2016/04/14 - 2016/04/14
202位(同エリア610件中)
玄白さん
先週に引き続き、今週もまた飲み会のために上京。今回は昨年12月にタイ旅行に出かけた面々との飲み会。タイ赴任中で現地で旅行のアレンジをしてくれたNさんの慰労会&旅行反省会という名目で夫婦同伴での飲み会である。めったにない夫婦そろっての上京なので、昼間の行動は連れ合いの希望優先。
桜が終わると春の花の主役はツツジや藤などに入れ替わる。ツツジで有名な根津神社ではすでにつつじ祭りが始まっているので行ってみることにした。ちょっと早いかもしれないと心配したが、今年は開花が早いようで、十分に楽しめた。しかも、まだ人出は少なく静かにゆっくりと楽しむことができた。
午後は、サントリー美術館で明治期の陶芸家、宮川香山の陶芸作品を鑑賞。陶芸に関してはそれほど知識も興味もないのだが、香山の作品を見て驚愕!陶芸でこんなことができるのか!というカルチャーショックを受けた。
伝統的な楽焼き、有田焼きなど古今の名陶芸家、人間国宝級の現代の陶芸家の作品も香山の作品の前では、輝きが失せてしまうのではないかと思わせてしまうほどの奇跡的とも革命的とも言える超絶技巧に圧倒されたのであった。
- 旅行の満足度
- 4.5
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すでに5日前から根津神社ではつつじ祭りが開催されているが、まだツツジは咲はじめということだろうか、人出は少なく、境内は静かだ。
根津神社 寺・神社・教会
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神橋の先に楼門が見えている。
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拝殿での参拝は後回しにして、つつじ苑に行く。思ったより、ツツジの開花は進んでいる。入苑料¥200払って苑内へ。
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つつじ苑は約2000坪の広さがあり、100種類3000株のツツジが植えられている。開花時期が品種によって違うのでおよそ一か月間はツツジを楽しめるという。
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イチオシ
キリシマツツジ。背後は楼門
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オオムラサキツツジ
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上に登っていくと、千本鳥居が見えてきた。鳥居の横のツツジはまだ開花していない。
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境内でもらったチラシのコピー。ツツジの最盛期には、このとおり、大勢の人が押し掛け、狭い園路は身動きできないほどの混雑になるようだ。
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だが、今日は、この通り人影はまばら。静かでよろしい。
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ときどき、小雨が降っているが傘を差さなければならないほどではない。しっとりと雨に濡れて、ツツジは花も葉も生き生きしている。
以下、コメントなしでツツジの写真を並べておこう。 -
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これだけ咲いているのに、通路に誰もいないところを撮れる。来週になればこんなことはありえないだろう。
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イチオシ
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手前の藤色がかったピンクのツツジはアケボノという品種
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アケボノをアップで。
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イチオシ
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イチオシ
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イチオシ
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イチオシ
ゴヨウツツジ。別名シロヤシオ。小振りの清楚な花を咲かせ、皇室の愛子親王のお印としてもよく知られている。
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イチオシ
つつじ苑を出て、千本鳥居参道を通って稲荷神社に行ってみる。千本鳥居と言えば、京都伏見稲荷大社が有名だが、東京にも千本鳥居があるとは知らなかった。
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稲荷神社は2つある。千本鳥居の中間にある乙女稲荷神社。
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舞台造りのこじんまりした社。明治時代に造営された社だという。この写真は拝殿で参拝した後に撮影したもの
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乙女稲荷神社社殿内部。正面裏側の崖に風穴が開いていて、それが女性の産道を象徴しているということから乙女稲荷神社と言われるようになったとか・・・
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さらに千本鳥居参道を奥に進むと駒形稲荷神社がある。社の前には根津神社が創建された当時の最古の石鳥居があったが、東日本大震災で倒壊してしまったそうだ。
この稲荷神社は根津神社より古く、徳川家宣が生まれた屋敷の守り神だった。 -
この神社には、左右一対の狐以外に、こんな狐たちがいる。
さて、根津神社拝殿の方に戻ることにしよう。 -
手水舎。
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手水舎の反対側にある舞殿。これは明治時代のものらしい
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楼門。
境内の重要な建物(本殿、幣殿、拝殿、唐門、楼門、西門、透塀)は全て五代将軍徳川綱吉が造営した当初のものが焼失することなく現存している。すべて昭和6年に国宝に指定されたが、現在では国指定重要文化財に格下げになっている。 -
唐門をくくり、拝殿へ
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拝殿
つつじ祭りの期間中(4/9〜5/5)のみ、12;00、14:00の一日2回だけ拝殿に昇殿して三十六歌仙大和絵が拝観できる。連れ合いが是非見たいと言う。まだ30分ほど待ち時間があるが、境内をぶらぶらして待つ。 -
建築様式は権現造り、日光東照宮と同じである。建物の装飾は東照宮とよく似ている。
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拝殿に向かって左側境内に「願かけカヤの木」という神木があり、夥しい数の絵馬が架かっている。ツツジの神社らしく、華やかな絵馬だ。最近は外国人観光客が増えているので、英語で書かれた絵馬もある。
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拝殿横からつつじ苑遠望
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透塀(すきべい)と言われる江戸時代の塀。少しの狂いもなく、現代まで創建当時のものがそのまま残っている。最近の調査によると、地中8mまで基礎工事がしてあることが分かったそうだ。
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唐門越しに楼門を望む。
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拝殿東側の塀の外で一人の女性に何か祈祷の最中。
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イチオシ
すでに葉桜になっているが、幹が苔むした桜の古木が立っている。
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西門越しに乙女稲荷神社を望む。
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三十六歌仙大和絵拝観の時間になったので、拝殿の中へ。
拝殿の天井の装飾。
しばらく待つと神主さんがやってきて、拝観前にお祓いをしてくれる。拝観者は4人だけ。 -
三十六歌仙大和絵は、拝殿中央の壁にずらりと架けられている。撮影禁止なので、連れ合いが買い求めた絵葉書をコピーしたもの。元は江戸時代に奉納された三十六歌仙絵があったが、戦災で焼失。現在の画は昭和の大和絵の名手と言われた森村宣永という人物の作、書は小林規子という書道家のものだが、玄白はこの二人のことは全く知らない。
平安時代の文学は苦手で、この中で知っているのは左上の小野小町くらいのものである。 -
拝殿の中は普段は暗いのだが、三十六歌仙拝観の時だけは照明が灯る。
拝観を終え、外から拝殿の中を撮影。 -
根津神社を後にして、サントリー美術館が入っている六本木のミッドタウンに向かう。
まずは、腹ごしらえ。連れ合いが以前友達と新国立美術館に来たときに入ったというとあるカフェへ。
店の名前は失念、値段は高いが味は今一つという、ありがちな今時のカフェレストラン。東京ミッドタウン ショッピングモール
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腹ごしらえをして、いざサントリー美術館へ。ミッドタウンガレリアの三階にある。
この美術館は常設展はなく、さまざまな企画展が期間を区切って開催されている。
連れ合いが、4月17日まで宮川香山没後100周年記念の陶芸展をやっているので見たいという希望で十数年振りにサントリー美術館に訪れた次第である。
日本の美術館の常であるが、ここも館内は撮影禁止。しかし、一対二組の作品だけは撮影が許可されていた。撮影できるとは思わなかったのでカメラは手荷物ロッカーにしまい込んであるので、スマホでの撮影。サントリー美術館 美術館・博物館
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宮川香山は江戸末期から大正期にかけて活躍した陶芸家である。その特徴は、「高浮彫」という陶器の表面に立体的・写実的な造形を施した技法である。常識的な陶芸といえば、壺や花瓶といったベースの形状の上に釉で装飾を施すもの。
これは撮影許可された作品の一つ「高浮彫四窓遊蛙獅子鈕蓋付壺」という作品。壺の側面にくぼみを作り、その中に擬人化され太鼓や巻物を広げた蛙を立体的に作り込んでいる。その周囲には蓮やコウホネが咲く池の様子をレリーフ的技法で盛り上げて描いている。愛嬌のある蛙の表情は、前の写真でよくうかがえる。照明の影ができていることから、この写真でも蛙が立体的な造形だということが分かる。 -
これは、前の作品と対になった「高浮彫蛙武者合戦花瓶」
花瓶頸部に武者姿の蛙が2匹が睨み合う様子が立体的に造形されている。膨らみがある胴体部には水の流れと野の花が上絵付で細密に写実的に描かれている。 -
「高浮彫桜二群鳩大花瓶」
満開の桜の枝に戯れる鳩を立体的に造形している。壺の底部にはリュウキンカやレンゲソウなどの色とりどりの花が形も色も写実的に描かれている。 -
これらの作品が驚異的であるのは、これが陶芸独自の「高温での焼成」というプロセスを経て実現されていることである。単なる彫刻や絵の技法としてならば、この程度の表現をすることは、芸術技法の基礎を積んだ人ならば、さほど難しいことではないかもしれない。
しかし、炉の中で千℃以上の高温で焼き固めると、器の収縮が起こり、複雑に立体的な造型を施せば収縮応力のムラが起こり変形や破損するのが当然と思われる。釉の化学変化による色の再現についても、これだけ細密で写実的な装飾を施せば、すべてを意図通りの発色に仕上げるのも相当な困難を伴うはずだ。宮川香山はどうやって、こんなことを可能にしたのであろうか。まさしく、革命的な超絶技巧と言わざるを得ない。
現代の化学的知識をも熟知した名陶工でも、この高浮彫技法を使える人はいるのだろうか? -
宮川香山と言えば、この高浮彫の作品が代名詞になっているが、明治15年以降は、釉と釉下彩の研究を始め、中国清朝の青磁の技法にも挑戦している。これでもかというほど数多くの高浮彫超絶技巧作品を見せられたあと、いささか辟易気味なところに、古典的技法でありながら上品でモダン的ともいえる清新な青磁の作品を見せられると、すがすがしくリフレッシュした気分になれたものだった。
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この写実的でありながら非現実的にも感じられるような作品に、グロテスクなものを感じて好きになれないと思う人もいると思う。
しかし、宮川香山の凄みは、技法としての高浮彫の完成度の高さというだけではなく、従来の陶芸の「決められた器の形」に、いかに装飾を施すかという制約から離れ、装飾表現のためにベースとなる器の形を壊してもよいという自由で柔軟な発想の革命性だと思う。新しい表現のために、従来の技法、あるいは自ら確立した高浮彫にもこだわらず、年をかさねてから新たに青磁による美の表現を追求するという、精神の若さがすごい。
ともかく、陶芸という伝統芸術の古臭さを粉々に吹き飛ばすような宮川香山の作品から強烈なカルチャーショックを受け、まさに岡本太郎の「芸術は爆発だ!」を体験したのであった。
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