2016/04/06 - 2016/04/06
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Weiwojingさん
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万葉集にただ一首だけ「カタクリ」の花が詠まれているのをご存知だろか。それは次の一首である。
物部(もののふ)の八十(やそ)乙女らが汲みまがう
寺井の上の堅香子の花 (巻19-4143 大友家持作)
堅香子(かたかご)と言うのは、カタクリの古名で、今回訪ねた「かたかごの森」には昔からカタクリが群生し、保護されてきた。春先のほんの10日間程度しか花を咲かせず、なかなか見る機会がない珍しい花である。毎年4月初めに公開されるので、数年ぶりに訪ねてみた。
その清楚な美しさに引かれた。恥じらう乙女のように常に下を向き、決して顔を上にあげないカタクリは、精々10日間ほどしかその美しい姿を見せない。ますます惹かれる花である。
* 「かたかごの森」( 東京都町田市山崎町 1706-1 )
小田急線/JR横浜線 町田駅下車、駅前バスセンターから4、5番線バスで山崎団地センター、または山崎団地行きバスに乗り、「木曽入口」あるいは「山崎団地入口」で下車し、徒歩約10分ほどのところにある。
- 旅行の満足度
- 4.5
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東京都町田市にカタクリの群生地があり、毎年4月初旬に10日間ほど一般公開される。今年は4月1日から10日まで公開され、数年ぶりに出かけてみた。
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カタクリの群生地はこのようなクヌギやコナラなどの雑木森の中にあり、ここは「かたかごの森」と呼ばれている。「かたかご」というのは、カタクリの古名で、昔からここに自生していてたので、「かたかごの森」と言われてきた。
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ここは地元の人々以外にはあまり知られていないので、訪れる人は少ない。
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カタクリの花は森や林の日陰の場所を好み、雨が降ったり、天気が悪い日は花を閉じてしまう。
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このような斜面にカタクリの花は自生している。
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日のあまり当たらない半日陰の草むらのところに集団で咲いている。
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カタクリと言えば、「カタクリ粉(片栗粉)」を思い出すが、これはかってカタクリの球根から採ったものである。しかし、現在販売されているものはジャガイモから採ったでん扮である。
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かたかごの森では、1ヘクタールの雑木林の斜面に群れるようにしてたくさんのカタクリの花が咲いている。
カタクリの花を見ることが出来るのは4月初めのほんの10日間ほどであるが、この間「町田かたかごの森を守る会」のメンバーの方々が連日詰めて、説明をしてくれたり、無料のお茶を提供してくれたりと、様々な活動をされている。 -
カタクリは、春をいち早く知らせてくれる花である。冬が去り、大地を覆っていた雪が消えると、いち早く地上に芽を出し、可憐なオペラ色の花を咲かせる。しかし、花を咲かせるのは精々10日間ほどで、非常に短命な植物である。
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『万葉集』にカタクリの花を詠んだ大友家持の歌が一首ある。
物部(もののふ)の八十(やそ)乙女らが汲みまがう
寺井の上の堅香子の花 (『万葉集』 巻19-4140 )
その大意は、「泉のほとりへ美しい乙女たちが三々五々水桶を携えて集まってきて、その傍らにカタクリの花が咲き三dレているー何と美しいことよ」というようなものである。 -
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下向きの花をちょうど下から撮ってみた。
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カタクリの花は、晴れた日には朝日を受けて開き、花片を極端に反り返らせ、その姿はさながらイナヴァーのようだ。
夕暮れになると、その花を閉じ、また雨や曇りの日には開かない。お天気次第の気難しい女王そのものだ。 -
バックを暗くして、花を浮かび上がらせてみた。小生の好きな1枚である。
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ボランティアの方々がここで採った野草を天ぷらにして、販売していた。一皿300円で、珍しさもあって購入してみた。どの野菜もしゃきしゃきしていて、美味しかった。そう言えば、前回来た時も購入し、美味しかったことを覚えている。
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テントの中ではボランティアの方々がてんぷらを揚げていて、熱々のテンプラを食べることが出来る。
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これがその野草のてんぷらである。しばらく休憩して、用意してくれた茶と共にいただいた。
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かたかごの森ではカタクリの花以外に多摩を代表する植物がたくさん自生している。
これは「シュンラン」で、東洋ランの一種である。 -
「クサボケ」は「クサ」という名前がついているが、実際は草ではなく、木である。確かによく見ると、木に花をつけている。
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「ヒトリシズカ (一人静)」は草むらの中で静かに身をひそめるようにして咲いている。
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ひっそりと花を咲かせている「アマナ」は、和名を「甘菜」と言い、球根が甘く、食用にできるところからきている。
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「アズマイチゲ(東一花)」はカタクリと同様早春の花で、白い清楚な花である。この花は別名「雨降花」と言われ、この花を摘み取ると、雨が降るという説がある。
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「シャガ」は多摩の丘陵地ではよく見かける花である。
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「タチツボスミレ」はスミレの仲間の中ではかなり大きく、目につきやすい。このかたかごの森ではあちこちに自生している。
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小さな「ワダソウ」は注意しないと、見落としてしまいそうなところに咲いていて、気が付きにくい。
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「ニリンソウ」が薄暗いところでぽつりぽつりと咲いているのが見られた。ニリンソウは白い姿が清楚で、いつまでも見飽きない。小生の好きな花の一つである。
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この花は名前が不明である。
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色鮮やかな「ムスカリ」の花も咲いている。この花はあちこちで見掛けることが出来る。
今回、数年ぶりにかたかごの森を訪れて、春先に美しい花を咲かせるカタクリの花や多摩の花々を見ることが出来、何か気持ちをほっとさせるものがあった。普段はフィリピンにいて見ることが出来ない、春夏秋冬の季節がある日本ならではの美しい花や風景を見ることが出来たことによるものだと思う。
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この旅行記へのコメント (3)
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- 銭形幸一さん 2016/04/12 18:22:32
- 花より天ぷら(笑)
- こんばんは。
最近、ちょっと手強い雪山ばかり歩いてましたので、山でまだ春の息吹を感じてません。
もう一回、目標にしてる山があるので、その山行終えたら、ゆっくりと花を愛でるハイキングもいいかなぁと思ってます。
また山がらみになってしまいますが、長野県の下栗の里、山から下りて、食事するお馴染みのみせがあるのですが、春の山菜の天ぷらがとても美味しいんです。
ゆっくりと里山散策するのもいいものですね。
- Weiwojingさん からの返信 2016/04/12 20:44:06
- RE: 花より天ぷら(笑)
銭形幸一さん、こんばんは。ご投票並びに書き込みをありがとうございます。
いつも登山記を拝見しています。私は山に登ることはしませんが、頂上を目指して困難を克服しつつ制覇するのは爽快でしょうね。
次に目指している山があるそうですが、5月の連休にでも出かけるのですか。これまでどのくらい制覇しましたか。登山の魅力ってなんですか。
私は里山散策は大好きです。ゆっくり散策するのは楽しいです。今回の町田のかたかごの森のような花の豊富なところはしばしば出かけています。他にも多摩地方にはいいところがたくさんあります。こんなところで野趣あふれる山菜を食べるのも楽しみですね。
銭形さんの次の登山記を楽しみにしています。
ありがとうございました。
Tamegai
- 銭形幸一さん からの返信 2016/04/13 18:12:21
- 身体動くうちに登りまくります
- 静岡転勤してクルマ購入したことをきっかけに山歩きするようになりました。
身体動かすことが好きなものですから。
どうせならいい眺めも楽しみたい、ということで静岡から比較的近い南アルプスの山に登ったところ、すっかりハマってしまいました。
最初は体力的にアップアップで身体作るために低山通いつめて登って…。
登れる山が増えるにつれ、加速的に面白くなりました。
南アルプスの3,000m超の頂は全て踏みましたので、今年は点と点をつなぎたいと思います。
登山の魅力はやはり「頂上を目指して困難を克服しつつ制覇する」ですね。
ここ一年で、南アルプス、北アルプスを代表する急登ルートを二本とも日帰りで往復しましたし、先月は積雪のある、その南アルプスのルートで山頂踏みました。
今のような登山出来るのもそう長くないですから、体力落ちたら近場の里山歩きになるだろうと思います。
その前に、円高になれば海外旅行、遠方に行きたいですね。
\(^o^)/
今度は今年初の3,000m峰、南アルプスの聖岳に登るつもりです。
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