2014/06/04 - 2014/06/04
8位(同エリア40件中)
ベームさん
6/4(水)、10日目午後。
サンリスからバスでシャンティイ城に行きました。
優美な城の姿と城内のコンデ美術館が見ものです。天気が悪く城の眺めはもうひとつでしたが美術品には満足しました。
タイトルのクレーム・シャンティ。タイトルにすることもないのですが、ここの名物だそうで、前回2010年に来たときすっかり忘れていて食べませんでした。生クリームが好きな私として今回は是非にということです。
写真はラファエロ「オルレアンの聖母」。コンデ美術館。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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人口1万人。紀元前後にはガリア・ローマ人の要塞があったという古い町ですが、街中にはこれといって観るべきものはありません。
しかし飛び切りの逸品があります。シャンティイ城とコンデ美術館。馬が好きな人には馬の博物館と競馬。
1834年にシャンティイ競馬場でフランス初の公式競馬が開催されました。 -
12時59分のバスでサンリスからシャンティイに向かいました。
シャンティイ・ノートルダム・ミュゼー・シュヴァル/シャンティイノートルダム教会・馬の博物館、という長ったらしい名のバス停で降ります。
その名の通り大厩舎のある馬の博物館のそばでシャンティイ城へも歩いて10分弱です。
鉄道で来るときはシャンティイ・グーヴュー駅で降り、約30分歩くかサンリス行のバス(本数は少ないです)で上記のバス停で降ります。20010年に来た時は駅と城を結ぶシャトルバスがありましたが今はどうか。 -
ノートルダム教会。
雨は降り続いています。 -
ノートルダム教会。
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ノートルダム教会の横にサン・ドニ門があります。。
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サン・ドニ門。内側。
この門を潜ると目の前に大厩舎、シャンティイ競馬場、シャンティイ城が広がっています。 -
馬の博物館/大厩舎。
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馬には興味なし。
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そして左にシャンティイ城。
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空が暗いのが恨めしい。
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悔しいので晴れていたらどんなに美しいか、2010年の時の写真をご覧にいれます。
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2010年の写真。
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城の入り口。
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遠くに小さく見える騎馬像はシャンティイ城の今の形を作ったアンヌ・ド・モンモランシー大元帥。16世紀。
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その後城はブルボン=コンデ家に移り、最後にオマール公アンリ・ドルレアンのものになります。オマール公は国民の王と言われたルイ・フィリップの五男です。1822~1897年。
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礼拝堂。
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左奥が城内とレストラン入口。
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調度品は家具、絵画、タピスリー、暖炉等々、どこの城も同じ。
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絵は大コンデことコンデ公ルイ2世。ルイ14世の従兄弟。
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数万冊の蔵書を持つ図書室。
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が、特筆すべきはこの城は近代絵画ではルーヴル美術館に次ぐコレクションを持つという美術館、コンデ美術館であることです。
城はフランス革命によりかなり破壊されますが城をコンデ家より相続したオマール公は修復に力を入れます。しかし1848年の2月革命で国王ルイ・フィリップは失脚し息子であるオマール公はイギリスに亡命します。 -
エコール・フランセーズ:水浴のガブリエル・デストレ。
アンリ4世の寵姫。デストレ得意の入浴シーン。
フランスの文化をこよなく愛するオマール公はフランスの混乱により絵画などの貴重な宝が外国に流出し散逸するのを危惧し、亡命中にも自分の財産を投じこれらを買い集めました。有名な「ベリー公のいとも豪華な時祷書」もこの時期に買い取ったものです。 -
ヴェロネーゼ:マルスとヴィーナス。
夫ウルカヌスの目を盗み浮気するヴィーナス。
1871年、ナポレオン3世の失脚により第2帝政が倒れ共和制になると帰国を許された公は収集した美術品とともに再びシャンティイ城の主となりました。
その内容は質・量ともに第一級のものでした。 -
ジャン・マルク・ナティエ:クレルモン嬢。
しかし政情不安は続き、いつまでもこれらのコレクションを個人で維持管理するのは困難であると1884年城もろともそっくり国/フランス学士院に寄贈してしまいます。条件は「陳列品の配置を変えないこと。外部に貸し出さないこと」でした。今でもそのちょっと変わった絵の展示方法が見られるのはそのためです。
今も美術館はフランス学士院のもので、その優美な城とともにフランスの至宝です。 -
シャンパーニュ:マザラン枢機卿。
ルイ14世若年の頃の宰相。 -
ニコラ・プッサン:嬰児虐殺。
ユダヤのヘロデ王はイエスが将来自分を脅かすようになるのを恐れて、エルサレム周辺の2歳以下の幼児を皆殺しにするよう命じた。
これを逃れてヨセフ、マリアとイエスの「エジプト逃避」となりました。 -
ジャコピノ・デル・コンテ:十字架降架。
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ドゥルーエ:ペペに扮した王太子妃マリー・アントワネットの肖像。
アントワネットがルイ(後のルイ16世)と結婚した時ルイはまだ王太子でした。 -
ジョバンニ・バチスタ・サルヴィ:聖家族。
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エミール・オラーズ・ヴェルネ:ヴェルサイユを出立するルイ・フィリップと息子たち。
ルイ・フィリップ:1830年7月革命でフランス王となり、1848年2月革命で退位。 -
オーマル公。
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アングル:ヴィーナス。
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ボッティチェリ:秋。
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アングルの絵ですが題名は分かりません。
ベッドに横たわる死者を二人の男が嘆いています。横には白衣の女性。 -
ジャン・マルク・ナティエ:ルイーズ・アンリエット・ド・ブルボン=コンデ。
ナティエは美しい婦人の肖像画が得意ですね。さぞかし貴婦人たちからの注文が多かったでしょう。 -
ロッセリ:聖母と幼子イエス。
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ラファエロ:オルレアンの聖母。
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ラファエロ:ロレートの聖母。
ラファエロの聖母子の絵が2枚もあるのは豪勢なものです。 -
ラファエロ:三美神。
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ポール・ボードリー:休息のダイアナ。
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美術館の至宝「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」。
4月。ベリー公の孫娘の結婚式。
実物を見ることは出来ません。 -
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タピスリー。
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館内。
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精緻な細工です。
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礼拝堂。
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礼拝堂。
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城の後ろにはル・ノートルの手になるフランス式庭園が広がっています。
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シャンティイ・クレームの登場。
最後に城内のレストラン「ヴァテールのキッチン」でオリジナルのシャンティイ・クレームを注文。 -
深いグラスにたっぷりと盛られています。生クリームが好きな私でも全部は食べられませんでした。
普通の生クリームより甘く、苦いコーヒーと一緒でないと食べられません。まあ話の種にと。 -
シャンティイ・グーヴュー駅。
帰りは来た時と同じノートルダム教会前からバスで駅まで。 -
15:47のTERでパリ・北駅へ。
ずっと雨にたたられた一日でした。 -
パリ北駅に4時過ぎ帰着、一旦ホテルに寄ります。
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天気が回復したので又出かけました。
北駅の近く、フランツ・リスト広場のサン・ヴァンサン教会。 -
大きくて壮麗な教会です。
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夕食にエスカルゴ。
北駅前に日本語メニューを置いているレストランが数軒あります。ウエイターが片言の日本語を喋ります。多分日本人の客がよく来るのでしょう。 -
なみなみと注がれたワイン。カラフ・ド・ロー/水道水はタダです。
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サン・ドニ門。
ワインを飲んでよい気持ちになり地下鉄でストラスブール・サン・ドニまで。レピュブリック広場まで歩いてみようと思います。 -
この門を南北に貫いているサン・ドニ通りはローマ時代からのサン・ドニ街道でした。
歴代の国王は王位に就くとこの門を潜ってサン・ドニ聖堂に詣で、死ぬとこの門を潜ってサン・ドニ聖堂に葬られました。 -
ブールヴァール・ボン・ヌーヴェル。
マドレーヌ寺院からバスチーユ広場まで続くグランブールヴァールの一部。 -
サン・マルタン門。
門を南北に貫くのはサン・マルタン通り。
左の小さいアーチの奥に東駅が見えます。 -
ブールヴァール・サン・マルタン。
ブールヴァールとは昔の城壁跡にできた並木のある大通りのことです。ブールヴァール・サン・ジェルマンとかブールヴァール・モンパルナスなど。 -
国立技術工芸院。
サン・マルタン通り。 -
国立技術工芸博物館。
サン・マルタン通り側。 -
同。
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同。
サン・マルタン通りには古い重厚な建物が続きます。 -
同。
レオミュール通り側。 -
博物館の入り口は右、レオミュール通り60番地。
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国立技術工芸博物館の裏側。旧サン・マルタン・デ・シャン教会。
ここら辺は観光客のあまり訪れない地域です。 -
サン・ニコラ・デ・シャン教会。
サン・マルタン通り。 -
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以下サン・ニコラ・デ・シャン教会です。
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古めかしい教会です。
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ピエタ。
安定感のある構図です。 -
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レオミュール通りをタンプル公園にやってきました。
案内板にこう記されています。
「13世紀テンプル騎士団の本拠地。・・・・。ルイ16世と王太子ルイ17世の最後の住まい。・・・・」。 -
1792年。フランス革命勃発後3年たっていたが国内の混乱は治まらず、国民の生活も苦しいままであった。1791年6月の国王一家逃亡未遂事件(ヴァレンヌ事件)の後国王の威信や人望も地に落ちていた。国王や貴族らがひそかに外国の政府や反革命勢力と通じ革命を圧殺しようとしているという噂が急速に国内に広がる。「国王は国を売ろうとしている!、王政を廃止し国王を罷免せよ!」。
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もはや国民の怒り、不安は頂点に達した。8月10日、武装した民衆、連盟兵、義勇兵たちが国王一家のいるチュイルリー宮殿を襲う。
国王に忠誠を誓う900名のスイス人傭兵、僅かの王党派の兵士たちは抵抗するが打ち負かされる。スイス人傭兵はほとんどが殺された。
国王一家は逮捕されタンプル塔に幽閉された。宮殿と違ってタンプルは牢獄である。
幽閉されたのはルイ16世、王妃マリー・アントワネット、王太子シャルル、王女マリー・ルイーズ、王妹エリザベス。 -
ここにいたり立法議会はついに国王の権利/王権を停止する。王政の廃止。ユーグ・カペー以来800年以上続いたブルボン王家はここに消滅した。
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ここが昔そのタンプル塔があった所なのです。ルイ16世はここからギロチンに送られ、アントワネットとエリザベスはコンシェルジュリーに移された後ギロチンに、王太子はこの塔で死亡、王女だけが釈放された。王女マリー・ルイーズは長生し後に王政復古、反革命運動に加担するようになる。
ナポレオンはこの忌まわしい歴史のあるタンプル塔を取り壊しました。 -
なにか王一家に関するモニュメントがないか公園を一周して探すと男の像が有りました。すはルイ16世かと近づくとベランジェと名が彫ってあります。
結局タンプル塔にまつわる痕跡は見付かりませんでした。残るのは公園と通りの名前のみ。
ベランジェなる人物をウイキで調べてみると詩人、歌謡作家、風刺家で19世紀前半とても人気があったそうです。時の国王シャルル10世やローマ教皇への風刺が効きすぎて投獄されたこともあったそうで、そこがタンプル塔だったのかなと想像をたくましくします。 -
公園の向かいのパリ3区区役所。
これもタンプル塔の敷地跡に建っています。 -
タンプル通りをレピュブリック広場の方に歩くと聖エリザベス教会が有ります。
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ファサードにピエタの彫刻があるのは珍しいです。
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レピュブリック広場に来ました。
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マリアンヌの像。
これでホテルに帰りました。テレビではこのところ連日ノルマンディー上陸作戦の放送を流しています。1944年6月6日がその開始日でした。
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この旅行記へのコメント (4)
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- なおぞう22さん 2014/08/01 15:36:37
- クレーム・シャンティ!
- ベームさん、初めまして!
私の旅行記への投票ありがとうございました^^
昨年冬にパリに行った時に、まさにクレーム・シャンティを食べにシャンティへ行こうかと調べたのですが、城内のレストランが冬季休業中で諦めました。。召し上がっていて羨ましいです!
でも想像はしていましたがかなり広そうですね・・高齢の母との旅でしたので行かなくてよかったかもしれません。
パリからの日帰り旅は私も大好きなので、他の場所への旅行記もこれから拝見させていただきます!今後もよろしくお願いいたします。
なおぞう22
- ベームさん からの返信 2014/08/01 22:20:07
- RE: クレーム・シャンティ!
- なおぞう22さん、
今晩は。
こちらこそ有難うございました。
メスの旅行記は珍しく私も行ったばかりでしたのでなおぞう22さんのを拝見して嬉しかったです。
クレーム・シャンティイは話のタネにと思って食べてみました。少し甘ったるく量が多く残してしまいました。城内は全部見ようと思えばしんどいですが絵だけ見るのでしたらそれほどでもありませんよ。駅からバスあるいはタクシーも使えますので機会があれば是非。
入院なさったとか。また元気になられての旅行記お待ちしています。
ベーム
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- 旅するうさぎさん 2014/07/23 23:36:13
- コンデ美術館
- ベームさん、こんにちは。
今年はフランスに旅されたのですね。
「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」は
シャンティイ城のコンデ美術館にあるのですね。
学生時代に美学芸術史の先生がこの美しい時祷書を
スライドで見せてくれたことがありました。
その時見たのはルーブルが背景に描かれている
10月の絵など数枚だったのですが、
その美しさに心奪われました。
やはり貴重な本なので、実物は非公開なのですか。
このコンデ美術館というのは、
他の作品も素晴らしいものが沢山あるのですね。
ところで今年、ミュンヘンのレーンバッハハウスに
ついに再訪してきました。ベームさんの昨年の旅行記で
レーンバッハの改修工事が終わっているのを知ったので
行ってきたのです。
展示の都合で今回は青騎士の作品は少なかったのですが
その分、1点1点を時間をかけてじっくり見ることが
できました。フランツ・マルクの作品が
1点もなかったのは残念でしたが、
ミュンターさんの絵やカンディンスキーのガラス絵
などは見ることができました。
これからもミュンヘンはチロルの帰りに寄ると思うので
ちょっとづつでも見れたらいいな、と思っています。
旅するうさぎ
- ベームさん からの返信 2014/07/24 20:00:16
- RE: コンデ美術館
- 旅するうさぎさん、
今晩は。
メッセージ有難うございます。お返事遅れてすみません。
コンデ美術館、いいですよ。お城も綺麗ですが美術品は一見の価値があります。ただ「ベリー公の・・・・」は実物を見ることが出来ません。でも売店で12か月分そろった綺麗な写真を買うことが出来ます。一度是非。
レーンバッハ行かれましたか。作品が少なかったというのは貸し出しでもしていたのでしょうか。お好きなフランツ・マルクが見られなかったのは残念でしたね。
今年もチロルでしたね。チロルの風景、本当にそそられますが私はまだ人の手が加えられた作品、古い街とか建物、絵画とかを卒業できないのでなかなかそちらの方には手が回りません。そのうちに海外旅行は出来ない体になってしまうかもしれません。
旅行記の続きお待ちしています。
ベーム
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