2014/01/24 - 2014/01/26
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魅々さん
やはり、ありました! 八丈八景!!
八丈島歴史民俗資料館で「八丈八景」が存在することを知りましたので、その時に撮った八丈八景の絵の写真とそれに関連する情報を整理してまとめます。
「八景」の起源については、私の旅行記「金沢八景の由来・近江八景との比較」
http://4travel.jp/travelogue/10750786
に書いてありまので、ご参照ください。
中国湖南省の瀟江(しょうこう)と湘江(しょうこう)と呼ばれる川が合流して洞庭湖に注ぐあたりを「瀟湘(しょうしょう)」といいます。その景勝八カ所を北宋の文人画家宋迪(そうてき)が画題として選んだことから「八景」が始まりました。
日本ではこの八景をならって、足利の末期に近江(現在の滋賀県)の琵琶湖の西南岸に「近江八景」が生まれました。これをまねて各地で八景が誕生しました。
八丈島でも、近江八景にならって慶應2年(1866年)鹿島宮司、鹿島則文が、八丈流罪中に八丈八景を選定しました。
この年、八丈実記の著者である近藤守真(富蔵)も、これに因んで女子島景色詩歌発句会を発足させ、八丈島に対する感想を詠んで競い合ました。
写真は八丈富士に雪がかかる「西山暮雪」です。
以下にそれぞれの八景に、瀟湘八景、近江八景、金沢八景に対比した名称を参考のために付記しました。
- 同行者
- その他
- 交通手段
- ANAグループ 自家用車 徒歩
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八丈島歴史民俗資料館にあった「八丈八景について」の説明板です。
八丈八景は、近江八景にならって、慶應2年(1866年)鹿島宮司、鹿島則文が、八丈流罪中に選定したものです。
八丈八景が選定された年、八丈実記の著者である近藤守真(富蔵)は、これに因んで女子島景色詩歌発句会を発足させています。
この会のメンバーはおよそ48名で、八丈島に対する感想を詠んで競い合ました。
その半数以上は流人ですが、遺作は望郷の詩歌ではなく、八丈島の自然を讃美したものがほとんどです。
と書いてあります。 -
まず、江戸時代の地図に、八丈八景の場所を落としてみましょう。
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前崎(八重根)晴嵐(まえざきせいらん)
嵐吹く八重根が崎にうら枯て のこるあしまに千鳥なくなり 釈堯海
瀟湘八景=山市晴嵐、近江八景=粟津晴嵐 、金沢八景=洲崎晴嵐 -
八重根の浜は、現在の八重根漁港から旧八重根港あたりの一帯をさします。
昔は、この海岸全体が老松に覆われていました。 -
2012年1月の八重根漁港
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大里晩鐘(おおざとばんしょう)
夕暮の秋のあわれにそいてまた 入相つくるおほさとのかね 蜂須賀文敏
瀟湘=烟寺晩鐘、近江=三井晩鐘、金沢=称名晩鐘 -
大里は、大賀郷の大字(おおあざ)で、室町時代から陣屋がおかれ政治の中心地でした。かつては、ここに宗福寺や長楽がありまあしました。
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2012年1月、元宗福寺跡
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尾端夜雨(おばたやう)
降る雨に尾端の庵の松の声 添えておぼろに霞む花かな 釈空阿
瀟湘=瀟湘夜雨、近江=唐崎夜雨 、金沢=小泉夜雨 -
三根鴫山(しぎやま)の尾端に観音堂があります。
創始はいつの頃か不明ですが、信者たちは毎年(旧7月17日)に参籠して祈願します。 -
2012年1月、三根小学校屋上の屋根の上と、観音堂です。
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神港帰帆(かみなときはん)
神港に寄せ来る波mの立ち返る 舟をうれしと言はぬ人なし 塙(鹿島)則文
瀟湘=遠浦帰帆、近江=矢橋帰帆、金沢=乙舳帰帆 -
神港は三根にある良港で、神湊とも書きます。八丈島の難風である西風をさえぎるところにあるにで、島第一の良港とされていました。
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2011年12月の神湊港。
沖に見えるのは御蔵島で、その左部分は三宅島です。 -
名古秋月(なごしゅうげつ)
秋ふけて人め枯れゆく名古の浦 月よりほかに訪ふ人もなし 近藤守真
瀟湘=洞庭秋月、近江=石山秋月、金沢=瀬戸秋月 -
名古は洞輪沢一帯をいいます。
名古に滝があり、清水がこんこんと流れる風光佳絶、俗塵を洗う仙郷ともいうべきところです。 -
2012年1月、洞輪沢に降りて行く都道の途中です。
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藍ヶ江落雁(あゆがえらくがん)
藍ヶ江の磯辺に落つる雁がねは などて都を捨てて来ぬらん 飯島忠享
瀟湘=平沙落雁、近江=堅田落雁 、金沢=平潟落雁 -
中之郷にある藍ヶ江は、名前のごとく群青の海水をたたえる天然の良港で、詩情が湧くところです。
かつて近くには水田が広がっていました。 -
現在の藍ヶ江港です。
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大坂夕照(おおさかせきしょう)
大坂の木々は夕日にもみじして 照り添ふかげに青葉だになし 釈泰運
瀟湘=漁村夕照、近江=瀬田夕照、金沢=野島夕照 -
大賀郷と樫立の間は、現在二つの橋とトンネルで、結ばれていますが、20世紀初めにトンネルが開通するまでは、険しい山道でした。
八丈小島を背景に眺める夕焼けはまさに絶景です。 -
2010年12月、横間洞門の下に、陸橋の下で撮影した夕照
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西山暮雪(にしやまぼせつ)
西山の峯にはわけて夕暮れの 入日の影に匂う白雪 釈俊童
瀟湘八景=江天暮雪、近江八景=比良暮雪、金沢八景=内川暮雪 -
西山は、その姿が秀麗で富士山にてているところから、八丈富士と呼ばれています。
標高854.3メートルで、温暖な島にもときに降雪がり、雲が去った後、夕日にうっすら山頂が姿を現します。 -
2006年2月に撮影した、雪化粧した八丈富士
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