Toursで静かな連休を過ごしました（３）

2016/04/29 - 2016/05/05

連休のToursへの旅行も実質今日（５月２日）が最終日。明日はパリに移動、明後日の便で帰国。時の流れるのは早いもの。無目的、そんな旅ほど早く感じるのかもしれない。幸い今日も晴天。市内を巡ってみることに。で、翌日、パリへの道のりは短いようで長い、休暇もそろそろ終盤です。

帰国編も含め、ここで完了とさせていただきます。

エリア ツール(フランス)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 航空会社: JAL
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日も幸い晴れて、乾いた冷たい風が街路を通っていく。月曜日となり、駅や道路は人と車で溢れてきたが、旧市街は、まだ朝、店も開いていないこともあり、静かな佇まい。

足を延ばして、というか、本来の市街地の中心を目指しプリュムロー広場（Place Plumereau）からロワール川の岸辺を目指す。散歩コースとしては周遊距離がかなりあるが、手ぶらであれば、比較的平坦で石畳も平らなので、思ったより負担はない。

フランスやベネルクスの街は、総じて街の中心に大きな教会、聖堂が鎮座し、広場があり、と、どれも同じに見えてくるのだが、よく見れば違いはある。プリュムロー広場はやや狭い感じ。おそらく昼になると人があふれるのであろう。トゥールではずせない観光地らしい。

広場を取り巻く多くの家は三角屋根の格子で飾られた壁の家が並び、一見アルザス地方の家に似たところもある。もちろん私の単なる個人的印象で、なんら裏付けはない。

ロワール川の岸辺に到着。初夏の緑が美しい。日本の気候帯と異なるからか、緑の鮮やかさが輝くようだ。

昨夜知ったのだが、トゥールは日本の香川県、高松市と姉妹都市、、、理由は全くわからない。まあ、たまたま人の行き来が重なった、高松市のHPからだと、それくらいしかわからない。どちらも県都ではあるが、内陸のこの街と、瀬戸内海に面した高松市。経済や文化でも共通点はないように思えるのだが。。。まあ、人は仲良くするのが一番。トゥールにもそのうち「うどん屋」ができるのだろうか？

紅色の花木も彩りを添えている。ずっといても気持ちよさそうではあるが、しばし佇んで、帰途に着く。

河岸を上がったところに、フランソワ・ラブレーの像が立つ。ロワール地方シノンで生まれ、ルネサンス期の人間の本質を探求した人物（ネットの又聞き）であるが、活動自体はこの地では行わなかった、らしい。地元出身の高名な学者として大事にされているのであろう、この街の大学にも彼の名が付けられている

街の中心部を南北につなぐナショナル通り（Rue Nationale）をトラムが走る。典型的なLRTでフランスの大きめの街ではよく見かけるようになった。車社会のフランス地方都市で、よく普及できたものと思う。この通りも自動車は原則通行できない。ちなみに、トゥールでは、１９世紀、自動車が普及する前に、路面電車が駅前と街なかを結んでいたらしい。一度廃止して、復活させたのだろうか？他の街でもよくあること。

この写真は、進行方向後方から撮ったもの。赤い２スジのラインは、いわゆる後方赤色灯で、デザインとしてはなかなか洒落ていると思う。

実は、帰国日が近づくと、あまり行動的になれなくなる、という傾向がある。あくまで私個人の場合だが。今回も含め、初日は、ホテルを出なくても、明日からあれをしよう、これをしようと、思いつくままに滞在時間のプランを練るのだが、日が進むに従って、目先の最小限やりたいこと、その範囲に閉じこもってしまう。

今回も、あ、あれ食べて日本に帰ろう、というのが最後に残り、今日の昼食は駅に近いレストランへ。賑わってはいるのだが、皆、店の従業員と顔見知り、お客様同士も顔見知りの人がいるようで、私はなんか浮いている感じ。でも、店に入ると、窓際のいい席に通された。程なく私の周りは満席状態。

今でも、このようなオードブルを出す店がある。ゆでたまごのマヨネーズ添え。フランス語の勉強をすると、初級、レストランのシーンで、オードブルの選択にお約束のように出てきたメニュー。もう一つトマトサラダ、というのも教科書ではよく出てきていたが、とんと出会えない。
マスタードのきいた懐かしい味。

フランスに来て、一回は食べたいもの、それがアンドゥイエット。内臓のソーセージで、好き嫌いが分かれるし、地方ごとに料理方法がほんの少し、微妙に違う。ここのも、あまり強く焼いていないもの（中が冷たいわけではない）。私の好みから言うとまずまず、でももう少し頑張って、、、香ばしさが欲しいといったところ。

ワインにあうので、食べ過ぎ飲み過ぎ要注意の一皿である。コーヒーを飲んで、店を出る。

Toursの駅前のマクドナルドの前には、サイがいる。マックとのコラボで現代アートの芸術家が作り、置いたらしい。

街をぶらつき、一度ホテルに戻る、、、というか、夕食は朝買い出しに行って買い求めたもので済ませることにしているので、さしたるプランも思いつかない。

駅に向かう電車がホテルの脇を通る。右手、かなり距離をおいてToursの駅がある。

この一つ前の写真と同じ日に撮ったように見えますが、違います。翌日、旅行も終盤、パリに移動する日の朝撮ったものです。
いい天気、まだここにいたいなあ、でも休みも終わりが見えた、と思いつつ、荷造りして駅にむかいます。

パリ行きの列車を待つTours駅。あ、左手のTGV、これに乗るわけではありません。
行きはTGVだったので、帰りは在来線に乗ってみようかと思って、予約を入れたわけですが。。。これが。

オルレアン経由、パリ、オーステルリッツ駅に向かう。オルレアンで乗り換える在来線の旅、こう計画したわけです。
なぜか。理由は在来線に乗ってみたかった、久しく行っていないオーステルリッツ駅を見てみたかった、パリに着く時間調整、もろもろあったのですが、特段大きな理由はなかったのです。

オルレアンへ向かう列車の車窓には黄色い絨毯、菜の花かな？目が洗われます。でもすぐ横の席では、、、SNCF（フランス国鉄）の車掌と移動中なのかお知り合いと、４名、座っておしゃべり。おまえら仕事中だよね？お客さんがいるのに座って「談笑」するか？
日本だと、鉄道会社の社員は自分の会社の列車では座りません。特急、新幹線でも自由席、これが常識だそうな。でも、私のほか、何人かいたフランス人とおぼしき乗客は何も言いませんでした、１時間。

で、オルレアンからの列車。パリ目指して一直線、フランスは平日なので空いている、静かと思いきや。後ろのデッキで、男女の叫び声！　若い二人がパリまでずっと喧嘩してました。会話がわかるほどの語学力はありませんが、まあすさまじい。
この車両のお客さんも「うるさい」ととがめに行きましたが通じず。パリに着くまでずっとわめき合っていました、１時間。

パリまで連れて行ってくれた機関車、随分年代モノだよなあ。乗り心地は快適でした、が。
駅の雰囲気は最悪、先進国の首都のターミナルか？と言うと言い過ぎでしょうが、何となく険悪かつ危ない雰囲気。争ってた２人組含め、普通ではない。言葉にはできませんが、治安悪そう。
もともと欧州の首都の駅は治安が悪い、これが常識で、スリ・置き引きのたぐいは日常茶飯事なのですが、なんか一線を越えたような感じ。写真撮ってる場合ではない、と、メトロの駅に向かう。

いきなりドゴール空港そばのIbisホテル。いやあ、すっかり忘れてました。オーステルリッツ駅のメトロの駅、珍しく地上、高架上にあるんですね。バリアフリーなんて考えていない。エスカレータもなく、階段をのぼる。おすすめしません、この駅経由のパリ入り。
で、古い駅なんで、切符売り場も狭い。自動販売機で買おうとすると、よく分かんないし紙幣が使えないんで、窓口に人が殺到。自販機に並んでるのか、窓口に並んでいるのか、もうカオスの状態。まあ、なんだかんだでCDG（シャルル・ドゴール空港）行きの切符は自販機で普通に買えました。
でも、その後も駅やメトロの雰囲気は、随分昔のパリ（パリはフランスではないと言われた）にもどった感じ。ホーム上まで〇〇〇（座ってお金ください、という人々）がいる。もちろんRERに乗り換える北駅も。このホテル、IbisCDGまで一直線です。

このホテル、できたのは随分古い。前から愛用していて、帰国前日は、本当はパリ市内で遊びたいのだけれども、電車が止まったら飛行機乗れないし、といつも迷って、結局ここを使ってました。その後、やはりそのような需要があるのか、隣にいくつかAccor系列のホテルができ、前の旅行では隣のホテルに宿泊してみました。でも総合的にみるとこのホテル、やっぱり立地が良いよね、ということでをチョイス。最近、リニューアル工事をして、変わったらしい、というのも理由の一つ。
でも、結果、値段が上がって、中身はあまり変わらないIbisスタンダード。レストランが以前の南欧風から伝統系に変わったが、これも値段高い。
ネットのスピード、接続が良くなった、そこぐらいでしょう、よくなったのは。冷蔵庫とか、「欲しいよなあ」というような設備は追加されていない。部屋の中はこんな感じ。

もろもろあって、緊張の中ホテルにチェックイン。なんか忘れてるよなあ、と思ってふと。朝、早い時間にホテルの部屋で食事して、そのまま飲み食いしていない。お腹すきました、喉乾きました。
で、レストラン、といってもド・ゴール空港のターミナルや周辺は「空港価格」で高くて美味しい訳でもない。結局第２ターミナルのスーパーに行き、ホテルの部屋で食事することに。いつもこんな感じで旅を終えます。
明日は日本向けて一直線。休暇もおしまいですが、仕方ありません。充分楽しんだし、やり残したことはあるけど、また旅行の機会があればそこで。
ちびちびと飲み食いしながら夜はふけていきます。

いよいよ帰国日です。ちょっと寂しい、でもまた来ることができたらいいなあ。漫然と過ごしたけど、自分なりには楽しかった。ヤッパリ仕事で来るのとはぜんぜん違う。
で、ここから、なぜチケットが安かったか、その一端がわかってきます。市場経済、資本主義。

帰国便はロンドン経由のBA。CDGは第2ターミナルですが（写真）、BA専用の狭いカウンターでチェックイン。まあパリはいいんですね。でもロンドン・ヒースローは、著名な乗り継ぎ不便空港。とにかく並ぶ並ぶ。世界一の国際線利用客数ですから（最近ドバイに抜かれたかな？）、当たりまえです。でもBA同士の乗り継ぎなので、多少楽かも。

ヒースロー空港。時間帯が良かったのか、思ったよりスムース（ということは空いているから）。混んでなくて良かった、まあ昼の便。一番時間が無駄になる（長距離線は移動だけ）ですから。

さて、BAとJALの共同運航便（BA運行）、このバスで日本に戻ります、このバスで！てなことはありえないわけで、なんと、最近珍しい沖止め（ボーディングブリッジがない）。安い理由の一つかな、GWは仕事のお客様が少ないので、まあ、こんなこともできるんでしう。

相変わらずユニークなBAのシート。満席でした、、、が、これ、古いタイプだよなあ。昔を知る身にとっては、別にこれでもいいんです、チケット値段見合い。足はどんと伸ばせられますからね。

ということで、さあ、成田に向けて一直線、と思いきや、なかなか飛ばない。滑走路が混んでいるそうな。そりゃそうだ、ターミナルは簡単にいえば5つ。滑走路は平行２本。混みます、長距離便は後回し。
ヒースロー空港は整備されたタイミングが悪く、ちょうどジェット機の長距離便がどっと増えた頃。加えて、コンコルドみたいに長い滑走路は必要な飛行機まで来てしまった。周りは住宅街、というのもあって拡張が難しい。いつも混乱している、というのが最初から決まっていたようなもの。かつて、BAは「預け入れ手荷物の紛失が多い」という悪評がありました。私も私の友人も経験あり、ですが、BAというよりヒースロー空港の問題なんですね、たぶん。今では、少し整理されて、荷物がなくなる、という噂はきかなくなりましたが。

値段のからくりの全貌はわかりませんが、一部は何となくわかりました。私を含め日本人のお客様、ご旅行と思われる女性やカップルが幅広い年代で集まり、満席でした。値段を考えれば、行きは羽田発直行便だったし、文句は言えません。BAの機内食は、まだ少し重いし、英国独特の料理してない（切っただけ）か、火を入れすぎた肉料理。これはこれでこんなもの。

私の今回の旅行記はここでおしまい。帰国便は、余り飲み過ぎたり、勢いで食べたりすると降りてから、時差ボケ、疲労、二日酔いの３重苦。控えめが必須。特に、成田からは、帰路、結構あります。

でも、大型連休、とは言え、随分勝手に過ごさせてもらったなあ。次はどうしよう。というまえの先立つもの。これがなければ始まりません。休日明けはまた仕事。仕事しなければ次の旅行は無い、すれば次がある、と何となく納得して、蒸し暑い成田空港に着いたのでありました。

ここまでお付き合いいただいた読者の皆様、ありがとうございました。ゆるい旅行記でしょ？こんな人もいる、そんな感じでゆるくお付き合いいただければ嬉しい、これで終わらせていただきます。