真冬の中国東北旅行 ～①長春編 ラスト・エンペラーの世界へ～

2012/12/30 - 2013/01/01

年末年始を中国の東北地方で過ごします。
「えっ、中国の北の方って寒いんじゃないの！？」
そうです、めっちゃ寒いっす。。
ハルビンなんて、昼が-20℃で夜が-30℃ですから。
でもそんなに寒いところだからこそ実現する、氷の世界があるのです。
そして、日本と中国の歴史を語るうえで、外すことの出来ない場所もあるのです。

～旅行日程～
★1日目：上海浦東⇒長春 空路にて移動
　　　　　長春観光（偽満州国博物院 等）

★2日目：長春観光（旧関東軍司令部 等）
　　　　　長春⇒ハルビン 電車にて移動
　　　　　ハルビン観光（中央大街・聖ソフィア教会）
　　　　　ハルビン氷祭り（氷雪大世界）

☆3日目：ハルビン観光（秋林公司 等）
　　　　ハルビン⇒上海浦東 空路にて移動
　　　　旅行終了

エリア 長春(中国)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 2.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

少し前になりますが、2012年の年末、そして2013年の年始を、中国の東北地方で過ごすことにしました。
中国の冬の東北地方を訪れるのは人生で2回目。
2009年に訪問した際は、完全に寒さを舐めてかかって、痛い目にあったので、今回はスキーウエアを着こみ、防寒対策には万全を期して臨みます。

・旅行情報
長春は吉林省の省都、人口約750万人。
緯度は旭川と同じ位。
冬の気温は、昼-15℃夜-25℃位まで冷え込む。
かつて日本が満州国を建国した場所なので、反日感情は強い。
なお、中国では満州国ではなく、”偽”満州国と呼ぶ。

長春が近づいてくると辺りは一面の雪景色。
窓から見える景色からも寒さが伝わってくるようです。

長春龍嘉国際空港に到着。
こういった寒い場所や雪の積もる場所での着陸ってどきどきします。
いつも思うのですが、滑走路も凍ってそうなのに、よく滑らないなぁ。

空港を出ると予想通りの寒さが待っていました。
でも3年前の経験と、十分な防寒対策のおかげで、なんとか耐えることができました。
空港から市内へは、リムジンバスで移動します。

リムジンバスはホテルの近くで下りたつもりでしたが、意外と遠く、寒さが身に染みました。

・旅行情報
長春龍嘉国際空港から市内へはリムジンバスで20元、所要約40分。

街にはいちごなどの果物をシロップでコーティングした、フルーツバーの屋台をよく見かけます。
-10℃以下の冷凍庫と同じ世界なので、果物はすっかり凍ってシャーベットになっています。
これがまた美味しい！
中でもイチゴをおすすめします。

バス停から歩くこと約30分、漸くホテルに到着しました。
防寒対策をとっていても、30分も外にいるのは、かなりの試練です。

今回宿泊したのは、人民大街に位置する吉林亜泰飯店。
市内の中心地にあります。

・旅行情報
吉林亜泰飯店は予約サイトctripで278元/室、朝食付き。
市内へのアクセスが良く、客室も清潔で快適。

冷えた体を温めるため、近くの餃子チェーン店、東北餃子王に行きます。
この東方餃子王は中国の東北部にチェーン展開されています。
餃子の王将的な庶民的な店を想像していましたが、高級中華料理店のような、立派なお店でした。
しかも値段も安い！

ガラス越しに見える厨房では、せっせと餃子を作っているのが見えます。

ホウレンソウとベーコン炒め。
写真でも美味しそうなの伝わりますよね。。。

そしてメインの餃子です。
中国に来たことがある方は御存じと思いますが、中国で餃子と言えば焼き餃子はほとんどなく水餃子です。

もっちもちの皮、ぎっしり詰まった肉。
美味くて安い、素晴らしいお店です。

お持ち帰り用餃子のラインナップも充実しています。

体が温まり、お腹もいっぱいになったところで、いよいよ長春観光に出発します。

タクシーで”偽満皇宮博物院”へ。
ここは、ラストエンペラー溥儀が満州国皇帝として過ごした場所です。

・旅行情報
入場料80元。
溥儀は清朝最後の皇帝、清から中華民国に国が変わった後、日本の満州国建国により、満州国皇帝にまつりあげられた。

敷地内の庭です。
空や木々の様子から寒さが伝わりますでしょうか。。。

メインの建物である”緝煕楼（しゅうきろう）”です。
その前に立派な石碑が。
「”九一八”を忘れることなかれ」と、江沢民 元国家主席の直筆で刻まれています。
この時は「九一八って何だ？」と思いましたが、中国では満州事変のことを九一八事変と呼んでいるそうです。
現在の反日運動の原点とも言える場所かもしれません。

・旅行情報
満州事変＝九一八事変は、日本の関東軍による満州（中国東北地方）全土の占領に至る、日本と中国の武力紛争。

博物院内は当時のまま残されています。
この部屋は会議室です。

この写真のような応接間風の部屋がたくさんありました。

シャンデリアや家具はどれも綺麗に保存されています。

溥儀の座っていた椅子です。
当時の様子が伝わってくるような雰囲気でした。

こちらは食堂でしょうか。
満州国の実質的な権力者である関東軍の軍人たちと、名ばかりの皇帝溥儀、どのような雰囲気で食事をしていたのでしょうか。

薄暗い廊下に浮かぶ、まあるい照明の光が印象的でした。

溥儀と懇談する日本人軍人。
このように当時の様子を再現した部屋もあります。

溥儀や妻、愛人の部屋も公開されていました。

御所の中には散髪室もあります。
溥儀の生活の全てが御所の中でできるような状態です。
関東軍に拘束された状態だったのかもしれません。

”偽満皇宮博物院”を見学すること約2時間、早くも日が沈み始めていました。

寒さも増してきたので、”偽満皇宮博物院”を後にすることにしました。

”偽満皇宮博物院”内の展示や説明書きは、如何に日本軍が酷いことをしてきたか、という内容が多かったように思えます。
誇張された内容もあると思いますが、日本と中国の歴史の認識の違いを埋めていくのは、難しいことですね。

日の沈んだ”偽満皇宮博物院”からホテルまで戻るのは大変でした。
タクシーがなかなかつかまらず、バスに乗ろうとしても、ホテル方面へのバスがなかなか来ず、、、

漸くホテルに戻り、近くの屋台で肉野菜炒めのような、鍋のような料理を食べました。
仲の良さそうな老夫婦が営む、素敵な屋台でした。

翌日はホテルの朝食から始まりました。
写真を見ればお分かり頂けるとおり、不味い朝ごはんでした。

長春市内を散歩します。
路面の凍結の影響もあり、思いどおりの移動ができないことは昨日学んだので、ホテルから歩いていける”旧関東軍司令本部”を目指します。

街に建つ”献血屋”です。
ストレートなネーミングですね。

”旧関東軍司令部”に到着。
中国の街並みの中に異彩を放つ日本の城風の建物。
周りの雰囲気に全然合ってません。
満州国において、日本が如何に権力を誇示していたかが分かりますね。

現在は中国共産党吉林省委員会として使用されています。
って、政府系の建物として使ってるんかい！って突っ込みたくなります。
普通なら日本が退却した段階で取り壊すでしょ、こんなもの。
反日を提起しながらザ・日本な建物を政府が利用する中国、エキセントリックです。

地上は-15℃の世界なので、寒さを回避するため、地下街が道路の下に伸びていました。
この中なら温かく快適です。
朝のせいか、まだ開店していないお店が目立ちます。

狭い地下道はどこまでも続いていました。
時間の経過とともに店が少しづつ開店し始めます。
土産屋、靴屋、洋服屋、、様々な店が軒を連ねています。

靴屋です。
足が凍傷になってしまいそうな靴も多いのですが。

市内観光を終え、長春西駅に移動します。
近年中国では鉄道網の整備が進んでいます。
2012年12月1日、旅行の一ヶ月前に前に開業したばかりの高速鉄道で、ハルビンに向かいます。

・旅行情報
2012年12月に開業した高速鉄道は、大連⇒ハルビンの約900kmを4時間で結ぶ。
長春西駅からハルビン西駅は1時間ちょっと。

開業したばかりの長春西駅。
向こう側が霞むほどの、めっちゃ広い待合室ですが、人はまばらでした。

高速鉄道に乗り、光り輝く氷の世界 ハルビンに出発です。

この旅行記へのコメント （2）

• アルデバランさん 2014/03/16 23:37:25

  寒いですか？冬の東北…

  ○さん こんにちわ
  
  1月のハルビン、どんだけ寒い？
  と思って今年、氷祭りに行こうとしましましたが
  東京からだと北京乗り換えで結構なお値段になってしまい、しかも週末だけでは厳しい。
  同じ値段ならと暖かい東南アジアに宗旨替えしてしまいました…
  大連から鉄道で長春経由という手もあったんですね。
  でもあきらめたわけではありません、来年こそはと思ってます。
  ということで、氷祭りの報告楽しみにしてます…
  
  アルデバラン

  ○さん からの返信 2014/03/17 00:44:26

  RE: 寒いですか？冬の東北…

  アルデバランさん、こんばんは。
  
  早速ハルビン編投稿しましたよ！！
  一年前の旅行記なので、2014年版は他の方の旅行記をどうぞ。
  
  ハルビンめちゃめちゃ寒いですよ！
  私は2回行ったことがありますが、1回目は甘く見て普通の冬着で行ったので、ほんとに死ぬかと思いました。
  だいたい夜は-30℃です。
  頭から足の先まで全て防寒対策が必要ですね。
  
  寒いところならではの魅力もありますが、確かに暖かいところを旅行先に選びたくなりますよね。
  私も大抵は暖かいことを条件に旅行先を決めてしまいます。
  寒いところよりも温かいところの方が、人も優しい気がするし（思い込みかもしれませんが）、荷物も少なくて済みますしね。
  
  今後、過去の旅行記もちびちび投稿していくので、また読んでもらえるとうれしいです。