「名月赤城山」の南麓にある千本桜はお花見天国。

2016/04/09 - 2016/04/09

群馬県の名峰赤城山。東海林太郎の「名月赤城山」や「赤城の子守唄」を思い浮かべるのは古すぎますが、関越自動車道を走っていると前方にどっかと、その勇壮な山容を見せます。
懐の深さを感じさせる大きく山裾の広がった南側。そこに「赤城南面千本桜」があります。
「ぐんまフラワーパーク」の少し北側、「赤城クローネンベルク」の西隣に位置し、約1.3ｋｍもの長い桜並木が続きます。
桜並木に沿って、広い芝生の広場もあり、芝桜も色を添え、２０１５年から「世界の桜ゾーン」も出来ました。
桜の時期には、隣の「赤城クローネンベルク」も無料で入場することが出来ます。
年々、改善され、過ごしやすくなっている「赤城南面千本桜」に今年（２０１６）も行って来ました。

エリア 前橋(群馬)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

「ぐんまフラワーパーク」と「赤城クローネンベルク」の間を走る国道３５３号線から、北に向かって「赤城南面千本桜」の並木は続きます。
行く手にはもちろん赤城山がどっしりと構えています。

赤城南面千本桜 花見

この時期、国道３５３号線は駐車場に入るのを待つ車で、大渋滞。これはほぼ一日中続きます。
朝方よりも、昼過ぎの方が数倍長く連なっているので、夜桜組が並ぶのでしょう。
駐車場は３カ所あり、どれに入れるかは時の運。
一列に並んで駐車場入り口に辿り着きますが、その時、二手に分けられます。
右側だと真ん中の駐車場、左手だと奥の駐車場になります。
一番最初に満杯になる下の駐車場は、この時すでに閉鎖されていました。

赤城南面千本桜まつり 祭り・イベント

桜並木だけでなく、駐車場の周りも桜が囲んでいます。正に、どこを向いても桜だらけ。

中には種類の異なる桜もあって、薄いピンクの中に、白い花弁に緑の葉を伴った桜が混じります。

南面千本桜の素晴らしい所は、普通の沿道の桜だと、道路に伸びた枝は切られてしまって不格好なのに対して、自由にのびやかに桜本来の姿が見られることです。
旺盛に伸びる枝っぷりが、爽快な気分にさせてくれます。

まさに「春の祝福」そのもの。

「春爛漫」。桜は、春の言葉のどれもが似合います。

「花曇り」の空模様。桜を縁取るにはやはり青空が欲しいところです。

遠くに、青空が少し見えて来ました。これは期待できるかな？
下に見える駐車場の、赤いコーンで仕切られた走路。ここが駐車場の分かれ道。
その時の混み具合で左右に分けられます。料金５００円/回は、ここで支払います。

今日はまさに「満開」。この上もない咲きっぷりです。

桜並木は駐車場より、少し下になるので、桜を上から見ることが出来ます。
駐車場に入る順番を待つ車は数珠つなぎですが、まだ来場者は少ないです。

同じソメイヨシノでも、ピンクの濃いものと、薄いものが混在します。
ピンクが混じると、華やかになります。

駐車場から並木へは、ここから入ります。この駐車場は、普段は野球場のようです。

入り口脇には、仮設トイレがあります。

全体的には白いソメイヨシノですが、アップで見ると、なかなか魅惑的な紅を指しています。

わざと後ろの花にピントを合わせてみました。奥行き感がおもしろいかなと思います。

枝が流れるように、すっと伸びているのが心地よいです。

たまにこうして「玉咲き」になる桜があります。これはこれで、おもしろい。
枕草子風に言うと「いとをかし」かな？

桜の花は白いので、画面に違う色を添えると一層映えます。

どこまで行っても桜に埋もれて、もう幸せいっぱい。

さあ、桜並木を歩いて行きましょう。
並木は、赤城山の裾野なので、北に向かって上り坂になります。

その前に、会場の見取り図です。
去年の看板を使っているため、日付が上から紙貼りで、しかも日付と曜日が合っていないのがご愛敬。
実際にイベントをやるのは９日（土）？それとも１０日（日）？

並木に沿って、ぼんぼりが吊り下げられています。ここは夜桜見物も出来ます。

段々と来場者が増えて来ました。

「お花見ステージ」では、パフォーマンスをやっていました。

ステージは大きなすり鉢状になっていて、周囲をぐるっと見物客が囲みます。

女性パフォーマーを背に乗せたまま、男性パフォーマーが逆立ちをします。これには拍手喝采。

これは、実際に見ないとおもしろさがわからないと思います。
頭に黒い大きな風船を首まで被り、ラジオ体操をします。
ボインボインと動く風船と、それに引っ張られるパフォーマーのユニークな動きが大ウケです。
舞台を下りて、お客さんに近寄って来た時、一人の男の子が飛び入り参加？しました。
余程、風船がおもしろかったのでしょう。
パフォーマーの後をついて歩いて、それがまた面白くて、観客は大喜びでした。

ステージの周りはぐるっと３６０度土手になっていて、真後ろからも観客が見ています。
こういう場所は珍しいです。

物産市では、もう芸術作品と言っても過言ではないチョコバナナが・・・
食べたことはないけれど、１本欲しいと思ってしまいます。

群馬県の銘菓といえば「旅がらす」。その製造元である清月堂の店が「ドンちゃんどら焼き」を販売していました。
当初知らずに買ったのですが、「旅がらす」のロゴが付いていて、びっくり。
皮がふわふわと軽くて１個食べても重くないのが、さすがだなと思います。
ついついお土産に追加購入してしまいました。１個１００円です。

物産市の周りには芝桜の丘があります。
まだ少し早いようで、まばら咲きでしたが、今年の桜は早咲きだったので、ピッタリ合う年もあるのでしょう。

「芝桜に病気が発生して、養生中」という看板がありました。
まばらなのはそのせい？早くまんべんなく咲くようになるといいですね。

ここからだと、桜並木が上がっていく様子がわかります。

前橋のお店は繁盛しています。
前橋の豚肉料理NO.1を決めるコンテストがT-1グランプリというのだそうで、第７回目の２０１６年は参加６７カ店。
今年はきむち屋の「もちゅ煮」がグランプリでした。
この派手な看板の店は何という店で、Ｔ−１グランプリはどの料理で受賞したんでしょう？？？
美味しいから並んでいるのか、看板の宣伝効果で並んでいるのか・・・

お昼が近くなって飲食店ブースは混雑して来ました。

芝桜の向こうでは、フリーマーケットをやっていました。

ここから上の方には芝生が広がっていて、自由にシートを広げてくつろぐことが出来ます。

色の薄いこの桜。見過ごしてしまいそうな１本ですが、足元の看板に注目。
−「淡墨桜」散り際に淡い墨色を帯びることから、淡墨桜といわれる。国指定天然記念物である岐阜県根尾村淡墨桜の種子から育てた苗木を植樹した。−
あの淡墨桜の子孫です。これにはびっくり。
本家の様子は「谷汲山華厳寺の桜並木参道と、根尾谷の淡墨桜」で紹介しています。

以前は、並木の左側は解放されていなくて、右側の狭い所で、細々とシートを広げていました。

それが今やこの開放感。芝生が本当に広いので、どれだけたくさんの人がシートを広げていても、十分なゆとりがあります。

飼い主が大好きな犬。せがんで、とうとう担いでもらいました。
この辺は、背後の看板にあるように、「火器使用区域」です。ここだけが、火器を使用することが出来ます。

「世界の桜ゾーン」。
２０１５年に新しく出来た場所で、３７種類５００本の桜を見ることが出来ますと「前橋観光コンベンション協会」の紹介には書いてあります。

看板で見ると１５種類６６本です。

ピンクの濃い桜がイギリスの「アーコレード」です。

「アーコレード」です。

アメリカの「アメリカ」という品種です。アメリカらしく高圧線も入れてみました。

「アメリカ」は、どうしてどうして可憐な桜です。

断然かわいい！
もっと大きく木が成長してくれると、見応えのあるゾーンになりそうですね。

桜に目を奪われていると、足元のこんな花たちを踏んでしまうかもしれません。
絶滅の危機に瀕している「日本たんぽぽ」と「オオイヌノフグリ」です。
子供のころ、当たり前にあった草花が気が付けば探しても見つからないようになっています。

「ホトケノザ（仏の座）」。しそ科オドリコソウ属で、「三階草」の別名もあります。
よく見る雑草ですが、春の七草に同名の草があります。
あちらは、菊科のタビラコという別の草で、写真の草は食べられません。

「世界の桜ゾーン」全景。
まだ植えて数年の若い木ばかりなので、見応えというより、普段見ない桜を楽しむという程度ですが、これからが楽しみです。
いつか、花見で世界旅行ができるかな？

枝が下に垂れ下がるお花見に絶好の桜。

「お姉ちゃん、綺麗に撮れたら遊んでね。」仲のいい姉妹です。

この辺りまで来ると、人も少なくなり、店もないので静かです。
並木の両側を占めていた屋台は、昔に比べて数が減り、ゆっくり桜を楽しむ空間が増えました。
どこに座っても、寝転んでも窮屈さを感じない。素晴らしい花見会場になりました。
駐車場の誘導や、帰路にも工夫がなされ、年々改良されていく「赤城南面千本桜」。
関東随一の花見場所です。

この空間は、最高の贅沢。まさにイチオシの一枚になりました。

日頃の憂さから離れて、しばしこの饗宴に酔いしれよう。

桜はこんな太い根元の幹からも、ダイレクトに花を咲かせます。

隣のクローネンベルクに寄って、戻って来たら、青空が出ていました。
こうなると桜は見違えるように光り輝きます。
「赤城クローネンベルク」は、ドイツの街並みと牧場をミックスしたアミューズメントパークです。
その模様は、次の旅行記でお送りします。
特記事項：桜祭りの期間だけ、入場料１，２００円が無料になります。

だいぶ人も増えましたが、まだまだ余裕です。

お昼が過ぎて帰る人と、これから夜にかけてやって来る人とが行き交います。
ここの駐車場はかなり広くて助かるのですが、一旦満杯になって閉鎖すると、朝早くから来た車が出て行って、空きが随分できても、それを埋める分の新規の車を入れないのです。
駐車場の中には誘導や、空き状況を把握する人員がおらず、並木に近い列に１０台以上の空きが出来ていても、まったく誘導する気配がありません。
これは、朝着いた時からそうで、昼過ぎに帰る時もそうでした。
国道３５３号線の渋滞は、朝の倍以上に及んでいたのに、どうして入れないのか。
駐車スペースが空いていることを把握できていないとしか思えません。
これは、要改善事項だと思います。

これぞ、日本の桜。
それでは、次回「赤城クローネンベルク」にて。お会いしましょう。