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  ↑<br /> 写真:白鳥舘から北上川を北に臨む<br /><br />伝説によればこの白鳥舘は、前九年の役では安倍頼時の八男・白鳥八郎則任が、後三年の役では清原真衡が舘を置き、そして平泉藤原時代には川港として、歴代の当地支配者の重要拠点として機能した。 どんなところか好奇心で訪ねてみた。<br />JR東北線前沢駅を降りて東北線に沿って南方の小高い山に向かって田んぼを眺めながら歩く。<br />山裾際に手つかずの自然のままの川が流れている。白鳥川だ。日の光に反射して神秘的な緑色の川面だ。<br />白鳥川の橋から前方右手には高台に「牛の博物館」が見える。そう、ここは前沢牛の本場でもある。<br /><br />小一時間歩くと白鳥舘の入り口着。北上川が蛇行したコブのような出っ張りがこの白鳥舘。北上川の上りも下りもすべて見渡せる位置だ。しかもここは西側を見ると奥羽山脈の支山が北上川沿いの本丸まで連綿と繋がっている。だからこそ支配者にとって重要拠点だったんだね。<br />今は一帯が普通の民家になっているので裏側らしき道を遠慮がちに本丸に向かい歩く。途中、入り江のような船着き場らしきところを通過。なかなかいいものだ。<br /><br />その先に三の丸?があるのだが、なんと民家のお屋敷につき立ち入り禁止。<br />いいなあ。<br />「おう、みんな。おれんちに遊びに来いよ。三の丸だけど。なに?知らんの? 本丸と二の丸の隣だろ。」<br />と一度でいいから友達を自宅に誘う身分になってみたいものだ。<br /><br />さすがに本丸址には民家はなかったけど、天守閣でも作れば川の上流も下流も対岸もすべて見渡せる。<br /><br />本丸下の北上川沿いを歩いてみる。カーブなので流れは速い。しかしその北側には流れのゆるい船だまりがあったらしい。<br />そしてこの船だまりの周囲には藤原氏時代の、鍛冶屋炉跡、かわらけ工場跡、などが発見され、鉄や銅、かわらけ、石製品の製作、加工が行われていたらしい。<br /><br /><br />平泉と衣川は、多賀城支配下の磐井郡と、これと対峙する蝦夷や胆沢城配下の奥六郡との境。<br />この境界上で、朝廷と蝦夷の統合の象徴として、平泉側に黄金のショールームを、そして衣川・白鳥舘側にそれを支えるバックヤードを藤原氏は設けたのだろうか。<br /><br />妄想は尽きない。<br /><br />帰りは牛の博物館横の高級レストランまで歩き昼食(要予約)、その後衣川区瀬原まで歩き、平泉駅までバスで移動しJRで戻った。<br />歩行時間と距離が半端ではない。是非お試しあれ。<br />北上川の水運に恵まれ、すぐ横をJR東北線が通っている白鳥舘なのに、今なぜにこう交通が不便なのか、<br />オレならここに観光シーズンだけ仮駅作るとか、中尊寺-白鳥舘間の観光船をとおしてヒト儲けするぞ、とか妄想の尽きないい一日だった。<br /><br /><br /><br /><br /><br />

白鳥舘

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2014/03/29 - 2014/03/29

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寅平良さん

  ↑
 写真:白鳥舘から北上川を北に臨む

伝説によればこの白鳥舘は、前九年の役では安倍頼時の八男・白鳥八郎則任が、後三年の役では清原真衡が舘を置き、そして平泉藤原時代には川港として、歴代の当地支配者の重要拠点として機能した。 どんなところか好奇心で訪ねてみた。
JR東北線前沢駅を降りて東北線に沿って南方の小高い山に向かって田んぼを眺めながら歩く。
山裾際に手つかずの自然のままの川が流れている。白鳥川だ。日の光に反射して神秘的な緑色の川面だ。
白鳥川の橋から前方右手には高台に「牛の博物館」が見える。そう、ここは前沢牛の本場でもある。

小一時間歩くと白鳥舘の入り口着。北上川が蛇行したコブのような出っ張りがこの白鳥舘。北上川の上りも下りもすべて見渡せる位置だ。しかもここは西側を見ると奥羽山脈の支山が北上川沿いの本丸まで連綿と繋がっている。だからこそ支配者にとって重要拠点だったんだね。
今は一帯が普通の民家になっているので裏側らしき道を遠慮がちに本丸に向かい歩く。途中、入り江のような船着き場らしきところを通過。なかなかいいものだ。

その先に三の丸?があるのだが、なんと民家のお屋敷につき立ち入り禁止。
いいなあ。
「おう、みんな。おれんちに遊びに来いよ。三の丸だけど。なに?知らんの? 本丸と二の丸の隣だろ。」
と一度でいいから友達を自宅に誘う身分になってみたいものだ。

さすがに本丸址には民家はなかったけど、天守閣でも作れば川の上流も下流も対岸もすべて見渡せる。

本丸下の北上川沿いを歩いてみる。カーブなので流れは速い。しかしその北側には流れのゆるい船だまりがあったらしい。
そしてこの船だまりの周囲には藤原氏時代の、鍛冶屋炉跡、かわらけ工場跡、などが発見され、鉄や銅、かわらけ、石製品の製作、加工が行われていたらしい。


平泉と衣川は、多賀城支配下の磐井郡と、これと対峙する蝦夷や胆沢城配下の奥六郡との境。
この境界上で、朝廷と蝦夷の統合の象徴として、平泉側に黄金のショールームを、そして衣川・白鳥舘側にそれを支えるバックヤードを藤原氏は設けたのだろうか。

妄想は尽きない。

帰りは牛の博物館横の高級レストランまで歩き昼食(要予約)、その後衣川区瀬原まで歩き、平泉駅までバスで移動しJRで戻った。
歩行時間と距離が半端ではない。是非お試しあれ。
北上川の水運に恵まれ、すぐ横をJR東北線が通っている白鳥舘なのに、今なぜにこう交通が不便なのか、
オレならここに観光シーズンだけ仮駅作るとか、中尊寺-白鳥舘間の観光船をとおしてヒト儲けするぞ、とか妄想の尽きないい一日だった。





旅行の満足度
4.0
交通
2.0
同行者
一人旅
交通手段
JRローカル 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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