LORCA（ムルシア州）パラドール デ ロルカ泊

2014/03/15 - 2014/03/16

ムルシア MURCIA は、バレンシア州アリカンテ県の南、アンダルシア州アルメリア県の北に位置し、地中海に面した州です。
温暖な気候と肥沃な地に恵まれ、野菜果物が豊富に栽培され、スペイン国内のみでなく欧州各地に輸出されます。広大な台地を走る道路の両側には様々な菜園が広がり、咲き始めた桃の花やたわわに実をつけたレモンの木、野菜畑が目を楽しませてくれます。

州都ムルシア市から70km南西に LORCA ロルカはあります。
古代ローマ時代には既に集落が存在し、イスラム時代には Lurka と呼ばれていました。イスラム教徒は町を見下ろす小山の上に要塞を建てます。ロルカ旧市街には、アラブ時代の名残の狭い小路が今でも見られます。
レコンキスタ時代ロルカは、カスティージャ王国とグラナダ王国との境に近接した国境の町となり、カトリック教徒ともイスラム教徒とも上手く商売をしたユダヤ教徒が多く住むようになります。

カトリック教徒はイスラムの城をさらに強固にし、国境の重要な軍事要塞としました。その城の敷地内に、2007年に新しいパラドールの建設が始まりました。
ところが、パラドール建設のために土地を掘り起こしたら、15世紀のユダヤ人街の遺跡が出てきたのです。レコンキスタ時代にユダヤ人がロルカで商売をしていたことは分かっていたけれど、それまで、ユダヤ人がどこに住んでいたかは不明だったとか。この発掘により、城内の半分は軍事目的、もう半分はユダヤ人街となっていたことが判明しました。
ユダヤ遺跡の中でも最も重要なのがシナゴーグで、スペインに残っているシナゴーグの中では唯一、ユダヤ人を国外追放してからカトリック教会に改築されなかったシナゴーグとして価値ある遺跡となっています。

遺跡を上手く残しながら建てられた近代的なパラドールですが、外観は城とマッチする造りで、パラドール・城・シナゴーグと合わせて興味深いスポットとなっています。

因にロルカは、2011年5月11日にマグニチュード5.1の直下型地震に遭い、9名が死亡、旧市街の建物の多くが被害を被りました。現在でも、まだ建て直しされていない多くの建物を市内で見かけました。

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今までのパラドール旅行記リスト　↓

サフラ
（2004年)
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10156934/
（2011年）
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10598368/
アビラ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10260552/
レオン
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10262580/
トレド（食事のみ）
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10325154/
プラセンシア
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10374581/
モンフォルテ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10412568/
サント エステボ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10417085/
カルモナ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10467976/
グアダルーペ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10475669/
オロペサ（食事のみ）
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10482557/
グラン・カナリア島　クルス・デ・テヘダ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10494712/
テネリフェ島　テイデ国立公園
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10501539/
モンテ ペルディド　（ビエルサ）
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10537892/
レルマ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10541936/
グレドス
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10551205/
オリテ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10559279/
トゥルヒージョ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10563295/
ビジャフランカ・デル・ビエルソ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10570984/
リンピアス
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10577187/
エル サレール
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10580428/
アルマグロ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10610389/
セゴビア
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10659070/
シグエンサ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10670681/
クエンカ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10689484/
サモーラ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10723899/
アルカラ デ エナーレス
http://4travel.jp/travelogue/10737569

エリア スペイン

• 旅行の満足度: 3.5
• 観光: 3.5
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.5

MURCIA ムルシアは一州一県。
LORCA ロルカは州都 MURCIA ムルシアから 70kmの所にあります。

高速道路をマドリード州、カスティージャ ラ マンチャ州と走る内は、満開のアーモンドの木があちこちに見えました。

ロルカに向かう前に、州都ムルシアで昼食休憩。車中で検索してミシュランガイドに載っていた ALBORADA というレストランへ行きました。 http://www.alboradarestaurante.com

前菜には生ハマグリ、1人4つずつ注文。これだけで40ユーロはちと高い。でも美味しかった！
（夫撮影）

シーフード クレープ ネギソース　美味！　6ユーロ

夫のメインはムルシア風子ヤギの前足のロースト　22ユーロ　（夫撮影）

私はアンコウ　下にはホタテリゾット　最高の味でした！　16ユーロ　

前菜もメインもとても美味しくて、デザートも注文したくなった。
私はアップル ミルフィーユ　薄いパイがお洒落。

夫はトゥロン ケーキ （夫撮影）

大満足の昼食後、ムルシア市内をちょっと散策。　　（夫撮影）

・・・と言っても、カテドラルくらいしか見所がありません。　ロルカに向かうことにしました。

ロルカの新市街から丘の上のパラドールが見えました。あそこへ向かいます！

こんな風景を眺めながらパラドールへ上がります。　（夫撮影）

ロルカ城の敷地内一部がパラドールになっています。これより先がパラドール。

パラドール「ロルカ城」の看板。

パラドール建設の際に発見された遺跡を残しながら、歴史ある場所の雰囲気を壊さない建物。

パラドール デ ロルカ ホテル

3階まで吹き抜けの広々としたレセプションホール。泊まり客はシナゴーグ跡と城の入場料が割引になり、パラドールレセプションでチケット購入できることを説明してくれました。ロルカの地図ももらえました。

部屋も広々としています。

新しいパラドールですのでバスルームも綺麗です。赤い大理石は、隣接するアリカンテ県産。

9ヶ月振りのパラドール宿泊。またアメニティのデザインが変わっていました。

部屋からの眺め。ロルカ市街が見渡せます。下の赤い屋根の部分は駐車場。実はその下にはまだ発掘されていない遺跡が残っています。パラドールの敷地部分は Parque Arquológico （考古学公園）と呼ばれています。

パラドールのレストラン側のテラス。このテラスの真下に15世紀のシナゴーグ跡があります。

シナゴーグ跡はガイドツアーで見学できます。17時半見学のチケットをパラドールのレセプションで購入しました（宿泊者割引3,75ユーロ）。駐車場の近くにある遺跡。15世紀、ユダヤ人街だったところ。　（夫撮影）

サン クレメンテ教会（15世紀建設）はほとんど崩壊状態だったのを補強、屋根付け。この作業がされたのが2011年の地震直前だったため、地震での完全崩壊を免れたとか。この教会は18世紀まで利用されていました。

ツアーは、保護されているシナゴーグ遺跡部分に移動しました。この中です。

写真はシナゴーグのすぐ隣にあった大きな家の跡。下水道の溝が見られます。

想像図、左下の人がたくさん壁沿いに座っているのがシナゴーグ。

シナゴーグ跡。建物の大きさが分かるように、天井と壁上部を付け加えてありますが、遺跡部分に触れないように出来ています。スペインに残っているシナゴーグは、カトリック両王の時代にユダヤ人を国外追放した後にカトリック教会として再利用されたものばかりなのですが、ここは現在スペインで見学可能なシナゴーグの中で唯一、カトリック教会とならずに、シナゴーグの形をそのまま留めている貴重な遺跡です。

15世紀のシナゴーグとユダヤ人街の想像3D図。後ろに城の塔が見えます。

シナゴーグ跡でみつかった、ハヌキオットと呼ばれるハヌカ祭（ユダヤ教の年中行事のひとつ）で使われた燭台のレプリカをパラドールで売っています。

さてパラドールに戻って、19時からSPA利用。今回はSPA＋朝食付きプラン136ユーロを予約しました。小さいSPAは結構な混雑でした。屋内プールも同じ所にあり、SPAの後はひと泳ぎ。ここの部分の写真はないので、ご興味ある方はパラドールのHPで施設チェックしてください。
http://www.parador.es/es/paradores/parador-de-lorca

ディナーはもちろんパラドールのレストランでとりました。お洒落なアペリティブ。　（夫撮影）

私の前菜。マリネされたサーモンやアボガドなどが色々入ったサラダ。

夫はサルモレホ。トマト、オリーブオイル、パン、にんにく、塩、材料はそれだけの冷スープ。アンダルシア地方の料理です。（夫撮影）

メインには私はダック、付け合わせはアーティチョークとパイン。

レストラン ヘリオス 地元の料理

夫のメインはマグロ。上に乗っているのは紅ショウガでした。黒いのはトリュフ。（夫撮影）

パラドールでは、前菜＋メイン＋デザートをメニューのMマークから選んで注文するコースがお得です。（飲み物別料金で30ユーロ）

翌朝、朝食をとりにレストランへ再び。暗くて昨晩は気が付かなかったのですが、ガラス張りになっている向こう側には遺跡が見られます。シナゴーグ跡の隣にあった家々の部分です。

朝食はたっぷりと。パラドールの朝食ビュッフェはどこでもとても充実しています。絞り立て生オレンジジュースは、何杯でもおかわりしてしまいたくなります。

レストランから直接外に出ると、遺跡を残しながら上手くホテルを建てているのが分かります。

パラドール前からロルカの町を見下ろす。　（夫撮影）

今日はロルカ城を見学します。パラドールの向こう側に見えるのが城の塔です。

パラドールのレセプションで城見学のチケットを購入（宿泊客割引で3,50ユーロ）。チェックアウトを済ませて、ロルカ城へ行きましょう。

入り口はこちら。「Fortaleza Del Sol 太陽の要塞」という名です。

入場料にはオーディオガイドも含まれていました。まずは、エスポロン塔へ。アルフォンソ10世カスティージャ王が1244年にロルカをレコンキスタした後、塔の建設を命じました。

2011年5月の地震で塔の外壁は15cmほどずれてしまいました。

階段の途中には塔を守る兵士が！

塔の上からの素晴らしい眺め。写真は城の中央部とアルフォンシーナ塔。パラドールはその裏になります。

南、山の向こうはアンダルシア。

ここにも兵士。

昔ながらの投石機も置かれています。

城中央の広場。右端に見えているのは19世紀、独立戦争の際に建設された厩舎。現在はカフェテリアとなっています。

エスポロン塔と城壁。

プレイ エリアも中世の城風♪

こちらはアルフォンシーナ塔。アルフォンソ10世に因んで命名された。やはり13世紀の塔。この内部は時間制のガイドツアーで入れたのですが、時間が合わなかったのでパスしました。

小さなオレンジの木に実がぎっしりと生っていました。

城内にいくつかあった貯水槽のうち、一番大きいもの。

中にはスペインの様々な時代の説明が並んでいます。

19世紀の独立戦争時代にあったパン屋の様子を再現しています。当時の窯が残っています。

なかなかリアルです。

こちらも昔の貯水槽、中に入れます。

中央広場に戻ってきたら、いつのまにクラシックカーが並んでいました。愛好者の集会だったようです。

可愛らしいこの車は SEAT 600、スペインで1957年から1973年の間に生産され、大人気だった乗用車です。

おぉー　売っていますよー

スペイン人にとっては懐かしの車。

中をちょっと覗かせて下さいな。

可愛い♪　

城見学後はロルカ市内をちょっと散策します。

なんとなくゴチャゴチャした町並。

この家は素敵だけど。

中心地まで来ました。

16−18世紀に建てられたサン パトリシオ教会。

教会のファサード

彫刻のアップ

17世紀に建てられた建物、今は市庁舎。

地震の名残なんでしょうか。このようにファサードだけ残って他は崩壊してしまっている建物がいくつもありました。

屋根の下に天使♪

17世紀の貴族の館。 Palacio de Guevara

ファサードの彫刻。

ロルカを後にして帰路につきます。高速道路からロルカ城とパラドールが見えました。

ムルシアの菜園　これは何でしょう。

オレンジとレモンはたわわに生っていました。道路からも実がしっかりと見えました。

ピンクの花を付けているのは桃やすももかな？

こっちは白っぽい花だから多分アーモンド。

途中で寄ったガソリンスタンドで売っていた、オレンジとレモンとにんにく。オレンジ10kg 6ユーロ、レモン5kg 4ユーロ。

羊飼いが群れを連れていました。

こんな風景を眺めていたら、長い道のりも長く感じませんでした。