エブリマン氏の優雅な休日～南の島より　（石垣島・竹富島）

2014/02/13 - 2014/02/19

休暇で沖縄に滞在していた、もと平凡なサラリーマンだったエブリマン氏は、さらに南の島、石垣島まで足を延ばしてみました。

エリア 石垣島(沖縄)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 3.5
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 3.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩 Peach ジェットスター
• 旅行の手配内容: 個別手配
• 利用旅行会社: エクスペディア

【新石垣空港】

　エブリマン氏はその旅のスタイルをガラリと変えた。

　沖縄ではそこそこのホテルライフを満喫してきたが、これからは旅好きだが、節約しながら旅する学生にでもなった気分で南の離島に向かうのだった。

　昨年３月に開港したばかりの新石垣空港はさすがに新しくて気持ちがいい。愛称は「南ぬ島 石垣空港」で「南ぬ島」は「ぱいぬしま」と読む。

　まぶしい光と南の風と青い海の景観が亜熱帯のムードを感じさせてくれる。
　ああ、やっと南の島に来たのだ！

【白保フレンドハウス】

　新石垣空港からバスで8分の近さで白保がある。

　その地区にエブリマン氏が予約した「白保フレンドハウス」がある。いわば民宿・ゲストハウスだが、エブリマン氏としてもドミトリーに宿泊する経験は滅多にない。

　宿泊は合宿中を含め男女の学生を中心とした若者が多いが、老若男女、国籍を越えて、実にリベラルでフレンドリーな雰囲気が好ましい。
　ひとりでシュノーケルツアーに参加していた、ある若者は「初めてマンタを見た！」と目を輝かせながら、興奮気味にエブリマン氏に語るのだった。

　川平へ向かう途中、「唐人墓」でバスを下車した。バス停の前は美しい海が広がっているが、反対側の小高いところに、「唐人墓」があった。

『この唐人墓には悲しいストーリーがあります。イギリス船に乗せられていた中国人奴隷が虐待をうけ、そして暴動を起こしました。
　船は結局石垣島沖に座礁してしまい、石垣島に上陸。石垣の人々は彼らに家を提供しました。しかしその後イギリス軍とアメリカ軍が島にやってきて、銃殺されてしまった悲しいいきさつがあります。』

【川平湾】

　川平湾（かびらわん）は、石垣市の石垣島北西部にある湾だ。白砂と海のコントラスト、入江の景観が美しい沖縄一の名所というのもうなづける。
　海の中のサンゴや魚を見るための、グラスボートが観光客をのせて、出入りしていた。

　湾の上にある展望台では、絵葉書で見られるような景色が見られた。ここから見る景色はとても印象的で、しばらくその場を立ち去らずに眺めていたくなるほど魅せられる。

　川平湾では、海の色が七色に変わると言われているが、本当だろうか？
　海辺に近づいてみると、すくなくとも海の色は透明に澄んでいて、遠くに向かうにつれてエメラルドグリーンの海の色の濃淡が深まっていく。

【平久保崎灯台】

　平久保崎灯台入口で特別にバスを降ろしてもらい、折り返しのバスに拾ってもらうまで、あまり時間がない。片道２キロ近い道を急ぎ足で灯台に向かった。
　
　くねくねと続く道を登りきるとようやく灯台入り口だ。ここからは登りといってもすぐに灯台が見えてきた。1972年に設置され14m弱の高さがある真っ白で円形の灯台です。

　灯台から先にある小道を登っていくと、さらに展望が開ける。小高いところから360度見渡すことが出来、サンゴ礁のリーフに囲まれたコバルトブルーの海が美しい！

【白保フレンドハウス】

　宿のスタッフから渡された地図「白保フレンドハウス周辺案内地図」（The map of Shiraho Village）には、買い物場所・食堂、居酒屋・ケーキ屋・手作り工房・研究施設など、「ムラ」の案内が分かりやすく記載されていた。

　夕方、ベランダに出てみると、前の広場では数匹のヤギが、のんびりと草を食んでいた。そして遠くには白保の海が見える。
　あたかも文豪ヘミングウェイにでもなったような気分で、持参のパソコンに向かうエブリマン氏だった。

【とうふの比嘉】

　ホテル日航八重山のバス停から北に徒歩で約１０分、サトウキビ畑と牛小屋を越えて畑の真ん中に、赤い屋根の「とうふの比嘉」がある。

　竹富島に行く前に、朝食をここで取ろうと、朝早く宿を出てきた。
　開放的な席で朝一番、朝日を背に浴びながら、「ゆし豆腐セット」（大）４５０円をいただく。豆腐には味がついていないので、お好みにより味噌か醤油で味付けする。腹には優しいが、思った以上にボリュームがある。そして最後に豆乳をいただく。

【石垣港離島ターミナル】

　八重山観光のカウンターで、竹富島往復の高速船チケットを1280円で買う。島へは約１０分で着いてしまうから、アットいう間だ。
　島に着いたら、送迎のマイクロバスが何台も待っているが、エブリマン氏は初めから歩くつもりだったから、決して急ぐ必要もなかった

【竹富島】 〜 風を感じながらゆっくり歩いてみた ・・・

　集落に入って、最初に目に付いたのが「竹富郵便局」だった。
　琉球建築を模してシーサーを載せた赤瓦葺の局舎が特徴的だ。局舎の前には 赤い丸型ポストが置かれている。この建物を見ていると、何か懐かしい想いがしてくる。

【竹富島　水牛車】

　竹富島を訪れる観光客の多くは、水牛車かレンタサイクルで島内を観光する。エブリマン氏も集落を散策していたら、三線と唄を聞きながら水牛車にゆられてのんびり観光している一団に出会った。

【アイヤル浜】　〜遠くてひとけの少ない東の浜辺へ

　集落を出て最初に向かったのは、島の東側に広がるビーチ、「アイヤル浜」だ。何もない一本道（アイヤルミチ）をひたすら東に向かって歩くこと３０分。やっとたどり着いた浜辺は、訪れる人も少なく、静かな時間が流れていた。

　アイヤル浜から戻る途中、リゾートホテル「星のや竹富島」付近の道で変わった蝶々が飛んでいるのを見かけた。
　後で調べてみたら、白い花を好む「スジグロカバマダラ」という珍しい蝶々だと判った。
　アイヤル浜への道沿いでは、白いセンダングサが多く咲いていて、「蝶の道」と呼ばれるほど、多くのスジグロカバマダラを見ることができるという。

【安里屋クヤマの生家】

　八重山を代表する民謡「安里屋（あさどや）ユンタ」に歌われた女性「クヤマ」の生家があった。

　クヤマは綺麗な女性で琉球政府の役人が何度も求婚するほどだった。しかし、クヤマはそれを断り竹富島の生活を選んだ、という。

　島内をゆっくり散策していると、民家の庭で多く見られる鮮やかな花がある。石垣島のブーゲンビリアだ。島内いたる所に茂っており、ハイビスカスと並んでやはり南国石垣を代表する花だ。

　花のように見えるのは苞(ほう)という葉の一種で、本当の花は苞の中にある長いラッパ状の小さなものらしい。茎にトゲがあり、垣根がわりにも植えられているという。

【西桟橋】

　昼食を終えた後、エブリマン氏は島の西側にある西桟橋まで歩いてみた。
　この桟橋は、夕日や星空を眺める絶景ポイントとして有名で、日暮れとともに観光客で賑わうという。ここから見える西表島に沈む大きな夕日はまさに絶景だそうだが、残念ながら夕日まで待てない。

　西桟橋から海を眺めながら、浜辺に沿ってゆっくり歩いてみる。

　昼間はとても静かだから、のんびりと綺麗な海の色と沖を行く船など見ながら、ゆったりした時間を過ごすのに、向いている場所だろう。

【コンドイビーチ】

　西桟橋から海辺に沿って散策するエブリマン氏がたどり着いたのは、島の南西部にある、竹富島を代表するビーチ、コンドイビーチだった。

　真っ白な砂浜、エメラルドグリーンに広がる遠浅の海。まるで絵はがきのようにきれいな景色が広がる。流れが緩やかで波もほとんど立たないため、海水浴に適しているという。
　ビーチいっぱいに広がる白い珊瑚の砂がまぶしく、沖までつづく浅瀬の海岸線の先に、西表島の遠景を望むことができる。

【なごみの塔】（竹富島）

　　島の集落中央付近に赤山公園という小さな公園があって、その小高くなっている真ん中あたりにコンクリート製の展望台がある。由来はわからないが、なごみの塔という名前が付けられている。

　良くパンフレットなどで赤瓦の家並の写真が載せられているが、その多くはこの塔から撮ったものだそうだ。

　上に上がると３６０度視野が開けて良い眺めなのだが登るまでが大変。人が１人やっとの幅の階段は、傾斜もきつくて登るにしても、スリル満点なのだ。

【竹富島の赤瓦】

　「なごみの塔」のすぐそばの民家だが、花と赤瓦が美しい。
　島民は昔ながらの町並みや文化を保存しようとする意識が非常に高く、「竹富島憲章」を制定している。

　集落を囲む石垣は、グックと呼ばれ、ひとつひとつが職人の手により積まれ、台風などの強風から家屋を守るだけでなく、目隠しの役割も果たしている。