2013/05/26 - 2013/05/26
4位(同エリア26件中)
ベームさん
4日目、5/26(日)。
今日はドレスデンを発ちベルリン経由フランクフルト(オーダー)、またベルリン経由でハレに行きます。長い一日になります。
なぜフランクフルト(オーダー)に行くのか。観光客を引き寄せる何物もないのに。
ドイツにフランクフルトの名のつく街が二つあるのはご存知と思います。
しかしフランクフルトというと誰もが思い浮かべるのはドイツの玄関口でドイツのみならずヨーロッパ経済の中心フランクフルト・アム・マインのことです。マイン川に沿ったフランクフルトです。
もう一つがフランクフルト(オーダー)/フランクフルト・アン・デア・オーダーです。オーダー川河畔のフランクフルト。
同じ古都でありフランクフルトの名を持ちながら忘れられてしまっている町、ドイツ分裂時代東ドイツに属しポーランドと国境を接する町を見てみたい、そんないささかセンチメンタルな気持ちが私をこの町に引き寄せました。
写真は町で唯一(?)の近代的高層ビルオーダートゥルム。
フランクフルト(オーダー):人口6万人。ブランデンブルク州。ポーランドとの国境の町。
オーデル川を渡る渡渉地で13世紀から19世紀までヨーロッパの東西南北を結ぶ交易都市として栄えた。1253年には都市権を得、15世紀には一時ハンザ同盟に加盟したこともある。
第2次世界大戦の戦場となり、大戦後ポーランドとの国境オーデル・ナイセラインの設定により町は分断された。
ドイツ再統一後町はさらに疲弊し人口も大きく減少したが1991年のヴィアドリーナ欧州大学の復活で若者も増え活気が戻ることでしょう。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空
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ポーランドとの国境、オーデル・ナイセラインに臨む町、フランクフルト(オーダー)とゲルリッツ。
1日でドレスデン~ベルリン~フランクフルト(オーダー)~ベルリン~ハレと大旅行です。 -
ドレスデン駅のホーム。
6:54発ベルリン行きIC。いつも動き出すのが早いベームですが、今日は長距離移動のため特に早い。 -
IC車内。
コンパートメントになっていました。 -
閉塞感があり好きでありません。もし女性の一人旅で、周りを男たちに囲まれたら恐怖を感じるでしょうね。
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2時間以上の移動になるので座席を予約しました。しかし車内はがらがら。
予約された席にはシート番号の横に予約区間が表示されています。この場合86番のシ-トがドレスデン~ベルリン予約席。ドイツの鉄道には座席指定車両というものはなく、すべて自由席。予約をすると自由席が予約席になります。 -
ベルリンTief9:07着、荷物をゴロゴロ引っ張って歩き同9:20ベルリンHbf発のフランクフルト(オーダー)行に乗り替えるまでは予定通りでしたが。
地下のTief駅から地上のホームまではエスカレーターで繋がってはいるもののかなり歩きます。乗り換え時間が少ないため駅構内をじっくり見ることは出来ません。 -
動き出して二駅目でしたか、ベルリン・オスト駅で止まったまま動きません。しばらくして車内放送がなにか喋っています。乗客がぞろぞろ降りていきます。
私一人になったのでやむなく下車、ホームにいた駅員にフランクフルト(オーダー)に行くのだがというと、この列車は動かないから1番線に行け、とのこと。
慌てているのは私だけで他の乗客は慌てず騒がず、慣れた様子です。
まあ動き出してすぐ動かなくなってしまうなんて、一体どんな整備をしていることやら。
後日ある雑誌でこんな記事を読みました。
「DBが民営化されて以降この10数年のあいだ赤字体質改善のため経営陣は人員削減を主に大規模な合理化を行った。赤字体質は克服したが人手不足で車両のメンンテナンス能力が落ち、正常な運行に支障をきたすことが頻発するようになった。国民は不満を持っている」。
ドイツの鉄道は正確である、なんて昔話になりました。 -
結局ベルリン・オスト発10:01のREに乗ることが出来ました。40分のロスで済み大したことではありませんでしたが。
ベルリン・ワルシャワ急行の列車が止まっていました。 -
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フランクフルト(オーダー)駅には11:00着。
荷物をロッカーに預けます。 -
東ドイツ鉄道会社/ODEGの車両。
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フランクフルト(オーダー)駅。
今日もどんよりとした天気で寒い。駅前に並んでいるタクシーに乗ります。 -
ここでも駅から一番遠いシュタット・ブリュッケまでタクシーを使いました。6ユーロ。
ここからあちこち見ながら、駅まで歩いて戻ります。 -
ドイツとポーランドとの国境オーデル・ナイセ線のオーデル川をまたぐシュタット・ブリュッケ。
大きい橋で車が結構走っていて、人の通行もあります。
ポーランド側を眺める。 -
オーデル川とポーランド側の町。
オーデル・ナイセ・ラインと聞くとなぜか懐かしい気持ちになるのです。子供のころ、まだ世界史も知らないうちに、新聞か何かで「オーデル・ナイセ・ライン」という文言を見て、その言葉の響きが好きになったのです。 -
橋を歩いてドイツとポーランドを行き来する人々。
1985年に成立したシェンゲン協定に、ポーランドも2007年に加わり、ドイツとの国境検問が無くなっています。 -
ドイツ側を眺める。
空はますます暗くなってきます。
橋の真ん中が両国の国境でしょう。 -
ドイツ側。
オーデル川。塔はフリーデンス教会。 -
ポーランドの地に立ち、ドイツ側を眺める。
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オーデル川。
かなり大きな川で中洲があります。この辺り昔川が浅いので渡渉地になった所でフランクフルトの名の由来です。 -
オーデル川。
川は北上し最後はポーランド領内でバルト海/オストゼーに注ぎます。ゲルリッツでの国境線はナイセ川でした。ナイセ川はオーデル川の支流です。 -
橋のポーランド側の袂にある両替所。
ポーランドはEUには加盟していますが通貨はユーロではありません。そこでポーランドからドイツに買い物に行くときはここでユーロに両替していくのでしょう。
ドイツ側にはこういったものはありません。ポーランドの通貨はドイツでは使えないがユーロはポーランドで使えるのでしょう。 -
ポーランドです。
長年、プロシア、ドイツと、ロシア、ソビエトから侵略を受け続けたポーランド、ショパンの故郷ポーランドです。 -
ポーランドに足を印しましたよ。
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両替所の脇で季節の白アスパラガスを売っていました。
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きちっと並んだ白アスパラガス。
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フリーデンス(平和)教会。
ドイツ側に戻りました。 -
フリーデンス教会。
1226年。 -
フリーデンス教会。
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フリーデンス教会。
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フリーデンス教会。
木の十字架だけの祭壇。 -
フリーデンス教会。
教会らしからぬ風景画が架かっています。手前フリーデンス教会とオーデル川と橋、対岸のポーランド側の景色なのでしょう。 -
フリーデンス教会。
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河岸を少し歩くと大きな鐘が架かっています。
なにかの鎮魂の鐘でしょうか。 -
霞むオーデル川。
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街なかへ、アーケードが商店街になっている道を行くと
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大きな建物がありました。表側に回るとこれは市庁舎でした。
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建物に沿って歩くとインフォメーションがあり、
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マルクト広場に出ました。
正面に見える塔は聖マリエン教会で広場の外にあります。 -
奇妙な泉がありました。
カラスとかフクロウが止っています。 -
寂しそうなマイバオム/5月の木。
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広場には市庁舎の正面が向いています。
さっきの大きな建物は市庁舎の裏側だったのです。 -
市庁舎。
建物の一部は美術館になっています。インフォメーションも同居です。14世紀。 -
青少年芸術美術館。
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市庁舎。
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広場は人っ子一人いません。雨もしとしと降りだし寂寞とした感じ。
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カメラのレンズが雨で濡れています。
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広場の裏にある聖マリエン教会。
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聖マリエン教会。
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聖マリエン教会。
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聖マリエン教会。
写真で見るよりはずっと大きく、広場に覆いかぶさっているようです。 -
聖マリエン教会。
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中は祭壇も椅子も装飾もなくがらんとしています。
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今は教会として機能していないようです。復旧が及んでいないと思われました。
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古いどっしりとした円柱。
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聖マリエン教会。
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聖マリエン教会。
古いフレスコ画、保護されていないようです。 -
今日は日曜日でこの天気、かろうじて広場に一軒だけ開いているイタリアンレストランがありました。
スパゲッティを注文するとオリーブの実とパンが付いてきました。
二つ三つ齧ったがちっともおいしくない。 -
スパゲッティは美味しかったです。結構お皿が深く量がありましたが全部食べました。冷えた体が温まりました。
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カプチーノ。
ワインとで14ユーロ。
途中で数人のイタリア人の家族連れが入ってきました。店の馴染みらしい様子です。男たちは黒い背広を着ていて、イタリア映画のマフィア一家といった感じ、父親はそのパードレといった威厳がありました。 -
広場に面白いオブジェがあります。
この町で唯一生気を感じた物でした。 -
ヴィアドリーナ欧州大学。
1506年、ブランデンブルク公国の主要大学として創立、1811年閉鎖されたが1991年にヴィアドリーナ欧州大学として復活した。
欧州という名がついているが実際欧州各国から多くの留学生が来ているという。
ヴィアドリーナはオーデル川のラテン名だそうです。 -
ヴィアドリナ欧州大学。
劇作家クライスト、宗教改革の活動家ミュンツァー、バッハの息子エマニュエル・バッハがかってのヴィアドリーナ大学で学んでいます。 -
オーデル川の近くにあるクライスト博物館。
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ハインリヒ・フォン・クライスト:ドイツの劇作家、ジャーナリスト。1777年、フォンが付くのでお分かりのようにこの地の名門の家柄に生まれました。
代々軍人の家柄でクライストも一時軍隊に入ったが辞め故郷の大学に学んだあとドレスデン、ベルリンで文筆活動を行う。社会に認められない不遇と生活苦のうちに1811年ベルリンで自殺。幾つかの戯曲と短編集を遺している。 -
クライスト博物館。
主な作は戯曲「ペンテジレーア」、「アンフィトリオン」、「ハイルブロンのケートヒェン」、「壊れ甕」。 -
クライスト博物館。
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クライスト博物館。
売店で戯曲「ペンテジレーア」を買いました。ペーパーブック、2.6ユーロ。読みもしないのは分かっていますが記念にと思って。 -
唯一の高層建築オーダートゥルム。
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オーダートゥルム。
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レンネパークという公園を横切ると聖十字架教会が建っています。
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聖十字架教会。
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郷土出身の劇作家の名を冠したクライストフォーラム。
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クライストフォーラム。
劇場があり演目に「カルミナ・ブラーナ」や日本の京都桧垣バレエ団公演「MITSUKO]が見えます。ここも他の地方都市にもれず文化施設は充実しているようです。それにしてもなぜこの辺鄙な地に日本のバレエ団が。 -
ハイルブロン通りとバーンホフ通りの交差点、向こうにオーダートゥルム。
これでフランクフルト(オーダー)訪問を終わります。
日曜で天気も悪かったこともありますがフランクフルト・アム・マインとの落差があまりにも大きく感じました。同じ旧東独のゲルリッツ、バウツェンと比べても寂れているように見えます。ドイツ再統一による疲弊がより大きかったのでしょう。かって重要な交易路として栄えた面影はありませんでした。
いささか寂しい思いで列車に乗りました。フランクフルト(オーダー)発14:35。 -
ベルリンのテレビ塔が見えます。
ベルリンはドイツ再統一後の首都として今なおスクラップアンドビルドを続けている都市ですが、私にはあまりにも大きすぎ変化が早すぎついていけないような感じで、怖くてまだ足を降ろしていません。いつの日か訪問する日が来るでしょうか。 -
フランクフルト(オーダー)14:35発のREでベルリンHbf15:39着。
ベルリンTief発15分遅れの16:04のICEでライプチヒへ、さらにライプチヒでSバーンに乗換えハレには18:11に着きました。 -
ようやくハレに着きました。
ドレスデンを6:54に発ちベルリン~フランクフルト(オーダー)~ベルリン~ライプチヒ~ハレと長い移動でした。天気も一日中雨。 -
ハレHbf。
ホテルは駅の前に見えるマリティム。直線距離で200mほどで、駅前広場を横切り歩いていくと目の前を高速道路のような大きな道路がさえぎっていてどうしてもその道路を渡るルートが見つかりません。雨の中傘を差し荷物を引っ張り駅に戻ります。何人かの人にどうやってあの大きな道路を横切るのか聞くとようやく教えてくれる人がいました。
駅前を右に下って行ってトラムの線路を渡り地下道みたいなガードをくぐり丸い広場を左に回り込んでいけばいい、とのことです。ホテルは目の前に見えるのになんてめんどくさい。教えられたとおり線路を渡りガードをくぐり広場を左に回り込むとホテル↑の看板がありましたが、その先でまた道が分かれている。ここにはホテルの標識は無い。右の階段が近そうだと登って少し歩くとマリティムの裏口に出てしまいました。
くどくどと書きましたが要はホテルの場所が分かりにくく案内が不親切だということです。
明日はアイスレーベン、ハレを見てヴィッテンベルクに泊まります。
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この旅行記へのコメント (4)
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- frau.himmelさん 2016/04/25 11:07:19
- ご無沙汰しています。
- 旅の準備も着々と進んでいらっしゃいますか?
私は連休明けの10日から、ドイツ・オーストリアにまいります。
前半は、1昨年のシニア男女3人組での珍道中(たぶんそうなるでしょう)ですが、後半は1人でしばらくぶりにベルリンに5日間滞在します。
その間にぜひ、国境を越えて日帰りの旅、フランクフルト・オーダーを訪れたいと思っています。
ベームさんの旅行記は、いつもながら大変参考になります。
なるほど、オーダーの駅からポーランドのスウビツェへはタクシーですね。
実は出発間際になって、膝の調子が思わしくなく、如何に歩かないで楽をするか、を考えて、バス時刻表などを調べているところでした。
あんまりタクシーは好きではありませんが、背に腹は代えられない・・、一考します。
齢をとるって厄介ですねー。
お互いにいつまでも健康で楽しい旅をいたしましょう。
himmel
- ベームさん からの返信 2016/05/05 18:29:00
- RE: ご無沙汰しています。
- himmelさん、
メッセージ頂いているのに気が付きませんで大変失礼しました。
先月の中ほどから4traの配信が無く、先ほど自分の掲示板を開いてみて発見したのです。どうしたものか一切の配信通知がありません。
10日ご出発ですか。今度は3人グループの船頭さん、ご苦労さまです。
フランクフルト・オーダーに行かれますか。私の旅行記が少しでも参考になれば嬉しいです。私の時は日曜日プラス雨でうら寂しい感じでしたがhimmelさんが行かれる時はもっと活気があれば良いですね。オーデル・ナイセラインで分断されたポーランドとの国境の街なんて感傷に浸るのもいいかもしれません。結構歴史・文化のある町のようで、himmelさんの目で再発見してください。
駅からオーデル川までかなりあるのでタクシー利用が良いと思います。背に腹は変えられませんね。
私は25日出発でスイス一周してきます。20日間です。一人旅です。最初で多分最後のスイスですので主な町を巡ってきます。九州とほぼ同じ大きさの国ですので18泊すれば大抵の所は回れます。ヘッセがその人生の後半を過ごした国ですのでその痕跡も出来るだけ見てこようと思っています。
ではお互い無事で楽しい旅になりますよう。
ベーム
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- ぴよ太さん 2016/04/15 23:08:08
- 旧東独の町
- ベームさん、初めまして。ぴよ太と申します。
旅行記(ケルン編)にご投票いただき、ありがとうございました。
ゲルリッツ、バウツェンは訪れたことがありますが、フランクフルト(オーダー)は、地図上で地名は目にしたことがあるものの、私にとって未踏の地でありました。フランクフルト(マイン)と同じ名を持ちながら、ガイドブックには一切情報が載っていない…一体どんな町なのだろうと長年思っていましたが、ベームさんの旅行記で知ることができました。
劇作家クライストの名も初めて知りました。「ペンテレジーア」は恐ろしくて読めませんが、「こわれがめ」なら(日本語で)読めそうです…
いろいろ勉強になりました。またお邪魔いたします。
ぴよ太
- ベームさん からの返信 2016/04/16 19:53:47
- RE: 旧東独の町
- ぴよ太さん、
今晩は。
こちらこそ有難うございます。一日中外出していてお返事が遅れて申し訳ありません。
ぴよ太さんもドイツがお好きなようで嬉しいですね。ゲルリッツ、バウツェンなどの旅行記も是非拝見したいものです。
ペンテジレーアは途中で放り出したままです。
ベーム
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