2016/04/16 - 2016/04/16
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nomadic dreamさん
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大阪の都会に残るローカル線の旅。
「用もないのにそこへ行く」
日常生活からいったん切り離され、ぽっかりと解放された時間。
特別に旅を求めて来たのではないのですが、結果的に日常より濃い時間を過ごすことが出来ました。
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大阪の都会に、ぽつんと取り残された電車。
ある人はエアポケットに迷いこんだような錯覚を覚えると言います。
その名は南海線汐見橋線。
現在も戸籍上は「南海高野山線」となっています。
この線は、1900年(明治33年)に開業した高野鉄道(汐見橋を起点として高野山まで伸びる)が前身で、1925年(大正14年)に南海鉄道に吸収されて高野山線は難波に乗り入れるようになると同時に、汐見橋線という支線となりました。 -
ローカル線は、南海本線の「きしのさとたまで」駅から支線となって大阪の市内に向かいます。
汐見橋線の2両電車が発着する6番線の脇を、南海本線の特急サザンが甲高いモーター音を奏でながら、走り抜けていきます。つまり普通車しかこの駅には止まりません。 -
南海本線「きしのさとたまで」駅。
舌をかみそうな名前です。岸里玉出駅 駅
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岸里玉出駅から2つめにあるのが津守駅です。
小さな駅ですが、高校生がたむろしていたこともあり、賑やかに見えました。 -
30分に1本電車が来ます。
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駅前には住宅や商店街が立ち並びます。
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岸里玉出から3駅目は、都会の中に佇む無人の木津川駅。
1900年高野鉄道開業時は、多くの木材が高野山付近から切り出されてこの木津川駅まで貨車で運ばれてきて、ここから木津川を利用して運搬されていったとのことです。
今や1日の乗降客はわずかで日中は人気がほとんどありません。木津川駅 駅
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ホーム脇に引き込み線があり、右側がかつての木材を下したところ。
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静まり返ったホーム。
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駅舎だけが寂しく残っています。
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日中は30分に1本電車が入ってきます。
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木津川駅の次の駅が「芦原町」です。
芦原町駅 駅
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何にもないし、乗降客もたった一人。
それだけに、都会の中に取り残された昭和っぽい感覚が、旅情を掻き立てます。 -
改札口には人気がありません。
群衆の中の孤独を感じざるをえません。 -
なんとも不可思議な雰囲気に包まれていて、そこには真昼の空白に通じるものを感じました。
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少し待っていると、汐見橋へ行った電車が折り返してきました。
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芦原町周辺でぼーっとすること30分。同じ電車が折り返してやってきました。
再び大阪市内を目指すのですが、わずか1駅。 -
汐見橋駅。
30分に1本、ここから「きしのさとたまで」駅へ2両の電車が発着します。汐見橋駅 駅
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汐見橋駅は、都会の中心にありながら、他人に迎合することなく、自らの使命を淡々と果たし続けています。
ちなみに、旅の帰りはここから「なんば」に歩いて戻りました。 -
古い駅舎は白く塗装されていました。
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そのわきには新しくできた阪神電車の桜川駅があります。
桜川駅から阪神電車に乗ると「なんば」まで1駅です。 -
汐見橋駅を出て、おもむろに歩き出すこと数分で不思議な景色に出会いました。
酒屋さんには、昼間から酒を飲むおじさんたちの姿が。半分以上とろけていました。 -
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スピードが当たり前の時代にあって、ここではゆっくりな時間が交差しています。
芦原橋駅 駅
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大阪市内に入ると終わりかけの桜が咲いていました。
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今回の旅は、80年代のバブルにも踊らされず今も残り続ける昭和を感じてきました。
ここでは、これから先10年、20年も同じ時間がゆっくりと過ぎて行く気配を感じます。
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