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台北に到着して3日目、台北の西部にある孔子廟、保安宮、行天宮とその周辺を散策した。保安宮は孔子廟のすぐ隣にあり、少し離れた行天宮も含め、下町と呼ぶのに相応しい情緒あふれる所で、台北市民の日常生活、祈りの生活を垣間見ることができる。<br /><br />まずは孔子廟であるが、儒教の祖として、また聖書のように弟子がその教えを書き留めた「論語」で著名な孔子(BC551〜479ころ)の墓である。亡くなってすでに2,500年という年月が経過した人物の思想が、現代においても大きな影響を与えていることに驚きを禁じ得ない。中国では著名な学者や政治家、軍人といった尊敬すべき人物を神格化し、廟にお祀りする習慣がある。中国や台湾の主要都市には必ず孔子廟があり、学問の神として崇められている。孔子廟は日本でも東京、長崎、那覇などに建てられている。<br /><br />台北の孔子廟は台北の西部、保安宮とは隣接して建てられている。建設されたのは1875-1884年、歴史的には浅いとはいえ見事な建築である。孔子廟は日本でいえば菅原道真を祀る天満宮、学業成就や入学祈願に訪れる受験生や学生の心の拠り所である。孔子の教えをわかり易く教える展示や、4D劇場なども併殺されており、また土産物売り場も充実しており、旅行者には有難い。<br /><br />続いて大龍?保安宮であるが、1760年に建設され、主神として保生大帝を祀る。幾度も増築が繰り返され、精緻な彫刻で知られている。台北市内の孔子廟も、行天宮も、また龍山寺も同様の建築スタイルで、同様の修復がされているため、写真だけ見るとどの建築なのか見分けることが難しいほどよく似ている。<br /><br />保生大帝については初めて聞くが、979年に福建泉省に生れ、24歳で科挙に合格、人々を救うため数々の奇跡を行い、後世に「医神」と言われたという人物である。彼の徳を慕って、多くの市民が祈りのためにここを訪れている。しかし保生大帝以外にも、神農大帝、孔聖夫子、関聖帝君などの神々を祀り、また増築された建物には釈迦牟尼仏などの仏像も安置され同居する。台湾の神仏に対する信仰の柔軟性を伺い知ることができる。10本の線香を持って、10ヶ所の祭壇を順に回りそれぞれに1本ずつ線香を捧げるというルールに従ってお参りをする。周囲の市民が親切にルールを教えてくれた。<br /> <br />保安宮からは少し離れているが、続いて台湾の台北市中山区に位置する関帝廟である行天宮を訪れた。関帝廟は、関帝(関羽)を祀る廟であり、孔子を祀る孔子廟は文廟、関帝廟は武廟と呼ばれ、世界中の中華街で見ることができる。関羽(生年不詳-219年)は、「三国志演義」に信義や義侠心に厚い武将として描かれ名高く、悲劇的な死を遂げたあと神格化され、関帝と呼ばれるようになった。また、塩の密売に関わっていた、そろばんを発明した(俗説?)とか、義に厚い事から商売の神として祀られ、世界中に散らばった華僑が、商売が繁盛する様に関帝廟を立てた。そのため世界中の中華街に関帝廟が建てられ、日本には横浜、神戸、長崎、那覇などにある。歌舞伎にも登場するなど日本人にも広く受けられている英雄である。<br /><br />行天宮は台北市内でも最も人気の高い寺院・観光地であり、観光客、市民で非常に賑わっている。歴史は浅く、1943年に台北市永楽町に建設され、1968年に現在地に移転した。上記のように、孔子廟、保安宮と同様の建築様式である。特徴的な門をくぐると、多くの人々が祈りを捧げている光景と線香の香り、大量の捧げ物と礼拝の順番を待つ行列に圧倒される。また、二つの駒を投げて運を占う、おみくじの引き方も独特であり、市民が親切に教えてくれる。今回の台湾旅行の中でも最も印象深い、楽しいスポットであった。<br /><br />ついでにグルメの旅などとタイトルをつけたが、もともとヘルシー志向の我々なので、激辛とかこってりした台湾料理をご紹介することはできないが、鍋にいれる材料を好みで選択できる「川鍋」、伊勢海老、アワビ、フカヒレをお得に味わえる「龍鮑支」、あっさりしてヘルシー中華の「天たん」などはお勧めしてもいいと思う。

タイペイなう-2: 台北の下町、孔子廟、保安宮、行天宮と周辺のグルメの旅

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2013/04/27 - 2013/04/30

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ハンク

ハンクさん

台北に到着して3日目、台北の西部にある孔子廟、保安宮、行天宮とその周辺を散策した。保安宮は孔子廟のすぐ隣にあり、少し離れた行天宮も含め、下町と呼ぶのに相応しい情緒あふれる所で、台北市民の日常生活、祈りの生活を垣間見ることができる。

まずは孔子廟であるが、儒教の祖として、また聖書のように弟子がその教えを書き留めた「論語」で著名な孔子(BC551〜479ころ)の墓である。亡くなってすでに2,500年という年月が経過した人物の思想が、現代においても大きな影響を与えていることに驚きを禁じ得ない。中国では著名な学者や政治家、軍人といった尊敬すべき人物を神格化し、廟にお祀りする習慣がある。中国や台湾の主要都市には必ず孔子廟があり、学問の神として崇められている。孔子廟は日本でも東京、長崎、那覇などに建てられている。

台北の孔子廟は台北の西部、保安宮とは隣接して建てられている。建設されたのは1875-1884年、歴史的には浅いとはいえ見事な建築である。孔子廟は日本でいえば菅原道真を祀る天満宮、学業成就や入学祈願に訪れる受験生や学生の心の拠り所である。孔子の教えをわかり易く教える展示や、4D劇場なども併殺されており、また土産物売り場も充実しており、旅行者には有難い。

続いて大龍?保安宮であるが、1760年に建設され、主神として保生大帝を祀る。幾度も増築が繰り返され、精緻な彫刻で知られている。台北市内の孔子廟も、行天宮も、また龍山寺も同様の建築スタイルで、同様の修復がされているため、写真だけ見るとどの建築なのか見分けることが難しいほどよく似ている。

保生大帝については初めて聞くが、979年に福建泉省に生れ、24歳で科挙に合格、人々を救うため数々の奇跡を行い、後世に「医神」と言われたという人物である。彼の徳を慕って、多くの市民が祈りのためにここを訪れている。しかし保生大帝以外にも、神農大帝、孔聖夫子、関聖帝君などの神々を祀り、また増築された建物には釈迦牟尼仏などの仏像も安置され同居する。台湾の神仏に対する信仰の柔軟性を伺い知ることができる。10本の線香を持って、10ヶ所の祭壇を順に回りそれぞれに1本ずつ線香を捧げるというルールに従ってお参りをする。周囲の市民が親切にルールを教えてくれた。
 
保安宮からは少し離れているが、続いて台湾の台北市中山区に位置する関帝廟である行天宮を訪れた。関帝廟は、関帝(関羽)を祀る廟であり、孔子を祀る孔子廟は文廟、関帝廟は武廟と呼ばれ、世界中の中華街で見ることができる。関羽(生年不詳-219年)は、「三国志演義」に信義や義侠心に厚い武将として描かれ名高く、悲劇的な死を遂げたあと神格化され、関帝と呼ばれるようになった。また、塩の密売に関わっていた、そろばんを発明した(俗説?)とか、義に厚い事から商売の神として祀られ、世界中に散らばった華僑が、商売が繁盛する様に関帝廟を立てた。そのため世界中の中華街に関帝廟が建てられ、日本には横浜、神戸、長崎、那覇などにある。歌舞伎にも登場するなど日本人にも広く受けられている英雄である。

行天宮は台北市内でも最も人気の高い寺院・観光地であり、観光客、市民で非常に賑わっている。歴史は浅く、1943年に台北市永楽町に建設され、1968年に現在地に移転した。上記のように、孔子廟、保安宮と同様の建築様式である。特徴的な門をくぐると、多くの人々が祈りを捧げている光景と線香の香り、大量の捧げ物と礼拝の順番を待つ行列に圧倒される。また、二つの駒を投げて運を占う、おみくじの引き方も独特であり、市民が親切に教えてくれる。今回の台湾旅行の中でも最も印象深い、楽しいスポットであった。

ついでにグルメの旅などとタイトルをつけたが、もともとヘルシー志向の我々なので、激辛とかこってりした台湾料理をご紹介することはできないが、鍋にいれる材料を好みで選択できる「川鍋」、伊勢海老、アワビ、フカヒレをお得に味わえる「龍鮑支」、あっさりしてヘルシー中華の「天たん」などはお勧めしてもいいと思う。

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
ホテル
4.0
グルメ
4.5
ショッピング
4.0
交通
4.5
同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
鉄道 高速・路線バス タクシー 徒歩 飛行機
航空会社
JAL
旅行の手配内容
個別手配
  • 孔子廟で太極拳に励む市民

    孔子廟で太極拳に励む市民

  • 孔子廟のファサード

    イチオシ

    孔子廟のファサード

  • 孔子廟の本殿前を歩む修行僧たち<br />

    孔子廟の本殿前を歩む修行僧たち

  • 孔子廟の本殿で礼拝をする修行僧たち

    孔子廟の本殿で礼拝をする修行僧たち

  • 孔子の教えを伝えるための教育館

    孔子の教えを伝えるための教育館

  • 孔子廟の祭壇

    孔子廟の祭壇

  • 論語の書かれた書簡

    論語の書かれた書簡

  • 孔子の教えを子供にもわかり易く伝えるための明倫堂の4D劇院

    孔子の教えを子供にもわかり易く伝えるための明倫堂の4D劇院

  • 保安宮の入り口の門、龍の装飾が見事である

    保安宮の入り口の門、龍の装飾が見事である

  • 保安宮の本殿、孔子廟と酷似している

    イチオシ

    保安宮の本殿、孔子廟と酷似している

  • 保安宮本殿の天井聖母、保生大帝の母

    保安宮本殿の天井聖母、保生大帝の母

  • 保生大帝に捧げられた花  聖誕千秋とある

    保生大帝に捧げられた花 聖誕千秋とある

  • 農神大帝を祀る建物

    農神大帝を祀る建物

  • 農神大帝の像

    農神大帝の像

  • 孔聖夫子を祀る建物

    孔聖夫子を祀る建物

  • 屋根の上の守り神の龍

    屋根の上の守り神の龍

  • 釈迦牟尼三尊像

    釈迦牟尼三尊像

  • 仏像も祀られている

    仏像も祀られている

  • 行天宮(関帝廟)入り口の印象的な建物

    行天宮(関帝廟)入り口の印象的な建物

  • 行天宮内部で祈りを捧げる人々

    イチオシ

    行天宮内部で祈りを捧げる人々

  • 行天宮本殿前で祈りを捧げる人々

    行天宮本殿前で祈りを捧げる人々

  • 行天宮本殿

    行天宮本殿

  • 行天宮本殿の捧げ物、コアラのマーチが目についた

    行天宮本殿の捧げ物、コアラのマーチが目についた

  • 行天宮本殿で祈りを捧げる人々

    行天宮本殿で祈りを捧げる人々

  • 鍋にいれる材料を好みで選択できる「川鍋」

    鍋にいれる材料を好みで選択できる「川鍋」

  • 炭火の火力で鍋をいただく「川鍋」

    炭火の火力で鍋をいただく「川鍋」

  • 鍋にいれる材料を好みで選択できる「川鍋」の内部

    鍋にいれる材料を好みで選択できる「川鍋」の内部

  • ヘルシー中華の「天たん」の入り口

    ヘルシー中華の「天たん」の入り口

  • ヘルシー中華の「天たん」の内部

    ヘルシー中華の「天たん」の内部

  • 伊勢海老、アワビ、フカヒレをお得に味わえる「龍鮑支」

    伊勢海老、アワビ、フカヒレをお得に味わえる「龍鮑支」

  • SOGOデパートの地下にある人気のディン・タイ・フォン

    SOGOデパートの地下にある人気のディン・タイ・フォン

  • SOGOデパートの地下にある人気のディン・タイ・フォンの厨房風景

    SOGOデパートの地下にある人気のディン・タイ・フォンの厨房風景

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