2011/05/01 - 2011/05/06
149位(同エリア439件中)
夏目さん
まだ4トラで旅行記を書いていなかった頃の、過去の英国旅です。今思い返せばよく行ったなあ!と思う場所もありますが、今みたいにぐーぐるまっぷさんもネット情報もまだまだな時代で、よくわからずに訪れたからこそ無理も通った(と云うか通した?)という気もします。
情報(価格やツールなど)はとても使い物にならないと思うので、ざっくりした思い出アルバムです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
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今回の英国紀行は①ウィルミントンの背高男に会う②コンプリートアングラー(ホテル)に宿泊してテムズ川沿いを散歩が目的。
①は英国人作家エリナー・ファージョンが書いた「ヒナギク野のマーティン・ピピン」という物語の舞台なので憧れていたため。②はこれまたコニー・ウィリス「犬は勘定に入れません」というお話の舞台。
さて、ヒースローに到着後、列車に乗って一路ウィルミントンへ…と言いたいところですが、ウィルミントン駅というのは存在しません。ウィルミントン村は沿線沿いではあるのだけど、駅と駅の間…1/3と2/3くらいな?。
これは車窓からの景色。緑のダウンズ(ダウンズとはイギリス南部によく見られる地形で緩やかな丘の連なりを指す)と菜の花の黄色。やっぱり5月の英国は格別です。 -
最寄駅ポールゲート(Polegate)から歩きますよ、大体50分くらい。歩くのは苦じゃないほうだし、何と言っても5月のサセックス、サウスダウンズ。お散歩上等。
とはいえ、英国って何気に殆ど歩道がないんですよね…フットパスと道路沿いの歩道は意味が違うじゃない?。 -
小っちゃい橋が架かっている。
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あ、藪にテントウムシ!。
本当に、道路沿いの手が届く藪がこの状況。英国ってすごい。 -
さて、そろそろウィルミントン村の筈…うーん、今こうして書いていても、むろんオンラインで位置情報を確かめる術もなく、ざっくりした地図を見て、よく辿り着いたなあ…逆に、ないからできたというのもあるだろうけど、我が事ながら驚きます。
そしてイギリスだな!(笑)って思うのが、駅からウィルミントンまでの間に2軒パブがあったんですよ、ほかにはなんもないのに。 -
村の入り口(と云うか、境界線?)にウィルミントン村の看板。
本当に小さい村で、トレイルしたけど、トレイルという程のものもできない小ぢんまりした村。 -
帽子のような藁ぶき屋根。お庭の草木の様子といい、パステルカラーでほんとに絵本のよう。
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集会場を兼ねていると思しき小さな教会が一軒…あ、その教会の庭に野生の雉が歩いてて感激でした。
石棺どどーん。う、埋めないんだね…。 -
目的地ちょい手前にオープンティールームが出現したので一休みすることに。
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スコーンと紅茶をいただきました。お天気良くて緑の中お茶飲むなんて何たる幸せ。
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よろめいている素敵なコテージ。
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さて、ロングマンは菜の花畑の向こうのダウンズに居ます。
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いたー!。
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英国の南はチョーク質(石灰質)の地面なので、地面をひっかくと白いチョークが露出する、それを利用して古代からダウンズの表にはいろんな絵が描かれてきたのです。これをヒル・フィギュア、チョーク・フィギュアと呼ぶんですって。馬型にひっかいたホワイトホースも有名です。
これは「ロングマン」と呼ばれるヒルフィギュア。なぜ?誰がこんなところに?という疑問を、ファージョンが「ヒナギク野のマーティン・ピピン」の中で「ウィルミントンの背高男」という物語に仕立てたのでした。それを読んでまずセブンシスターズ(海岸)を訪れ、今回はロングマン。「ウィルミントンの背高男」についてはコンプリートです。 -
近くまで行くことができるんですよ、ダウンズを上がっていくともうほらすぐ。…すぐだけど、緩やかに見えるけど、けっこうぜいはあしました(汗)。
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。史跡だけど柵とかなくて、英国人の家族がピクニックを楽しんでいたりしました。ロングマンから見下ろす一面の菜の花畑。
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バターカップ!。プラスチックかと思う程つやつや。「ヒナギク野のマーティン・ピピン」で、顎の下でバターカップを回すと誰が一番バター好きがわかる(顎に沢山黄色の花粉が付いた人が一番バター好き)っていうゲームをやってたなあ。阿野話はもう何十年も前に書かれたものだけど今も全然生きてる。同じだ。そのまま。感銘をうけますね。
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背高男、会えてうれしかった。またね〜。
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さて、ウィルミントンから歩いてアルフリストンへ向かいます。だいたい歩いて40分くらい。このとき、バスがなかったのかホリディで休バス(たいていイギリスの田舎は土日バスないです)だったか…とにかく歩くしかツールがなかったのでひたすら歩きました。
アルフリストンに行こうと思った理由は、前年セブンシスターズを訪れたとき会った日本語べらべらの英国人の方(三鷹に住んでいたことがあるそうです)が「アルフリストン行った?とてもすてきな村だから是非行った方がいいよ」と教えてくれたから。私は舞い上がっちゃってどこだか覚えていなかったのだけど、同行者は覚えてた。すごい!。で、今回訪れる運びに。 -
この日は日曜だったので、アルフリストンでであったパブにサンディ・ローストの張り紙が(英国のパブでは日曜はサンディ・ロースト(ローストしたお肉。鶏か豚が多いかな)。「あの〜」って入って行ったら「もう終わっちゃった」「え、でも張り紙してある」「あっ、はがし忘れた」てな感じで食べ損ねました。残念。
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5月はリンゴの花の季節。ファージョンのお話のまんま、サセックスには林檎が多いです。大変美しい。
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村の教会。
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さて、アルフリストンはナショナル・トラストが初めて持ったプロパティのあるところなのです。それがこの牧師館。中に展示写真があったけど、ほんとにぼろぼろだったのをリノベーション(という言い方は正しいのかしら)して今に至る。NTにとっては記念碑的場所なのです。
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牧師館は2階建て。もちろん使われているわけではないのでちょっとがらんとしているけど、落ち着いた建物。
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煙突…そうだよね、英国の家には暖炉は必須。
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わーーー、きれい(うっとり)。これが一本じゃないから。普通にたくさんの林檎の木が…そうだ、日本で言えば桜みたいな感じなのかな。
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アルフリストンを後に…といって、写真はないけどこれが大変だった。日曜なのでバスがないのは書いたとおり。一応歩くか、駅まで…何時間?辿り着くの?不安になってきたところで道沿いに動物園が。閉まる時間みたいで続々とお客さんが。そして公衆電話が!「…タクシー呼ぶ?」「え、大丈夫なのかな」「とりあえずかけてみよう」すったもんだの末電話してみると(タクシー呼ぶ用の電話だったので番号が書いてあった)「…でない」「…」「…」。するとむこうから緑色のボンネットバスの小っちゃい飲みたいのが走ってきた。実はそのバスが走っているのは事前情報で調べがついていたのだけど、我々が行きたい駅には行ってくれないのでスルーしてたのでした。そしたらそのバスが停まってくれて、運転手のおじいちゃんが「どこまで行くの?」「る、ルイス行きます?」「行かない。でも一こ向こうの駅に行くから乗んなさい。このバスは電車に接続するからルイスに行けるよ」「…」優柔不断出汁判断力が低い私たち…。今考えればよくおじいちゃん停まってくれたな、ありがとう!と思うけど、その時はもう流されて乗った(苦笑)。乗ってみると駅まで相当あって…あ〜ほんとおじいちゃんありがとう。無事バスは電車に接続し、ルイスに辿り着いたのでした。
ただ、時間が遅くてルイス城は閉まる寸前、写真もほとんどない…これが唯一の街の写真。いつかリベンジに訪れたいな、ルイス。 -
さて、マーロウにやってきました。
最初なんかうじゃうじゃ人がいる、どうして!?と思ったらちょうどレガッタが行われ、終わった瞬間だった!(笑)。
イベントがあるとき以外はとても静かで落ち着いたプチリゾート地です。駅からは15分くらい…結構距離あったかな。川の向こうに今日泊まるホテルが見えてきた。 -
川の手前に素敵なヴィクトリアンハウスが…。「星の時計のリデル」みたい〜。住んでるのかな、幽霊屋敷かな(←)。
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橋にマーロウの町のプレートが。
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はい、こちらが憧れのホテル「コンプリート・アングラー」です。コンプリート・アングラーはアイザック・ウォルトンの著書「釣魚大全」にあやかった名前。英国紳士のスポーツと言えば釣り(それがもうよくわからないけど(苦笑))。コンプリートアングラーで釣魚大全を読むのも今回の旅の目的…で、勿論釣魚大全も持ってきました、はは。
日本では林望さんの著書で有名なホテルですが、私は「犬は勘定に入れません」で意識した。「犬」は2060年ごろの未来のイギリスで、史学を学ぶ学生たちがタイムトラベルでヴィクトリア朝時代に行く話なのだけど、ヴィクトリア朝時代の舞台がちょどうどこのテムズの川沿いマーロウあたりなのです。 -
ラグジュアリー。
旅行会社を通じて予約は済んでる、けど、チェックインの時に「ごめん、お部屋の準備がまだできてなくて、あと1時間くらい奥でお茶を飲んでてもらうかお散歩しててもらえないかしら」。じゃあ、というのでホテルの周りを散歩して写真をぱちぱち。 -
お部屋の用意ができました…うっわ、広い、すてき。
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バスルーム。
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ベランダからは川が見えます。
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ベランダの柵が白鳥。
なんで写真こうまがってるのかな…。 -
川の取り入れ口がよく見える。
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ホテルの中を散策。重厚。
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壁には釣魚に関する絵画がたくさんかかっている。
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暮れてきた…ここはメインダイニング。ディナーもお願いしていた、楽しみ。
この時は旅行会社を通じてとってもらったので支払いは旅行会社あてだったのだけど、ディナーはオプションで現地払いっていうシステムだった。旅慣れてないもんだから「支払いは現金がいいですかね、カードがいい?」「カードがスマートでしょうね」とか旅行会社と話をした思い出です。 -
前菜。
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メインは羊。これ実は同行者が食した分。私はグロースターポーク、っていう豚さんをいただいたんですが…めっちゃうまだったです。ナイフを入れたらふわっと湯気が…すんごい美味しかった。のに、なぜか写真が見つからず。無念…。
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食事を終えてホテルの周りをぶらぶら。宵のコンプリート・アングラー。
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ホテルから川に向かうとちょうど川向こうに協会が見えます。セント・メアリー教会。暮れなずむライトアップが素敵。
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ホテルのダイニングからはこんな景色。
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夕闇が迫るマーロウ。
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朝。川の音で目覚める。
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さーて、朝ごはん、楽しみです。
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勿論メインダイニングでのイングリッシュブレックファースト。
このホテルで初めてポートベローマッシュルームに出会ったのでした。ポートベローマッシュルームは普通のマッシュルームの何倍も大きなお化けマッシュルーム。でも大味ということはなく、肉厚でおいしいの。イギリスではよく売られてるの見るから、メジャーな食べ物みたい。
そして特筆すべきはこのオレンジジュース。生絞りはもちろんなんだけど、こんなにおいしいオレンジジュース!飲んだことない!。私の人生でいまだにナンバーワンですよ。サーブしてもらったのをぐいぐい飲んでたらマネージャーらしきお姉さんが「もっと飲む?」って持ってきてくれて、3杯くらい飲んじゃった。私オレンジジュースそんなにたくさん飲める方じゃないんだけど、ミラクルな美味しさだった。 -
マーロウをぶらぶらします。
ナローボート(キャンピングカーの船版みたいな、細長い船)がたくさん通るテムズには閘門が。閘門はつまり、高低差のある川を船が渡るための調節機能です。係員さんが動かしたり、ナローボートの乗船者が動かしたり。
水の高低が変わるのを見るのもなかなか楽しい。のんびり。 -
マーロウの街並み。
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コーチアンドホース、はパブの名前としてはよくあります。
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マーロウの町にこのコテージはあります。
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シェリー・コテージ。「フランケンシュタイン」のメアリー・シェリーが住んでいたコテージですよ!。
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ちゃんとブルー・プラーク。
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川沿いを散歩します。
テムズの川沿いには小さい村が点在しているので、それを巡る…「犬は勘定に入れません」は、ボートでテムズを行く話なので、村々で電報を打ったりするシーンもあり。もちろん知らない村だけど、本の中でちょっと知ってると、なんか知ってる気がしちゃう単純さ(笑)。それも楽しい。 -
テムズには白鳥もたくさん。こう見えて凶暴でさあ…パンあげてたらぐいぐい食べに来て、パンを持っている手にまで食いついてきたっていう。イギリスの白鳥はすべて女王の所有なので、誰も危害を加えてはいけない…ってことを白鳥たちは知るわけもなんだけど調子に乗っているのか?(笑)。
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美しいな…でも凶暴。
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散歩を続けます。
草原に羊の親子。 -
かわいいね〜。
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川沿いの遊歩道。このあたりに「地獄の火クラブ」があったのよね。「地獄の火クラブ」は澁澤龍彦のエッセイで知った。こんなほのぼのな田舎の村に秘密クラブとかあったんだねー。
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フットパスではわんこさんにもたくさん出会いました。かわいいー。
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5月の毛刈り前の羊はみんなもこもこ。
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小さな村にも必ず教会。
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わんこー。
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さて、今日のお昼はこちら、ジ・オールド・ベル。ハーレイ村にある"最古のパブ"(よくあるよね、最古のパブ…)。ここ来てみたかった。スコーンが美味しいんだけど、2時からしか出していない、でも頼み込んだら作ってくれたっていうエピをどこで読んだろう?。
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中はほんのり暗い、昔ながらの英国パブ。ランチと「スコーンあります?」「まだスコーンの時間じゃないのよー」「そうなんだ(とぼけ)。すごくおいしいっていう話を聞いたからぜひ食べたかったんだけど…とても残念」「…ちょっと待って」作ってくれることになりました、やった。言ってみるもんだ。
裏には広いお庭が。わーきもちいい〜。すごく素敵!!。英国の田舎満喫だよー。 -
スープと、コールドミート、噂のスコーン。おいしい。食べてると、料理人らしきお姉さんが通りかかって「スコーンどう?」「すごくおいしい!ありがとう作ってくれて!」。おねえさんにこにこ。私たちもにこにこ。
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…おあっ、ブルドックさんが通りかかった…!。追いかけました(笑)。可愛い可愛いかわいい。飼い主のお兄さんは、ここに結婚式の打ち合わせをしに来たようで(オールドベルは結婚式も受けてる)お店の人と打ち合わせている間ふれあいを楽しんだよ。
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ご飯を食べ終わってハーレイ村を散策。
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散策、とか言って、雑貨屋が1軒、パブが2軒だけの小さい村。2軒目がこちらライジングサン。メインストリートを10分あるかず村の外に出ちゃうような小さな村なのに、しめちゃった郵便局のハコだけが残ってる村なのに、パブは2軒(笑)。
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再びテムズ沿いに出て散策。ボートを漕いでいる人がいました。
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可愛いおうち。
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ホテルに戻ってきました。お部屋で一休みして、今日はこれからコンプリートアングラーでアフタヌーンティー。ふふ。
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そういえば、私がこのホテルを知ったのは全然違うルートからだったので後知りですけど、林望さんがここのアフタヌーンティーを絶賛してたんですね。
川に張り出したバルコニーで優雅にアフタヌーンティー。 -
5月の英国は暮れるのが遅い。
ので、また散歩に出ます。散歩しすぎ。でも美しいんだもん。やっぱ散歩したい。見て、この景色。 -
わんこさんたちが遊んでいました。
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あ〜飛び込んじゃった。
飼い主のご夫婦が一緒にいて、「この辺にお住まいですか?」「そうよ、そこの家」「いいですね〜いいところだし、素敵な人生ですね」「えっ…うーん、んー、そうね、そうかも」。少しでしたが素敵な語らいでした。 -
隣の駅まで歩きます。
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川沿いでくつろぐ人もたくさん。
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1時間と少しの散歩で隣駅、電車でマーロウに戻ってきました。
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あー、素敵な滞在だった。マーロウ好きだな。コンプリート・アングラーもとても素敵なホテルだった。5月の英国の象徴林檎の花。まったく、この時期の英国は最高に美しい。いつでも訪れたいけれど、一度だけ、ってことならやっぱり5月を選びます。
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