2015/06/10 - 2015/06/10
8位(同エリア21件中)
captainfutureさん
- captainfutureさんTOP
- 旅行記77冊
- クチコミ7件
- Q&A回答1件
- 222,296アクセス
- フォロワー46人
2015年6月10日(木)
写真集 『ルーマニアの赤い薔薇』(みやこうせい著、1991年)に衝撃を受け、同著『羊の地平線』のポイエニ村同様、1993年に訪れたハンガリー人村メラ村。
あれから段々と取り壊される中、ハンガリー人村独特の木彫り門や伝統家屋を発見するのは宝探しの様だった。 1L ≒ \30
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- カタール航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
今回の宿泊ルート:
2015年 5/20 成田、カタール、ブカレスト → /22 シク村 → /27 シゲット・マルマツィエイ → /29 ポイエニレ・イゼイ村 → 6/4 オクナ・シュガタク→ /8 クルージュ・ナポカ → /14 ブカレスト、カタール → /15 成田
上記を拠点に、周辺の村を訪問。 ピンク色がマラムレシュ地方。 -
買い置きの朝食をかき込み、土手を下りてクルージ・ナポカ駅へ。 メラ駅までの切符4レイ(\120)。
-
07:45発になんとか間に合う。 これを逃したら次は7時間後。 運転手が窓から顔を出し、日本人かと。 もう出発間際、つま先立ってムルツメスク(ありがとう)と握手、急いで乗り込む。
-
3両編成。 22年前はまだ旧体制の名残で、夜でも車内は節電、乗客のタバコの火だけが真っ暗闇に浮かび上がっていた。
-
20分でメラ駅着、降りたのは私だけ。 電車はハンガリー国境近くの町へ去って行った。
-
こんな駅だったかなあと懐かしく撮っていると、何かお手伝いする事は、と駅長のフローリンさん。
首都ブカレストから赴任して1年、私と同い年という。 私は古式ゆかしいところが好きなのだが、構内は余りに古いので撮らないでと。 鉄道インフラが悪く、革命前より落ちたとも。 -
私の拙い英語の会話中にも、頻繁に専用回線で他所と連絡、通過列車がある度に駅帽被り、表に飛び出し緑色の◎印の棒をかざして合図。 話に夢中になり過ぎて一回間に合わず、あ〜〜あ〜〜と嘆いていた。 帰りの列車時刻を教えてもらい、再会を約束。 入れ替わりに、大きな鎌を持った草刈り員がやって来て、線路の草刈り。
-
丘向こうに目指すハンガリー人村メラ村。 丘を迂回する車道もあるが、22年前と同様、あの丘を越えてみる事に。
-
ハンガリー語で「こんにちは(ヨーナポト)」と声を掛けてみると、返ってきた。 メラ村の人らしい。 作業が終わったら馬車で送ってあげるよと手振りしてくれるが、まだ相当時間が掛かりそうなので、お礼を言って自力で丘へ。 案の定、小川が流れていて向こうに渡れない。 当時の日記には人がやっと渡れる小さな橋を見つけたとあったが、草深くて見つからず。
-
1993年、丘からのメラ村。
点在するハンガリー人村の中でも特に伝統的なダンスや工芸品、文化、風俗が残っているという。 -
【みや こうせい写真集 ルーマニアの赤い薔薇(1991年)】
ここメラ村を訪れるきっかけとなった、強烈な印象を受けた写真集。 こんな、時代から取り残された様な所が現代ヨーロッパに存在する事に驚き、魅せられ、1992年と1993年にルーマニア行きを決意。 氏のポイエニ村が舞台の『羊の地平線』と共に旅のバイブルだった。
『ルーマニアのトランシルバニア地方のハンガリー人村の人々は回りをルーマニア人村に囲まれている為、自分たちの古い伝統、風俗を厳しく守ろうとする。 古い風俗、習慣、言い伝え、歌、踊りまで含めてフォークロアと呼んでいるが、ここはヨーロッパでも有数の古い農民文化のメッカで、しこも人々はその事を意識していない。 生活そのものが文化であり、人々にとってはその日々の生き方は当たり前、自然な事として受け取られている』。 この説明書きと共に、古式ゆかしい格好の老若男女が村を行き交う様子や、独特の模様をあしらった伝統衣装で輪を描いて踊っている男女等の写真。 週末はにそれぞれの村でこういった光景が繰り広げられているという。 すっかり魅せられ、当時はるばるこんな片田舎にまで来てしまった。 -
今旅では仕方なく駅前に戻り、丘を迂回する車道へ。
-
耕運機が通り過ぎた後、車が停まり村へ連れて行ってくれることに。 サイモンさん(下)は、この村出身ではないが同じハンガリー系。 この地方で主にロマ(ジプシー)らの恵まれない子供を助ける基金で働いているという。
-
10分でメラ村、教会前を抜けて施設に到着。 この村に最初の施設を造り(2002年)、現在各地に15ヶ所。 少し案内してくれるよう。
もっと 腹モフして〜と、ここで保護しているという片目が不自由なワンちゃん(下)。 -
Diakonia基金 http://www.diakonia.ro/cj/en.html。
現在、メラ村のロマの子56人が放課後、ここで勉強を教わったり、食事を出して貰ったり。 ロマの家庭は、家が劣悪、両親もほとんど読み書き不可で、とても「普通の生活」がおくれる状態ではない。 子供も学校では酷い扱いだという。 ここで「普通の生活」を体験してもらい、代々の負の連鎖から抜け出してもらいたいとの事。 現在はここの卒業生が助ける側にまでになったという。
また、ここの援助で彼らの家も改築、水道も通り、冬も寒さがしのげる様になったとの事。それまでは、冬も共同井戸まで水汲みに(後で行ってみる)。 PCで活動の様子を見せてくれた。 -
(上)ここで22年前の写真を見せると、このハンガリー装飾家ヌシさんは現在も活躍中とのこと。 (下右)は『ルーマニアの赤い薔薇』に登場したアマンダさん宅のハンガリー装飾の鏡台と、(下左)教会礼拝からの帰りの伝統衣装の女性。
-
アマンダさん宅も他のお宅同様、あちこちにハンガリー国旗と同じ赤・緑・白の三色の花模様で、頭がクラクラしそうな程びっしり。
-
サイモンさんが見せてくれた現在のそのヌシおばさんの写真。 わざわざ電話してくれて、今日は16時に帰宅という。 自宅と作業所の地図を書いてくれた。 また先程のロマの家庭が集まったジプシー・ヒルと呼ばれる地域や、共同井戸の場所も書き込んでくれて、是非行ってみてと。
-
11:10、お礼を言って外へ出ると、雷と少雨。 駅前で送ってあげるよと手振りしてくれたさっきの草刈りの男性が大急ぎで馬車を走らせ、駆け抜けて行った。
-
施設を振り返る(上)。 脇道(下)。
-
22年前と対比。 道もすっかり舗装。
本当は6月に盛大に行われる「メラ村の日」祭りに訪れたかったが、旅行出発間際まで調べてみるも開催日不明。 結局、今年は行われなかったよう。 -
【 上下ともメラ村HPより 】
もう一か月早い5月であれば、村中の羊を預かった牧童を送り出す儀式を見る事ができた。 -
この辺りが「ジプシー・ヒル」のよう。 右の坂道(上)を上ってみる。
-
坂の途中からの眺め。 ルーマニア人村とは瓦の色が違う感じ。
-
急に簡素な感じの家が並び始めた。 サイモンさんのPCでは以前はここにバラックのような家が並んでいた。 皆穏やかな顔。 撮らせてもらうと「ありがとう」と手振りしてくれた。
-
(上)坊やに「ヨーナポト(こんにちは)」と挨拶してみると、上の家のおばさんが「この子はツィガン(ロマ)だから通じないよ」と手振り(下)。
-
坂から降りて、大通りに戻る。 「ジプシー・ヒル」側にあった1930年築とある、ここカロタセグ地方に特徴的な屋根に透かし彫りがあるお宅。
-
ちょうど人が出て来て掃除中だったが、入れて頂いた。 ここもロマのお宅のよう。
-
通りにあった小さなスーパー。 ヌシおばさんが戻る16時まで散策。
-
この辺りから伝統家屋。
(上)門柱には草花や文章、小門の上には家人の名前が彫られた木彫り門、(下)一輪挿しが描かれた1910年築とあるお宅。 -
サイモンさんが、「冬の凍える中でも、ここまで水汲みに来ていたロマ達を想像してみて」と言っていた共同井戸。
-
左側の門(上)の透かし彫りには、家人の名前とハンガリー王国時代(〜1946年)の国章(下)。
-
1924年築とあるバトミントンのハネが左右に描かれた伝統家屋。
-
木彫り門に回ってみると、家屋より後に出来たらしくまだハンガリー領だった1941年築。
人影が見えたので、入っていいですかと手振りすると、いいよとのこと。 -
いい感じの伝統家屋、築91年で結構大きい。 古タイヤで作った家畜用水飲み場、井戸、後ろにはブドウ棚。
-
犬が吠えるのでなだめてくれた。
-
覚えたての簡単なハンガリー語で挨拶。
-
ブドウ棚のテラスに上らせてくれた。
-
入って来た木彫り門をバックに。
-
おじさんが見て行きなさいと開けてくれた部屋は、かつてハンガリー装飾の工芸品で埋め尽くされていたであろう大広間。 工芸品は娘さんが持参金代わりに持って行ってしまったよう。
-
真ん中が娘さんで、右がおじさんだろうか(上)。
-
(下)ルーマニア語で「メラ村 小中学校卒業生」。 1969年と1970年入学、1980年卒業。
-
(下)ひとつだけ残っていたハンガリー装飾の長持ち。
-
素朴な額縁もいい感じ。
-
おじさんにお礼を言って外へ。
-
更に道を進んで、来た道を振り返る。 隣宅(右端)にはまた別の木彫り門。
-
ここも古そうな木彫り門。 築年は無かったが、家主の名前。
-
(上)馬車にもちゃんとカーナンバー、(下)小さな坊やが水鉄砲を持って飛び出して来た。
-
13:15、村の北外れに。 村の中心へ戻ることに。
-
おじさんに話しかけられ、この村にトモさんという日本人男性が住んでいるという。 他の方のブログで語学学習でここに滞在されていた事は知っていたが、もう退去したと思っていた。 案内してくれる事に。
-
なんとさっきの「ジプシー・ヒル」のお宅にホームステイされていたという(上)。 通りすがりの女性も交え、やはりトモさんは既に退去されたことが判明。 お礼を言って、村の中心へ。
-
(下)駅前で馬車で村まで送ってあげるよと手振りしてくれた男性と再会。 ここがお宅だったらしい。
-
(上) Diakonia基金は診療所も造っていた。 14:10、村の教会前広場に到着。
-
広場にて、来た道を振り返る。 左にも透かし彫りの屋根。
-
ここにもこの地方に特徴的な屋根の透かし彫り。 マジャール(ハンガリー)・ダンス中だろうか。 人物の横顔まで細かい。https://www.youtube.com/watch?v=aiJQIvRW0BA&list=FLVGPS80L9gDkhz6Wb7-sfhQ&index=19
-
そのお宅の1947年築とある木彫り門。
-
小中学校。 この広場で「メラ村の日」祭り等、伝統衣装で村人が集まりマジャール・ダンス等が行われるらしい。
-
小中学校にて。
-
教会に到着。
http://www.welcometoromania.ro/DN1f_Zalau_Cluj/DN1f_Zalau_Cluj_Mera_e.htm -
1993年にこの教会前で会った伝統衣装の女性。 ハンガリー国旗と同じ赤・白・緑。
-
びっしりと模造真珠やビーズの刺繍の髪飾りや前掛け。 みやこうせい著『ルーマニアの赤い薔薇』そのままの世界だった。
-
この女性も赤・白・緑。 ハンガリー人村では「ありがとう」をルーマニア語で言われる事も多かった。 22年前、「我々にとって外国語はルーマニア語なんだよ」と言われた事を思い出す。
-
2009年にできた水牛博物館。 せっかく来たのに、鍵の管理人が外出中で入れず。
http://www.welcometoromania.ro/DN1f_Zalau_Cluj/DN1f_Zalau_Cluj_Mera_Muzeul_Bivoli_e.htm
https://www.youtube.com/watch?v=ZhohEdasFug&feature=share -
気を取り直して、1945年築の家屋を改造したメラ村博物館へ。
http://www.welcometoromania.ro/DN1f_Zalau_Cluj/DN1f_Zalau_Cluj_Mera_Muzeul_Etnografie_e.htm -
敷地には入れたが、隣宅に聞いて管理人宅に行くも、ここも外出中で入れず。
-
15:10、広場に戻ると、
-
ちょうどクルージ・ナポカ駅まで行くバス。 あと1時間でヌシおばさんが帰宅するが、まだ昨日の熱中症からの病み上がりで体調悪くなり乗って帰る事に(5レイ、\150)。
-
今朝はこの辺りでサイモンさんに車で拾ってもらった。
-
15:40、クルージ・ナポカ駅前着。 近くの食堂で、遅い昼食(サラダ・カツレツ・フライドポテト・パン)17レイ(\510)。
今日はせっかく再訪したのに体調が本調子で無く、あまり歩き回れなかった。 次回は祭りの日に再訪したい。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- 川岸 町子さん 2016/02/28 20:29:17
- 透かし彫り
- captainfutureさん、続けて拝見しました。
いいなぁ〜〜!
伝統的な物を大切にするメラ村。
女性の衣装はもちろん素晴らしいですが、頭に巻いたグリーンの布も印象的ですね。
透かし彫り、かつては職人が沢山いらしたのかな?
それとも自分で掘ったのか?
美しいですね(@^▽^@)
建物の装飾、ダンスをしている姿も可愛いです!
病み上がりの中、よく歩かれましたね。
バスの切符まで可愛すぎです(^^♪
町子
- captainfutureさん からの返信 2016/02/29 22:44:41
- RE: 透かし彫り
- 町子さん、
色使いが絶妙ですよね。
透かし彫り、専門の職人さんがいるようです。
風雨にさらされて、よくぞ持っているなあと感心してしまいました。
きっと今は職人さんも少なくなってきているんでしょうね。
>病み上がりの中、よく歩かれましたね。
これを逃したら、次に来るのはまた何年、いや何十年先になる事やら、と必死でした(笑)
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
クルージ・ナポカ(ルーマニア) の人気ホテル
ルーマニアで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
ルーマニア最安
577円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
2
69