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山あいに 石畳の一本道のび、 軒先に 昔の屋号札ならぶ…<br /><br />静岡市内、国道1号線のバス停に降りて 10分後には、ゆかしい街道風情に 包みこまれて。<br /><br />宇津ノ谷は、その昔の“間の宿”。 …聞きなれないが、東海道では53を数えた宿場町の、その宿と宿の間にある集落が そう呼ばれたという。茶屋の数は多く、休息地として賑い“茶屋宿”とも。旅籠を有する宿場町の役割を、簡易というかコンパクトにした、そんな場所だったという。<br /><br />豊臣秀吉が、小田原城攻めの折に立ち寄ったという地でもあり。そんな歴史を紐解ける、“ お羽織屋 ”も見学。秀吉が献上したという陣羽織を前に、おばぁさんの解説が嬉しく、ほんわか ひと時。<br /><br />また、室町時代から伝わる 宇津ノ谷 名物・“ 十団子 ”(魔除けの縁起物)が、集落にあるお寺の縁日で売られる、ちょうど年に一度の日で。良いタイミングでの 訪問となった。<br /><br />肩を寄せ合う家々と 石畳の古道は、集落の途中から 坂段に。見下ろす街道風景もまた、格別。<br /><br />そして、谷に吹きぬける緑の匂いと、包む静けさがココロを ほぐしてくれて。<br /><br />とある本で 宇津ノ谷は、【 いくつものタイムトンネル 】という、浪漫薫る タイトルでも紹介されていた。<br /><br />交通の要衝であることに 変わりはなく、明治から平成まで、各時代に造られたトンネルが 地区を貫く。明治のトンネルは、レンガ壁に暖色のランプの灯りが反射し、荘厳な空気に包まれていて。<br /><br />そんな、小さくも奥深い 昔町を歩き終えて食した、静岡おでんとビールも たまらなく、旅をしている幸せを かみしめたのであった〜

にっぽん ・ 古の旅人が息をついた、東海道の小さなオアシス 【 静岡県 宇津ノ谷 】

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2013/08/25 - 2013/08/25

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tokotoko

tokotokoさん

山あいに 石畳の一本道のび、 軒先に 昔の屋号札ならぶ…

静岡市内、国道1号線のバス停に降りて 10分後には、ゆかしい街道風情に 包みこまれて。

宇津ノ谷は、その昔の“間の宿”。 …聞きなれないが、東海道では53を数えた宿場町の、その宿と宿の間にある集落が そう呼ばれたという。茶屋の数は多く、休息地として賑い“茶屋宿”とも。旅籠を有する宿場町の役割を、簡易というかコンパクトにした、そんな場所だったという。

豊臣秀吉が、小田原城攻めの折に立ち寄ったという地でもあり。そんな歴史を紐解ける、“ お羽織屋 ”も見学。秀吉が献上したという陣羽織を前に、おばぁさんの解説が嬉しく、ほんわか ひと時。

また、室町時代から伝わる 宇津ノ谷 名物・“ 十団子 ”(魔除けの縁起物)が、集落にあるお寺の縁日で売られる、ちょうど年に一度の日で。良いタイミングでの 訪問となった。

肩を寄せ合う家々と 石畳の古道は、集落の途中から 坂段に。見下ろす街道風景もまた、格別。

そして、谷に吹きぬける緑の匂いと、包む静けさがココロを ほぐしてくれて。

とある本で 宇津ノ谷は、【 いくつものタイムトンネル 】という、浪漫薫る タイトルでも紹介されていた。

交通の要衝であることに 変わりはなく、明治から平成まで、各時代に造られたトンネルが 地区を貫く。明治のトンネルは、レンガ壁に暖色のランプの灯りが反射し、荘厳な空気に包まれていて。

そんな、小さくも奥深い 昔町を歩き終えて食した、静岡おでんとビールも たまらなく、旅をしている幸せを かみしめたのであった〜

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
交通
5.0
同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス JRローカル 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • JR静岡駅 ・ バスターミナル<br /><br /><br />宇津ノ谷は、静岡市に属するそうだ。<br />静岡駅から、 藤枝駅行き(中部国道線)のバスに乗りこむ。<br />日常の車内に、非日常は私くらいの様子。<br /><br />山あいに ひっそりと…そんな集落のイメージがあるから、<br />こんな都会のターミナルから出るバスで、辿り着くのがピンと来ない… <br />えらい長時間バスに乗ることになるのかな… <br />小銭 用意しとかなきゃ…<br />……<br />なんて 入りまじる思いを乗せて、バスは賑わうターミナルを出発。

    JR静岡駅 ・ バスターミナル


    宇津ノ谷は、静岡市に属するそうだ。
    静岡駅から、 藤枝駅行き(中部国道線)のバスに乗りこむ。
    日常の車内に、非日常は私くらいの様子。

    山あいに ひっそりと…そんな集落のイメージがあるから、
    こんな都会のターミナルから出るバスで、辿り着くのがピンと来ない…
    えらい長時間バスに乗ることになるのかな… 
    小銭 用意しとかなきゃ…
    ……
    なんて 入りまじる思いを乗せて、バスは賑わうターミナルを出発。

  • 丸子 ・ 天柱山吐月峰柴屋寺<br /><br /><br />大きな安倍川を渡り、バスに揺られること25分。山々が すぐそこに見えてきた、丸子地区で途中下車。<br /><br />丸子(まりこ)は、日本橋より東海道46里、ちょうど20番目の宿場<br />として栄えたというところ。 <br /><br />時間上、松尾芭蕉に詠まれたことでも 知られる、丸子宿名物・とろろ汁は 泣くなく次回の楽しみにするとして、 今回は脇道に ひっそり建つ、読むのに一苦労な;、“竹の寺”へ。

    丸子 ・ 天柱山吐月峰柴屋寺


    大きな安倍川を渡り、バスに揺られること25分。山々が すぐそこに見えてきた、丸子地区で途中下車。

    丸子(まりこ)は、日本橋より東海道46里、ちょうど20番目の宿場
    として栄えたというところ。

    時間上、松尾芭蕉に詠まれたことでも 知られる、丸子宿名物・とろろ汁は 泣くなく次回の楽しみにするとして、 今回は脇道に ひっそり建つ、読むのに一苦労な;、“竹の寺”へ。

  • 丸子 (静岡市 駿河区)・ 国指定の名勝・史跡<br /><br />吐月峰柴屋寺 “とげっぽうさいおくじ”<br /><br />古くから、月見の名所でもある 臨済宗のお寺。竹林の間から月が、吐きだされるように昇り現れる様子から、“月を吐く”→【 吐月峰 】 と名付けられたのだとか。<br /><br />またの名を、“竹の寺”。そんな竹林は、京都・嵯峨野の竹をもってきて、植えたものなんだそう。

    丸子 (静岡市 駿河区)・ 国指定の名勝・史跡

    吐月峰柴屋寺 “とげっぽうさいおくじ”

    古くから、月見の名所でもある 臨済宗のお寺。竹林の間から月が、吐きだされるように昇り現れる様子から、“月を吐く”→【 吐月峰 】 と名付けられたのだとか。

    またの名を、“竹の寺”。そんな竹林は、京都・嵯峨野の竹をもってきて、植えたものなんだそう。

  • 天柱山吐月峰柴屋寺 ・ 丸子<br /><br /><br />そんな緑したたる お寺の本堂には、<br /><br />足利義政から拝領したという 文福茶釜 や、

    天柱山吐月峰柴屋寺 ・ 丸子


    そんな緑したたる お寺の本堂には、

    足利義政から拝領したという 文福茶釜 や、

  • 天柱山吐月峰柴屋寺<br /><br /><br />一休さんから賜った 鉄鉢 など、寺宝も豊富で。<br /><br />そんな内部は、おじぃさんが丁寧に解説くださった。

    天柱山吐月峰柴屋寺


    一休さんから賜った 鉄鉢 など、寺宝も豊富で。

    そんな内部は、おじぃさんが丁寧に解説くださった。

  • 天柱山吐月峰柴屋寺<br /><br /><br />さらに、本堂を包むように 美しき風雅な空間も。<br /><br />駿河今川氏の第六代・七代当主に仕えた、連歌師の宗長(れんがし そうちょう)が<br />京都銀閣寺を 模して築いたという庭園。<br /><br />その宗長は、心に留めるべく (特に私は;)有名な ことわざ、「急がば回れ」 の語源となる歌も残したという偉人。室町期における連歌の第一人者・宗祇を師とし、各地を旅した宗長。 その中で、“急ぎの時は、琵琶湖を横断する海路より、瀬田の橋を回ったほうが確実でいい” という意味の歌を うたった。<br /><br />また宗祇は、美濃国郡上にて古今伝授を受け、古典にも通じたとのこと。そういえば、郡上八幡には“宗祇水”という名水スポットがあった… なるほど〜 旅の記憶が ひとつ繋がった〜

    天柱山吐月峰柴屋寺


    さらに、本堂を包むように 美しき風雅な空間も。

    駿河今川氏の第六代・七代当主に仕えた、連歌師の宗長(れんがし そうちょう)が
    京都銀閣寺を 模して築いたという庭園。

    その宗長は、心に留めるべく (特に私は;)有名な ことわざ、「急がば回れ」 の語源となる歌も残したという偉人。室町期における連歌の第一人者・宗祇を師とし、各地を旅した宗長。 その中で、“急ぎの時は、琵琶湖を横断する海路より、瀬田の橋を回ったほうが確実でいい” という意味の歌を うたった。

    また宗祇は、美濃国郡上にて古今伝授を受け、古典にも通じたとのこと。そういえば、郡上八幡には“宗祇水”という名水スポットがあった… なるほど〜 旅の記憶が ひとつ繋がった〜

  • 天柱山吐月峰柴屋寺<br /><br /><br />全国屈指の山城・丸子城 城内に位置する このお寺。<br /><br />天柱山や、遠く丸子富士なども利用した借景庭園が 目を惹く。<br /><br />庵の前庭には、北斗七星を模して池に配置した “七曜石”や、宗長が<br />月の昇る様子を座って待ち眺めたという、“月見石”があったり。<br /><br />星に月…と、なんともスケールの大きい、風流なお庭に 心和む ひと時。

    天柱山吐月峰柴屋寺


    全国屈指の山城・丸子城 城内に位置する このお寺。

    天柱山や、遠く丸子富士なども利用した借景庭園が 目を惹く。

    庵の前庭には、北斗七星を模して池に配置した “七曜石”や、宗長が
    月の昇る様子を座って待ち眺めたという、“月見石”があったり。

    星に月…と、なんともスケールの大きい、風流なお庭に 心和む ひと時。

  • 天柱山吐月峰柴屋寺<br /><br /><br />まだもう少し佇んていたい…、という心地に ムチ打ち;、<br />当初の目的地・宇津ノ谷へ。<br /><br />足となる中部国道線のバスは、1時間に3本はあるから、効率良く 巡れた。

    天柱山吐月峰柴屋寺


    まだもう少し佇んていたい…、という心地に ムチ打ち;、
    当初の目的地・宇津ノ谷へ。

    足となる中部国道線のバスは、1時間に3本はあるから、効率良く 巡れた。

  • 宇津ノ谷 入口<br /><br /><br />丸子より 再びバスで5分ほど、宇津ノ谷入口で下車。<br /><br />国道1号線に架かる 長い歩道橋を まず渡る。すぐ側にトンネル(昭和・平成のトンネル)が見える。そこは大動脈、トラックなどが けたたましい音を響かせ、終始 行き交う。<br /><br />その光景を目の当たりにし、<br />こんなエリアに、期待する素朴で、古い町並みは 本当にあるのだろうか… <br />山の中へと けっこう歩くことになるのかな…<br />……<br />と、またまた 入りまじる疑心を抱きつつ;、脇道を進む。<br /><br />途中、道産子には新鮮な、竹林ひろがる光景に出会い、足取りは ちくと軽やかに。

    宇津ノ谷 入口


    丸子より 再びバスで5分ほど、宇津ノ谷入口で下車。

    国道1号線に架かる 長い歩道橋を まず渡る。すぐ側にトンネル(昭和・平成のトンネル)が見える。そこは大動脈、トラックなどが けたたましい音を響かせ、終始 行き交う。

    その光景を目の当たりにし、
    こんなエリアに、期待する素朴で、古い町並みは 本当にあるのだろうか…
    山の中へと けっこう歩くことになるのかな…
    ……
    と、またまた 入りまじる疑心を抱きつつ;、脇道を進む。

    途中、道産子には新鮮な、竹林ひろがる光景に出会い、足取りは ちくと軽やかに。

  • 宇津ノ谷 入口 ・ 静岡市駿河区<br /><br /><br />カーブ描く 山あいの道を 歩いていく。気づけば、辺りは静かな空気に。

    宇津ノ谷 入口 ・ 静岡市駿河区


    カーブ描く 山あいの道を 歩いていく。気づけば、辺りは静かな空気に。

  • 宇津ノ谷集落 (うつのや)<br /><br /><br />バス停から歩くこと10分弱。いよいよ、というか 意外と すぐに<br /><br />宇津ノ谷集落に到達! 先に抱いた疑心は、またまた杞憂に終わったのだった・・;<br /><br />入口には、宇津ノ谷道標と 案内マップがあり。

    宇津ノ谷集落 (うつのや)


    バス停から歩くこと10分弱。いよいよ、というか 意外と すぐに

    宇津ノ谷集落に到達! 先に抱いた疑心は、またまた杞憂に終わったのだった・・;

    入口には、宇津ノ谷道標と 案内マップがあり。

  • 宇津ノ谷 ・ 間(あい)の宿<br /><br /><br />集落マップ。東海道、二十宿・丸子と、二十一宿・岡部の間に位置する、間の宿 宇津ノ谷。 日本橋からは、185kmほどの距離。<br /><br />小さな集落の先(マップ右上)は、江戸時代に活躍した山道・宇津ノ谷峠へと続く。<br /><br />宇津ノ谷は、その難所の中腹に位置し、束の間の休息地として 茶屋などが建ち並び、旅人たちで大いに賑わったという。

    宇津ノ谷 ・ 間(あい)の宿


    集落マップ。東海道、二十宿・丸子と、二十一宿・岡部の間に位置する、間の宿 宇津ノ谷。 日本橋からは、185kmほどの距離。

    小さな集落の先(マップ右上)は、江戸時代に活躍した山道・宇津ノ谷峠へと続く。

    宇津ノ谷は、その難所の中腹に位置し、束の間の休息地として 茶屋などが建ち並び、旅人たちで大いに賑わったという。

    道の駅 宇津ノ谷峠 下り 道の駅

  • 宇津ノ谷 ・ 間の宿<br /><br /><br />西に向かって 上り坂の 旧東海道。その一本道の両側に、戸数40戸ほどの<br />古い家並みが続く。 売店や商店の類は なさそう。 <br /><br />江戸後期から、明治にかけての建物が 多いという。しっとりとした、板張りの壁が特徴。<br /><br />1660年頃には、茅葺きの家が40〜50軒あった、という記録が残るのだそう。

    宇津ノ谷 ・ 間の宿


    西に向かって 上り坂の 旧東海道。その一本道の両側に、戸数40戸ほどの
    古い家並みが続く。 売店や商店の類は なさそう。

    江戸後期から、明治にかけての建物が 多いという。しっとりとした、板張りの壁が特徴。

    1660年頃には、茅葺きの家が40〜50軒あった、という記録が残るのだそう。

  • お羽織屋<br /><br />まずさっそく、集落内で おそらく唯一、内部を開放する建物へ。<br /><br />そこは、天正18年(1590)に豊臣秀吉が小田原城攻めの際、<br />馬の沓を取り替えるために 寄ったという茶屋。<br /><br />でも、“ 御羽織屋 ” という名の屋号が 掲げられていて…

    お羽織屋

    まずさっそく、集落内で おそらく唯一、内部を開放する建物へ。

    そこは、天正18年(1590)に豊臣秀吉が小田原城攻めの際、
    馬の沓を取り替えるために 寄ったという茶屋。

    でも、“ 御羽織屋 ” という名の屋号が 掲げられていて…

    お羽織屋 美術館・博物館

  • お羽織屋<br /><br /><br />入り口に佇むも、中に人の姿みえず、しばらく気付かれず・・;<br /><br />すると、おばぁさんが ゆるゆるとやって来て、裏手へ回るようにと<br />案内くださった。

    お羽織屋


    入り口に佇むも、中に人の姿みえず、しばらく気付かれず・・;

    すると、おばぁさんが ゆるゆるとやって来て、裏手へ回るようにと
    案内くださった。

    お羽織屋 美術館・博物館

  • お羽織屋 ・ “豊臣秀吉の陣羽織”<br /><br /><br />ここには、400年前の陣羽織 が残る。<br />それは秀吉公を喜ばせた、往時の主人の機転がその所以。<br /><br />馬の替えの沓を差し出した際、先祖の主人・石川忠左衛門が三脚分だけ渡したという。“四”は死に通ず、というその訳はあえて言わず、その三脚は道中安全・残る一脚分でお戦のご勝利を祈るつもりでございます、とだけ申し上げたのだそう。<br /><br />さらに、あれなる山の名は?との問い掛けには、あれは“勝山”、その大木は“勝の木”と申します、と機転を利かせ答え、秀吉は それはめでたいと喜び、機嫌よく出発したという。<br /><br />そう、おばぁさんがハキハキ滑らかな語り口で。暑い室内、親切に差し出して下さった、団扇で あおぎながら そのお話に聞き入った。<br /><br />戦勝からの帰路、再び立ち寄った秀吉は、褒美として着用していた陣羽織を献上したのだそう。これにより、屋号は “ 御羽織屋 ”に。

    お羽織屋 ・ “豊臣秀吉の陣羽織”


    ここには、400年前の陣羽織 が残る。
    それは秀吉公を喜ばせた、往時の主人の機転がその所以。

    馬の替えの沓を差し出した際、先祖の主人・石川忠左衛門が三脚分だけ渡したという。“四”は死に通ず、というその訳はあえて言わず、その三脚は道中安全・残る一脚分でお戦のご勝利を祈るつもりでございます、とだけ申し上げたのだそう。

    さらに、あれなる山の名は?との問い掛けには、あれは“勝山”、その大木は“勝の木”と申します、と機転を利かせ答え、秀吉は それはめでたいと喜び、機嫌よく出発したという。

    そう、おばぁさんがハキハキ滑らかな語り口で。暑い室内、親切に差し出して下さった、団扇で あおぎながら そのお話に聞き入った。

    戦勝からの帰路、再び立ち寄った秀吉は、褒美として着用していた陣羽織を献上したのだそう。これにより、屋号は “ 御羽織屋 ”に。

    お羽織屋 美術館・博物館

  • お羽織屋<br /><br /><br />天下人の陣羽織、色あせながらも 大切に保存されている。元々は白と紅色の綺麗で、たいそう派手だった、とのこと。外側は白い緞子(どんす)、中に真綿が入って裏地は絹、だそう。<br /><br />縁起の良い茶屋と知られた後は、通りがけの大名らが、天下人に あやかりたいと羽織の一部を ちぎって持ち帰ったり、手で触れたり…で、汚れて模様みたいなものが付いてしまった… という。<br /><br />のちに 徳川家康もこの陣羽織を見て、記念に贈ったという茶碗も 見学できて。

    お羽織屋


    天下人の陣羽織、色あせながらも 大切に保存されている。元々は白と紅色の綺麗で、たいそう派手だった、とのこと。外側は白い緞子(どんす)、中に真綿が入って裏地は絹、だそう。

    縁起の良い茶屋と知られた後は、通りがけの大名らが、天下人に あやかりたいと羽織の一部を ちぎって持ち帰ったり、手で触れたり…で、汚れて模様みたいなものが付いてしまった… という。

    のちに 徳川家康もこの陣羽織を見て、記念に贈ったという茶碗も 見学できて。

    お羽織屋 美術館・博物館

  • 宇津ノ谷 ・ 静岡市駿河区<br /><br /><br />お羽織屋を後にし、再び探索。<br /><br />古道を進みながら、時代を さかのぼる。往時の光景を、その賑いを想像したりして。<br /><br />ん〜 求めていた素朴な空間、穏やかな時間、心にしみる景観〜

    宇津ノ谷 ・ 静岡市駿河区


    お羽織屋を後にし、再び探索。

    古道を進みながら、時代を さかのぼる。往時の光景を、その賑いを想像したりして。

    ん〜 求めていた素朴な空間、穏やかな時間、心にしみる景観〜

  • 宇津ノ谷<br /><br /><br />“間の宿” の歴史を、無言で語るものが こんなところにも。<br /><br />軒先に、昔の屋号を書いた、木の札を吊るすお家が ほとんど。<br /><br />さらに、「車屋」、「角屋」、「伊勢屋」さん…と、<br />住民同士は今も互いを、屋号で そう呼び合っている、苗字では呼ばない。<br /><br />と、お羽織屋のおばぁさんが さりげなしに教えてくれた。

    宇津ノ谷


    “間の宿” の歴史を、無言で語るものが こんなところにも。

    軒先に、昔の屋号を書いた、木の札を吊るすお家が ほとんど。

    さらに、「車屋」、「角屋」、「伊勢屋」さん…と、
    住民同士は今も互いを、屋号で そう呼び合っている、苗字では呼ばない。

    と、お羽織屋のおばぁさんが さりげなしに教えてくれた。

    お羽織屋 美術館・博物館

  • 宇津ノ谷<br /><br /><br />「角屋」さんの側、集落をぬける古道は、途中から坂段に。<br /><br />その変化が、町への目線を豊かにし、何より、探訪の高揚感も ますます上昇して。<br /><br />思えば、数年前に本で見た この風景が、歩きたい欲を 掻き立てたのでした。

    宇津ノ谷


    「角屋」さんの側、集落をぬける古道は、途中から坂段に。

    その変化が、町への目線を豊かにし、何より、探訪の高揚感も ますます上昇して。

    思えば、数年前に本で見た この風景が、歩きたい欲を 掻き立てたのでした。

  • 宇津ノ谷

    宇津ノ谷

  • 宇津ノ谷<br /><br /><br />短い坂段を上りきると、集落を望む高台に。<br /><br />フゥーッと、ここで一息。山中に吹き薫る緑と、新鮮な空気を呼吸。

    宇津ノ谷


    短い坂段を上りきると、集落を望む高台に。

    フゥーッと、ここで一息。山中に吹き薫る緑と、新鮮な空気を呼吸。

  • 宇津ノ谷<br /><br /><br />肩を寄せ合う家並みが残る、静かな山里。<br /><br />国の幹線街道を抱え、多くの旅人が往来した往時と、その町並みは ほとんど変わっていないという。<br /><br />それは、かつての趣を残す場所が 少ない東海道にあって、三重の関宿や愛知の有松 と並び、貴重な光景なのだそう。

    宇津ノ谷


    肩を寄せ合う家並みが残る、静かな山里。

    国の幹線街道を抱え、多くの旅人が往来した往時と、その町並みは ほとんど変わっていないという。

    それは、かつての趣を残す場所が 少ない東海道にあって、三重の関宿や愛知の有松 と並び、貴重な光景なのだそう。

  • 宇津ノ谷<br /><br /><br />集落を いったん後にし、

    宇津ノ谷


    集落を いったん後にし、

  • 宇津ノ谷<br /><br /><br />地区に残る歴史遺構を求めて、山中へと入っていき…<br /><br />あいにくの曇り空で、山の中に分け入ると さらに光が減り、<br /><br />人影の無さは より増して・・;

    宇津ノ谷


    地区に残る歴史遺構を求めて、山中へと入っていき…

    あいにくの曇り空で、山の中に分け入ると さらに光が減り、

    人影の無さは より増して・・;

  • 宇津ノ谷 ・ 明治のトンネル<br /><br /><br />求めたそれは、思いのほか まもなく現る。

    宇津ノ谷 ・ 明治のトンネル


    求めたそれは、思いのほか まもなく現る。

  • 宇津ノ谷 ・ 明治のトンネル<br /><br /><br />明治9年(1876)、日本最初の有料トンネルとして開通。<br /><br />東海道屈指といわれた難所、宇津ノ谷峠 を回避すべく、地元の有志が集まり結社をつくって完成。当初、大人二厘、子ども一厘の道銭を徴収したのだそう。<br /><br />国の登録有形文化財。

    宇津ノ谷 ・ 明治のトンネル


    明治9年(1876)、日本最初の有料トンネルとして開通。

    東海道屈指といわれた難所、宇津ノ谷峠 を回避すべく、地元の有志が集まり結社をつくって完成。当初、大人二厘、子ども一厘の道銭を徴収したのだそう。

    国の登録有形文化財。

    道の駅 宇津ノ谷峠 下り 道の駅

  • 宇津ノ谷 ・ 明治のトンネル<br /><br /><br />全長203メートル。 坑道内は赤レンガの内壁に、暖色のランプが煌々と灯る。そこは なんとも異空間で。ここだけ時は止まったかのように、少しひんやりした 空気だけが流れていて…

    宇津ノ谷 ・ 明治のトンネル


    全長203メートル。 坑道内は赤レンガの内壁に、暖色のランプが煌々と灯る。そこは なんとも異空間で。ここだけ時は止まったかのように、少しひんやりした 空気だけが流れていて…

  • 宇津ノ谷 ・ 明治のトンネル<br /><br /><br />と、突如 トンネルの奥から 人の姿が現れ><;<br /><br />無人をいいことに、無心でカメラに興じていたため、その突然は声が出そうになる驚き; 声を漏らしていたら 響いていただろうな…<br /><br />どうやら地元の方が、この隧道をウォーキングコース(隧道の往復)にされているようす。たしかに夏、山中といえ外界は暑いから、ここは格好の避暑コースで、熱中症の心配無用。なるほど〜<br /><br />ふと、“関門トンネル人道”(本州⇔九州の歩ける海底トンネル)の光景を思い出す。凍てつく寒さの冬、その海底空間に ヨソモノは私くらいで、ジョギング・ウォーキングスポットとして賑わっていた光景があり、それはそれで驚いたもので。<br /><br />でも、この明治のトンネルは山の中だし、ひと気は皆無だけど、古びた重厚感はありあり……、だから 違う汗も かきそうな;・・

    宇津ノ谷 ・ 明治のトンネル


    と、突如 トンネルの奥から 人の姿が現れ><;

    無人をいいことに、無心でカメラに興じていたため、その突然は声が出そうになる驚き; 声を漏らしていたら 響いていただろうな…

    どうやら地元の方が、この隧道をウォーキングコース(隧道の往復)にされているようす。たしかに夏、山中といえ外界は暑いから、ここは格好の避暑コースで、熱中症の心配無用。なるほど〜

    ふと、“関門トンネル人道”(本州⇔九州の歩ける海底トンネル)の光景を思い出す。凍てつく寒さの冬、その海底空間に ヨソモノは私くらいで、ジョギング・ウォーキングスポットとして賑わっていた光景があり、それはそれで驚いたもので。

    でも、この明治のトンネルは山の中だし、ひと気は皆無だけど、古びた重厚感はありあり……、だから 違う汗も かきそうな;・・

  • 宇津ノ谷 ・ 明治のトンネル<br /><br /><br />ランプに照らされたレンガ積み、その向こうに うっそうの緑が見えて、荘厳。<br /><br />戦時中には 防空壕として、住民の拠りどころ となったのだそう。<br /><br />そして地区には、“大正のトンネル”も残る。

    宇津ノ谷 ・ 明治のトンネル


    ランプに照らされたレンガ積み、その向こうに うっそうの緑が見えて、荘厳。

    戦時中には 防空壕として、住民の拠りどころ となったのだそう。

    そして地区には、“大正のトンネル”も残る。

  • 宇津ノ谷<br /><br /><br />涼めたトンネルから、再び集落へ。<br /><br />古の旅人にとって、峠を越えた ・ これから峠…という、安堵と覚悟とが入り交じり、ざわめく心を一先ず静める、そんな場所だったのだろうな。<br /><br />町歩きの最後に、写真の左手にみえる “ 慶龍寺 ”へ。

    宇津ノ谷


    涼めたトンネルから、再び集落へ。

    古の旅人にとって、峠を越えた ・ これから峠…という、安堵と覚悟とが入り交じり、ざわめく心を一先ず静める、そんな場所だったのだろうな。

    町歩きの最後に、写真の左手にみえる “ 慶龍寺 ”へ。

  • 宇津ノ谷<br /><br /><br />お目当ての慶龍寺へは、旧東海道から、集落の裏手へと 延びる路地を入っていく。

    宇津ノ谷


    お目当ての慶龍寺へは、旧東海道から、集落の裏手へと 延びる路地を入っていく。

  • 宇津ノ谷<br /><br /><br />慶龍寺への 狭い路地

    宇津ノ谷


    慶龍寺への 狭い路地

  • 慶龍寺<br /><br /><br />丸子川に架かる、小さな赤い橋を渡ると <br />曹洞宗のお寺に つき当たる。<br /><br />何やら、人影みえない旧東海道より、裏手の この慶龍寺のほうが<br />人の姿・人の出入りが なぜだか多く… <br /><br />それもそのはず、今日は年に一度という、8月 法令「施餓鬼(せがき)」の日で。

    慶龍寺


    丸子川に架かる、小さな赤い橋を渡ると
    曹洞宗のお寺に つき当たる。

    何やら、人影みえない旧東海道より、裏手の この慶龍寺のほうが
    人の姿・人の出入りが なぜだか多く…

    それもそのはず、今日は年に一度という、8月 法令「施餓鬼(せがき)」の日で。

  • 宇津ノ谷<br /><br /><br />“ 十団子 ”(とうだんご) で知られるという、慶龍寺。<br /><br />その昔、宇津ノ谷峠には人食い鬼が出るという、言い伝えが。困っていた旅人達の前に現れたのは、旅僧に化身したお地蔵様。怖い鬼を物ともせず、十の玉にして飲み込んで見事に退治。<br /><br />それから 村人たちは、玉をかたどった十個の小さな団子を 作り鬼を供養し、また魔除けとして、“十団子”を作るようになったという。そして、この慶龍寺に祀られているのが、「峠の地蔵」と呼ばれる そのお地蔵様。

    宇津ノ谷


    “ 十団子 ”(とうだんご) で知られるという、慶龍寺。

    その昔、宇津ノ谷峠には人食い鬼が出るという、言い伝えが。困っていた旅人達の前に現れたのは、旅僧に化身したお地蔵様。怖い鬼を物ともせず、十の玉にして飲み込んで見事に退治。

    それから 村人たちは、玉をかたどった十個の小さな団子を 作り鬼を供養し、また魔除けとして、“十団子”を作るようになったという。そして、この慶龍寺に祀られているのが、「峠の地蔵」と呼ばれる そのお地蔵様。

  • 慶龍寺<br /><br /><br />室町時代から伝わるという 魔除け、“十団子”。写真の吊るされたのが それで、小豆粒ほどの団子10粒に糸を通して、9本束にしたもの。<br /><br />訪ねたこの日は 年に一度、伝説に あやかった その“十団子”を、境内の縁日で購入できる日。思いもかけない、タイミングの良さ。<br /><br />宇津ノ谷の民家の玄関先に注目すると、もれなく“ 十団子 ”が なんとも可愛らしく ぶらさがっていて… 住民の ならわしになっているそう。<br /><br />そして可愛らしいそれは、遠い北国の我が家の玄関先にも。

    慶龍寺


    室町時代から伝わるという 魔除け、“十団子”。写真の吊るされたのが それで、小豆粒ほどの団子10粒に糸を通して、9本束にしたもの。

    訪ねたこの日は 年に一度、伝説に あやかった その“十団子”を、境内の縁日で購入できる日。思いもかけない、タイミングの良さ。

    宇津ノ谷の民家の玄関先に注目すると、もれなく“ 十団子 ”が なんとも可愛らしく ぶらさがっていて… 住民の ならわしになっているそう。

    そして可愛らしいそれは、遠い北国の我が家の玄関先にも。

  • 宇津ノ谷<br /><br />“十団子”を大事にリュックに詰めて、集落を後に。<br /><br />気づけば、観光地化し過ぎていないのが逆に良くて、すっかり長居。<br /><br />散策の途中に、立ち止まり耳をすますと、古道の向こうから 住人の話し声が聞こえてきた。といっても辺りが静かだから、耳をすませずとも…。まだ夏休み、子どもの元気な声も響く。そんな散策のBGMが、穏やかで心地良くて。<br /><br />また、歴史深い 石畳の道は整備・清掃が行き届いていて、道ばた に目をやると、しゃんとした花の彩りも豊かで…。住民の愛着の深さまで、ひし と伝わってくる空間でした。どうも、おじゃましました(_ _)

    宇津ノ谷

    “十団子”を大事にリュックに詰めて、集落を後に。

    気づけば、観光地化し過ぎていないのが逆に良くて、すっかり長居。

    散策の途中に、立ち止まり耳をすますと、古道の向こうから 住人の話し声が聞こえてきた。といっても辺りが静かだから、耳をすませずとも…。まだ夏休み、子どもの元気な声も響く。そんな散策のBGMが、穏やかで心地良くて。

    また、歴史深い 石畳の道は整備・清掃が行き届いていて、道ばた に目をやると、しゃんとした花の彩りも豊かで…。住民の愛着の深さまで、ひし と伝わってくる空間でした。どうも、おじゃましました(_ _)

  • 富士宮やきそば<br /><br /><br />古い町並み、からのB級グルメ!<br /><br />静岡おでん や、富士宮やきそば で腹ごしらえ。<br /><br />イワシの削り節が ちらされた、ホカホカを パクつく口福。<br /><br />コシのある食感も たまらなく〜<br /><br /><br />魅了して やまない静岡〜

    富士宮やきそば


    古い町並み、からのB級グルメ!

    静岡おでん や、富士宮やきそば で腹ごしらえ。

    イワシの削り節が ちらされた、ホカホカを パクつく口福。

    コシのある食感も たまらなく〜


    魅了して やまない静岡〜

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この旅行記へのコメント (4)

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  • pedaruさん 2014/02/07 04:46:39
    地味な
    tokotokoさん お早うございます。

    またまたいいとこ行きましたね。東海道の宿場町といえば、皆近代化されて、往時の面影は想像するより他はないと思っていました。このコメントもイメージでしかないのですが・・・

    この宇津ノ谷はいいですね〜 地味なところがいいですよ〜 tokotokoさんの旅行記を見るたびに行きたい所リストが増えてきます。

    ところで写真で見る限り、石畳の道は近年敷かれたものではありませんか?
    道まで古を求めるのは贅沢すぎるというものですが・・・

    pedaru

    tokotoko

    tokotokoさん からの返信 2014/02/11 14:23:47
    RE: 石畳の道は…
    pedaruさん こんにちは。

    石畳の道はそうですね、そこだけ地味ではなく…;。歩きやすかったですが〜。家並みの雰囲気に合わせて、色がもう少し単一ならば なお良かったという印象です。と、ヨソ者が欲張り過ぎですね; 残っているだけで、ありがたく。また、国道からは遠く 喧騒も届いてこない、静寂なロケーションは抜群でした。

    遺構保存の話ですが、おっしゃる通り、失くしてから気付いても 遅いですよね。本物・真正性が ことさら大事なもので。悔いだけを残さないよう、正しい価値認識を図って欲しいものですね。コメントありがとうございます! tokotoko
  • こあひるさん 2014/02/04 22:25:02
    こんなところが身近に・・・
    tokotokoさん、こんばんは〜。

    バスでわずか30分足らずの所にこんな小さな宿場町があるなんて・・・よく見つけましたねぇ・・・。

    家並みも、石畳も・・・とってもよい雰囲気で、観光客もあまり見られないところもいいですね〜。

    こあひる

    tokotoko

    tokotokoさん からの返信 2014/02/07 01:02:45
    RE: 素朴な町で…
    こあひるさん、 こんばんは。
    コメントありがとうございます。

    観光地としての宿場町は、バイパスの中山道ばかりに目が行きがちでしたが、意外や意外の静岡市内に、更には 想像以上に良い雰囲気で留めていました〜。

    といっても、町並み・見学施設ともにボリューム少々…。その何気なさ・素朴さ みたいものに、逆に恍惚として(近頃、その嗜好に拍車かかる一方です;)。観光客は私以外に、1、2組ほどでしたからね〜。

    地味な記事をご覧くださり、恐縮です。同じ宿場町では、宮城県の七ヶ宿も気になっているところです(これまた地味!?、ですね・・;)。

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