2014/05/01 - 2014/05/03
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ヤブレイヌさん
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『私達は5月1日に香港へ行く。香港で2泊した後、シュム氏夫妻とバンコクへ行き3泊の予定だ。だから君たち夫婦は、車椅子の運転士兼荷物運搬係兼雑用係兼通訳として私達に同行しなさい。航空券とホテルは既にシュム氏が手配している。
勿論、今回の旅費は全て負担するが、代休は無しだ。ワーキング・ホリデイだと思いなさい。それでは当日の1500に、キャセイ航空のカウンターで会おう。』
僕達夫婦は支度をして、当日の1500にキャセイ航空のカウンターへ行った。
今までにも何度か香港へ行ったが、いつも台北経由のキャセイだった。
今回はキャセイとドラゴンが共同運航する香港への直行便で、きょうのフライトはドラゴン航空だった。
香港からの到着が遅れた、との事で出発も少し遅れる、とのアナウンスだったが、実際には1時間以上遅れて離陸した。
予定より一時間以上遅れて香港チェクラップコク空港へ到着した。
荷物をピックアップしてイミグレーションを通過すると、Shum氏が待っていた。
Shum氏の車と、もう一台の車に分乗すると、車は猛スピードで走りだした。
九龍サイド旺角に在るLangham hotel香港(朗庭酒店)の車寄せに車が止まり、ベルボーイに荷物を任せて、ロビーで手続きを終え、部屋に入ったのは香港時間の2115位だった。
翌朝、ランガムのコーヒーハウスでビュッフェの朝食を済ませた。
『午前中は自由に行動して宜しい。1200にShum氏が昼食の為にロビーへ迎えに来るので、時間に余裕をもって戻りなさい。昼食に希望は有るかね?え?Peninsula hotel(半島酒店)のFrench?宜しい、きょうの昼食は、福臨門酒家九龍で飲茶にしよう。それでは、また後で。』
僕とカミサンはホテルを出て、すぐ近くのオーシャン・フェリー・ターミナルへ行き、その一角に在るチャンネルとか何とかいう店の開店を待った。
定刻の1000を五分ほど過ぎて、その店が開店したので、カミサンと二人で入った。
カミサンは自分用のカバンを物色し、気に入ったらしい一つを買った。
店を出ると、店の前には長蛇の列が出来ていて驚いた。
店内の混雑防止の為に入店制限をしているらしい。
早めに来て良かった、と思った。
前に来たときは、類・美豚とか何とかいう店に凄い行列が出来ていて驚いたが、きょうは類・美豚の前に行列は無く、減牝とか何とかいう店とチャンネルとか何とかいう店の2軒に行列が出来ていた。
次は同じ建物の中に在る、ボラレタガ・ヴェネタとか何とかいう店で、二人の息子用にカバンを買い、やはり同じ建物の3階だか4階だかに上がって、息子達の嫁達にもカバンを買った。
カバンばかりを買って、ホテルの部屋へ運び、車椅子を押してロビーへ行くと、Shum氏が来ていた。
Shum氏のM350に乗ると、混雑した道を通り抜けて10分ほどで福臨門に着いた。
Shum氏は店の入り口に立っていたボーイにチップを渡すと、ボーイはM350を駐車場に乗って行った。
エレベーターで3階に上がると、入り口では支配人が待っていて、『ハイ、Shumサン!』と片手を挙げて声を掛けた。
『ここへは相変わらず良く来るのですか?』と僕が尋ねると、Shum氏は『最近は、あまり来ないね。月に1・2回位かな。』と答えた。
円卓に着くと、支配人が献立表を持って来て、受け取ったShum氏は眉間に皺を寄せながら支配人と献立の相談を始めた。
僕には何度聞いても奇妙な音楽にしか聞こえない広東語の遣り取りが少し続いた後、支配人は『我が意を得たり』という顔をして下がって行った。
『食事が済んだら、ホテルへ戻る。明日の朝は早く出るので、ホテルへ戻ったら荷物を纏めておくように。0700にShum氏が迎えに来るので、朝食は空港のラウンジだ。きょうの夕食に食べたい物は有るか?え?HYATT(君悦酒店)のステーキ?宜しい、やはり夕食も福臨門にしよう。』
いつもの事ながら、Shum氏の注文は大量で、食べるのに困る。
貧乏性の僕は食べ物を残す事に非常な抵抗感が有るので、皿に載せられた物は全て食べてしまい、その結果、太る事になる。
朝食後、Shum氏の車でホテルへ戻り、荷物の整理を始めたが、買ってきたカバンが持って来た旅行カバンに収まらない事が分かり、安い旅行カバンを買いに行く事にした。
ホテルを出て、以前の記憶を辿りながら路地の中に在るカバン屋に行った。
一番大きな旅行カバンの値札を見ると、$498HKと書いてあった。
そのカバンを僕は指差して、いつも愛想が悪い店の親爺に『$400HK、Please?』と言ったが、親爺は不愛想に首を振り、『No,450!』と言った。
僕は、『All right,We are give up.』と言い、他の店へ歩き出した。
すると背中に『Ok,420,Please!』と親爺の声がしたので、僕は立ち止まって親爺にポケットから$420HKを渡した。
親爺は不愛想に札を数えて、『More $10 Please,Sir!』と言ったが、僕は『420only!』と言い、親爺は何かブツクサ言いながら首を竦めて両手を肩の高さに挙げた。
僕はカバンを渋る親爺から受け取り、ホテルの部屋に持ち帰って、カミサンが荷造りをした。
荷造りを終えたのが1630過ぎだったが、一向に胃袋の消化が進まないので、1900からの『恐怖の夕食』に備えて、少し散歩をする事とし、カミサンと二人で、オーシャン・フェリー・ターミナルの中の店舗や、ペニンシュラのアーケードでウィンドウ・ショッピングをした。
1900少し前にホテルへ戻り、車椅子を押して部屋へ迎えに行き、ロビーへ降りると、Shum氏が待っていた。
昼と同じく、僕等が乗った車は一層混雑が激しくなった道路を通り抜けて、福臨門酒家九龍へ着いた。
店内へ入ると、昼間と同じフロアだが、夕食時にはパーテーションが立てられて個室が造作されていた。
テーブルには既に、Shum氏夫人と、長女夫妻が座っていて、僕等は彼女達に再会の挨拶をした。
例によって、支配人が『ハイ、Shumサン!』と声を掛け、二人で献立の相談が始まったが、今回は夫人も少し御自分の好みを申し出られたようだったが、10分位で話は纏まった様だった。
そして、饗宴が始まり、終わったのは2200近くで、その後、僕等はホテルへ帰って、明日の出発に備え、食べ過ぎた腹を擦りながら眠る事にした。
- 旅行の満足度
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 航空会社
- キャセイパシフィック航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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CX501機内食の献立。メインは、照り焼きチキンを載せた饂飩、平目と帆立の白ワイン・ソース、ビーフ・ステーキの蒸し焼きケチャップ・ソースの三品から一品を選ぶ。
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前菜のサラダと鮭の燻製。鮭の色が不気味だ。
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いつもカミサンとは違う献立を注文するが、殆どの場合、カミサンは肉を選択するので、今回も僕は魚を選んだ。
平目と帆立の白ワイン・ソース。塩味が強い。 -
カミサンが選んだ、ビーフ・ステーキ。やはり塩味が強く、肉は硬い。
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Langham hotel香港(朗庭酒店)の客室。
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Langham hotel香港(朗庭酒店)の朝食ビュッフェ一例。
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福臨門九龍の外観
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昼食時にShum氏が選んだ献立の注文票。
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点心。北京語では『ディエンシン』だが、広東語では『ディムサム』と発音する。
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福臨門では、各自が二組の箸を使う。
右側の白い箸で大皿から自分の小皿に取り分け、黒い箸で小皿から口に運ぶ。
フカヒレが入った餃子のスープと点心。
既に満腹に近い。 -
拷問の如く、いつ果てるともなく次々と繰り出される点心。
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青菜の炒め物が出て来て、献立の終わりが近い事を知らせるが、青菜も食用油がタップリと使われている。
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名物のマンゴープリン。ここまで食べれば、やっと解放される。
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夜の福臨門九龍の外観。
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Shum氏は、イタリアの葡萄農家と契約して、葡萄を畑単位で買い、ワインに醸造して香港へ送らせ、行きつけの料理店に保管させている。
その夜は、その一品である、スパークリング・ワインが出された。
一本が空いても、次から次へと給仕人が冷えたボトルを出してきた。 -
その夕食にShum氏夫妻が選んだ献立。
支配人が手書きしている。 -
『福臨門六喜』
福臨門喜びの六品盛り合わせ、位の意味でしょう。
その内の三種。 -
同じく、残りの三種。
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福臨門オリジナルのXO醤。
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伊勢海老(実はロブスターだ思う)のサラダ。
マンゴーとメロンが入り、マヨネーズの味付け。 -
フカヒレの煮物。
『姿煮ではないのか?』と支配人へ訊ねたら、『数枚のフカヒレから良い所ばかり取っている。』との事らしい。 -
干し鮑と鵞鳥の足の煮物。
干し鮑は日本の東北地方で福臨門が指定した漁師が獲り、それを更に指定した職人が干して作る、との事。 -
干し鮑と鵞鳥の足を給仕人が盛り付けた一例。
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鶏の炸焼き。Shum氏曰く、『香港で最も高価な鶏料理かもしれない。』
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石班(たぶんホウボウだと思う)の煮物。
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タラバガ二入りの揚げパン。既に胃袋はサイレンが鳴っている。
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タラバガニの揚物。フィンガー・ボールが出て来るのが福臨門らしい。
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焼きそば。
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炒飯。いくら食べても、炒飯と焼きそばを食べなければ、Shum氏の食事は終わらないらしい。
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デザートの饅頭と汁粉。
既に胃袋は限界を超えているが、Shum氏は容赦なく、『さぁ、食べろ!』と言う。
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