2016/03/28 - 2016/04/01
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スイーツの求道者あきあさん
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帯広巡礼の目的のひとつは、お勉強にありました。
スイーツを表題に掲げるブログを開設している以上、ただ観光旅行に行って、
アイスやソフトクリームを食べて、美味しかった、では何か物足りない。
お腹の空腹は満たせても、魂の空腹は満たせない。
スイーツを通して、もっと何か大きなものが見えて来るのではないか。
こうした展望を持って全国を回っています。
今回は、スイーツ作りの舞台裏を覗き込むことで、その奥に秘匿された謎の一端に少しでも触れることができれば、という観測の下に、十勝スイーツの秘密基地に潜入しました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
秘密基地に潜入する前に、まずは事前調査から開始。
スイーツの原料についてのブリーフィングを受けることが一番目の指令です。
そこで、初めに砂糖の製造方法と国内の砂糖生産の歴史を学ぶために、日本甜菜製糖株式会社が設立したビート資料館にお邪魔して、解説員の方のお話を聞きながら1時間ほど勉強をしてきました。 -
ビート資料館には去年も訪ね、館長さんの懇切丁寧なマンツーマンによる解説に感銘を受け、再訪したのですが、あいにく今回訪問したのは月曜日で、館長さんは代休を取ってお休みでした。
代わりに、日本甜菜製糖株式会社総合研究所知的財産課の中川さんから長時間に渡ってこれまた丁寧な解説を受けることができました。
帯広が観光シーズンとなるのは、4月の中旬から5月のゴールデンウィークに入る頃からで、3月のいまの時期はオフで観光客も少なく、観光施設が閉まっているケースが多い。
けれど、ここビート資料館に来館するお客さんも少ないため、時間を割いて、場合によっては一組ひとりの解説員がつきっきりで話をしてもらえるという贅沢なサービスがあります。
入場料は300円ですが、帰りに記念としてスティックシュガー入りの箱をいただけるなど、非常にお得感がある施設です。 -
ビートは甜菜(てんさい)のこと。
ちなみにビートたけしのコンビ名、ツービートは、音楽のツービートにこの甜菜=天才をかけています。
砂糖はさとうきびのほかに、この甜菜から作られます。
もう一度、ビート資料館で撮影した甜菜の標本写真を掲げます。
外見は蕪に似ていますが、ほうれん草の仲間です。 -
さとうきびは熱帯地方の植物で、日本では沖縄県と鹿児島県の南西諸島で栽培されています。
茎の樹液を絞るかたち(圧搾法)で、砂糖液を取り出します。
これに対して、甜菜は寒冷地に適した作物で、日本ではここ北海道の十勝平野で産出され、帯広市と隣町の芽室町に日本甜菜製糖株式会社の工場があります。
こちらは根の部分に糖分が含まれていて、煮出すかたち(浸出法)で砂糖を取り出します。
写真は公益社団法人沖縄県糖業振興協会ホームページより転載
http://www.oki-toshinkyo.or.jp/ -
さとうきびは8kgで約1kgの砂糖を生産できるのに比べて、甜菜は6kgで約1kgの砂糖を採取することができます。
私は先日、沖縄旅行に行ってきたばかりなので、さとうきびと甜菜との違いについて特に興味を持ち、詳細にお話を伺いました。
甜菜の根は不純物が多いため、アクが強く、石灰で不純物を除去する工程を経ます。
こうした手順を踏んで作られた上白糖の場合、98%近くはショ糖の成分で、純度が非常に高い砂糖ができあがります。
さとうきびも甜菜も上白糖に精製してしまえば、味の違いはあまりないということです。
資料館にパティシエの方が見学に来られて、その方でも味の違いはわからないと言われていたそうです。
国内では、さとうきびを上白糖にまで加工することは少なく、ふつうは私たちがなじみの黒砂糖の段階にとどめます。
この黒砂糖は、搾り汁だけを煮沸濃縮以外の加工をせず製品化するために、色が黒く、不純物も多くて産地の島ごとに味が微妙に違ってくるということになるわけです -
世界の砂糖の生産量はさとうきびから作るものが圧倒的に多く、甜菜由来のものは、ドイツ、フランス、ロシア、アメリカ、日本など一部の地域に限られています。
上の写真では、青がさとうきび、緑が甜菜の産地を示しています。
現在では、ブラジルなどが一大産地となっていることをおわかりいただけるかと思います。
日本では、明治時代、北海道の伊達紋別で甜菜による最初の砂糖生産が始まり、何度かの失敗と生産中止期間を経て、大正時代になって第一次世界大戦による好景気を受けて1919年(大正8年)に北海道製糖が設立されて、ここ帯広の地で本格的な砂糖生産が始まります。
これがビート資料館を運営する日本甜菜製糖株式会社の前身にあたります。
しかし、創業当初は製造量は少なく、国内向けの生産に限られていました。
生産量が飛躍的に増大して、現在の発展の契機となったのは、戦後の高度成長期まで待たなければなりません。 -
甜菜がさとうきびと一番違うのは、捨てるところがまったくないということです。
根からは砂糖が抽出され、葉や茎は家畜の飼料や農作物の肥料になります。
余った溶液もパンをつくるイースト菌を培養する栄養分として使われます。
帯広を代表するパン屋さんのますや麦音店がビート資料館のすぐ隣に位置するのもこうした事情によります。
このますやさんですが、北海道で私が一番お気に入りのパン屋です。
特にこの麦音店は敷地が広く、夏場はテラス席で小鳥のさえずりを聞きながら、北海道の豊かな自然を借景にのんびりとパンを食べることができます。
去年訪問したときには、リスも顔を出しました。 -
帯広で私が一番くつろげる場所で、自信を持ってお勧めできるので、皆さまが帯広にご旅行の際にはぜひ一度お立ち寄りください。
もちろん、焼きたてパンも大変、美味です。
十勝バスを利用する場合は、帯広バスターミナルから十勝バス本社行
きに乗り、西18条4丁目で降りてください。
時間があれば、隣のビート資料館も見学してみてください。 -
すっかり砂糖の勉強をして、脳ミソが砂糖付けになりました。
翌日、いよいよ秘密基地に潜入です。
秘密基地を訪問するには、事前に予約しなければなりません。
それじゃあ、潜入じゃないじゃん(笑)。
いいんです。気分は潜入なのですから。
ちなみに入場料は無料です。
密かに潜入するのですから、当然無料でしょうが(これは、潜入でなく、モグリですね)、堂々と正面玄関から入っても無料です。 -
その日の午前10時の回に予約を入れて、さっそくバスで工場に向かいます。
バス停を降りて少し歩くと潜入先の建物が見えてきました。 -
ターゲットは、もうおわかりでしょう。
アイスクリームの原料となる生乳や生クリームを作る、よつ葉乳業の十勝基幹工場です。
工場見学、もとい、工場潜入は、むかし、小学校のときの社会科見学以来で、ワクワクします。
工場の入り口から入り、煙突が視界に入ります。
テンションが一気に上がります。
工場萌えという言葉がありますが、わかるような気がします。 -
受付で名前などを書いて、待合室のソファーで時間まで待機です。
よつ葉乳業の会社の沿革や製品などを解説したパネルを見ながら待ちます。
この会社は、1967(昭和42)年にいくつかの農協が合同して生乳の共同購入を行う会社として、太田寛一氏によって設立された北海道協同乳業株式会社を母胎として、現在は北海道のほかに千葉にも工場があります。 -
この10時の部は、ほかには親子連れの一組だけで、しめて4人の少人数です。
案内してくださる総務課の方が見えて、いざ工場の中へ。 -
初めに映像資料室に案内されて、牛乳やバターの作り方を解説したビデオを15分ほど鑑賞します。
ミルクローリーと呼ばれるタンクローリーのような車が農家を回って集めた生乳を工場に運びます。
それから、徹底した衛生管理の下で牛乳などの乳製品へと加工される様子がわかりやすく解説されています。
映像を見終えると、隣の展示室で、さらに牛乳の現在置かれている状況などの解説を受けます。
上のミルクローリーの写真は「WEB TOKACHI」より転載
http://www.tokachi.co.jp/feature/200906/20090627-0001889.php -
牛乳の生産量はここ十年ほどで激減している、という話が一番印象にの残りました。
少子化による消費量の落ち込みがやはり大きいそうです。
私が小学生のころは、学校給食で牛乳を飲まされたものですが、いまや給食で和食を選択する自治体もあり、牛乳を取りやめる学校もあるということです。
ほかには、酪農農家の後継者不足といった問題も挙げられていました。農家の仕事は朝5時から夜の8時までで、きつい長時間労働になります。搾乳は一日に2回。
搾るだけで2時間取られる。そのほかにも、給餌や牛舎の掃除など相手が生き物ですから手を抜けない。
最近では、搾乳ロボットを導入する農家も出てきて、手間が省けて楽になったとはいえ、費用は数千万もかかるそうです。
上の写真は広島大学のホームページより転載
http://www.hiroshima-u.ac.jp/fcenter/sisetu/p_y6a9av.html -
よつ葉乳業で作られる乳製品は消費者向けよりも生産者の企業向けがほとんどを占めているということです。
ヤクルトのジョワはよつ葉乳業の脱脂粉乳を原料としていると聞いて、少し驚きました。
今回は牛乳とバターを作る工程を2階のガラス超しに見学させてもらいましたが、ここは撮影禁止のために、自家撮り写真はありません。
工場では、乳製品の製造から箱詰めまで、ほとんどが自動化され、従業員はひとつの工場内に数人しか配置されていません。
自動化されていると言っても、人間はラインが正常に流れているかをチェックしたり、梱包材料を補給したりする作業で、忙しく動きまわっています。
工場は常に無菌状態を保たなければならないので、消毒された作業服に着替えた後、入り口でエアシャワーの噴霧を受けて、塵ひとつない状態で入る徹底した管理体制が敷かれています。
従業員の方が途中で用を足したくなったら、着替えから消毒までの一連の作業をしなければならないので、トイレにもいけません。 -
ほかに解説された総務課の方の話で面白いと思ったのは、牛が食べる草によって牛乳やバターの味の違いが出ること。
たとえば、オーストラリアなどの海外の製品に比べて、日本の牛乳はだんぜん美味しいのだとか。
海外のものは、放牧で青草しか食べていないので、味が薄いんだそうです。
バターについても事情は同じで、国産のもので同じよつ葉乳業の製品であっても、北海道の十勝と宗谷とでは、品質の違いが出るそうです。
十勝産は黄色味が強く、宗谷産は白い。
そういう話はとても新鮮に聞こえました。
これも気候よりも牧草の違いが大きいのだということ。
「うちでは、いろいろな会社のバターを使ってみたが、よつ葉乳業のバターが一番美味しいのはなぜだ。」
見学に見えたパン屋さんが、そう質問された、という話も印象に強く残っています。
解説員の方の説明は、いくぶん手前味噌のところもあるでしょうから、少し割り引いて聞いたほうがいいのですが、私も個人的には牛乳はよつ葉乳業のものが一番美味しいと感じています。
上の写真は楽天市場から転載
http://item.rakuten.co.jp/mamapan/17020016/ -
1時間の工場見学は瞬く間に終わりました。
初めの待合室に戻って、最後に記念品の消しゴムと牛乳を頂戴しました。
たっぷり解説を受けて牛乳飲めて、お土産までいただいて、そのうえ無料。
こんなにいいことはありません。
いたく感銘を受けました。
工場に潜入したつもりが、かえって、私の心の奥深くによつ葉乳業が潜入してきたというオチがつきました。 -
帯広でよつ葉乳業十勝基幹工場を見学した話を前に書きました。
乳業メーカーの厳しい衛生管理やオートメーションによる牛乳・バターの生産のしくみがよくわかって、大変、勉強になりました。
しかしながら、残念なことがひとつありました。
それは、せっかく新鮮な生乳が集められながら、これを使ったソフトクリームが食べられなかったことです。
当初は工場内にカフェをつくる案があったということですが、立ち消えになりました。
その代わり、ソフトクリームを販売していた時期があったそうですが、これも終了となりました。
聞くところによると、東京のスカイツリータウンによつ葉乳業が出しているお店があり、そこでソフトクリームを提供しているとのこと。
これは行くっきゃない。
そう思い立ち、本日、北海道での無念を晴らしに行ってまいりました。
JR上野駅から地下鉄銀座線に乗り換え、浅草で下車。
そこから東武鉄道で1つめの駅がとうきょうスカイツリー駅です。
上の写真はすみだマガジンより転載
http://tokyo-skytree-navi.com/ct/?p=971 -
駅改札を出て、ソラマチへはエスカレーターですぐのアクセスです。
中へ入って迷いました。
ソラマチは何しろお店が多い。
4階の屋外テラスに出ると、スカイツリーが間近に迫って見えます。
すかさずシャッターを切りました。
下から見上げると、圧倒的な存在感です。
この日はあいにく曇っていたため、上に昇っても眺望は期待できないため、今回は外からだけにしました。 -
店の正式な名前は「ミルク&パフェよつ葉ホワイトコージ」です。
6階のレストラン街に行っても見つからず、結局、3階のフードコート内にありました。 -
メニューの見本がいろいろ飾られています。
-
ソフトクリームのほかにも、クレープやアイスフロートなどがあるようです。
私が帯広でさんざんこだわった小豆の乗っている「道産ゑびすかぼちゃと小豆のパフェ」を注文しました。
470円也。
お店のホームページには、北海道十勝産のソフトクリームは、バニラ・北海道産かぼちゃ・ミックスの3種類ご用意しております、とあります。
やはり、北海道ラブの私には外せません。 -
いよいよアイスとご対面です。
長い棒はごまスティック。
白いソフトの上にかぼちゃのソースがかかっていますね。
小豆煮がとろ〜りとかかっていて、丸い物体が道産ゑびすかぼちゃです。
一瞬、梅干しに見えました。
色が悪いのは、逆に着色料を使っていない証拠なので、よしとしましょう。
ゑびすかぼちゃというのが聞きなれない名前なのでネットの「野菜果物辞典」で調べてみると、
「今、皆さんが食べているかぼちゃのほとんどです!」
「日本のほとんどはこのかぼちゃといわれている。もっとも一般的なかぼちゃ。」
だそうです。
http://www.yasaiyasai.com/name/k/kabocha/ebisu.html
なあ〜んだ。普通の南瓜か。
だったっら、わざわざ、わ行の「ゑびすかぼちゃ」なんて使わないで、「ただのかぼちゃ」と書けばいい(笑)。
さっそくお味見です。
やっぱり甘いですね。
小豆煮も砂糖をたくさん使っています。
北海道で食べた小豆の新鮮な風味が忘れられないで今回も注文してしまいましたが、慣れてしまったのか、さほど感動はないです。
丸いかぼちゃだんごは、甘すぎず、素材本来の素朴な味でした。 -
2010(平成22)年のかぼちゃをさらに調べてみると、全国の生産量が220,500トンのうち北海道が106,100トンで、全国の半分以上を占めていることがわかります。
さすが農業王国北海道です。
気になる旬は秋から冬。
収穫されるのは夏から初秋ですが、3ヶ月前後ねかせて甘みを引き出してからのほうが美味しいとのこと。
春真っ盛りの今は、旬の真逆じゃん。
かぼちゃだんごの甘さがイマイチなのは、あまりねかせてないからなのかな?
これはこれで悪くないけれど、ソフトクリームにはまるで合わない。むしろ、おやきの餡だとちょうどよい。
ということで、今回は味については特別な感想はありません。
上の写真はたきい種苗株式会社「たきいの野菜」より転載
http://www.takii.co.jp/CGI/tsk/shohin/shohin.cgi?breed_seq=00000382 -
よつ葉カフェに来たからには、もう1品食べておこうと思い、期間限定のキャラメルソフトクリームもいただきました。
330円也。
正直言って、やたら甘いだけで、美味しくありませんでした。
本日、アイスを2個だけで、満腹中枢ならぬ、スイーツ中枢のキャパが満タンになり、甘いものにウンザリしてきました。
ともあれ、これで、念願のよつ葉乳業ソフトクリームの味見を果たせたので、北の聖地帯広巡礼の旅は、これで本当に完結したのだなあ、という感慨がひとしおで、東京スカイツリーにまで足を延ばしてよかったと思いました。
「北のスイーツの聖地、帯広巡礼の旅・第三回〜十勝スイーツの秘密基地潜入記」
終わり。
これにて、「北のスイーツの聖地、帯広巡礼の旅」は完了となります。
ご精読ありがとうございました。
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