サント・ドミンゴ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
事務所に着いた私は、赴任の挨拶と手続きを済ませ、<br />本日の泊まるホテルへ向かった。<br />ホテル住まいは、自分が住む家が決まるまでの間の一週間から<br />二週間位と言われた。<br />ホテルの料金は、自腹である。<br />ホテルに着き、部屋に案内され、荷物を整理した。<br />これからは、数日後に派遣先事務所に、挨拶に行く以外は、<br />自分の住む家を探すだけの日々となる。<br />その間、私は、この街を見て歩こうと思った。<br /><br />次の日は、暇を持て余しホテルの周りを歩いてみた。<br />ホテルの近くに、大きなスポーツ公園や大学や銀行などがあり、<br />その近くに観光のお土産店が、軒を並べていた。<br /> 私は昼頃、お土産店を覗いて見ようと思い、ホテルから<br />五分ほど歩いて行ってみると、どの店も閉まっているのである。<br />シエスタ(昼休み)で閉まっているのである。<br />シエスタに付いては、ヨーロッパに観光旅行したとき、<br />ローマで同じ経験をした事があった。<br />日本での習慣が抜けない私は、日本的感覚で行動していたのである。<br />私はすごすごとホテルの部屋に戻り、四時頃、再びお土産店に向かった。<br />お土産店は開いていた、店に入って色々見ていると、<br />そこの店員が話しかけてきた。<br />「Chino(中国人)か?」と、私は「Japones(日本人)」だと答えた。<br />それから色々話をした、話といっても英語とスペイン語の<br />チャンポンで、どちらの英語も、あまりあてにならない状況である。<br />ましてや、私のスペイン語は単語を数える程しか話せない状態である。<br />私のスペイン語は単語と単語をつなぎ合わせるだけであり<br />覚えている単語の種類も少ないから、辞書を持ち歩いていた。<br />私はホテルに泊まっている間、毎日ように午前と午後に、<br />そのお土産店へ行って、店員の二人と話をした。<br />私は何事にもそうであるが、覚える為には勉強も必要であるが<br />言葉に関しては慣れろ主義であり、技術屋なので口下手な部分が<br />あったが、慣れるためには積極的に行動するタイプである。<br />だが、ここは途上国であるから危険性も高い事は分かっていたが<br />小さい頃、私は貧乏だったので、危険を多少察知する感覚が<br />あったのかも知れない。<br />店員の一人はNANDO(ナンド)と言い、夜大学で学んでいる。<br />ナンドの行っている大学は、アメリカ大陸で最初に出来た大学である。<br />こちらの人たちは、働きながら大学に行くのは、当たり前であり、<br />学ぶという事に、エリート意識を持ち、自分がより良い職に<br />就くためのステップであるようだ。<br />ナンドは、映画のドクトルジバゴに出てくる主演の男優<br />(オマル・シャリーフ)に似ている、彼を黒くした顔立ちである。<br />もう一人はJhose(ホセ)と言う、この店の店長である。<br />ホセは金銭面でしっかりしている男である、<br />個人的にも金貸しもしている。<br />彼の仕入をしているのを何回か見たが、商品を売り込みに来た者には、<br />徹底的に叩いて買う。<br />その品物が店頭で売る時は、仕入れ価格の五十倍以上の<br />価格が付く物もある。<br />値札に仕入れた価格を記号化して書いていた。<br />記号は私と親しくなって行く事でホセが、私に教えてくれていたので、<br />どの位上乗せして販売しているか分かっていたので、<br />私が買う時は、徹底的に値切って購入した。<br />そんな時はホセもあきらめて売ってくれたが、<br />外国人観光客が買って行った時は、私はかわいそうな気がした。<br />ただ私は日本人観光客の時は、多少の値切りをホセに頼んだ。<br /><br />私はナンドとよく話をする、二、三時間ぶらぶらしながら、<br />つたない英語と辞書片手のスペイン語で、色々話をしていた。<br />お土産店に行って、三日目の午前にナンドが、<br />「家に昼飯を食いに来ないか?」と言った。<br />私は即座に「行く、行く」と答えた。<br />今考えると、日本でスペイン語を習っていた時に、<br />あちらの人が最初の頃「家に来ないか」と言うのは、<br />社交辞令であり、その時は断るのが礼儀ですと<br />教えられていたのである。<br />そんなこと忘れていて、日本に居る感覚で「行く」と<br />言ってしまったのである。<br />だが、この事が私のドミニカ共和国にての、<br />生活する上で非常に良かった。<br />こちらの人はシエスタ(昼休み、平均三、四時間)で、<br />家に帰って昼食を取り、昼寝をするのが習慣になっている。<br /> ナンドとタクシーで、家へ向かう事となった私達は、<br />お土産店の前で、客待ちをしているタクシーを<br />捕まえ料金交渉を行った。<br />こちらは最初に行き先を告げてから、料金交渉が始まる。<br />こちらに住んで解った事であるが、<br />料金交渉は当たり前の事なのである。<br />日本に居た頃は、店に行くと値札が付いているし、<br />タクシーなら料金メーターによって、自動的に値段が分かり、<br />それによって支払う。<br />また、日本人は値切るとゆう事をしないが(特に関東方面の人は)、<br />こちらでは値切る事は、当たり前なのである。<br />この事は,これからの私の生活の中で、色々経験して<br />分かって行く事になる。<br /> さてタクシーとの値段交渉も終わり、タクシーに乗り<br />ナンドの家に行く、ナンドの家は店から車で<br />四十分位走った所にあった。<br />小高い丘の斜面で、開発途上の住宅街といった雰囲気の所で、<br />この国では中クラスの生活をしている感じである。<br />ナンドの家族は、父母と兄、弟の五人で、父親は会計士、<br />兄は大学生(昼間)、弟は小学生で母親は専業主婦である。<br />最初に会ったナンドの母親は、珍客に戸惑った感じで<br />私と挨拶を交わした。<br />たしかにあまり見た事がない、東洋人が訪問して<br />来たのであるから、戸惑うであろう。<br />兄と弟は興味津々のようで、私に対して良く話し掛けてきた。<br />ナンドが夕食の時などに、店に変な日本人が来る事を<br />話題にしていたのであろう、兄弟達は違和感なく受け入れていた。<br />日本人に興味があったのかも知れないが、良く話しかけて来た。<br />それよりも、私が知らない国で、三回位しか会っていないで、<br />言葉も理解出来ない状態の中、図々しくも相手の家に、<br />食事をご馳走になりに行く神経も、今、考えると<br />凄い事だと思うし、何が遭っても、おかしくない状況である。<br />日本事務所からも危険であるから、注意するように言われていたが<br />小さい頃、悪かった私であったので、人を見る面は<br />上手かったのかもしれない。<br />だが、ナンド一家との出会いは、ドミニカ共和国での<br />滞在する上で、幸運であったし、色々な面でドミニカ共和国を<br />知る事となった。<br />

海外珍滞在記2

3いいね!

1984/12/01 - 1998/03/30

72位(同エリア94件中)

0

0

Ryutaro  Shiina

Ryutaro Shiinaさん

事務所に着いた私は、赴任の挨拶と手続きを済ませ、
本日の泊まるホテルへ向かった。
ホテル住まいは、自分が住む家が決まるまでの間の一週間から
二週間位と言われた。
ホテルの料金は、自腹である。
ホテルに着き、部屋に案内され、荷物を整理した。
これからは、数日後に派遣先事務所に、挨拶に行く以外は、
自分の住む家を探すだけの日々となる。
その間、私は、この街を見て歩こうと思った。

次の日は、暇を持て余しホテルの周りを歩いてみた。
ホテルの近くに、大きなスポーツ公園や大学や銀行などがあり、
その近くに観光のお土産店が、軒を並べていた。
 私は昼頃、お土産店を覗いて見ようと思い、ホテルから
五分ほど歩いて行ってみると、どの店も閉まっているのである。
シエスタ(昼休み)で閉まっているのである。
シエスタに付いては、ヨーロッパに観光旅行したとき、
ローマで同じ経験をした事があった。
日本での習慣が抜けない私は、日本的感覚で行動していたのである。
私はすごすごとホテルの部屋に戻り、四時頃、再びお土産店に向かった。
お土産店は開いていた、店に入って色々見ていると、
そこの店員が話しかけてきた。
「Chino(中国人)か?」と、私は「Japones(日本人)」だと答えた。
それから色々話をした、話といっても英語とスペイン語の
チャンポンで、どちらの英語も、あまりあてにならない状況である。
ましてや、私のスペイン語は単語を数える程しか話せない状態である。
私のスペイン語は単語と単語をつなぎ合わせるだけであり
覚えている単語の種類も少ないから、辞書を持ち歩いていた。
私はホテルに泊まっている間、毎日ように午前と午後に、
そのお土産店へ行って、店員の二人と話をした。
私は何事にもそうであるが、覚える為には勉強も必要であるが
言葉に関しては慣れろ主義であり、技術屋なので口下手な部分が
あったが、慣れるためには積極的に行動するタイプである。
だが、ここは途上国であるから危険性も高い事は分かっていたが
小さい頃、私は貧乏だったので、危険を多少察知する感覚が
あったのかも知れない。
店員の一人はNANDO(ナンド)と言い、夜大学で学んでいる。
ナンドの行っている大学は、アメリカ大陸で最初に出来た大学である。
こちらの人たちは、働きながら大学に行くのは、当たり前であり、
学ぶという事に、エリート意識を持ち、自分がより良い職に
就くためのステップであるようだ。
ナンドは、映画のドクトルジバゴに出てくる主演の男優
(オマル・シャリーフ)に似ている、彼を黒くした顔立ちである。
もう一人はJhose(ホセ)と言う、この店の店長である。
ホセは金銭面でしっかりしている男である、
個人的にも金貸しもしている。
彼の仕入をしているのを何回か見たが、商品を売り込みに来た者には、
徹底的に叩いて買う。
その品物が店頭で売る時は、仕入れ価格の五十倍以上の
価格が付く物もある。
値札に仕入れた価格を記号化して書いていた。
記号は私と親しくなって行く事でホセが、私に教えてくれていたので、
どの位上乗せして販売しているか分かっていたので、
私が買う時は、徹底的に値切って購入した。
そんな時はホセもあきらめて売ってくれたが、
外国人観光客が買って行った時は、私はかわいそうな気がした。
ただ私は日本人観光客の時は、多少の値切りをホセに頼んだ。

私はナンドとよく話をする、二、三時間ぶらぶらしながら、
つたない英語と辞書片手のスペイン語で、色々話をしていた。
お土産店に行って、三日目の午前にナンドが、
「家に昼飯を食いに来ないか?」と言った。
私は即座に「行く、行く」と答えた。
今考えると、日本でスペイン語を習っていた時に、
あちらの人が最初の頃「家に来ないか」と言うのは、
社交辞令であり、その時は断るのが礼儀ですと
教えられていたのである。
そんなこと忘れていて、日本に居る感覚で「行く」と
言ってしまったのである。
だが、この事が私のドミニカ共和国にての、
生活する上で非常に良かった。
こちらの人はシエスタ(昼休み、平均三、四時間)で、
家に帰って昼食を取り、昼寝をするのが習慣になっている。
 ナンドとタクシーで、家へ向かう事となった私達は、
お土産店の前で、客待ちをしているタクシーを
捕まえ料金交渉を行った。
こちらは最初に行き先を告げてから、料金交渉が始まる。
こちらに住んで解った事であるが、
料金交渉は当たり前の事なのである。
日本に居た頃は、店に行くと値札が付いているし、
タクシーなら料金メーターによって、自動的に値段が分かり、
それによって支払う。
また、日本人は値切るとゆう事をしないが(特に関東方面の人は)、
こちらでは値切る事は、当たり前なのである。
この事は,これからの私の生活の中で、色々経験して
分かって行く事になる。
 さてタクシーとの値段交渉も終わり、タクシーに乗り
ナンドの家に行く、ナンドの家は店から車で
四十分位走った所にあった。
小高い丘の斜面で、開発途上の住宅街といった雰囲気の所で、
この国では中クラスの生活をしている感じである。
ナンドの家族は、父母と兄、弟の五人で、父親は会計士、
兄は大学生(昼間)、弟は小学生で母親は専業主婦である。
最初に会ったナンドの母親は、珍客に戸惑った感じで
私と挨拶を交わした。
たしかにあまり見た事がない、東洋人が訪問して
来たのであるから、戸惑うであろう。
兄と弟は興味津々のようで、私に対して良く話し掛けてきた。
ナンドが夕食の時などに、店に変な日本人が来る事を
話題にしていたのであろう、兄弟達は違和感なく受け入れていた。
日本人に興味があったのかも知れないが、良く話しかけて来た。
それよりも、私が知らない国で、三回位しか会っていないで、
言葉も理解出来ない状態の中、図々しくも相手の家に、
食事をご馳走になりに行く神経も、今、考えると
凄い事だと思うし、何が遭っても、おかしくない状況である。
日本事務所からも危険であるから、注意するように言われていたが
小さい頃、悪かった私であったので、人を見る面は
上手かったのかもしれない。
だが、ナンド一家との出会いは、ドミニカ共和国での
滞在する上で、幸運であったし、色々な面でドミニカ共和国を
知る事となった。

旅行の満足度
4.0
観光
4.5
ホテル
4.5
グルメ
4.5
ショッピング
3.5
交通
3.5

PR

この旅行記のタグ

3いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

ドミニカ共和国で使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
ドミニカ共和国最安 1,309円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

ドミニカ共和国の料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP