
2014/10/06 - 2014/10/07
3位(同エリア16件中)
のまどさん
アスローンはアイルランドのほぼ中央に位置します。ここの名所は中世の修道院・教会遺跡クロンマクノイズです。やはり川辺に建てられた遺跡を見てパビリオンの説明を読めば古代から現在に引き継がれるカトリック信仰について学べます。幸いにも快晴で澄み渡った空をバックに良い写真が撮れ、ゆったりと流れるシャノン川を眺望することができました。
後半はダブリンに戻り、フライトまでの束の間の観光ルートをルポしたいと思います。ナショナルギャラリーではある疑問に対する答えが出て大きな収穫になりました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
-
中世の教会クロンマクノイズに行く前に立ち寄ったのはシャノンブリッジ。1757年完成のこの橋はシャノン川と空の青色に映えてきれいです。
-
隠れた名所だと思いましたが、近くに観光案内所があります。団体ツアーが立ち寄るのでしょう。どんな情報が得られるのか興味ありましたが、「ガイド」をあまり待たせられないので、中に入りませんでした。
-
少しだけ橋の上を歩きます。
-
対岸の建物はもともと要塞で今はレストランになっているそうです。
-
橋の上から撮ったシャノン川。
-
この一帯の湿地はカローと呼ばれていて、特殊な生態系から自然保護区になっています。
今回のBGMはシークレット・ガーデンのPrayer。よかったら↓
https://www.youtube.com/watch?v=Ih3aAx-S5xg -
クロンマクノイズに到着。最初にパビリオンの説明ビデオを見ます。
川のほとりのこの地に聖キーランが修道院を建てたのは544年です。
初期の修道院や教会は木造でした。 -
その後、発展を遂げますが、アイルランド人、ヴァイキング、ノルマン人と内外の敵に襲撃されました。
-
聖堂前に展示されているハイクロスはレプリカで
-
本物はパビリオンにあります。
各方角にクロスが設置され、それぞれが聖書の記述を表しています。 -
裏側はこうなっています。四面それぞれに記述が異なり、東側上部は最後の審判の記述になっています。
-
こちらは確か北のクロス。
-
南のクロスだったかな。
-
また中世の人々が石に書き付けた表記も展示されています。祈りや氏名などが多い中、
-
こちらが表すのは「貧乏人」。なんで?
-
続いて外の修道院と墓地を見学します。
今日も晴れています。悪天候のこの国で幸運なことに要所で天気に恵まれました。 -
向こうにはシャノン川、左手のオロークの塔は12世紀に建てられました。
-
聖堂の西側入り口。
-
北側の入り口では必ずこんな二人組を見掛けます。壁に向かって片方が囁くと音声が溝を伝ってもう片方に聞こえるという仕組みになっています。
とても興味深いのですが、1メートルしか離れていない所でお互いに背を向けて内緒話をする必要はないように思えます。これが30メートル離れた所でと言うならば分かりますが。 -
聖堂の中から。窓越しにケルト十字を拝みます。
-
創設者を祀ったキーランの祠。伝染病で亡くなったキーランはこの下に埋まっています。敷地内で一番小さな建物です。
-
再びシャノン川の方角を見て。中央の塔はマッカーシーの塔で小さなフィンギンの祠が隣接されています(写真では見にくいです)。ガラス張りの建物は毎年聖霊降臨祭(例えるならお彼岸のような)の式典で使われるようです。
-
奥の方に進み丘を下った所に新しい墓地があります。パリの墓地などとは違い無名の個人が埋葬されたこんな所に行く観光客は皆無です。
-
イチオシ
でも良い写真が撮れます。
-
もう一枚。
ちょっと役に立つ(かもしれない)アイルランド英語⑥
ティーショック(Taoiseach)
この綴りでティーショックなどと一発で読めません。アイルランドの首相はこのように呼ばれますが、日本や英国をはじめ他の国の首相についてはPrime Ministerです。 -
盛り土は棺が埋められて間もない墓です。ガイド曰く「棺が沈んでから」墓石を置くそうです。ちなみにアイルランドは未だに土葬らしいです。彼らにとって火葬は残酷。人口密度が低く墓地にする土地が豊富にあるので疫病の心配がないのでしょう。
-
また「ここに埋められた人は最後の審判で裁かれることなく天国にまっすぐ行く」そうです。それを聞いた瞬間に思い出したのが「免罪符」。どういう人がここに埋められる資格があるのか、お金を払えば埋めてもらえるのかときいたところ、生まれた教区によるとの回答でした。
確かに聖なる土地でありここに埋められることは名誉なのかもしれないけど、ひねくれた私はたまたま良い教区に生まれたから生前何をしても天国に行けると言うのは理不尽だと思いました。カトリックのこうした矛盾を突いてプロテスタントが生まれたのでしょう。 -
電車でダブリンに戻ってきました。
-
ダブリン・ヒューストン駅の駅舎です。1846年竣工、キングス・ブリッジという名前でしたが、1966年にイースター蜂起で活躍した人物の名にちなんで改名されました。
-
もう一度駅員にロッカーがあるかききましたが、答えは同じ「この駅にはないからB&Bに預けろ」と。
駅を背に左手に進み、橋を渡った右手にあるTipperary Houseで荷物を預かってくれます。5ユーロでした。ダブリンの若者といった感じのお兄さんに駅からロッカーが廃止された理由をきいたところ、薬物取引があり治安を守るためという回答でした。 -
ギネス工場の前を通ります。工場にしては駅からすぐの都心にあります。以前バスツアーでギネス家は今後9000年に渡って土地の所有権を持っていると聞いたような。
前回紹介したテリー・イーグルトンによると「ギネスはアイルランドで2番目に大きな輸出物。1番はU2。」イーグルトンはU2の隠れファンなのでしょうか。 -
オコンネル通り方向にリフィー川沿いを歩きます。歩行者用のリフィー橋。かつて通行料を徴収していたことからハペニー橋(Ha'penny)とも呼ばれます。
-
空港でフィッシュアンドチップスが食べたいので、あまり観光に時間が割けません。
行こうと決めていたのはナショナル・ギャラリー。UK・アイルランドは国立の博物館・美術館の入場料が無料なので嬉しいです。 -
直近で訪問したアムステルダムの国立博物館とは比較になりませんが、美術にさほど関心がない国民性を考慮すると収集した方には敬意を払わざるを得ません。
『聖ローモンドのダブリンでの司教就任式』
この人物は8世紀にベルギーで殉教したようです。 -
レンブラント『人の集う屋敷内(Interior with Figures拙訳)』
-
手紙についてはオランダ旅行記で述べた通りです。
-
ロダン作『鼻の折れた男(A man with a Broken Nose)』
-
さて、ナショナルギャラリーに立ち寄った理由はこのガードレール設置背景にあります。
アイルランド唯一のモネの絵画が一人の男によって破られたという事件が去年末にありました。この後日談を知りたかったのです。
ソースはダブリン在住日本人女性ティファニーさんのブログ↓
http://inutomchan0105.blog127.fc2.com/blog-entry-1031.html -
美術館が男を訴えた裁判の第一審は陪審員10人中8人が男の精神異常を認めたため、無効審理になりました。その後アイルランド紙によると美術館側の再審請求が通り、先月末に懲役7年が言い渡されたようです。この男は別件でホテルにあった絵画にも損害を与えたとして訴えられていました。
絵画自体はフランスで7万ユーロの修復作業が完了し、私が訪れた翌日からこちらの展示室で公開予定とのこと。惜しかった。
ひょんなことから話を伺ったアーサー曰く、
「修復作業は完了したけど、もうモネが描いたオリジナルではないんだよね。美術館を訪れる99%の人は純粋に絵画を楽しんでいる。そして1%もしくはそれ未満の訪問者が悪意を持って計画を練った上で瞬時に犯行に挑む。それを我々が取り押さえることがいかに難しいことか。」
重く響きます。 -
アーサーはこの旅最後の悪友です。15分ほど話し込んだので、他のお客さんには迷惑だったでしょう。
どういう訳か「ワタシハ、ニホンカラキマシタ」と胸ポケットから日本のパスポートを提示。「嘘でしょ」と笑っていると中身を開けてパスポートのデザインが表紙のノートであることを見せてくれました。なんなんだ、この手の込んだネタは。
色々と興味深い話を聞けたのは嬉しいですが、
握手は最初と最後だけでいいから。 -
セント・スティーヴン・グリーンズ公園は通過するだけ。
周辺には他にも博物館があるのだが、短い時間の中ロンプラに載っていたパブ巡りのルートを辿ることにします。残念ながら飲みませんが。 -
まずはこちらのウィスキー専門店で小瓶のお土産を調達します。アイルランド各地のウィスキーを扱っています。
-
私が住んでいるブリュッセルの名を冠したパブ。気になったので由来を調べてみると、18世紀から続きロックバンドを輩出してきたパブを新装開店した時期にアイルランドが欧州経済共同体(EUの前身)加入したからということでした。
出所↓
http://www.bruxelles.ie/Bruxelles-History.pdf -
趣のある建物を見つけました。ジョージズストリート・アーケード。
-
市場のような感じですが、デパートのような施設として建てられたようです。ヨーロッパ最古のアーケード。あれれ、どっかの国にも同じことを言っているアーケードがあるぞ。
-
『名無しパブ』、本当に名前がないんです。次回来た時はここで一杯やることにします。
-
看板はなく「酒だ!サラダなんかで始まっちゃあ、お話にならないぜ」(拙訳)との文句のみ。これは本気だ。
-
だいぶ離れたところに最後のパブSin É。中に入らないと何とも言えない。
荷物を取りに戻ろう。 -
ラッシュアワーで街中を出るまでに時間が掛かったのは想定外。フィッシュアンドチップスが食べたいがために早めに出てよかった。
ダブリン空港。旅の終焉です。 -
私のようなあやしい身分の者は日本のパスポートとベルギーのIDカードの両方の提示を求められますが、提示するとむしろ怪しまれるケースが多いです。ライアンエアーのカウンターではエセ金髪(※違う色の地毛を金髪に染めている女性の俗称)が何の断りもなく、書類を持って逃走。さすが、LCC社員。
先輩に問題ないことを確認して戻ってきた彼女に「何年勤めてるの?」と嫌味を言おうかと思ったが、ケイティ・テイラー(ロンドン五輪ボクシング女子ライト級金メダリスト)ばりの右ストレートを食らい兼ねないのでやめました。
「バックパックはここじゃ預けらんないから向こうに行って」とぶっきらぼうに指を差された先は規定外荷物預かり所。シャルルロワで再会できますように。 -
出国審査はありませんでした。
水1ユーロ、これは安い。しかも無人販売なんてどんだけ性善説なのでしょう。 -
で、肝心のフィッシュアンドチップスの店は第1ターミナルになかった・・・。ショック。いずれにせよ時間がなかった。
ということでライアンエアのサンドイッチとサイダーで旅を終えます。
今回は一味違ったロマン派旅行と言いながら、読み返してみるとやたら固有名詞が出てきてレア情報てんこ盛りになってしまいました。 -
本当はこれが食べたかったのです。次回食べられたら口コミ書きます。
シャルルロワまで迎えに来たウワバミちゃん。今回のお留守番は相当応えたようです。
「今度帰省する時は車でノルマンディに下りてフェリーに乗ろう。みんなにフランスのワインやシャンパンを届けたいんだ。」
酒=家族の絆っていうのは分かるけど、左ハンドルで左側通行って…。ガクガク、ブルブル。
年内最後の投稿になると思います。たくさんの方にご覧いただき、ありがとうございました。良いお年を。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
アスローン(アイルランド) の人気ホテル
アイルランドで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
アイルランド最安
289円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
6
53