2015/06/29 - 2015/06/29
131位(同エリア509件中)
ロク69さん
翌6月29日(月)は泊まったグルーベンを後に、メイド・パスを越えてアニヴィエ谷のティニューサへ向かう。そこからは乗り物を乗り継いでツェルマッタまで戻る予定だ。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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6月29日(月)は5時前に起床、外へ出て今日の天気と山の眺めを確認する。6時前にはレ・ディアブロンの山並みに日が当たり出す。今日も快晴のようだ、雲ひとつない青空が清清しい。
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メイドホルンも紅く色付き輝いている。
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朝のホテル前、昨日はたくさんの車が留まっていたが、今は数台を数えるのみだ。
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朝食は6時からできる。スイスにはずいぶん来ているが、ホテルで朝食を食べるのは多分初めてだろう。フルーツ、ジュース類、ハム、チーズも種類が多くうれしい限りだ。
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パンも4種ほどあって自由に選べる。また、トースターもあり食パンを焼いてバターをぬって食べることもできた。
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これが朝食の内容、コーヒーはお替わりした。
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朝食後、精算を済ませて出発、6時25分に歩き始める。今日は特にロングコースになると思われる、またティニューサからもケーブル、バス2回、鉄道2回と乗継も多いので、早めのスタートにした。
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橋を渡って樹林帯をジグザグに登ると木々の間からワイスホルンが白く輝いて見えてくる。手前のこんもりした山はビスホルンだ。
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中央にワイスホルン、右にはレ・ディアブロン、左は外バルホルン(Uessers Barrhorn、3610m)が見えている。
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中央のワイスホルンとビスホルンの拡大。ワイスホルンのピークはビスホルンの右肩にちょこんと出ている、その右の突起はグラン・ジャンダルム(Gd Gendarme、4331m)だろう。ビスホルンから流れ出ている氷河は、トゥルトマン氷河(Turtmann Gletscher)でその付け根あたりにはトラキュイ小屋がある。
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ホテルを出発後55分で下部の集落(メイド・ミッテルシュタッフェル、Meide-Mittelstafel、2266m)を通過する。トゥルトマンの谷奥まで眺めることができる。
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分岐を示す行き先表示板、メイド・パスまで1時間35分となっている。
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さらに少し登って、昨日越えてきたアウグストボード・パスを振り返って見る。左のシュヴァルツホルンの右下の鞍部がそのパスだ。
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すぐに次の集落オーバーシュタッフェル(Oberstafel、2338m)に到着する。昨日アウグストボード・パスから見つけた白いテントがあった。左の丸い突起はメイドホルンだ。
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しばらくは比較的緩やかな道が続く。目指す峠は右端の白い鞍部で、右の岩稜の左横を通っていく。正面はメイドゼンドのギザギザの山並みが続く。
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歩く左手にはメイドホルンが大きく、左奥にはワイスホルンが佇む。空には薄い雲が広がってきた。
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ワイスホルンの拡大。ビスホルンの向こうにワイスホルンの頂上、右にはグラン・ジャンダルムが鋭く天を突く。
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その左には、外バルホルンと黒く鋭いゲシシュピッツ(Gaessispitz、3411m)、次いでステーリホルン(Stelliorn、3410m)と続く。
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さらに30分登った地点の眺め、真っ黒なメイドホルンと白いワイスホルン群の対比が興味深い。
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登ってきた方向を振り返る。コースの斜度は厳しくなり高度がどんどん上がる。ワイスホルン、ビスホルン、ブルネックホッルン、バルホルンと続く山並みはアルプスの醍醐味といえる。
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いよいよメイド・パスが近づいてきた。右の岩稜を越えて左へ回り込んで正面左の斜面をトラバース気味に登れば峠に着く。空はいつの間には雲がなくなり青空が戻ってきている。
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8時35分にメイドゼー(Meidsee、2661m)に到着。湖面には多くの雪が残り寒々とした光景だ。
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行き先表示板も雪の上に立っている、パスまで25分となっているので、もう一息だろう。
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東方向の眺め。湖面のはるか向こうにはシュヴァルツホルンとアウグストボード・パスが見える。さらにそのパスの向こう遠くにはフレッチホルンが見えているのが驚きだった。
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湖付近からの眺め。高度が上がってきて、メイドホルンの存在感が薄くなってきているのが分かる。
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高度が上がっているので、シャベル山群はドム、右のテーシュホルン(Taeschhorn、4491m)が見えている。
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いよいよメイド・パスまで大詰めとなって来た。正面の斜面をトラバース気味に歩けば到達できそうだ。残雪は少しあるがそれほど気にならなくなっている。
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パス直前の地点からみるメイドシュピッツ。遠くから見ていると「三本槍」のように見えていたが、近づくと大きな岩の塊の集まりだと分かる。
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メイド・パスには9時10分に到着。出発から2時間45分(うち休憩10分)だった。振り返って登ってきた東方向を眺める。残雪の雪原の向こうにはミシャベル山群、バルホルン、ブルネックホルンと名峰が続いている。グルーベンの象徴だったメイドホルン(バルホルンの手前)は低くなってしまった。
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続いてワイスホルンも見ておこう。
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峠から反対側(西側)を見る。なじみ深いアニヴィエ谷の名峰群がくっきりと望める。左手前はル・トゥーノ、中央遠くにはベック・ド・ボソン(Becs de Bosson、3149m)が目立っている。その右下にはホテル・ワイスホルンが白く輝く。
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その右方向には、遠くレ・ディアブルレとヴィルドホルンがいずれも頂上に氷河を持った姿で横たわる。
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峠から北方向のメイドシュピッツを見る。稜線続きに見える中央はベッラ・トーラの姉妹峰ロートホルン(Rothorn、2998m)だ。
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眼を凝らすと、ベック・ド・ボソンの左遠方にモンブランが見えているのに気づく。距離は遠いがその白い山塊ははっきりと認識できる。
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さらに左には、黒いギザギザのエギュイーユ・ルージュ・ダローラ(Aiguilles Rouges d’Arolla、3644m)とその左後方のグラン・コンバン(Grand Combin、4314m)も見えているのに気づく。
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メイド・パスの南方向。巨大な岩塊があって見通しはよくない。
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峠のすぐ右は、ル・トゥーノが大きい。急峻な斜面で覆われたこの山は南方向に回り込んで登る唯一のルートがある。
2011年に登った時の記録:
https://ssl.4travel.jp/tcs/t/editalbum/edit/10586772/ -
ロートホルンの拡大。頂上の東屋も見える、右にあるベッラ・トーラ(Bella Tola、3025m)は見えていない。
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ベック・ド・ボソンの奇怪な山容。高さは3149mであるが、その特徴的な形状のために一度見たら忘れられない山となっている。
2011年に登った時の記録:
https://ssl.4travel.jp/tcs/t/editalbum/edit/10588910/ -
再びル・トゥーノとグラン・コンバン。途中、トゥーノの右稜線の上に微かにみえているのがモンブラン・ド・シェイロン(MontBlanc de Cheilon、3870m)だ。
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峠では10分の休憩で再び出発、ザレた道を降る。すぐに分岐点があり表示板に従って「ティニューサ」方面の左を進む。ところがこちらのコースはホテル・ワイスホルンの近道で、ティニューサへ行くには少し遠回りだとあとで気づいた。その分トゥーノの近くを歩くことになった。トゥーノの右遠方は、モンブラン・ド・シェイロン、グラン・コンバン、ルージュ・ダローラ、サスネールと続く。
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サスネールとべック・ド・ボソンの拡大。その下部にはホテル・ワイスホルンが白い。
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ル・トゥーノを北側正面から眺める。氷河に削られた荒々しい稜線が息づいているようだ。
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振り返ってメイドシュピッツ。この山は少し離れて眺めたほうが良いようだ。
途中で分岐があり、左のコースが明瞭だったのでこちらへ進んでしまった。この道は小さな池ラック・ド・コンバヴァト(Lac de Combavert、24440m)へ行くコースで湖面の見えるところで間違いに気付いた。幸い往復10分程度だったのですぐに分岐まで戻ってきた。よく見ると本来のコースがすぐに分かる、気が焦ったりしているとミスを犯しやすいと反省した。 -
緩やかな草原を降って行く。黄色いタンポポのような花がたくさん咲いていて心が和む。
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しばらく降ると、左手にダン・ブランシュが現れる。左斜面にはホテル・ワイスホルンがある。
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ダン・ブランシュの拡大。すっぽり重なって白いグラン・コルニエ(Grand Cornier、3962m)が見える。
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ついでマッターホルンが出現する。ここはフランス語圏なので人々はこの山を「モン・セルヴァン(Mont Cervin)」と呼ぶ。真ん中のやや低いピークは、ポアント・ド・チナール(Ponte de Zinal、3789m)だ。
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ホテル・ワイスホルンの左手は、黒いポアント・ド・ナヴァ連峰(Pointes de Nava、2760m)、レ・ディアブロン、ワイスホルンと続く。ワイスホルンには変わった雲が架かってきている。
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モン・セルヴァン(マッターホルン)のズームアップ。ツェルマットから見る形とは大きく違うこの山の別の姿が印象的だ。
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サスネール(Sasseneire、3254m)の拡大。どっしりと根を張ったような安定感がある。この向こうはエランの谷で、エヴォレーヌやアローラの村々が点在する。
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右のベック・ド・ボソンの拡大。黒く奇怪な山容は一度見たら忘れられない印象を与える。特にピークの形状は、「鷹の爪」のように曲がっている。
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ローヌ谷の向こうには、レ・ディアブルレが氷河を抱いて静かに横たわる。右のピークはオルデホーレ(Oldehore、3123m)だ。
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まもなくティニューサからホテル・ワイスホルンへ向かう広い道に出る。その手前でアニヴィエ谷を眺める。右のベック・ド・ボソンから左端のマッターホルンまで素晴らしいパノラマが広がる。中央奥の村は、「花の村 グリメンツ(Grimentz)」だ。
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広い道と合流する直前の眺め。マッターホルンから黒いナヴァ連峰、レ・ディアブロン、ワイスホルンと続く。手前の濃緑の樹林帯、穏やかな草原そして山々の作る構図が素晴らしく思える。
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広い道に出て、あとはティニューサ(Tignousa、2186m)まで延々と続く緩い坂道を50分近く歩くのはつらかった。本来なら、最初の分岐で左折せずに直進してベッラトーラ小屋方向に行く予定が変わってしまった。
11時ちょうどにティニューサのケーブルカー(フニキュラ)乗り場に着いた。11時発のケーブルは出たばっかりで、12時まで1時間待つこととなった。そのお陰で隣のレストランでビールとワインをゆっくり飲むことができた。グラスの左奥はダン・ブランシュだ。 -
ワイスホルンにはヴェールのような薄い雲が掛かっていて興味深い。
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マッターホルン、ポアント・ド・チナール、ダン・ブランシュの拡大。うすい雲が覆いはじめてきたが、山々の展望は問題なく美しい。
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12時発のケーブルでサン・リュック(St-Luc)に着く。バス乗り場までゆっくり歩いて10分ほどだ。民家の煙突越しに山々を眺める。左から黒いベッソ(Besso、3668m)、白いオーバーガーベルホルン、こんもりしたモン・デュラン(Mont Durand、3713m)、マッターホルンと揃っている。
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サン・リュックからバス、ヴィソワでバスを乗り換えてシエーレまで行き、鉄道でヴィスプ乗り換えでツェルマットには15時過ぎに着くことができた。朝6時25分からの行動開始だったが、実際の歩行は11時で終了した。夕食は、骨付きラム肉のカレー、野菜とポテトのサラダ、赤ワインだった。
本日の全行動時間は4時間35分、うち休憩等20分、実動4時間15分、登り970m、降り800mだった。
2日連続の峠越えで、それぞれ1000m近い登り、降りでタフなコースであったと思う。無事に歩き終えられたことをとてもうれしく思う。快晴に恵まれた幸運にも大いに感謝しよう。
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