ベルリン西方 森と湖に囲まれた美しい町・ポツダム

2013/05/29 - 2013/05/29

ポツダムは第二次大戦の戦勝国（米、英、ソ連）がドイツの敗戦を見込んで分割統治等・戦後処理会談を行った地として知られる。
ベルリンの壊滅的破壊により会談にうってつけの場所として選ばれただけあって美しい自然に恵まれた富裕層の別荘地。
ベルリンの郊外にあり元ウィルヘルム皇太子一家が住まいしたツェツイーリエンホーフ宮殿が会場となった。
いかめしい王宮を嫌い設計されたイギリスのチューダー様式の建物は英国風の庭園や周囲の自然と一体となっていて、今や15万人の町に300万人の観光客が訪れるのだとか。
宮殿レストランでランチを摂り、修復保存された会場内を見学。
その後州都ポツダム市街の西に広がるサンスーシ公園北東部に建つロココ建築のサンスーシー宮殿の広大な庭園を散策。

エリア ポツダム(ドイツ)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 3.5
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 観光バス 徒歩
• 航空会社: JAL ルフトハンザドイツ航空
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: ANAセールス

ベルリン最西端のSバーン駅。週末は駐車場としても込み合うようだ。
バス路線よりも市電が発達しているとは。

ブランデンブルク門からUnter den Linden通を西へ走る。大きな公園を抜け、工科大学、劇場、[シャルロッテン宮殿]　などを車窓観光して
一周60分27駅の環状線を半周し一般道路にはいる。

ポツダムはベルリンの西南近郊に位置しベルリンの中心街から約26km、ベルリンからSバーン（S-Bahn、近郊列車）でも行くことができる。
ハフェル川が流れ、いくつかの互いにつながった１９の湖がある。

昔は小さな村であったが狩猟場として利用されるようになり ホーエンツォレルン家の宮殿が置かれるなどプロイセン公国の拠点の一つとして発展した。

ヨットハーバーを備えマリンスポーツ型ヨットの所有者も多い。
ベルリンから運河沿いに遊覧」観光することも可能。

1685年、フランスでルイ14世がナントの勅令（1598年に定められていた宗教寛容令）を廃止してユグノーの迫害を図ると、プロイセンはポツダム勅令（英語版）を発表した。これにより、ポツダムはヨーロッパ移民の中心地となった。フランスのユグノーの亡命者のほか、ロシア、オランダ、ボヘミアなどから、移民がやってきた。移民をひきつけたのは、勅令によるその宗教的な自由度であった。

緑多く風光明媚な高級住宅地。

ポツダムはドイツ連邦共和国東北部に位置する郡独立市。ブランデンブルク州の州都である。

白と黄色の老人ホームが森に囲まれ、日向ぼっこや野生の鹿などが見られるときもある。

高級レストラン、催し物会場などに使われる屋敷も多い。

右は広大な城の庭園。小鳥のさえずりが耳に心地よい。

奥のほうにポツダム会談が行われた「ツェツイーリエンホーフ宮殿」がある。

世界各地から集まる観光客。

入り口には皇太子の鷲と妃の野牛をあしらった紋章がくっきりと。

タイムスリップしたような門をくぐる。

青空に映えてイギリス風の邸宅が現れた。
皇太子妃の名をとって「ツェツイーリエンホーフ宮殿」と呼ばれる。

沢山の煙突を備えた長い棟が連なる。

一部レストランに改装されて人気のようだ。

いい感じのコーナー。

素朴で気品ある中庭を眺める。
煙突は全部で55本あるとか。

正面の幅１００ｍ １７６室あるが、城というよりイギリス風の瀟洒な貴族のコテッジ。（パンフレット画像）

平和会議とは名目の「ポツダム会談」会議場。ソ連側が警備の関連で施設を準備し、中央の大きな丸テーブルもロシアから運ばれた。壁には随行員の椅子が並ぶ。
（パンフレット画像）

スターリン、ルーズベルト、チャーチルの３巨頭が顔をそろえた。
途中、チャーチルは国政選挙で首相の座をアトリーに譲り、身体の弱いルーズベルトに代わって船で会議場に向かっていたトルーマンが洋上で広島原爆投下を知ったという経緯をあらためて痛恨の思いで聞いた。
スターリンはドイツに容赦のない要求を出し、会談中に後の東西冷戦を予感させる不信感を与えたと言う。会議の終りには日本に対する降伏要求「ポツダム宣言」が
発せられた。

廊下には皇太子一家の幸せであった頃の写真が展示されている。

慈愛に満ちた子福者であったようだ。退位した父君とは別に孫の代まで終身居住権を得ていたにも拘らずソ連軍の占領により住まいを去らねばならなかった無念の思いを察する。

シックな食堂が用意されていた。

ベーコンクルトンを載せたポテト・リーク・クリーム

ソテーしたほうれん草に湖で捕れた焼き魚を載せて
マッシュドポテト添え、白ワインソースをかけて美味だ。

食器にあしらわれた皇太子妃の横顔

”Rote Grutze”（チーズのようなもの）
バニラソース添え

７５ｈａあるという庭園の中をバスで一巡り。

右手に赤い館。

「オランジェリー宮殿」「緑の宮殿」を車窓観光。

共産党幹部が出入りするソ連のＫＧＢ本部があったところらしい。

アレクサンドラ庭園に差し掛かると丸太屋根が見えてきた。

何でもプロイセン王国の皇帝がプレゼントした合唱隊の宿舎だったそうな。
建築文化遺産。

ソ連軍隊事務所があったが「壁」の崩壊後は撤退した。

ドイツの首都ベルリン南西部から隣接するポツダムにかけて、およそ１５０もの宮殿と庭園が点在している。１８〜１９世紀にかけてプロイセン王国の君主たちが建てたもので、初代国王の宮殿から、王国の最後に建てられ第二次大戦末にポツダム会議が開かれた宮殿まで、近代ドイツの歴史を彩った建造物の数々として大切に保存され宮廷庭園群として世界遺産になっている。

その中の白眉「サンスーシー宮殿」に向かう。

庭園とロココ様式の内装で有名な「サンスーシー宮殿」。
他には、新宮殿やオランジェリー宮殿がある。
戦前には、ドイツ映画人の別荘が多く建てられた。

団体チケットを買う間、入り口付近を観察。

青いドームが見える。

正面中央部である。「サンスーシー」（無憂宮）と記されている。

戦いに明け暮れた大王が音楽と美術に癒しを求めて１２部屋という簡素な住居部分に比して豪華な音楽室などを隣接して建てたと言う。

プロイセンを強固にしたフリードリッヒ大王が南斜面のブドウ畑ごと買い占めて建てた宮殿である。

中央から６段の階段テラスを左右対称に配し、交差するところにはギリシャ風彫刻を置いた。

中央下の大噴水が勢い良く上がっている
。

水圧がすごい。下から見上げると宮殿と庭園の規模が実感できる。

大帝自ら設計に携わったという熱の入れよう。

フランス・バロック庭園様式

７５ｈａの庭園内を移動しいろいろな建物等を見て回る。

この右手に墓石があり

主の墓石の上におかれた「ドイツのポテト」には
飢饉を救った大切な食べ物という意味がある。
日本ではサツマイモだった。

よその団体が説明を聞いている様子。

マロニエ？

豊かな緑....フィトンチット横溢！

池には美しい水鳥が気持ちよさそうに泳いでいる。

小さな宮殿

紅白の鯉も悠然と....

木立の中をゆったりと森林浴。

オランダ風風車があった。春の旅を懐かしく思い出した。
景観上取り払う命令が下る所を農夫が仕事を奪わないでと訴えて残されたという。

グリニケ橋は、冷戦時、橋の真ん中の白線でスパイを交換したらしい。
（「戦時」としていた記事をしょうちゃんさんに指摘して頂き「冷戦」と訂正）

白線は時々塗りなおされるという。

アウトバーンに沿って観覧席が設けられている。
かっては軍事パレードに使用されたが、今はF1レースで使われる。

ドイツはオートバイとＢＭ車が有名でバスの道の駅にも車情報の雑誌が置かれている。

「小グリニヶ宮殿」
ベルリンに戻り、折悪しく降ってきた雨の中、ブランド店が並ぶ通を抜けビル街へ

ベルリンは東西合わせて８９２平方ｋｍ（東京都、名古屋を併せたより大きい）。
以外にも３分の１以上が森林で湖も多く４０パーセント以上が緑地帯。

１６の連邦州を持つドイツ連邦共和国で最大の都市、人口は３５０万人、（２位のハンブルグが約１７０万人、３位が約１３０万人のミュンヘン）　

戦前は欧州１の産業都市であった。。。。が
１９６１年の壁設置で「赤い海に浮かぶ陸の孤島」であったことから本社移転や銀行本部がベルリンから移転してゆき人口は１００万人減ったという。

白熊通に通じる赤い橋には広島市長の言葉が記されている由。

一方でハブ空港を有し、ロマンチック街道の起点として知られているフランクフルトが６８万人と人口は少ないが、ＥＵの中央銀行や連邦の銀行本部があり経済の中心として機能している。

ポツダム広場前。近くにソニーやiPadのビルもある。

ユダヤ人慰霊碑、並べられたコンクリートの歪みが内面の不安感をあらわしているのだそうだ。

６００万人ものユダヤ人がホロコーストで虐殺された。非人道的な行為は未だ世界の課題であり、人種や宗教の対立がなくなることはないのだろうか？

大使館の横を通過。
快い疲労感を覚える。
日本食店でお握りのテイクアウトをして、ホテルで夕食。