ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群周辺旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 1998年8月23日午前4時30分、悠久の大地はまだ寝息をたてている。アラームで目を醒ました私はホテルの窓からそっと外を覗きこんだ。ホテルの前に数台のタクシーが止まっているが、運転手はきっと夢の中だろう。交通量もいたって少ない。中国の朝というと、北京の天安門広場の前を行く自転車の洪水をすぐに思い浮かべるが、ここではその姿はなかった。たぶん、まだ早過ぎるのだ。しかし、私の頭は様々な思いですでに渋滞していた。とうとう念願のその日がやってきたのだから興奮しないはずはない。昨日飲んだアルコールなんて知らないうちに吹っ飛んでいってしまっている。荷物は昨日、到着したままだ。早々にシャワーを浴びてチェックアウトした。成都では本当に何もしなかった。前日、東京から酔っ払った頭を抱えてやっと到着したまますぐに寝込んでしまったのだから街を見学しているような身体と心の余裕はなかった。しかも今日は朝一の飛行機でラサへ向かうのだ。確かテイクオフは午前6時58分のはず。時間的には余裕はあるものの、こう言う時にいつになく早め早めの行動をとってしまう私であった。心配は要らないが、遅れたら一大事。とりあえず早めに空港に向かうことにした。<br /> ホテルから一歩、足を踏み出すと、通りに停車しているタクシーの一台の運転手を叩き起こした。目を醒ましたそのオヤジは私の「エアポート!!!」という言葉がわからなかったようだが、手を広げて飛行機の飛んでる真似をしたらなんとか意図は通じたようだった。ちょっと不安もあるがとりあえずこれに乗り込むことにする。成都の空港まで空いた道路を飛ばして約15分。海外で初めて一人でタクシーに乗り込んだが、それほどの緊張感はない。まあ、なるようになるだろうと思っていた。ただ、飛行機に間に合えばそれでいい。それだけを念じて一路、成都空港に向かう。<br /> 成都空港に着いたとき、乗車の時に交渉しておいた50元をオヤジに渡すと、何故かヤツはまだ手を差し出している。しきりに「テン!テン!」と言っているが、どうやら頭を振り絞ってようやく口にした英語でチップを要求しているようだ。無理やり断ってタクシーを出ようにもドアを開けてくれない。「ん???なんだろう?50元って言ったはずなのに!!!」。しかし、ここはヤツの方が有利だ。と思って、10元チップを渡したのだが、まだ欲しいらしい。悪戦苦闘の末、やっとのこと、20元で納得してもらえたようで、タクシーから解放してもらった。出だしから「なんだかな〜」の展開だが、こっちはなにせ海外は初めてときているからその辺のネゴシエーションには慣れていない。「これも経験かな?」と無理やり自分を納得させるしかなかった。<br /> 成都の空港は当時、まだ古いままで、「中国の内陸!!!」という雰囲気を残していた。空港の管理・建設費(CAAC AIRPORT MANAGEMENT AND CONSTRUCTION FEE)50元の支払いを済ませると、出発までにまだ1時間半ほど時間があったので、ボーっとチェックインカウンターの方を覗っていた。まだ準備はしていないらしい。仕方がない。乗り遅れるよりはましだった。まずは一安心と、しばらく椅子に座って様子を見ていると、中国人の家族連が何組かドタドタとやって来て、子供はというと何やら怪しげなものを飲んでいる。ぞろぞろと「拉薩」と書かれたカウンターに並んでいるので、ご同乗の友なんだろう。遅い夏休みをラサでバカンスするのだろうか?持って行っていたソギャル・リンンポチェの「チベットの生と死の書」を読んで時間をつぶすが、なんだか落ちつかない。いよいよチベットが近づいてきたという興奮が満ちてくる。チェックインだけ済ますと、「コーヒーでも飲むか」と、カフェへと入った。幾らしたのかは覚えていないが、たぶん安くはなかった。なにせ空港だ。日本もそうだが空港のカフェ・レストランは何故あんなに高いのか?<br /> ようやくチェック・ゲートを抜け、待合室で行き先案内板を見ていると、不自然な日本語のアナウンスが聞こえてきた。「ラサへご出発の・・・」。え???日本語のアナウンス?そんなものまであるのか?確かに、もうチベットは秘境ではないようだ。日本人もけっこう行くのだろう。チベット・ツアーもけっこうある。それにしても妙なアクセントが耳をくすぐる。待つことしばし、ようやく搭乗の時間がきて、バスに乗り込む人の列に並んだ。 <br /><br />http://www.digbook.jp/product_info.php/products_id/15904

チベット旅行記

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1998/08/23 - 1998/08/31

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PEMA

PEMAさん

 1998年8月23日午前4時30分、悠久の大地はまだ寝息をたてている。アラームで目を醒ました私はホテルの窓からそっと外を覗きこんだ。ホテルの前に数台のタクシーが止まっているが、運転手はきっと夢の中だろう。交通量もいたって少ない。中国の朝というと、北京の天安門広場の前を行く自転車の洪水をすぐに思い浮かべるが、ここではその姿はなかった。たぶん、まだ早過ぎるのだ。しかし、私の頭は様々な思いですでに渋滞していた。とうとう念願のその日がやってきたのだから興奮しないはずはない。昨日飲んだアルコールなんて知らないうちに吹っ飛んでいってしまっている。荷物は昨日、到着したままだ。早々にシャワーを浴びてチェックアウトした。成都では本当に何もしなかった。前日、東京から酔っ払った頭を抱えてやっと到着したまますぐに寝込んでしまったのだから街を見学しているような身体と心の余裕はなかった。しかも今日は朝一の飛行機でラサへ向かうのだ。確かテイクオフは午前6時58分のはず。時間的には余裕はあるものの、こう言う時にいつになく早め早めの行動をとってしまう私であった。心配は要らないが、遅れたら一大事。とりあえず早めに空港に向かうことにした。
 ホテルから一歩、足を踏み出すと、通りに停車しているタクシーの一台の運転手を叩き起こした。目を醒ましたそのオヤジは私の「エアポート!!!」という言葉がわからなかったようだが、手を広げて飛行機の飛んでる真似をしたらなんとか意図は通じたようだった。ちょっと不安もあるがとりあえずこれに乗り込むことにする。成都の空港まで空いた道路を飛ばして約15分。海外で初めて一人でタクシーに乗り込んだが、それほどの緊張感はない。まあ、なるようになるだろうと思っていた。ただ、飛行機に間に合えばそれでいい。それだけを念じて一路、成都空港に向かう。
 成都空港に着いたとき、乗車の時に交渉しておいた50元をオヤジに渡すと、何故かヤツはまだ手を差し出している。しきりに「テン!テン!」と言っているが、どうやら頭を振り絞ってようやく口にした英語でチップを要求しているようだ。無理やり断ってタクシーを出ようにもドアを開けてくれない。「ん???なんだろう?50元って言ったはずなのに!!!」。しかし、ここはヤツの方が有利だ。と思って、10元チップを渡したのだが、まだ欲しいらしい。悪戦苦闘の末、やっとのこと、20元で納得してもらえたようで、タクシーから解放してもらった。出だしから「なんだかな〜」の展開だが、こっちはなにせ海外は初めてときているからその辺のネゴシエーションには慣れていない。「これも経験かな?」と無理やり自分を納得させるしかなかった。
 成都の空港は当時、まだ古いままで、「中国の内陸!!!」という雰囲気を残していた。空港の管理・建設費(CAAC AIRPORT MANAGEMENT AND CONSTRUCTION FEE)50元の支払いを済ませると、出発までにまだ1時間半ほど時間があったので、ボーっとチェックインカウンターの方を覗っていた。まだ準備はしていないらしい。仕方がない。乗り遅れるよりはましだった。まずは一安心と、しばらく椅子に座って様子を見ていると、中国人の家族連が何組かドタドタとやって来て、子供はというと何やら怪しげなものを飲んでいる。ぞろぞろと「拉薩」と書かれたカウンターに並んでいるので、ご同乗の友なんだろう。遅い夏休みをラサでバカンスするのだろうか?持って行っていたソギャル・リンンポチェの「チベットの生と死の書」を読んで時間をつぶすが、なんだか落ちつかない。いよいよチベットが近づいてきたという興奮が満ちてくる。チェックインだけ済ますと、「コーヒーでも飲むか」と、カフェへと入った。幾らしたのかは覚えていないが、たぶん安くはなかった。なにせ空港だ。日本もそうだが空港のカフェ・レストランは何故あんなに高いのか?
 ようやくチェック・ゲートを抜け、待合室で行き先案内板を見ていると、不自然な日本語のアナウンスが聞こえてきた。「ラサへご出発の・・・」。え???日本語のアナウンス?そんなものまであるのか?確かに、もうチベットは秘境ではないようだ。日本人もけっこう行くのだろう。チベット・ツアーもけっこうある。それにしても妙なアクセントが耳をくすぐる。待つことしばし、ようやく搭乗の時間がきて、バスに乗り込む人の列に並んだ。

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旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
4.0
グルメ
4.0
ショッピング
3.0
交通
2.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
高速・路線バス タクシー 飛行機
航空会社
JAL
旅行の手配内容
個別手配

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