは関西では有名なので、ハイカーも比較的多い。当方はバスよりも利便性が高い近鉄生駒線南生駒駅からスタートし、丘陵の榁木峠を一旦越え、東明寺から南下して矢田寺に向かおうとしたが、当時は地形図を持参せず、ガイドブックのコピーのみ見て歩いていたせいで、峠に到るまでの分岐で進路が分からなくなってしまった。

野良仕事をしていた老婆に道を尋ねると、東明寺への古い道しるべがある分岐から案内して戴き、ヤブに覆われた箇所は鎌で刈り分け、道の状態がいい所まで先導して貰った。この道は荒れていたことから、明らかに一般のハイキングコースとは違うが、その内、丁石の建つ正規のハイキングコースに出ることができた。

趣のある山中の池を見て、ミニ霊場石仏が次々と現れるようになると矢田寺に到る。現在、各サイトでは紫陽花の開花時期を6月上旬から7月上旬としているが、7月初旬には既に多くの花が萎れていたので、訪れるなら6月中がいい。
寺からは再び西に登り、丘陵の稜線に出ると南下する。

現在、松尾寺に至るまでの間に展望所があり、また、松尾山(315m)山頂への道も整備されているようだが、展望の優れた景色や山頂の写真を撮ってないことから、当時は整備されてなかったか、木々のせいで展望が悪くなっていた可能性がある。

松尾寺からは南西に下って行ったが、途中、スズタケが頭上を覆い、トンネル状になっている箇所があった。このコースを歩く者は少ないのだろうか。
樹林を抜け出すと、参拝道だけあり、道沿いに石仏が多い。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
交通
4.0
交通手段
私鉄
  • 東明寺への道しるべ

    東明寺への道しるべ

  • 一部がヤブに覆われ、歩かれなくなった道

    一部がヤブに覆われ、歩かれなくなった道

  • 山中の池は静寂に包まれている

    山中の池は静寂に包まれている

  • 花の中を通る

    花の中を通る

  • 矢田寺本堂

    矢田寺本堂

    金剛山寺(矢田寺) 寺・神社・教会

  • 矢田寺千仏堂内

    矢田寺千仏堂内

  • 千仏堂の千体地蔵

    千仏堂の千体地蔵

  • 味噌なめ地蔵・・・昔、近在の農婦が自家製の味噌の味が悪くなり、困っていたところ、夢の中に石の地蔵があらわれて、「我にその味噌を食べさせてくれたら、良い味にしてやろう」と告げた。<br /> 翌朝、矢田寺へ参って参道を見ると、夢に出た地蔵があったので、 早速くだんの味噌をその口許にぬったところ、家の味噌は味がよくなったという。

    味噌なめ地蔵・・・昔、近在の農婦が自家製の味噌の味が悪くなり、困っていたところ、夢の中に石の地蔵があらわれて、「我にその味噌を食べさせてくれたら、良い味にしてやろう」と告げた。
    翌朝、矢田寺へ参って参道を見ると、夢に出た地蔵があったので、 早速くだんの味噌をその口許にぬったところ、家の味噌は味がよくなったという。

  • 紫陽花園

    紫陽花園

  • 両側に紫陽花が咲く石段

    両側に紫陽花が咲く石段

  • 開花時期は終わろうとしている。

    開花時期は終わろうとしている。

  • 矢田寺鐘楼

    矢田寺鐘楼

  • 境内の池

    境内の池

  • 矢田寺南僧坊玄関。通常内部非公開(当時)。

    矢田寺南僧坊玄関。通常内部非公開(当時)。

    矢田寺 南僧坊 グルメ・レストラン

  • 矢田寺本堂の側面だったか

    矢田寺本堂の側面だったか

  • 矢田寺舎利殿

    矢田寺舎利殿

  • ハイキングコースの橋

    ハイキングコースの橋

  • 松尾寺神霊石の大岩・・・上部に古代の磐座がある。大岩を巡って、西国三十三ヶ所松尾山石仏観音霊場が整備されている。

    松尾寺神霊石の大岩・・・上部に古代の磐座がある。大岩を巡って、西国三十三ヶ所松尾山石仏観音霊場が整備されている。

  • 緑に朱が映える三重塔

    緑に朱が映える三重塔

    松尾寺 寺・神社・教会

  • 深い切通し

    深い切通し

  • スズタケのトンネルと化したハイキング・コース。白い玉のようなものは、フィルム・カメラのフラッシュの特性によるもの。デジカメのフラッシュでは、半透明のオーブとして写る。故にオーブ写真の9割近くは心霊とは無関係。

    スズタケのトンネルと化したハイキング・コース。白い玉のようなものは、フィルム・カメラのフラッシュの特性によるもの。デジカメのフラッシュでは、半透明のオーブとして写る。故にオーブ写真の9割近くは心霊とは無関係。

  • 叶堂跡側の祠。叶堂跡自体の写真は散逸している。

    叶堂跡側の祠。叶堂跡自体の写真は散逸している。

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