2015/09/19 - 2015/09/19
47位(同エリア173件中)
玄白さん
秋の彼岸が近づくとあちこちで真紅の彼岸花が目に付くようになる。子供の頃は彼岸花というと、どこかおどろおどろしいイメージを持っていて好きになれない花であった。(経緯は http://4travel.jp/travelogue/10816823 に記載)
そんな子供時代から半世紀以上の歳月が過ぎ、今は無邪気に”おおっ、今年もきれいに咲いた!”と喜び、写欲をそそる花になっている。
彼岸花の名所といえば関東では巾着田がダントツ! しかし、シルバーウィークで例年にも増して大混雑が予想されるので、自宅から1時間あまりで行けて、人混みもない鹿沼の彼岸花の名所を半日で巡ってきた。
最初は、鹿沼市下粕尾地区にある常楽寺へ。この寺は、平安時代末期の名医にして高僧、中野智元(録事法眼)を祀る寺である。小さな寺であるが、境内の至るところ彼岸花が咲き乱れ、蕎麦の白い花とのコラボが絵になる栃木県内では有数の彼岸花の名所である。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
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常楽寺、正式には瑠璃光山常楽蜜寺という真言宗の寺。山門もない、小さな田舎の寺である。50mほどの参道が2本あり、一方は本堂、もう一方が録事堂というお堂に通じている。こちらは録事堂への参道。
参道の両側に彼岸花が咲き誇り、ちょうど満開で見頃を迎えている。 -
録事尊、すなわち録事法眼として祀られている中野智元という人物は、常楽寺に伝わる録事尊縁起によると、平安末期の医者で、日本で初めて病気の原因を解明するために自分の娘を解剖したと云われている。杉田玄白がオランダの解剖書「ターヘル・アナトミア」に刺激されて死刑にされた罪人の解剖をやったことに遡ること600年前である。
その後、後鳥羽上皇の病気を治療して快癒した功績で録事法眼という称号を賜ったという。法眼とは最高位の法印に次ぐ僧侶の位であると同時に仏師・絵師・連歌師・医師などに与えられた称号である。 -
しかし、娘の病気を治せなかったことを悔やみ、仏門に入り諸国を旅して修行し、やがて故郷の旧粕尾村(現鹿沼市)に戻って村人たちの治療にあたった。
その後は、日本昔話に出てくるような逸話が続く。この村は落雷や村を流れる思川の洪水で悩まされていた。ある時、智元は雷の音がいつもと違うことに気がつき、雷神が病気ではないかと思った。その夜、雷神が智元のもとを訪れ、体の不調を訴えたので智元は雷神を治療してやった。雷神は、これに感謝し、村に雷を落とすことをやめ、また雨を降らせて思川の川筋をコントロールして流れを変え、洪水をなくしたという。事実、この地域は川の治水工事が行われていないにも関わらず、水害が少ない地域なのだそうだ。 -
こちらは本堂に続く参道。
入口の左側に無料の駐車場があって15、6台ほどの車が駐車できる。彼岸花を見にきた車でいっぱいだが、回転は速いのですぐに止められた。 -
本堂正面。
彼岸花だけでなく、春は桜など北関東の花の寺のひとつである。 -
ふたつの参道の間は蕎麦畑になっていて、その周りを彼岸花が取り囲んでいる。
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こちらは録事堂側の参道からの眺め。
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今年は蕎麦の生育があまりよろしくないのか(?)花の付き方がまばらのように見える。
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イチオシ
それでも、真紅の彼岸花と蕎麦の白い花のコントラストは、なかなかきれいなものだ。
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そば畑のそばに柿の木が一本。柿の実も色付き始めている。
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石垣は鐘楼のもの
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鐘楼。地方の小寺のご他聞にもれず、鐘は戦時中に軍に供出されていたが、昭和55年に檀家の協力で再建されたそうだ。
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イチオシ
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一株だけだが、白い彼岸花があった。
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別のアングルからアップで一枚。
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地蔵菩薩かな? 本尊の録事尊は大菩薩なのだそうだ。
旧粕尾村には珍しい習俗が残っているという。巡行仏と言い、智元を地蔵菩薩として、またその妻桂夫人と智元に解剖されてしまった娘小春を聖観音菩薩として祀り、各々を厨子に納め、地区の各家々を廻し祀るというもの。 上粕尾を廻る仏像は娘、中・下粕尾を廻る仏像は智元と妻だそうだ。智元と妻は不仲だったので、同じ家を同時に廻ることはないという。死して菩薩として敬われている高僧でも、奥さんとの仲の悪さを後世まで習俗として残されているのが、妙に人間臭くて面白い。 -
反対側の階段の途中から見下ろして。
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手水舎のよく見かける竜の水口。どこにでもある竜神の水口だが、ふと天井を見上げると・・・
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見事な龍の絵が描かれている。年代物ではなく、比較的新しいようだ。
彼岸花には多くの別名があり、いずれも不吉な名前が多い。その一つが「火事花」。
燃えさかる炎のような真っ赤な姿から付けられたことは容易に推測できる。そこで、鎮火に必要な水を司る神、龍神が描かれたのかな??? -
手水舎の横には、彼岸花に囲まれて別の石仏がたたずんでいる。
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イチオシ
この石仏の前から仰ぎ見れば、録事堂(2つある建物の本堂ではない方)の朱塗りが、彼岸花と赤い色を競っている。
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東側に回り込んで撮影
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録事堂本堂。普段は扉は閉じられ、本尊に拝することはできないようだ。毎年2月11日に例大祭が行われ、このときは録事尊のご開帳となるらしい。
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石垣の隙間からも茎を伸ばし花を咲かせている。彼岸花は球根でしか増えないから、人為的に球根を埋めたのだろうか?
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イチオシ
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数ショットは、アップで。
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イチオシ
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イチオシ
赤一色の中に別の色が加わると良いアクセントになる。
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灯篭の肩に生えているコケ。毒々しいまでに真っ赤な彼岸花だけを見ていると、こんな緑があると、新鮮な感じがする。
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背後の花は萩かな。
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ちょっと離れて、鐘楼遠望の一枚。
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しつこく、彼岸花と蕎麦の花のコラボ
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イチオシ
青空をバックにして
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青空をバックにもう一枚
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二つの参道入口の間の石垣。ここでも石垣の隙間に根を下ろしている。
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コスモスと彼岸花
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駐車場の土手の彼岸花群生
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花の寺と云われるだけあって、彼岸花以外にも、色々な花が咲いている。
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どこかの写真クラブの人達らしい一団がやってきたので、ここは撤収。
次に、ここから車で15分ほどのところにある「遊の郷 彼岸花群生地」へ向かう。
「鹿沼の彼岸花名所巡り(2) ミニ巾着田のような遊の郷と鹿沼の田園風景」へ続く。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 銭形幸一さん 2015/09/24 21:34:45
- *゚Д゚)*゚д゚)*゚Д゚)
- こんばんは。
巾着田なんかよりこちらの方が絶対に良いと思います。
嫌味の無い、程よく寂れたお寺、蕎麦畑、柿、苔むした石仏、背後の山。
赤い仏堂と彼岸花の相性も素晴らしいです。
よくこんな場所見つけられたと感心してしまいます。
玄白師匠の真骨頂のような写真の数々…恐れ入ります。
- 玄白さん からの返信 2015/09/25 10:23:04
- RE: *゚Д゚)*゚д゚)*゚Д゚)
- 銭形さん、こんにちは
常楽寺は、全国的には全く無名ですが、地元では彼岸花の寺として、けっこう知られています。この日も朝から三脚担いだ人達が入れ替わり立ち代わり訪れていました。
> 玄白師匠の真骨頂のような写真の数々…恐れ入ります。
↑ こんなに褒められると、こちらこそ恐れ入ってしまいます(^_^;)
P.S
来週、立山に行く計画でしたが、都合で急遽キャンセルしてしまいました。来年再チャレンジです。代わりに那須岳紅葉トレッキングと歩いてしか行けない秘湯、ランプの宿の三斗小屋温泉に行ってきます。
玄白
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- 蔦之丞さん 2015/09/22 18:19:16
- こんばんは!
- 玄白様
すっかり秋めいて来ましたね〜
こちらも少しですが、彼岸花が咲き始めました
録事堂と彼岸花とのコントラストがとても素晴らしいですね!
また青空も。
蔦之丞
- 玄白さん からの返信 2015/09/22 20:56:55
- RE: こんばんは!
- 蔦之丞さん、こんばんは
いつも玄白旅行記訪問、ありがとうございます。
季節の移り変わりは早いものだと、歳を重ねる毎にそんな思いを強くします。
つい先日まで、今日も猛暑日だ、熱帯夜だと言ってましたが、いつの間にか彼岸花が咲く季節になりました。
蔦之丞さん、体調はいかがでしょうか? 別荘暮らしが長いと気晴らしに温泉に出掛けるのは心身ともリフレッシュ出来て、いいものですよね。
玄白
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