
2014/12/07 - 2014/12/09
1位(同エリア1件中)
のまどさん
キューバと聞いて何を思い浮かべますか?ラム酒、葉巻、クラシックカー、青い海、コロニアル建築、ヘミングウェイ、チェ・ゲバラ、野球、ボクシング・・・。こんなにイメージが広がる国もそんなにないと思います。私が面白いと思うトラベラーさんの多くが行ってみたい国に挙げています。
導かれるように自然と決まったキューバ旅行。準備期間中キューバのイメージを掻き立てられたブエナビスタ・ソシァルクラブの曲を紹介しながら書いていきたいと思います。よかったら聴いてみて下さい。ラテンですが底抜けに明るい訳ではなくどこか哀愁を帯びた旋律がタイムスリップしたような街の風景を視覚的に思い起こさせます。
最初は'Chan Chan'。
https://www.youtube.com/watch?v=6JEdf7XsV5g
なぜかアムステルダムの夜景とベルギーの愚痴から始まります。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
<準備編>
6月にLCC Jetairflyのキューバ行きチケットを予約。トルコ旅行で利用した際に好感が持て、一人600ユーロと安かったのだが、後で後悔することになる。
ビザは機内でツーリストカードが配られるということなので申請不要。旅行保険はキューバ政府公認の会社に加入が必要との情報が多々あり。実際に入国審査の時には不問でしたが。
ガイドブックはロンプラとラフガイドを持っていきました。それぞれ長短あるので2冊あると補完できました。ちなみに両方図書館で借りました。 -
今回は英語が通じないなどと泣いていられないことは分かっていたので、スペイン語を勉強してみました。
1)教材ビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=zvfV9KGcSMo
↑メキシコ人、怪しすぎ
2)旅行会話ビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=HnbM8TLTsBI&list=PLJryGLyLi5Fqt2NXUCC2vJkEet5-xh33G&index=1
↑一部音が割れてたりとかなり昔の映像だけど、すじがシュール
3)FMラジオ
http://www.espana.fm/
↑NHKに相当するRNEを仕事中イヤホンで聞き流す
4)スペイン語の歌
Shakira、Mecano、Manu ChaoなどをYoutubeで見つけて一人熱唱
↑騒音公害
1日30分楽しみながら適当に。会話できるレベルなんて端から望んでいません。 -
キューバと言えばヘミングウェイとチェ・ゲバラ。ということで一応読みました。『老人と海』、読みやすいけど何だかぐっと来るものがないんです。
宿泊先は最初の2都市だけ抑えておきました。最初の宿は入国審査で申告が必要との情報を得ましたが実際は不問でした。
ホテルはどこも値段の割には・・・という感じだったので、個人宅Casaにしました。予約サイトは複数あります。支払いは現地です。
利用したのは:http://www.casaparticularcuba.org
担当者のレスが速く、土曜日にも返事をくれた。2軒目ハバナの宿は次章登場予定の女傑にメールで紹介してもらいました。 -
<移動編>
のほほんと準備を進めていた出発2週間前、何と出発日12月8日にストライキのためブリュッセル空港が機能しなくなるという衝撃ニュースが報道されました。慌てて日程・目的地の変更プランを何通りか用意し、その間も航空会社にまめに連絡をして現状確認しました。
電話する度に間延びした声で「今のところ予定通り飛ぶ予定です。」との回答。ブリュッセルエアなど「正規」会社が当日はスタッフを特別配置して長距離便を飛ばすと早々に宣言する一方、Jetairflyがアムステルダムから代替便を出すことを決定したのは出発2日前。遅すぎる。
写真の出所↓
http://www.nieuwsblad.be/cnt/dmf20141212_01425744 -
もう一枚だけ他所から借りてキューバと関係ないことを書きます。今回のストは8月に成立したベルギー政府の競争力向上政策に対する不満の表明です。政策によって労働者の権益が奪われるため反感を買っています。
11月の最初のデモではブリュッセル市街で数箇所炎上し、負傷者・逮捕者が数十名出ました。以来いつの間にか月曜日がデモ・ストの日となり、ブリュッセル空港は合計600便をキャンセルし500万ユーロの損失が出たようです。
政府への不満は理解できますが、これだけの損失を加えて国の玄関を麻痺させて誰が何を得たと言うのでしょうか。
写真の出所↓
http://www.nieuwsblad.be/cnt/dmf20141212_01425744 -
朝5時にブリュッセル空港に集合してバスでアムステルダムに移動という段取りでしたが、休暇中そんなに早く起きていられるかということで、アムスに前泊してスキポールに直接チェックインすることにしました。急遽バスとホテルを押さえました。
Day 1
バスは初めての利用でしたが、快適でした。 -
エアポートホテルとのことですが、なんともサイケでした。
-
オランダに来たら非オランダ料理。ということで、トラムにひたすら乗って中華料理を食べに行きます。
南記 http://4travel.jp/overseas/area/europe/netherlands/amsterdam/restaurant/10386845/
どこから仕入れているのか不気味なほど大きなカキが名物です。おいしいのですが、この店はサービスも「本場」を貫いています。人文主義国オランダでここまで徹底して無骨なのは演出としか思えません。怒って出て行くオランダ人もいました。私ももう結構です。 -
夏服を着重ねして震えながらダム広場のイルミネーションを眺めます。
-
Day 2
スキポール空港もクリスマス用電飾です。ここの空港は鉄道駅と到着口が隣接しています。お店も充実しているので出発前最後の買い物をします。 -
バス組と合流して搭乗。
このフライト、本来はブリュッセル=カンクーン(メキシコ)=バラデロ(キューバ)と3地点を飛ぶので経路が複雑になります。我々の便はアムスを出て10時間後にカンクーン、3時間機内で待機して50分のフライト後にバラデロ着でした。 -
入国審査は審査官が興味本位で個人情報や査証記録を見ている感じでした。威圧感なし。
かれこれ6時間ほど水分を摂っていませんが、まずは両替。出発口の両替所CADECAに行かされました。レートは悪いです。 -
有名な兌換ペソ。使用を禁止している米ドルに連動しています。CUCと表記してクックと発音します。これが通貨単位だと認識できるまでの三日間、値段を聞く度に何でここで料理するの?という思考回路が断ち切れなかった。
やれやれこれで水が買えると思った矢先、売店が閉まりました(涙)。後で考えればユーロでも買えた。 -
夜10時過ぎ。宿泊地マタンザスまでの移動手段はタクシーのみ。ローカルバスに乗れるかききましたが、外国人はダメとのこと。
どこからの回し者なのか白シャツの男性が電話を掛けて全員分のタクシーを呼びます。目的地が同じベルギー人カップルとシェアすることになりました。
我々が最後の客。来たのはタクシーとは思えないおんぼろ車。
運転手:「一組30CUC(≒3600円)でどうだ?」
私:「冗談じゃない」
白シャツ:「バラデロまで36だから妥当な値段だ。」
私:「ガイドブックには1台25CUCと書いてある。マタンザスの方が近いことは地図を見れば一目瞭然だ。一組25しか出せない」
運転手:「よし分かった。25でいい。」
合計50CUC、2倍ふっかけられていることは分かっていたので、20くらいで交渉したかったのですが、ボルテージ上がっているのは私のみ。あとの西洋人3人は羊のようにおとなしく、加勢なし。孤軍奮闘。 -
本日宿泊のHostal Almaに到着。
http://www.tripadvisor.com/Hotel_Review-g663510-d2534999-Reviews-Hostal_Alma-Matanzas_Matanzas_Province_Cuba.html
部屋は50年前の南欧の宿と言った感じで、私の思い描いていた通りでした。
評価は7/10点。トイレ・浴室が離れていますが、部屋に洗面台があります。ロンプラによるとウリはテラスとステンドグラス。
冷蔵庫の水(有料)を大量に飲んで寝ます。移動時間約19時間。 -
Day 3
久しぶりのきちんとした食事なので、何を食べてもおいしい。
カサで出る朝食は判を押したようにどこも同じです。でもフルーツの種類やコーヒーの量などが微妙に違うので、宿主の誠意が比較できます。
宿主の名前はマイラですが、この旅では同名の女性が多数いたのでマイラ1号(←失礼な)とします。ほとんど英語は話しませんが、ゆっくりと表現力豊かにスペイン語を話すので全く問題ありませんでした。 -
バルコニーからの眺めです。
悪質燃料の排気ガスの臭いと鈍い蛍光灯の光を感知して「この世界(=発展途上国)に帰ってきた」と思う私はちょっとキテるかもしれません。 -
チェックアウトして駅に向かいます。
サン・カルロス・ボロメオ教会、らしい。 -
我が心の師Seat 61の教えに従ってハバナまでハーシー電鉄に乗ることに決めていました。
「駅へは線路沿いを歩いた方が早いよ」と。 -
駅の待合室。キューバらしいレトロ感が新鮮。
ハーシー電鉄は米チョコレート会社のハーシーが1917年に砂糖を運搬するために敷いた鉄道です。 -
おじさん曰く、我々が乗る予定だった12時台の電車はキャンセルになり、次は4時まで来ない。早速キューバの洗礼を浴びた。
電車はこんな感じです↓
http://www.tramz.com/cu/hy/hy.html -
4時間以上も待てないのでバスで移動することにします。
事前調査では1日5本電車があるとのことですが、実際は3本でした。 -
料金はマタンザスからハバナまで2.8CUCです。
蒸気機関車の写真が気になりますが、何も説明はありません。 -
マタンザスは名前の由来が「虐殺」で、砂糖生産のために町の人口の半分を超える奴隷がアフリカから連行されたり、20世紀前半はポルトガル移民が入ってきたりと色々な歴史舞台になったようです。
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何となくアフリカのような雰囲気がありました。観光客も少ないので、時間があればゆっくり見たかったです。
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同行者ウワバミちゃん撮影。
こんな所で郷愁に駆られたという本人の心理と同等に理解できないこの写真の構図。
あ、海見えまーす♪ -
町の中心からバスターミナルまでタクシーで3CUC。
バスの切符を買って出発時間まで暇つぶしです。 -
この乗り物は何ぞ?
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キューバ名物のクラシックカー。
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売店がたくさんありました。
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写真を撮らせてくれたカップルの店で魚のフライサンドを買いました。
$5というのは国民ペソで、昨夜両替した兌換ペソCUCとは別の通貨です。1つの国で2種類の通貨というのは国家主導のぼったくり制度としか思えません。 -
1CUC(≒120円)しか持っていなかったのでそれを差し出すと、CUCのお釣りがないと言い訳されました。1CUC=25国民ペソなので、通常の値段の5倍払ったことになります。換算レートは後で知りましたが。
別の売店で水を買ったときも同様にごまかされました。
そして肝心のお味の方は・・・でした。 -
外国人の観光ルートを独占しているビアズル(Viazul)バス。マタンザス−ハバナ間は一人7CUCでした。
さて、本章は序章。まだラムを口にしていません。これから本格的なキューバ旅行が始まります。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- kayoさん 2015/03/05 00:24:47
- ベルギーのストライキ
- のまどさん、今晩は☆はじめまして!
キューバの第1編を拝見して、あのブリュッセルのストライキに私も出くわしました。同じ日の12月8日です。
2週間も前から報道されていたんですね。
私など何にも考えずに飛び立ったんで、ストを知ったのは当日のルクセンブルグで。
私の場合は列車移動だったので、ブリュッセルの手前で1泊して少しの予定変更で済みましたが、
これから海外へ飛び立つとなると焦られただろうな?っと察します。
私もナミュールで車の炎上した写真のニュース見て、ビックリ。
ストの目的が今一分からなかったのですが、のまどさんの説明で今になって分った次第です。
LCCといえども代替案が出されて良かったですよね。
オランダに来たら非オランダ料理って笑っちゃいました。
パンケーキ食べて大失敗したのを思い出しました。
ジャマイカまで行ってキューバへは行った事がないので興味はあります。
ただ日本からは遠いですね〜。
中南米はやっぱりスペイン語必須ですよね。←これが中々行けない理由かも?
ベルギーはブリュッセルにお住まいなのかな?
プロフの写真がジュリアン君だったので。
私も色々な国に渡り住んで今は日本で落ち着いていますが、
この先は全く見えないのでまたnomadになるかも?
面白そうな旅先なのでフォローさせて頂きました。
kayo
- のまどさん からの返信 2015/03/05 06:54:20
- RE: ベルギーのストライキ
- kayoさん、初めまして。
ご投票並びにコメント、フォローまでしていただき大変ありがとうございます。
私は現地の様子が詳しく書かれているブログが好きで、kayoさんの旅行記はどれも大作だけどすっと読めます。兼ねてから自由な雰囲気に共感できると思っていましたが、同じく流浪の民だったとは。迷わずフォローさせていただきます。
> キューバの第1編を拝見して、あのブリュッセルのストライキに私も出くわしました。同じ日の12月8日です。
20年ぶりの全国ストだったようです。お察しの通り私はブリュッセル在住で、ルクセンブルク旅行記を拝見した時、何だか申し訳ない気分になってしまいました。でも、ポジティブに気持ちを切り替えてナミュール観光を楽しみ、ブリュッセルを弾丸で回るのはさすが旅慣れていらっしゃいますね。
> LCCといえども代替案が出されて良かったですよね。
半分諦めかけていたので、無事に飛べてよかったです。LCCで大陸間移動してはいけないことを学びました。行きも帰りも踏んだり蹴ったり、二週間以上滞在したキューバでは裏側まで見たタフな旅行になりましたが、ハッピーエンドになるように書いていきたいと思います。
ポリシーはちょいワル、内容はディープ、ユーモアはブラックという拙ブログですが、末永くお付き合い下されば幸いです。
来週母が来白するのでブリュージュ旅行記参考にさせて下さい。落ち着いたらまた他の旅行記も拝読したいと思います。
-
- captainfutureさん 2015/01/11 11:50:12
- 島全体が博物館のような!
- キューバ、行けたらいいなあと思っていたところで、のまどさんのレポ、楽しみにしておりました。
教材ビデオのメキシコ人、面白い!
オランダに来たら非オランダ料理。そうなんですね(笑)
兌換券があったり、外国人はローカルバスに乗れなかったり、「駅へは線路沿いを歩いた方が早いよ」だったり、イメージも膨らんできました。
名物クラシックカー、バルコニーからちらっと見えた、きっと革命前夜から変わらぬ街並み、感慨深く拝見しました。
アメリカと国交結んで一気にモノが入り、街も激変してしまうだろう直前の姿を見ることが出来たのまどさんは、本当にいい時に行かれたんだなあと思いながら拝見していました。
次回も楽しみにしております♪
- のまどさん からの返信 2015/01/12 06:54:20
- RE: 島全体が博物館のような!
- captainfutureさん、こんにちは。
毎度コメントいただき、ありがとうございます。
> キューバ、行けたらいいなあと思っていたところで、のまどさんのレポ、楽しみにしておりました。
captainfutureさんもキューバファンでしたか。魅力的な国ですよね。個人旅行に役立つ情報を載せられたらと思っています。
> 教材ビデオのメキシコ人、面白い!
教材ビデオまでご覧いただけたとは嬉しいです。私が使った教材ビデオは両方とも「教材なのにこんな展開があるのか!」と驚きながら釘付けになってしまいました。スペインの映像文化、奥深いです。
> 名物クラシックカー、バルコニーからちらっと見えた、きっと革命前夜から変わらぬ街並み、感慨深く拝見しました。
本当にどこも屋外博物館のようでしたよ。20世紀初頭の建物が林立し、再開発などとは無縁でタイムスリップしたような感覚でした。
> アメリカと国交結んで一気にモノが入り、街も激変してしまうだろう直前の姿を見ることが出来たのまどさんは、本当にいい時に行かれたんだなあと思いながら拝見していました。
偶然にも劇的なタイミングでした。国が変化を求めているので、モノと人が入ったら急激に変わっていくでしょう。ただアメリカとキューバの間には未解決な政治問題がたくさんあるので、それがいつになるのか興味深い所です。
ペシャワール第2弾、投稿されましたね。1コマ1コマ味わいながら読ませていただきます。近いうちにお邪魔します♪
> 次回も楽しみにしております♪
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- jijidarumaさん 2015/01/10 14:35:29
- キューバの旅のスタート
- のまどさん
今年も宜しくお願いします。
いよいよキューバの旅のスタートですね。
最初から詳細なレポートに驚きながら、まだ旅の地図感覚が頭には入っていませんけど、楽しみです。
そうそう、キューバと聞いて何を思い浮かべるか?
革命、キューバ避難民、フロリダ、米ソ核戦争危機、カストロと野球、社会主義革命の失敗劇場、貧民、でかいアメ車クラシックカー、ヘミングウェイ、ラム酒、葉巻、海賊・・・という言葉が、私には浮かびます。
jijidaruma
- のまどさん からの返信 2015/01/11 22:31:20
- RE: キューバの旅のスタート
- jijidarumaさん、こんにちは。
素敵な紹介文を書いていただき、ありがとうございました。
こちらこそ本年もよろしくお願いします。
> 最初から詳細なレポートに驚きながら、まだ旅の地図感覚が頭には入っていませんけど、楽しみです。
キューバはフロリダの200キロ沖合い、メキシコのカンクーンは更に近くです。面積はUKくらいだそうです。
> そうそう、キューバと聞いて何を思い浮かべるか?
周辺国のカリブ海諸国と比べるととても個性的な国です。現在も社会主義体制を取っていて、キューバ革命やキューバ危機で世界にかなりインパクトを与えたと思います。
街角の銅像一つとっても複雑なバックグラウンドがあり奥深いですが、未消化の情報があまりにも多かったので残念な気もします。
辛口ルポになりそうですが、ユーモアを交えてオブラートに包みながら書いていきたいと思います。
では、また。
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