地球の裏側まで、翼を広げて。～ カマグエイ→バヤモ　悪夢の超鈍行

2014/11/01 - 2014/11/15

ヘミングウェイには遠く及ばないが、それなりにハードボイルドに徹した茶ミングウェイの旅へようこそ。

エリア その他の都市(キューバ)

カストロに勇気を貰ったのか、単にトチ狂ったのか、こがね丸と茶柱は絶対にお勧めしないと言われていたキューバ鉄道に長距離で乗ることにしてしまった。

もう一度乗るかと問われたら、言葉に詰まるだろう。
距離と時間による、と思う。
しかし、何故なんだろう。キューバを思い出すときにどうもこの悪夢だった超鈍行がいっとう最初に頭に浮かんでしまうのは。記憶って不思議だ。

ボロボロの扇風機だ。
労わってやりたい気分。

ついに買ってしまったチケット。

「本当にいいんだな」

と旅行代理店のおっちゃんに念を押された。

おっちゃんに確認したところ、列車はカマグエイの駅を13時10分頃出て、18時ぐらいに着くだろうとのことだった。そうか、まぁ5時間ぐらいなら耐えられるだろう。

出発前に駅のそばのホテルでサンドイッチを作ってもらった。

ついにホームへ。
もう退路は絶たれた。

こんな車両は生まれて初めてだ。
後にも先にもこれを超える車両には出会うことはないだろう。

そしてまだこのときは心の余裕があるので思った。

「不揃いの椅子を集めるより同じ種類の椅子を揃えるほうがよっぽど手間がかからないのではないか」と。

これはある意味相当手間がかかってる車両だと言えなくもない。
いや、きっと私の思い込みだ。
貨物列車より酷い気がする。

これが後ろを振り返る余裕があった最後であったと思う。

写真を撮る私のために窓側の席を譲ってくれたこがね丸。

男のいうのは・・・・まったく・・・・
何で万国共通なんだ。
そして何でこれを私に見せて喜んでいるのかがよく分からない。

二人の座席番号。

列車が動き出した、というと滑り出しているように聞こえるが、実際はまるで車体がしゃっくりをしているかのような動きをしている。

これで最後までいくのか。
一抹の不安。

どこだろう。

「きゃらめーろ」と良いながら販売していたので旅のお供に買ってみた。
後にこれはまるで山で遭難したときの非常食のように茶柱の栄養源になることになる。

右が主にキャラメル販売担当のおっちゃん。

そして走り出してから気づいたが、こがね丸＆茶柱の席はいわゆる食堂車の一角であった。これを一応指定席と呼んでいいのだろうか。

一応、販売スタッフ。
彼らが一番飲み食いしているという・・・

ここも駅。

このフワフワな雲を見たときにアメリカのアニメ、ザ・シンプソンズのオープニング曲が頭の中を流れて一瞬楽しくなったので、横に座っているこがね丸に伝えようと思って横をみたが、すでにこの時点で体力を消耗していそうだったのでやめた。

シボニー？
ガイドブックの地図には勿論載っていない。

景色は悪くない。

この列車との待ち合わせに30分程。

途中アイスクリーム屋さんが乗ってきて販売していた。

知っている人がいたんだね。

少なくとも自分たちが持っている地図には載っていない。
どの辺を走ってるんだろう？
謎は深まっていくばかり。

また駅だ。

ここは乗り換え駅のようだ。

何時頃つくの？と周りの人に尋ねると、何時間か前まで18時といっていたおっちゃんが20時だといい始めた。ダメダコリャ、してやられた。体力をつけなければならないと瞬間思った茶柱はいきなり手持ちのサンドイッチを食べ始めた。この時、横で「よくまぁ、こんな事態なのに食欲があるもんだ」と横で圧倒されていたと、こがね丸に後々言われた。

日が暮れてゆく。

暫くすると視界に小さな光が見えるようになった。蛍が無数に舞っている。クリスマスのように電飾のようにチカチカと辺りが光る。窓のないどうしようもない列車だけれどなかなかロマンチックな一面もあるんだな、と感動。

夜空を見あげてみると満天の星空。走る列車から何度も頭を突き出して夜空を眺めてた。

その内に地平線に丸いものが見え始めた。最初は白かったその丸いものが真っ赤になってゆく。ようやくそれが月だと知ったときにはあまりの美しさに、外の景色を飽きることなく眺め続けていた。

真っ暗闇の中を走り続ける列車。車内は裸電球ひとつ。驚いたのは到底駅と思えない場所が駅が何箇所もあり、真っ暗闇の中で何人もの人がこの列車の到着を待ちわびるようにして立っていたことだ。

隣りに座っているこがね丸の顔を見るとさすがに疲労の色。
「もう諦めた。今日中に着けばいい。」と潔いサムライ・こがね丸。

目的地のバヤモに着いたのはカマグエイを出発してから、およそ9時間半後の22時半。駅にはタクシーの代わりに馬車が待っていた。体力を消耗しつつも、見事に尿意を数時間もの間抑えこんだ二人のホコリっぽいシンデレラたちは午前零時までにどうにかこうにか、宿を確保することができた。

この旅行記へのコメント （10）

• こがね丸さん 2015/01/20 12:46:10

  列車

  あの月と蛍は素敵だったね！
  
  それにしても、私の覚えてるあの列車の光景と全然違って笑った。
  私が真っ先に思い浮かぶのは、先頭の貨物車両のトイレ入口、
  用を足す為に隠れられそうなホームや連結の隙間、
  人の苦労をよそにビールをがぶ飲みする男達、
  大人気のパウンドケーキもどき…。
  
  さて、ブログの続きに戻ります！
  

  茶柱タツ子さん からの返信 2015/01/20 12:59:37

  RE: 列車

  あの月と蛍は素敵だった。
  
  もうちょっと普通の列車みたいに車内を動き回れたら良かったんだけど、座ったまま、最後までだからねー。アレは体力的にきつかった。膀胱にも良くないわ。でも終わって見るとなぜかあれが旅のハイライト。＾＾；
  
  中国の列車よりかいい、と言い切ったねえさんは最初度肝をぬかれたよ。中国の列車に乗ることはこの先・・・・なさそうだなぁ。
  
  あ、今朝起きたら例のフォルダにアップロード終了ってなってたよ。
  確かめてみて。
  
  
  
  

  こがね丸さん からの返信 2015/01/21 08:11:13

  RE: RE: 列車

  フォルダにアップロードされてましたぁ！
  身に覚えの無い写真多数あり^^
  鏡にシャッター切る姉さんも写ってたな。
  
  中国の寝台3段目がいちばん辛かったかな。
  もしかして私は閉所恐怖症なのかも？と最近思い始めた。

  茶柱タツ子さん からの返信 2015/01/21 10:49:03

  RE: RE: RE: 列車

  今回結構あったでしょ？
  このフォルダっていつまで有効なの？
  3月もこれにして。＾＾
  
  あの3段目は地獄だった。
  あれ以来、中国の列車乗りたくなくなったもん。
  列車の天井に押しつぶされそうな圧迫感。
  首の骨がどうにかなるんじゃないかと思った。
  

  こがね丸さん からの返信 2015/01/21 12:35:05

  RE: RE: RE: RE: 列車

  あのフォルダ、ずっと有効だよ。
  共有してあるので、どんどん入れて下さいませ〜♪
  もしこれでアップできなかったら、旅行毎に姉さんにUSB渡そうかと思ってた^^
  
  
  
  
  

  茶柱タツ子さん からの返信 2015/01/21 12:55:45

  3月が楽しみで楽しみで。

  ３月も写真、頑張りまっせ♪
  湯本にも行きたい気分ではるけど、湯本いってる場合ではない。＾＾；　限られた時間で何をするか・・・・
  
  
  

• nakamasananiwaさん 2014/12/27 22:36:25

  ~♪

  これって茶師匠の夢んなかの世界やないの？
  
  ハードボイルドワンダーランド
  
  なんかぜったい現実と混ざってるよに思う。
  
  

  茶柱タツ子さん からの返信 2014/12/28 00:32:14

  RE: ~♪

  あれから王子様は探しにきてくれていないから、どっぷり現実です。　＾＾
  
  深夜食堂・第4話 「紅しょうがの天ぷら」を今日見てて、タイチョウのお店思い出しました。タイチョウのはかきあげ風ですけど。＾＾
  
  相変わらず体調悪く、引き続き安静。
  何という退屈な年末なのかしらん。
  
  茶

• 空飛犬quillさん 2014/12/27 20:56:07

  こんばんわ

  タツねえさん
  
  大変な移動だったねえ。オシッコも我慢したんだねえ。
  
  キューバの旅行記を見て思いましたよ。
  大和証券のCM見た事あるかい？
  無いわなぁ。
  
  世界のミュージシャンがリレーで唄をうたうんだよ、チャーも出てる。
  カントリーロード、ドッグ・オブ・ザベイ、スタンド・バイミー、ツイスト＆シャウト。
  を唄うんだ。撮影場所は日本だったり、ニューオリンズ、ブラジルなんだけど、似てるんだキューバの風景に。
  
  一度PCで検索して聞いてくれる？？
  
  オラは毎回涙を流しながら見てます。
  
  
  空飛犬quill

  茶柱タツ子さん からの返信 2014/12/28 00:45:46

  RE: こんばんわ

  部長、
  
  大和証券、堪能させていただきました。
  また旅に出たくなりました。
  
  今年もあとちょっとですねぇ。
  大変な一年でした。　＾＾；
  
  茶