2012/12/24 - 2012/12/24
310位(同エリア493件中)
経堂薫さん
現在の日本は47都道府県に分かれてますが、江戸時代までは六十余の州で構成されていました。
各州ごとに筆頭の神社があり、これらは「一之宮」と呼ばれています。
その「諸国一之宮」を公共交通機関(鉄道/バス/船舶)と自分の足だけで巡礼する旅。
16カ所目は伊賀国(三重県)の敢國神社を訪ねました。
【敢國神社(あえくにじんじゃ)】
[御祭神]大彦命(おおひこのみこと)
[鎮座地]三重県伊賀市一之宮
[創建]658年
-
伊賀神戸駅。
ここから伊賀鉄道で伊賀上野駅に向かう。
以前は伊賀線という近鉄の路線だったが、平成19(2007)年に経営分離され伊賀鉄道として独立した。
もし今も近鉄線のままだったら「近鉄週末フリーパス」を使えたのに。 -
伊賀の里は小雪がちらついている。
朝方、志摩の海は真っ青に晴れ渡っていたのに。 -
駅の構内にも忍者が潜んでいた。
さすが伊賀忍者の故郷だけある。
それにしてもオノレら、どこの国の忍びじゃ!?
それはさておき。
伊賀神戸からは「伊賀鉄道一日フリー乗車券」を利用する。
大人700円で1日乗り放題。
伊賀上野との間を往復すると普通運賃で800円(片道400円)なので100円安い。 -
途中上野市駅で乗り換え、約35分。
伊賀上野駅に到着した。 -
ここはJR関西本線との接続駅。
乗り換えて隣の佐那具駅に向かう。 -
佐那具駅へ着く頃は既に陽が傾き、辺りは薄暗くなっていた。
ここから敢國神社まで徒歩で約30分。
陽が暮れないうちにたどりつけるといいのだが。 -
駅前には食堂が一軒。
道なりに進むと川が横たわっている。
柘植川だ。
古びた石造りの小さな橋を渡ると、そこには味わい深い通りが。 -
大和街道(県道676号線)を西に向かう。
日没が近づいているせいか、まだ午後4時過ぎぐらいなのに薄暗い。
たまに車が通り過ぎるだけで、歩いている人影は見当たらない。
今宵はクリスマス・イブ。
皆さん家々でツリーの飾りつけに勤しんでいるのかも知れない。 -
まだ往路の途中だが似たような写真が続くため、ここらで敢國神社について触れてみたい。
主祭神は大彦命、又の名を敢國津神(あえのくにつかみ)。
350年頃に第八代孝元天皇の長子として生誕。
第十代崇神天皇の詔により「四道将軍」のお一人として子の建沼河別命(たけぬなかわわけのみこと)と共に北陸・東海を征討。
その後、大彦命一族は伊賀国にお住まいになられた。 -
大彦命は伊賀国阿拝(あえ)郡(現阿山郡)を拠点にしたので「阿拝氏」を名乗るように。
その後「敢」「阿閉」「阿部」「安倍」とも呼ばれるようになった。
「あえ」とは「あべ」の原音であり「あべ」姓の総祖神でもあるそうだ。
「アベノミクス」も歴史を遡れば敢國神社にたどり着くということか。 -
大和街道(国道25号線)を超え、千歳という古い町を抜ける。
造り酒屋や古刹があり、なかなか風情のある町並みだ。
その千歳の交差点に「敢國神社」の案内看板を発見。
日没までに何とか間に合うのか? 微妙なところだ。 -
名阪国道(国道25号線バイパス)の高架に沿って歩く。
とうに陽は西に傾き、すぐにでも地平線の果てへと沈みそう。
再び県道656号線と合流し、名阪国道の下をくぐってその先へ。 -
佐那具駅から歩くこと丁度30分。
ようやく敢國神社の門前に到着。
だがしかし、既に日没。
残念ながら写真が撮れたのは社号標ぐらいなもの。(だから敢國神社の旅行記には神社そのものの写真が無い)
境内を歩くも真っ暗で何も見えない。
とはいえ、まだ午後5時前。
社務所を覗いてみれば、煌々と明かりが灯いていた。 -
御朱印を賜るべく中に入ってみると、そこはまさに“戦場”!
世間はイエス・キリストの誕生日を翌日に控え、ケーキを食いシャンメリーを飲みプレゼントを交換…
これぞ、堕落の極みでは!?
社務所では来るべき新年を迎えるに当たり、氏子への賀状を用意したり御札や御守りを用意したりと神職総出で大わらわ!
ここにはクリスマス・イブの“ク”の字もない。
まぁ、当然といえば当然なのだが。 -
社務所に入り中へ声を掛けたものの、皆さん仕事に集中していて気がつく素振りがない。
ならばと次は少し強目に声を掛けると、今度は皆さん“ハッ!”とした顔で一斉に振り返った。
その表情、なかなかお目にかかれるものではない。
御朱印を押印してもらっている間、拝殿に参拝する。
真っ暗闇で何も見えない。
夜の神社は恐ろしいものだ。
といっても、まだ午後6時前だけど。 -
多忙の中お手間を取らせたことを謝し、境内を後にする。
来る時には気付かなかったが、入口の前にバス停を発見。
これは佐那具駅の隣にある新堂駅に近い伊賀支所と、伊賀鉄道上野市駅を結ぶ路線。
つまり乗り換え時に降車した上野市駅からバスで門前まで来ることができるというわけだ。
再訪時に有益な重要な情報をゲットできた。 -
往路を巻き戻すように佐那具駅へ。
とっぷりと陽も暮れて、街頭もなく暗い夜道を駅へ急ぐ。
空には雲が薄い膜を張り、月明かりが射すこともない。
そして再び、佐那具駅へ。
関西本線の中でも名古屋近郊の亀山駅以東と奈良近郊の加茂駅以西は電化されている。
しかし亀山駅と加茂駅の間は未だ非電化で“味噌っカス”の如く扱われている。
とはいえ、ここは駅は駅。
部活の練習を終えて帰宅する中高生を、家族が車で迎えに来る。
その姿に敢國神社を参拝して良かったと、素直に思えた。 -
それにしても敢國神社には相当、無礼なことをした。
この旅は御朱印集めの“スタンプラリー”ではない。
各神社の境内に横溢する空気を吸呼し、神前で手を合わせ、頭を垂れ、祭神と“一体化”することが目的。
なのに“日没”というだけで目的がウロになり、迎春で慌しい敢國神社に迷惑をかけてしまった。
これは必ず敢國神社を再び訪れねばなるまい。
その気持ちの強まり方は伊雑宮の比ではない。 -
佐那具駅からJR関西本線で伊賀上野へ。
伊賀鉄道に乗り換えるも電車は上野市駅止まり。
一旦、改札を出てコンビニで夕食というか夜食を贖う。
クリスマス・イブということもあって、駅舎は電飾でピッカピカ!
忍者の里であり松尾芭蕉の生誕地でもあるのだが。
外国人から見たら「日本の神秘」とも言うべき両者の根拠地、上野市駅が、クリスマス・イブというだけで、こんなにギラギラになっているとは…。
一体どんな目で見られることか! -
いや、これはこれで“JAPANESE COOL”という一言で片付けられるのだろう。
そんなことを思いながら伊賀神戸行の電車に乗り込む。
思い返せば安楽島のフードセンターで買ったアンパン以来、何も食べていない。
それぐらい、この日の“一之宮巡礼”はハードだった。
車内でコンビニのおにぎりを頬張りつつ“神”とは何かを考えてみた。
訪れる先の神社ごとに姿を変える日本の“神道”とは一体何なのか?
今宵はクリスマス・イブ。
しかし、ますます“神道”の魅力にハマった私にとって、クリスマスなどどうでもよくなったのでした。
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