1999/08/22 - 1999/08/22
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Flocons-de-neigeさん
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20世紀も大詰めに近い1999年の夏、フランスノルマンディー地方の風光明媚な海岸の町、エトルタを訪れました。数々の画家によって描かれた有名な断崖は、印象派の時代そのままの景観を見せてくれますが、この土地には、さらなるその後の歴史の記憶が残っていました。景勝地に残る意外な史跡はドイツ第三帝国の建設した大西洋の壁、あるいはヨーロッパ要塞とも言われた要塞線の一部の施設群です。
第二次世界大戦でドイツに占領されたフランスの海岸には連合国の逆襲に備えるための大規模な要塞地帯となり、分厚いコンクリートのトーチカが多数建設され、それらの多くは今も海岸に姿をとどめています。エトルタは目標となる大きな港がなく、断崖に遮られた海岸のため直接の上陸地とはならなかったためか、大きな損傷のないトーチカが残っています。ノルマンディの上陸地域の要塞施設の残骸は観光客の見物用に残されていますが、いざ撤去しようとするとあまりにも頑丈に作られているために費用の点で断念されることも多いよう。浸食のつづく白亜の断崖は長い年月の後に姿を変えていくのでしょうが、人類が遠い将来、歴史の記憶が薄れた頃に残された要塞の施設は未来の人びとに何を伝えるのでしょうか。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
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ノルマンディー方面への列車はパリのサンラザール駅から。蒸気機関車の時代、モネの絵に描かれた屋根に覆われたプラットフォーム。TGVの発着がないターミナルなので、今は地味な印象。といっても写真の時代も20世紀ですが。
サン ラザール駅 駅
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エトルタは観光地としては高名ですが、大きな港湾施設もない小さな町で、直接通っている鉄道はありません。パリからルアーブル(世界遺産の港町)へ向かう線の途中、ブリオテ・ブーズヴィルという二つの町の名前を冠した駅からバスで向かうことになります。駅は周りに民家が点在するほかは、何もない田園地帯にありました。
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当時、この路線でよく目にした機関車。今調べてみるとBB 16000というタイプのフランス国鉄のもので、2012年にすべて退役しているようです。
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こちらは支線にとまるディーゼルの一両編成の車両。エトルタの北東の海岸にある港町フェカンへの路線です。この路線には後日乗って町を訪れてみました。
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駅からのバスはエトルタの町役場の前に到着します。
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小さな町ですが、ビーチもあるので、保養地らしく、小さなホテルやレストランが目に付きます。
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海岸まではさほど距離はなく、町をぬけるとすぐ大西洋と初見ながら、何度も見覚えのあるあの断崖の風景(アヴァルの門)が見えてきます。しかし海岸の側にはなにやらものすごくごついコンクリートの施設が目に付きます。海岸に向かって小さい開口部があって、観光や漁業の施設ではないことはすぐにわかります。
アヴァルの断崖 自然・景勝地
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展望台のようになっているコンクリートの施設の横には、潮位の変化による危険を知らせる看板が掲げられています。白亜の断崖をよくみると下の方に海水にひたっていた変色している部分があり、満潮時には下に広がった浜が水没するようです。
アヴァルの断崖 自然・景勝地
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砂浜の海岸をはさんで反対側にも小さい穴の開いたアモンの断崖が見えます。
アモンの断崖 自然・景勝地
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展望台のように見えた物は海岸を制圧するトーチカでした。
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これに似たトーチカは「プライベートライアン」のオマハビーチのセットに出ていましたね。上陸するアメリカ兵を蜂の巣にする機関銃陣地で最後は火炎放射器で破壊される。映画の舞台になったオマハビーチにはこのタイプのトーチカは存在しなかったらしいです。
トーチカの下側はずいぶんとえぐられていて、波による浸食が進んでいるようです。建設されてから50年以上も経っていますからね。 -
この横から断崖の上につづく道があります。トーチカの下側の浸食が進んでいくと前のめりに倒れてしまうようで、実際、フランス海岸にはそうした、転んだコンクリートの要塞もあるようです。明日香村の鬼の雪隠みたい。
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モネの画に出てくるような小舟
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トーチカの上に柵が設けられているのは、まあ上る人が多いからでしょう。
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崖への道を上っていくとまたコンクリートの施設が見えてきます。左の上のほう。
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エトルタの海岸に向かって穴の開いたトーチカ、海からは直接見えないような位置になっています。
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トーチカの後ろ側は半分以上砂に埋もれてしまっています。
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トーチカの開口部を見ると、海岸と町を狙う位置に設置されたものであることがわかります。海に直接向けられていないのは海上の軍艦からの直接の砲撃を避けるためでしょうね。まともに撃ち合っても勝ち目がありませんから。
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上ってみるとエトルタの町は断崖のある丘陵に挟まれたわずかな谷間にあることがわかります。右に見える青い芝生はゴルフ場です。断崖の上の大地はほとんどゴルフ場のグリーンです。風が強いでしょうね。
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ほぼ砂に埋もれていますが、高射砲の台座らしいものも。
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崖から見下ろすと、塩の引いた浜になにやら施設の痕跡があります。牡蠣の養殖につかわれていたようですが、飛鳥の坂船石みたいに、長い年月がたつと目的そのものも誰もわからなくなりそう。
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崖の頂上に登ってきました。小さい小屋のようなものがありますが、これもコンクリート製でドイツ軍が設置した監視用のトーチカのようです。
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針岩も上から見下ろすことが出来ます。人が崖のところに居ますが、怖いなあ。
エギーユ クルーズ (エトルタノハリ) 自然・景勝地
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令嬢たちの部屋と言われる岩。橋がかかっていて、穴の中に入れるようですが
令嬢たちの部屋 自然・景勝地
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アヴァルの門から西の方角につづく断崖にはさらに大きなアーチ状になったマンヌポルトが見えます。下の砂浜はつながっていますが、満潮時には海水に覆われそうです。断崖の上の遊歩道で行けるようなので、行ってみます。
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道の途中からアヴァルの門と針岩。断崖の下の部分にトンネルがあって、あちら側から人が抜けて出てきています。
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マンヌポルトが近づいてきます。後から空撮や反対側からの景色をみるとまた思っていたのと全然違う形なんです。
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マンヌポルトの上からのエトルタ側の景色
この砂浜に上陸しても出口がありませんね。 -
反対側にもさらに断崖が続き、その向こうに見える防波堤は石油関連の施設の船着き場らしいです。
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下を見ると人が蟻のように崖の下を散策していますね。戻る時間を考えないと潮次第でえらいことになりそう。ここまで足を伸ばしたらゆっくり町で食事をする時間がなくなってしまいました。パリから日帰りだと少々慌ただしいです。せっかくだから一泊して、ルーアン、ルアーブルなども回ってみるといいでしょうね。
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