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梅雨晴れの1日、滋賀県を湖南地方を訪れた。<br /><br />三山といえば、滋賀県では湖東三山(西明寺、金剛輪寺、百済寺)が有名で、紅葉の時期には多くの客が訪れる。<br />が、アイラブ仏像めぐり的には、湖南三山もとっても魅力的。<br /><br />石山寺や三井寺にひけをとらない立派なお堂。なのに静かで素朴な境内のたたずまい。<br />こんな寺を訪れると、滋賀県の奥行きの深さを実感する。<br /><br />行程:<br />大池寺、常楽寺、長寿寺、善水寺、長命寺、北びわこホテルグラツィエ(長浜市)<br />

アイラブ仏像めぐり 湖南三山 常楽寺

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2013/05/31 - 2013/05/31

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ゆうこママ

ゆうこママさん

梅雨晴れの1日、滋賀県を湖南地方を訪れた。

三山といえば、滋賀県では湖東三山(西明寺、金剛輪寺、百済寺)が有名で、紅葉の時期には多くの客が訪れる。
が、アイラブ仏像めぐり的には、湖南三山もとっても魅力的。

石山寺や三井寺にひけをとらない立派なお堂。なのに静かで素朴な境内のたたずまい。
こんな寺を訪れると、滋賀県の奥行きの深さを実感する。

行程:
大池寺、常楽寺、長寿寺、善水寺、長命寺、北びわこホテルグラツィエ(長浜市)

旅行の満足度
4.5
同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
自家用車
  • サツキ咲く大池寺を出て次に訪ねたのは、湖南三山の常楽寺。<br /><br />どっしりとしたお堂と三重塔が、誰もいない静かな境内にたたずむ。<br /><br />前に来たのは、いつだったか。確か、湖南三山めぐりの臨時バスが石部などの駅を起点に出ており、それを利用してひとりで廻ったっけ。<br /><br /><br />

    サツキ咲く大池寺を出て次に訪ねたのは、湖南三山の常楽寺。

    どっしりとしたお堂と三重塔が、誰もいない静かな境内にたたずむ。

    前に来たのは、いつだったか。確か、湖南三山めぐりの臨時バスが石部などの駅を起点に出ており、それを利用してひとりで廻ったっけ。


  • 秋の紅葉シーズンには、毎年運行されるようだが、初夏のこの時期に訪れるには、自家用車かタクシーしかない。<br />というわけで、今回はつれあい殿の運転で。<br /><br />寺に向かう途中、平野の中にひときわ目立つ山は、三上山。近江富士とも言われ、湖南地方のランドマークのような山で、美しく整った姿から太古から信仰の山となっている。<br /><br />その三上山を北に臨み、南の阿星山に抱かれるように建つのが、これから向かう常楽寺と長寿寺。<br />いずれも天台宗の寺院で、長寿寺(ちょうじゅじ)が「東寺」、常楽寺が「西寺」の呼び名で親しまれているそうだ。

    秋の紅葉シーズンには、毎年運行されるようだが、初夏のこの時期に訪れるには、自家用車かタクシーしかない。
    というわけで、今回はつれあい殿の運転で。

    寺に向かう途中、平野の中にひときわ目立つ山は、三上山。近江富士とも言われ、湖南地方のランドマークのような山で、美しく整った姿から太古から信仰の山となっている。

    その三上山を北に臨み、南の阿星山に抱かれるように建つのが、これから向かう常楽寺と長寿寺。
    いずれも天台宗の寺院で、長寿寺(ちょうじゅじ)が「東寺」、常楽寺が「西寺」の呼び名で親しまれているそうだ。

  • 拝観には事前予約が必要。ちょっと面倒だが、訪れる価値は十分にある。 <br /><br />では、拝観料を納めて境内へ。<br />拝観客は、まずは国宝の本堂や三重塔の美しさに圧倒される。<br />失礼なのを承知であえていうが、どうしてこのような田舎にこれほどの寺が今もあるのか、驚かされる。<br /><br />檀家のたくさんいる寺には見えない。観光寺院ではないし、特別なご利益で売り込んでいる様子もない。なのに、境内は美しく整備されている。これだけの大寺の維持管理は、さぞや困難なもののはず。草取りだけでも大変なことだろう。

    拝観には事前予約が必要。ちょっと面倒だが、訪れる価値は十分にある。

    では、拝観料を納めて境内へ。
    拝観客は、まずは国宝の本堂や三重塔の美しさに圧倒される。
    失礼なのを承知であえていうが、どうしてこのような田舎にこれほどの寺が今もあるのか、驚かされる。

    檀家のたくさんいる寺には見えない。観光寺院ではないし、特別なご利益で売り込んでいる様子もない。なのに、境内は美しく整備されている。これだけの大寺の維持管理は、さぞや困難なもののはず。草取りだけでも大変なことだろう。

  • そんな美しい境内には、三十三観音石仏巡りもあって、静かな木立のなかの散策を楽しめる。

    そんな美しい境内には、三十三観音石仏巡りもあって、静かな木立のなかの散策を楽しめる。

  • 常楽寺の創建は、奈良時代、良弁(ろうべん)による。<br /><br />良弁といえば、東大寺を開山した人物である。<br />琵琶湖の西、滋賀里出身の百済系渡来人だとか、赤ん坊の頃、鷲にさらわれて、今の東大寺二月堂の前の杉の木にひっかかっていたのを助けられたとか、謎の多い人物。「良弁杉」といって、今もその杉の子孫が二月堂前にあるからこれまたすごい。<br /><br />そういえば、石山寺も良弁の開基。ほかにも、美仏の住まう古寺で良弁の名をよく目にする。<br />

    常楽寺の創建は、奈良時代、良弁(ろうべん)による。

    良弁といえば、東大寺を開山した人物である。
    琵琶湖の西、滋賀里出身の百済系渡来人だとか、赤ん坊の頃、鷲にさらわれて、今の東大寺二月堂の前の杉の木にひっかかっていたのを助けられたとか、謎の多い人物。「良弁杉」といって、今もその杉の子孫が二月堂前にあるからこれまたすごい。

    そういえば、石山寺も良弁の開基。ほかにも、美仏の住まう古寺で良弁の名をよく目にする。

  • そんな良弁さんの開基なので、今はひっそりとしちゃっているが、本当はすごいお寺なのだ。<br /><br />さて、良弁は、聖武天皇ら天皇ファミリーの信頼がすこぶる篤く、悩み多き聖武の精神的サポーターだったようだ。<br /><br />聖武があちこち彷徨うように遷都を繰り返し、紫香楽宮にて大仏建立にチャレンジした際にも、支援者だったはず。

    そんな良弁さんの開基なので、今はひっそりとしちゃっているが、本当はすごいお寺なのだ。

    さて、良弁は、聖武天皇ら天皇ファミリーの信頼がすこぶる篤く、悩み多き聖武の精神的サポーターだったようだ。

    聖武があちこち彷徨うように遷都を繰り返し、紫香楽宮にて大仏建立にチャレンジした際にも、支援者だったはず。

  • 常楽寺は、そんな時代に紫香楽宮の鬼門を守るために、お隣の長寿寺とともに良弁によって建立されたらしい。<br /><br />

    常楽寺は、そんな時代に紫香楽宮の鬼門を守るために、お隣の長寿寺とともに良弁によって建立されたらしい。

  • 紫香楽宮は、すぐに廃され、大仏造立は奈良で行われることになり、常楽寺には都の鬼門封じというそもそもの役割がなくなってしまった。が、寺としては存続したようで、平安時代末期に天台宗の寺院として整えられる。<br />

    紫香楽宮は、すぐに廃され、大仏造立は奈良で行われることになり、常楽寺には都の鬼門封じというそもそもの役割がなくなってしまった。が、寺としては存続したようで、平安時代末期に天台宗の寺院として整えられる。

  • しかし、1360年に火災により全焼。現在の建物は、同年に再建されたもの。<br />戦国時代には、近江地方の多くの寺院が戦乱で失われるが、ここはなぜか焼失を逃れる。 

    しかし、1360年に火災により全焼。現在の建物は、同年に再建されたもの。
    戦国時代には、近江地方の多くの寺院が戦乱で失われるが、ここはなぜか焼失を逃れる。 

  • 常楽寺の山門は、秀吉によって伏見に移され、さらに1601年に家康によって大津の三井寺に移築され現在も当時のままに残っている。<br /><br />信長の焼き討ちから逃れることができたものの、山門を持っていかれてしまったとは、なんだかなあ・・・。<br />

    常楽寺の山門は、秀吉によって伏見に移され、さらに1601年に家康によって大津の三井寺に移築され現在も当時のままに残っている。

    信長の焼き討ちから逃れることができたものの、山門を持っていかれてしまったとは、なんだかなあ・・・。

  • では、堂内の仏像拝観へ。<br />中央の木造千手観音坐像は、秘仏なので厨子のなか。<br />その両サイドに風神、雷神と二十八部衆が並ぶ。<br />すごい迫力だ。<br />実はこのうちの3体が昭和56年に盗難に遭い、うち2体はいまだに行方不明。<br />ゆっ許せない!そんな奴には絶対にバチが当たっているはず。

    では、堂内の仏像拝観へ。
    中央の木造千手観音坐像は、秘仏なので厨子のなか。
    その両サイドに風神、雷神と二十八部衆が並ぶ。
    すごい迫力だ。
    実はこのうちの3体が昭和56年に盗難に遭い、うち2体はいまだに行方不明。
    ゆっ許せない!そんな奴には絶対にバチが当たっているはず。

  • 本堂の前の石燈籠は、応永13年(1406)6月の刻銘、重要文化財。<br /><br />ほかにも、源信(げんしん)が描いたといわれる浄土曼荼羅図や、良弁が愛用したという錫杖などの、重要文化財を保有しているらしい。

    本堂の前の石燈籠は、応永13年(1406)6月の刻銘、重要文化財。

    ほかにも、源信(げんしん)が描いたといわれる浄土曼荼羅図や、良弁が愛用したという錫杖などの、重要文化財を保有しているらしい。

  • 国宝の三重塔は、1400年頃の再建。<br />横から見る姿も良いが、

    国宝の三重塔は、1400年頃の再建。
    横から見る姿も良いが、

  • 石段の下から見上げた姿が、なんとも美しい。<br />こうして見上げたときに最も優美に見えるように設計されたのだろうか。

    石段の下から見上げた姿が、なんとも美しい。
    こうして見上げたときに最も優美に見えるように設計されたのだろうか。

  • ところで、どうでもいいことだけれども・・・。<br />地図を見ていて思ったのだが、神体山の阿星山、三上山を結んだ線上に紫香楽宮址と常楽寺・長寿寺はある。なにか意味があるのかなあ。<br />

    ところで、どうでもいいことだけれども・・・。
    地図を見ていて思ったのだが、神体山の阿星山、三上山を結んだ線上に紫香楽宮址と常楽寺・長寿寺はある。なにか意味があるのかなあ。

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この旅行記へのコメント (6)

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  • rokoさん 2013/07/15 10:52:51
    湖南三山
    ゆうこママさん お久しぶりです。

    湖南三山めぐり またまた楽しみです〜♪


    まずは常楽寺
    以前、商工会からバスで回ったのですが、ひっそりと佇むお寺に心ひかれたものです。
    でもゆっくりできず、何も知らないまま通り過ぎていたようです。

    三十三観音石仏巡りもいいですね。

    そしてこのコメント 常楽寺の創建は、奈良時代、良弁による
    解説に驚いています。

    大津の三井寺の山門はこの常楽寺のものだったのですか、

    堂内の仏像にもお会いしたいです。

    国宝の三重塔も美しいですね。

    最後の地図を見ていて思われたこと、きっと意味があるんでしょうね。。。

    ゆうこママ

    ゆうこママさん からの返信 2013/07/16 19:32:20
    RE: 湖南三山
    こんばんは、やっと湖南三山にとりかかっています。
    1月以上経ってしまって、記憶はかなりあいまいに。
    ちゃんと旅行記ができるか心配です。

    常楽寺も静かでしたよ。
    誰もいなくて、風に木の葉のこすれる音が聞こえるくらい。

    良弁さんは、美しい仏像を安置するお寺を各地に創建してくれたので、仏像ファンにとっては神様みたいな人(変な言い方ですね)

    仏像も良いですが、三重塔や本堂の美しさにも感嘆します。

    近江って、本当に奥が深いです。
  • morino296さん 2013/07/07 23:01:11
    何やら不思議な謎が
    ゆうこママさん

    こんばんは。

    湖南三山、魅力的ですね。
    行きたいと思いつつ、これまで行けていませんが、
    ゆうこママさんの解説を読んでいると、
    ますます行きたくなってきますね。

    三井寺の山門は、ここ常楽寺にあったのですね。
    秀吉に持っていかれてしまい、そのままとは。

    大切に守られてきた仏像を盗む輩がいるとは、
    不届き千万、罰が当たっていることでしょうが、
    秘仏の場合は、地元の人たちも仏像を拝んだことがなく
    捜査も難しいと聞きました。

    阿星山、三上山を結んだ線上に紫香楽宮址と常楽寺・長寿寺があるとは、
    またまた、何やら不思議な謎がありそうですね。

    続きも楽しみにしています。

    morino296

    ゆうこママ

    ゆうこママさん からの返信 2013/07/08 20:02:01
    RE: 何やら不思議な謎が
    こんばんは、いつもありがとうございます。
    >
    > 湖南三山、魅力的ですね。
    > 行きたいと思いつつ、これまで行けていませんが、
    > ゆうこママさんの解説を読んでいると、
    > ますます行きたくなってきますね。

    ⇒湖北とも大津あたりとも異なる雰囲気が良いですよ。
    ぜひお出かけを。

    >
    > 三井寺の山門は、ここ常楽寺にあったのですね。
    > 秀吉に持っていかれてしまい、そのままとは。
    ⇒三井寺は、そのほかの建物も全国からの移築のものが多かったはず。
    何か理由があるのでしょうか。
    >
    > 大切に守られてきた仏像を盗む輩がいるとは、
    > 不届き千万、罰が当たっていることでしょうが、
    > 秘仏の場合は、地元の人たちも仏像を拝んだことがなく
    > 捜査も難しいと聞きました。

    ⇒これは本当に許せないです。
    それにせつないです。
    ちゃんと無事でいればまだしも、もし粗末に打ち捨てられていたりしたら・・・。
    >
    > 阿星山、三上山を結んだ線上に紫香楽宮址と常楽寺・長寿寺があるとは、
    > またまた、何やら不思議な謎がありそうですね。
    >
    > 続きも楽しみにしています。
    ⇒がんばって作成します。
  • のーとくんさん 2013/07/07 18:38:02
    湖南三山の再開
    ゆうこママさん

    こんにちは、いよいよ湖南三山の投稿の再開ですね。

    >失礼なのを承知であえていうが、どうしてこのような田舎にこれほどの寺が今
    >もあるのか、驚かされる。

    ほんとうにそう思いますよね。
    でも、あまり観光化して、あらされたくないですね。
    無理な注文かもしれませんが、ひっそりと、そして美しいまま残っていてほしいですね。

    >実はこのうちの3体が昭和56年に盗難に遭い、うち2体はいまだに行方不明
    >。

    そうでした、ここの仏像は盗まれていたんでした。
    許せませんね。

    湖南三山、お気に入りの場所のひとつです。
    これから続く旅行記を期待しています。

     のーとくん

    ゆうこママ

    ゆうこママさん からの返信 2013/07/08 19:47:18
    RE: 湖南三山の再開
    こんばんは、ようこそお越しくださいました。

    > こんにちは、いよいよ湖南三山の投稿の再開ですね。

    ⇒やっと、再開です。
    あまりにも時間が経ちすぎて、記憶はおぼろ。
    ちゃんと旅行記を作れるかしら。
    >
    > >失礼なのを承知であえていうが、どうしてこのような田舎にこれほどの寺が今
    > >もあるのか、驚かされる。
    >
    > ほんとうにそう思いますよね。
    > でも、あまり観光化して、あらされたくないですね。
    > 無理な注文かもしれませんが、ひっそりと、そして美しいまま残っていてほしいですね。

    ⇒同感です。
    観光化しすぎたり、金儲け主義に走り過ぎたりしないでと願わずにはいられません。
    >
    > >実はこのうちの3体が昭和56年に盗難に遭い、うち2体はいまだに行方不明
    > >。
    >
    > そうでした、ここの仏像は盗まれていたんでした。
    > 許せませんね。
    >
    > 湖南三山、お気に入りの場所のひとつです。
    > これから続く旅行記を期待しています。
    >
    ⇒がんばって作成しま〜す。

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