ヨハン・セバスティアン・バッハの足跡を訪ねて　その13　ヴァイセンフェルス

2014/11/26 - 2014/11/26

これからの３泊はライプチッヒですが、日程に若干の余裕がありそうです。
ライプチッヒまでの中間地点にバッハと因縁浅からぬ街、ヴァイセンフェルスがあるのでちょいと寄ってみることにしました。
寄り道ついでに午後はさらに寄り道して縁の「ハレ」まで足を延ばすことに…

ヴァイセンフェルスはザクセン選帝侯ﾖﾊﾝ･ｹﾞｵﾙｸ１世の後、領地分割の一端ｻﾞｸｾﾝ=ｳﾞｧｲｾﾝﾌｪﾙｽ公国の首都としてｱｳｸﾞｽﾄ公と長男のﾖﾊﾝ･ｱﾄﾞﾙﾌ１世が見事な城館を建築するとともに、ハレから宮廷を移し、オペラを中心とした音楽で栄えました。
ｱｳｸﾞｽﾄ公にちなんで名付けられた城館「新ｱｳｸﾞｽﾄｩｽ城」は前日まで泊まっていたワイマールのあのｳﾞｨﾙﾍﾙﾑ城を模範としたのか、左右に城内教会とコメディーザールを配して、ｳﾞｨﾙﾍﾙﾑ城の今はなき「天の城」と同じようなはるか高みのオルガンが天井近くにあるといいます。
こうした中、バッハはたびたび彼の地を訪れ、かの有名な世俗カンタータ「狩りのカンタータ」も作曲しました。
残念ながら公国が断絶した後、新ｱｳｸﾞｽﾄｩｽ城には悲惨な運命が待ちうけてましたが、天の高みの城内教会だけはなんとか維持されているとのことです。

エリア ドイツ

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 3.5
• 交通: 5.0

水曜日です
４泊したワイマールを発ちます

朝霧のチューリンゲン丘陵を５０分ほどで着きました、宮廷都市ヴァイセンフェルス

駅の反対側
ちょっとビビりました
東独時代の名残りでしょうか…

駅構内に街の地図がありました
ご多分に漏れず鉄道の駅は街の外に作られてます。
駅を出てすぐ、サーレ川を渡ると旧市街

そ、その前に重いザックをなんとかしなくっちゃ…
甘かった
駅中探したけどコインロッカーありませんでした
聞いても無いそうです（泣き

やむなく背負って…

駅前からザーレ川にかかる歩道橋

朝の9時過ぎ
なんかいい雰囲気です

橋の欄干はまだ霜が…

袂には小学校がありました

メイン通りを横断してランドマークのように聳える塔を目指します

塔がある教会にやってきました
マリエン教会です

あら〜、その隣の市庁舎は激しく改修中

足場の中を人が行くので付いて行くと…
ラッキー！
ツーリスト・インフォメーションありました

「あの〜…、荷物預かっていただけますか？」
遠慮がちに厚かましく聞いたら、「あら、いいわよ。隅の方に置いといて」
ついでにマップももらって城への行き方教わります

城は400mほどですが階段上がって近道しちゃお

な、なんなんだ
この窓は！

階段をゼイゼイ言いながらも自然に足が速くなります

城の裏側に上がって来れました

先程の工事中の市庁舎が下の方に…

駅方面
城から町が一望できます

おっ、バッハの碑かな？
全然違いました

城の中庭に入りました
裏から入ったから正面が正面入り口です

振り返ると…
半分だけ外壁やり直してる
予算無いのかな？

城は博物館になっているようです

あらら、１０時からオープン…

正面入り口から外に出てみました

城は丘の上に建っているので、また町を一望

壁に石板ありました
我らがバッハの他にも色々

何と言ってもヘンデルです。
7歳の時にこの宮廷の教会でオルガンを弾いて人々をびっくりさせたという逸話があります。
バッハ一族の間では7歳でオルガンは普通ですが、ヘンデルの父ちゃんは宮廷医師だったから。

２階に上がると受付がありました
写真ＯＫか聞いたら、別途料金でした

せっかくなのでサイン帖に記帳します

入ってみるとなにかオカシイ…
履物ばかり展示されてます

もしかしてヴァイセンフェルスはドイツの神戸？

あまり靴には興味ないんですが…

受付のお兄さんに思わず聞いてしまいました
宮廷礼拝堂、教会は？
電話で連絡してくれてます

念のため申し添えますが展示は靴だけではありません…

ということで
一旦出て他の入り口で係りの人が待っているから
とのことでした。

で、その城館教会に入ることができました

誰もいない静寂の中
遥か天井近くにオルガンです
今はなき、ワイマールの城館教会のﾋﾝﾒﾙｽﾌﾞﾙｸ天の城もこのような感じだったのでしょう

あんな高いところから天使とともに降り注ぐオルガンの響き
是非聴いてみたいのですが…

天井には天使たちが様々なポーズで舞ってました

ヘンデルはこの礼拝堂のオルガンでﾖﾊﾝ･ｱﾄﾞﾙﾌ公他なみいる大人たちを唖然とさせて音楽への道を進むことになります。
そしてバッハもこのヴァイセンフェルスを何回も訪れオルガンを弾きました

城館南側
公国断絶後、威厳と格調は何処にいったのか兵舎として使用。
さらに最近まで体育館、幼稚園、給食センター、果物の貯蔵庫等として使用されていたということです

予算がないのか城館の左半分は荒れたままです

なになに、ドイツ語分かりませんが
「ゲハイメ・シュターツポリツァイ」にも使われてたの…

新ｱｳｸﾞｽﾄｩｽ城は城壁も少し残ってます

今度は正面側から城を後に下ります

何故か「皇朝酒楼」の文字が逆さまな中華レストランの前を通って…

次に訪れたのはここ

屋根の窓がチョット不気味

バッハ、ヘンデルが生まれるちょうど１００年前
ハインリッヒ・シュッツはこのヴァイセンフェルス近くでうまれ
父ちゃんはここでホテル経営
いまはシュッツ博物館になってます

宿はこんな感じだったんでしょうか

ただ単に縁の物を展示するだけでなく音楽も聞けます

このおっちゃんがこんな素晴らしい音楽を生み出すなんて…

建物も木造で趣きのある建物です

屋根飾りの下の部屋
宿の客室として使用した部屋でしょうか
それともシュッツ少年が過ごした部屋…

裏の中庭側も同じような屋根飾りのうだつです

お次はここに来た目的の一つ
「狩りの館」
ここじゃないよね…

あった！あった！
いまはホテル兼レストランになってます
狩りの館「イェーガーホフ」

バッハはヴァイセンフェルスに4回訪れた記録が残ってますが、目的はオルガンではありません
1回目は仕えていたワイマール領主ｳﾞｨﾙﾍﾙﾑ･ｴﾙﾝｽﾄ公のポン友のｻﾞｸｾﾝ=ｳﾞｧｲｾﾝﾌｪﾙｽ公ｸﾘｽﾃｨｱﾝの誕生日祝いにカンタータを作曲して演奏するよう命じられていたからです。
その時作曲したのが世俗カンタータ「狩りのカンタータ」BWV208
そして上演したのがここです
2回目以降も誕生祝に来ました

中も見せてもらいました
普通のレストランです
たまにバッハファンが来るようでレストランの従業員は手慣れてました

壁の絵は…
あらら、この人は？
スウェーデンから彼も食べに来たの…

外にはまたまたシュッツです

あらら、またまた
やっぱ３０年戦争の「北の獅子」はここにも寄ったんだ…
とゆーか1632年って戦死した年だよね
1932って？

「狩りの館」はラウンドアバウトのコーナーに建ってます

隣の高校も立派だったのでちょっと覗いて帰ります

塔のペンキが少し剥げてるマリエン教会の横を通って…

ﾂｰﾘｽﾄ･ｲﾝﾌｫﾒｰｼｮﾝで預けたザックを受け取って…

ザーレ川を渡って
東独時代の名残を残したヴァイセンフェルスにお別れ

ヴァイセンフェルス
なかなかの街でした

ハレに向かいます

この旅行記へのコメント （2）

• わんぱく大将さん 2015/12/08 06:51:13

  チェコのような建物

  アルデバランさん
  
  ちょっと窓が不気味と言われてたの、チェコではよく、見ましたよ。雪の多い所では灯りとりになるんでしょうが、なんか目に見えますよね。
  
  日本は便利でどこに行ってもロッカーが多いので助かってますが。
  
  　大将

  アルデバランさん からの返信 2015/12/08 11:17:22

  RE: チェコのような建物

  大将さま こんにちわ
  
  昨日、シュツットガルトからミンヘンに移動して市内観光。
  今、フッセンのホテルです。
  柄にもなく、クリスマスマーケット巡りしてます…
  早くに買い物してしまい荷物増えましたが、予定を変更して急きょ訪れたニュルンベルクでも、ミュンヘンでもロッカーがあり重宝しました。
  ドイツは観光地の駅には結構あるようですね。
  オックスフォードでは、どこにもなくて大きなザックを背負って難儀しました。
  
  今回も屋根の窓、見れるかなと思ってましたがドーマー窓ばかりでした…
  
  
  アルデバラン