2014/05/16 - 2014/05/16
145位(同エリア368件中)
サンルカさん
始めてイタリアの南を回ってみようというのが今回の旅の始まりですが、
肝心の、どこへ行こうか? どんなものを見ようか? の参考にするのは旅行情報誌。
これまで旅行や仕事で訪れる度に、現地の旅雑誌やガイドブックを買い込んできたため、
我が家の本棚にはその手の情報誌や各地で集めてきた資料がずらりと並んでいます。
そんな資料の山の中から、毎回気になる訪問先を探してみたりするのですが、
ここチレント地方は何冊もの雑誌で特集記事が組まれていた人気の場所だったのです。
何10キロも続く風光明媚な海岸線や、大自然の渓谷はそれはそれは美しいのですが、
そんなチレントを紹介している記事の中では欠かさず、
“チレントに来たらここだけは絶対に訪れるべし”と紹介される場所があるのです。
それを知ったからには行かない訳にはいきません。
ということでルートを検討した結果、今朝最初に訪問することとなりました。
そこではチレントを代表する地元食材を使った製品が作られているということです。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
端から端まで約50キロほどのチレント半島のほぼ南端に泊まっていて、
ここプリニャーノ・チレントはパエストゥムに近い北の端。
チレントの大地をほぼ横断してしてやってきました。
そんな山の上の小さな集落の入り口近くに目的のお店はありました。
ここがチレント地方を紹介するあらゆるガイドブックに載っていた場所。
店頭での小売り販売をするような形態ではないのか、
建物内に入るにはインターフォンを押しての呼び出しが必要です。 -
対応してくれたのはアントニオさん。
建物内に入ると、まずはこちらの応接ルームに案内され、
会社の概要や歴史を簡単に紹介してくれます。
ここは地元で採れる白イチジクを使った加工品を作っている会社で、
その品質の良さはイタリア中に広く浸透しているようです。
ガンベロロッソ誌で高い評価を得たことでもその実力は折り紙付き。 -
窓の外には広いベランダがあり、こんな風景が広がっています。
そこに置かれるテーブルは、藁を四角く固めたもの? -
質の良い白イチジクが作れるのはこの土壌のおかげだと、ここで説明を受けます。
それにしてもこの建物。田舎の中の田舎であるチレントには似合わない、
とってもスノッブな雰囲気にリノベーションされてます。
もちろん室内には静かにジャズが流れています。 -
作っているのは白イチジクを長時間かけて天日で干した乾燥イチジク。
でも、ただの乾燥させたイチジクというだけでなく、
さまざまな食材を掛け合わせて、魅力的な商品へと変身させます。
製造はもちろんすべて手作り。大量生産は行っていないようです。 -
こんな感じで少人数で作っているので、
一日に作れる量はおのずと限られてきてしまいます。 -
新製品の開発を行ったり、品質をチェックしたりするファクトリー。
-
まぁ、実験室をイメージして作られた部屋のようですが、
ここで本当に実験や研究を行っているとは思えませんよね。
イメージ作りも重要なのは分かりますが……。 -
新製品の開発には欠かせない様々な食材や香辛料の保存スペース。
見せ方が本当に上手。ここはど田舎のチレントだというのに……。 -
「これでマーマレードも作ってるんだよ」っと見せてくれた
オレンジのコンフィ。
もう、これだけでも美味しそう。 -
次に案内されたのがこちらのテーブルが並んでいる部屋。
収穫を行う繁忙期は、多くの人々がここで作業を行うということですが、
今は閑散期なのでデグスタツィオーネのテーブルとして使われています。 -
部屋から見るベランダ越しの景色。
どこからかホラ貝を持ってきて、おもむろに吹いてみせてくれます。
その昔、イチジクを扱う作業ではこのホラ貝がとても重要だったとか。
まさか「三枝の国取りゲーム」が始まる合図じゃあるまいし……。
その理由を聞けば、携帯電話ができる遥か昔はそうだったのかと、
なるほど納得です。
気になる方は、ここへ行ってみて直接教えてもらってください。 -
テーブルセッティングと同時に用意されたのがイチジクのクルミ添え。
そして、それに合わせるのが、ほどよく冷やされたスプマンテ。
我々ふたりと、案内してくれたアントニオさんの三人で頂きます。
フェンネルや柑橘類の皮などのいくつかの香料が使われていて、
これまで口にしたことのある乾燥イチジクとはもはや別格の美味しさ。
いやはや、これまた上品な食し方ですこと。
いきなり上流階級になった気分です。 -
こちらはここで作られているイチジクジャムやオレンジマーマレード、
それにイチジクに合うアーモンドにオレンジコンフィなどなど。
ジャムに合わせる地元のチーズも添えられています。
アーモンドは以前は地元でも良いものが採れたそうですが、
今はより品質が良いシチリア産を使っているのだとか。
この他にも、チョコレートを使った加工品など次々と出てきます。
こちらではイチジクと同じくらいチョコレート製品にも力が入れていて、
チョコレートコーティングした干しイチジクなども作られていました。 -
“松ぼっくり”というネーミングを持つ、この店の代表商品がこちら。
干しイチジクに、松の実やヘーゼルナッツに加え
カカオ70%のチョコレートを添加しているそうです。
イチジクとチョコレートのマッチングが
こんなに素晴らしいことを始めて知りました。
日本ではまず生まれない発想のセンスですね。 -
イチジクを煮詰めたシロップなど、気に入った商品をいくつか購入。
優雅で美味しかったイチジク屋さんとは、これにてサヨウナラです。 -
ベランダから正面に見えていた教会。
クルマをこの教会前の広場に停めていたので、
出発前に内部の見学でもしていきましょうか。 -
子供たちの野外授業かちびっこミサか何かをやっていたのですが、
中を覗き込むと同時に、その何かのイベントも終了してしまいました。
なので何をやっていたかは分からずじまいです。 -
教会はもういいので、次に移動。
といっても、やってきたのはプリニャーノと谷を挟んだお隣の集落。
そのトルキアーラという集落の広場にクルマを置いて早速行動開始です。 -
さっきまでいたプリニャーノよりかは若干大きそうだけれど、
賑わっているのは端まで100メートルほどの広場(というより太い道)だけ。
プリニャーノにはこんな場所すらありませんでしたけど……。 -
そんな広場の一角でこんなかっこ良い建物を発見!!
これでも銀行なんだって。 -
この村にやってきたのも、前出のガイドブックで情報を得ていたから。
なんとカンパニア州で1、2を争うジェラート屋さんがあるのです。
おっと発見!! ここがそのジェラート屋さんのようですね。 -
近づいてお店の前の写真を撮っておきましょう。
-
反対側からもう一枚。
-
店内に入って早速注文といく前に、ちょろっと店内観察。
お店の内装は古い時代の田舎のバールそのもの。
とっても良い味を出しています。 -
壁を隔ててお隣にもテーブルが並んでいます。
安っちいイスとテーブルはちょっと残念ですけど、
棚の上に並べられたアンティークな缶や入れ物が雰囲気を盛り上げます。 -
さて、何にしようかな?
といっても、悩むほどの種類はありません。
ミルクのクリーム系を主軸とした10数種類だけ。
フルーツのシャーベット系がまったく無しというのはコダワリですね。 -
この店で一番人気なのは地元のイチジクを使ったチョコレート味。
もちろんそれを選ぶとして、もうひとつは店主おすすめのピスタキオ。 -
まず手始めに小さめのカップを選んで、おかわりをと考えたのが間違い。
ちょうどお昼になったのですが、ここで予想外の閉店となったのです。
バールってお昼もずっとやってるものだと信じていたのですが……。
違うフレーバーのおかわりをしたかったのに……。 -
まあ、そんなこともありますけれど、気を取り直して行動再開。
広場の先にある教会ですが、新築工事の真っ最中で建物はまだ未完成。
コンクリート製の特別変哲のない設計に見えますが、
なんとなんと、道路が建物内を通っているというユニークな構造。
丸いアーチ部の中二階が屋根のある一方通行道路となっています。
低くなった左側から入ってきたクルマは
ぐるりと教会を回って右奥の高台へと走り抜けていきます。 -
教会の中を抜ける道路を通ってさらに丘を登ってきました。
周囲はこんな風景が広がっています。 -
丘の頂上はトルキアーラの古い方の集落(旧市街?)となっていました。
尾根沿いの道にはこんな昔の貴族の宮殿チックな建物が建っています。 -
さらに進むとクルマ一台がやっとの細さ。
-
ミラーを擦らないよう気をつけながら、どんどん進んでいきましょう。
-
細い道の先は……。
もうそこは集落のはずれです。
目の前がパッと開け、丘陵地の先に海が見えてきました。
正面に見えているあの町にまで行ってみましょうか。
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