
2013/02/01 - 2013/02/01
212位(同エリア374件中)
世界攻略者さん
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今や旅行者の間で一般的になりつつある、海外でSIMを買ってのインターネット接続。今回、必要に迫られ、インドで3Gを利用しながら旅することになりました。「ネット接続」というシンプルな世界にも、インドというスパイスが加われば、必要以上に複雑なものに早変わり。私が人柱として体験したノウハウの数々を、まとめてお裾分けしましょう。
**情報は2013年2月のもの。1ルピー=1.6円で計算。
==携帯電話関連==
ネパールの携帯電話事情(NTC、NCELL)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10566797/
==インド旅行ノウハウ==
インド鉄道 達人の予約術
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10438828/
PR
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[目次]
イントロ
SIMの購入 - 正規ルート
SIMの購入 - 非正規ルート
キャリアの選択
料金プランと通話
ドングル
接続
回線スピード
残高確認
リチャージ
各社の特徴
応用編 (使い放題プラン、2G)
国際ローミング
まとめ -
[イントロ]
インドといえば、今も昔も長期旅行者の巣窟。突然失踪しないためにも、現地での連絡手段くらいは持っておきたいものです。そこで携帯電話に加入することになるのですが、これが少々ややこしい。会社の数が多すぎるのです。契約者数1億人を越えるキャリアだけで4つ。何だかんだで10を越える事業者がひしめき合っています。一体、どの会社に加入したらよいのやら。チャイをすすりながら考えるも、すぐには答えは出ません。
契約者数:
エアテル(Airtel): 1.8億
リライアンス(Reliance): 1.5億
ボーダフォン(Vodafone): 1.4億
アイデア(IDEA): 1.2億
参考: http://en.wikipedia.org/wiki/Mobile_network_operators_of_India
写真: インドの任意の携帯番号にバランスを加えるウェブサイト(割高)。 -
インドの携帯網の大きな特徴のひとつに、サークルと呼ばれる営業区域分割があります。全国を23のエリアに分けて、それぞれのエリアで、電波入札を行なっているのです。その結果、大手だからといって、全インドで営業権を持っているわけではありません。ただ、お互いにネットワークを融通し合ったりしているので、この問題はほぼ解決されています(J&K州除く)。
ほとんどの場合、州とサークルは一致していますが、コルカタやチェンナイなどの大都市は独自のサークルとして扱われます。また、インド東北部などの小さな州では、複数まとめて一つのサークルとされています。同じ会社でも、サークルが違えば料金プランも違います。また、そのサークルを出てしまうと、「国内ローミング」扱いになり、通話料金が少し割高になります。ですので、移動を繰り返す旅行者にとっては、どの町(サークル)で、携帯を契約するかが結構重要だったりします。
写真: 「全国共通料金」を謳うエアセルの広告。 -
このインド携帯体験記では、通常の通話機能よりも、3Gによるネットアクセスに重点を置いて解説していきたいと思います。というのも、インドではすでに3G網が広く展開されており、旅行者がそれを利用しない手はないからです。インドには、ネットカフェもあればWiFi付きのホテルもあります。ただし、両者とも非常に数が少ない。必要な時にネットが使える利便性は、何物にも変えられません。例えば..
-ガイドブックに地図が載っていない町で、Google Mapを参考にして土地勘を養う。
- 現地で新たな情報を得た時、その町にいるうちに検索して、さらなる情報を得る。
- 写真をネットにアップしたり、バックアップを取ったりする。
- おもむろにラップトップを取り出して、「できる旅行者」を演じる。
- 毎晩、暇つぶしにネットできる。などなど。
さらに、スマートフォンなどの携帯端末を使えば、リアルタイムに自分の位置情報を確認したり、常時SNSをして「繋がっている」感を得ることもできます。私はそういうの好きではありませんけどね! -
でも、そんなの日本から携帯持参して、ローミング+デザリングすればいい話では...とまずは考えます。でも、データ・ローミングは非常にお高い。同じ3Gの通信規格を持つソフトバンクの場合、一日使い放題で2980円(25MB以上)。3000円もあれば、こちらで10GB(30日有効)のデータパックが購入出来ます。これじゃ使う気になりませんよね。というわけで、手間はかかりますが、現地でのSIMカード購入が一番お得なわけです。
2013年2月現在、3G通信プランの料金は、1GBで250ルピー(400円)、2GBで450ルピー(720円)ほど。ヘビーユーザーには激安ってほどではないけど、十分に安い金額です。
図: ソフトバンク 「海外パケットし放題」プラン -
インドでSIMを購入して3Gを利用するには、
- SIMフリーの3G対応携帯端末(主にスマートフォン)
- 持参のラップトップ・パソコン + データモデム
- 持参のラップトップ・パソコン + SIMフリーの3G/デザリング対応携帯端末
のいずれかが必要です。
日本で販売されているスマートフォンのほとんどは、SIMロックがかかっているため、契約しているキャリア以外では使えないはずです。よって、現地でSIMフリーの端末を買い直すか、業者にSIMロックを外してもらうしかありません。幸い、インドもスマートフォンがどんどん普及しており、お手頃価格で一台購入可能です。アンドロイドだと、MicroMax製で5600ルピー(9000円)位から。サムスンの若者向けギャラクシー(Galaxy Y)で7800ルピー(1万2500円)くらいから。もし、長く旅行を続けるのであれば、これらの端末を海外で購入しておくのも悪くありません。保証の問題はありますが、日本を含め世界中で使えます。
写真: Galaxy Grandの宣伝パネル。 -
[SIMの購入 - 正規ルート]
何はともあれ、まずはSIMカードの購入です。これは、電話番号などのユーザー情報が記録されたチップで、基本的にはGSM時代のものと同じです。3Gの携帯にも使えるし、GSMオンリーの携帯にも使えます。 事業者の多いインドでは、どのキャリアに加入するか非常に悩みますが、その話題はとりあえず後回し。まずはSIMの購入手続きから始めましょう。
写真: ボーダフォンのパッケージとSIM。たいてい、裏のシールに電話番号などが書かれています。SIM本体は10-20ルピー(15-30円)程度のものですが、通話料などと組み合わせて販売されるケースが多いので、はっきりとした定価はありません。 -
決して豊かではないインドでは、他の途上国同様、プリペイドによる契約が一般的です。一部のエリアを除き、外国人でも契約可能。直営のカスタマーセンターはもちろん、その辺のしょぼい代理店でも申請できます。やることはどこも同じで、申請用紙を埋めて写真を張り、パスポートコピーと共に提出して、電話番号の振られたSIMカードを受け取るだけ。ただ、書類の中に、現地でのコンタクト・パーソン(名前、住所、電話番号)を記入しなくてはならないのが、唯一のハードル。旅行者にとっては、ホテルの人や現地で知り合った人など、あまり選択肢は多くないかもしれません。申請プロセスの一環として、コンタクト・パーソンに電話がかかってくるという話です。ただ、この辺りの厳密さは、キャリアやサークルによってまちまちです。
写真: リライアンスの代理店。 -
バッド・ニュースです。困ったことに、2012年11月以降、申請手続きが厳格化され、購入したSIMが有効になるまで3-5日ほど待たされることになりました。場合によっては、書類の不備など諸々の理由で、いつまでも有効化されないことが多々あるとか。その場合は、申請した代理店に出向いて状況確認するしかないので、同じ町でしばらく足止めを食うことになります。すぐにアクティベーションされないって、やっぱり不便ですよね。ごくまれに、翌日アクティベーションを謳う代理店もあるので、裏道もなくはないようです。
あるインド旅行のフォーラムによると、デリーの空港にある直営店(エアテルなど)では、11月以降も即日アクティベーションしているという話です。でも、それが今も続いているかどうかはわかりません。他の旅行者のブログを読む限りでは、空港のブースでは、どうも高額のプラン付きでしか、SIMを販売していないような雰囲気です。 -
街の代理店によっては、新規の顧客に対して、お得なキャンペーンを展開しているところもあります。例えば、SIMカードと4GBデータ・パックの組み合わせ(写真)で200ルピー(320円、写真)とか。リライアンスでは、3GBでも650ルピーはするので、これはかなりお得です。その他、USBモデムとデータパックを組み合わせたプロモもよく見かけます。新規でSIMを買う人は、検討してみる価値ありそうです。
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[SIMの購入 - 非正規ルート]
と、ここまで半分想像を交えながらSIMの購入手続きを説明してきました。実は私、正規の手続きを経ずにSIMを入手した関係で、あまり詳しくないのです。移動を繰り返す私は、「アクティベーションの不確実性」と「コンタクト・パーソンの確保」に億劫さを感じていたため、携帯を持つことなくしばらく旅を続けていました。そして、インド北東部を旅している時、「レディメイドSIM」の存在に初めて気づいたのです。
「レディメイドSIM」とは、私が勝手に命名したものですが、すでに現地の誰かが契約して使える状態にあるSIMのことです。当然、申請書を埋める必要もなければ、アクティベーション待ちの手間も省けます。ちょっと怪しげなこれらのSIMは、通常のものより少し割高な値段で販売されています。もちろん、まともな代理店はこんなことしないので、たいていは写真のように道端で、新規契約の受付と並行しながら、これらの「契約済み」SIMを扱っています。 -
他人の名前で登録されたSIMですが、実用上、特に不便はありません。普通にチャージして、普通に使うだけです。問題があるとすれば、カスタマーセンターに質問など問い合わせるのを躊躇していまうことくらい。あと、私の場合、実験用に6キャリア(写真)も大人買いしてしまったため、警察などに見つかったら確実に怪しまれるでしょう。そもそも昨年11月に始まった手続きの厳格化は、携帯を使ったテロを意識してのものですから。
各パッケージの中には、SIMカードに加え、契約者の住所・氏名などが書かれた紙切れが入っています。これは、万が一携帯電話会社が本人確認のために電話してきた場合に使うためのものです。購入時には、SIMがちゃんとアクティベートされているかどうか、まずは確認を。バランス・チェック(残高の確認)ができれば、基本的には使える状態にあるはずです。私が買った中では、ボーダフォンのみ、まだ完全に有効化されていませんでした。どうも、自分でセンターに電話して、電話番号、名前、住所などを伝えて初めて有効になる手順のようです。この面倒な作業は、私にSIMを売った男性に代行してもらいました。英語が公用語のナガランドとはいえ、私が直接話すのは、あまりに不自然ですからね。 -
一体、これらのSIMはどういう経路でここに出回り、どういう人達が買っていくのか、全くもって謎です。どうも、前者の方は、携帯電話会社の職員が、どんどん登録して流してるとか。後者の方は、恐らく、IDを持っていない人や、私のように訳あって、正規の手続きを踏みたがらない人が買っていくのだと思います。値段は、わずかな通話料が入って130-150ルピー(200-250円程度、BSNLだけは250ルピー)。多分、一枚につき、100ルピー(160円)ほどプレミアムを払っている気がしますが、まあ、どうでもいいような額です。
これらの横流しSIMは、どこにでもあるわけではありません。私が気づいたのは、ナガランド州のディマプール繁華街と、ミゾラム州のアイゾール繁華街(写真)の二カ所だけ。どちらも、気軽に訪れるには遠すぎる辺境の地です。同じような物は、コルカタやデリーにもあるのか、ないのか。長いこと行っていないからわかりませんが、あっても不思議ではありません。 -
[キャリアの選択]
と、ここまでがSIMの購入手順。順番が逆になりましたが、その前に、どのキャリアにするか決めておかなくてはなりません。ほとんどの人は正規の手順を経て契約するはずなので、手間を考えると、せいぜい1つか2つの事業者と契約することになるでしょう。
ただ通話だけの利用なら、話は簡単。まわりの評判を聞いて、大手の中から適当に選んどけば問題ありません。しかし、私がここで主題としている3G通信については、多少のリサーチが必要です。データ通信となると、エリアごとに3Gの展開具合が違うし、料金設定にもばらつきがあります。こればっかりは、各々ホームページで調べるしかありません。
例えば、私が今回旅したインド東北部7州の場合、3Gのカバレージで言えば、いちにリライアンスとエアセル。僅差でエアテルとBSNL。大手のはずのボーダフォンやアイデアは、3G電波のある町がひとつもありませんでした。また、エアテルは契約者が多いためか、安定度や回線スピードで、明らかにリライアンス/エアセルに劣ります。そういうわけで、インド東北部に限定すれば、ファーストチョイスは、契約者数2位と7位のこの二社になるのです。まあ、エアテルでも十分使えますけどね。こういう事もあり、自分が重点的に旅行する地域の3G普及状況をあらかじめ調べておくと、安心です。
写真: 西ベンガル州のリライアンス3G広告。主要都市をすべてカバー。 -
一般的には、田舎より都会のほうが3G展開が早いのですが、シグナルの強度となると、そうとも言い切れません。コンクリートの建物で囲まれた都会は、3Gのシグナルが弱く、頻繁に2G(EDGE)に切り替わったりします。また、坂の多い町も要注意。ホテルの位置によって、ある携帯会社の電波は入っても、他の会社の電波は入らないことがよくあります。これは、アンテナの多い2Gでは少ないのですが、まだ普及期にある3Gで特に顕著です。私の経験では、ダージリンがそうでした。こればっかりはネットでも調べようもないので、複数のSIMを持つことくらいしか対策がありません。
写真: あちこちで見られるキャリアの看板。これは、代行リチャージを行う売店のもの。 -
[料金プランと通話]
続いて、通話料などの料金プランです。各社の通話料金は微妙に違いますが、だいたいこんな感じです。
同じサークルへのローカルコール: 1分1ルピー(1.6円)以下。
サークル外への国内通話(STD): 1分1.5ルピー(2.4円)。
同じサークル内へローカルSMS - 1件1ルピー(1.6円)。
別サークルへの国内SMS: 1件1.5ルピー(2.4円)。
国際SMS: 一件5ルピー(8円)。
国際電話 - 日本へ1分12ルピー(13.6円、Airtelの場合)
これらの料金をベースに、自分の使用スタイルに応じたディスカウント・クーポンを購入することで、通話料を下げていくというのが基本戦略です。先に紹介したように、SIMを購入したサークルを基準にして、通話料が決まります。仮にサークル外で通話しても、1分1円弱の違いだけなので、たいした問題ではないですけどね。 -
SIMの購入後、まず覚えておきたいコマンドは、バランスの確認。バランスがゼロだと、通話やSMSの受けはできても、自分からの発信はできません。
エアテル: *123#
エアセル: *125#
リライアンス: *306#
アイデア: *212#
ボーダフォン: *141#
BSNL: *123# -
親切なことに、通話やSMSの発信が終わるごとに、画面に利用料金と残高が表示されます。これを利用すれば、他の人の携帯電話を借りて、かかった料金だけ支払うこともできます。
国際電話のかけ方は、前に00をつけるだけ。特定の国へ安くかけられるクーポンとかもあるのですが、日本用はあったかなー、覚えてません。
写真: 日本へ6分半国際電話をかけた後の表示。 -
キャリアによっては、ウェブで通話および通信の履歴を確認することができます。ボーダフォンの場合、番号とIDを登録して、SMSに送られてくる初期パスワードを利用するだけ。試しに登録してログインしてみると、本当の契約者の名前や住所が出て来ました。
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[ドングル]
さて、そろそろ本題の3G接続に入りましょう。私はスマートフォンを持っていないので、パソコン + USBデータモデムによる接続を中心に話を進めます。このUSBモデムは、中にSIMを挿入してパソコンのネット接続を可能にするもので、2G(GPRS/EDGE)と3G(HSPA)の両方に対応しています。通称、「ドングル」
私が購入したリライアンスのロゴが入ったもの(写真)の場合、小売価格が約1500ルピー(2400円)。3Gの通信方式は各社同じなので、同じドングルで、他社のSIMも使えます。違いがあるとすれば、最大転送スピードの差。データモデムは、大きく分けて、3.6Mbps、7.2Mbps, 21.6Mbpsのものがあります。3.2Mbpsでも十分な気がしますが、最も普及している7.2Mbpsを買っとけば無難でしょう。
ドングルは、携帯ショップやコンピューターショップ、その辺の売店などで購入できます。先に紹介したように、SIMとの抱き合わせ販売もよくみかけます。このデバイスは、インド以外でも使えるはずなので、決して使い捨ての投資ではないはずです(実際、ネパール、マレーシア、中国(China Unicom)で使っています)。 -
ひとつ解せないのが、複数のキャリアが行なっている「ドングル無料交換キャンペーン」。インド東北部の州でよく見かけました(写真)。これは、ユーザーが持っているドングルを自社のドングルと無料で交換するというものなのですが、一体誰得なんでしょう。ドングルにSIMロックなどかかっていないはずなので、エアテルのロゴが入ったドングルは、リアイアンスのSIMでも使えます。つまり、中古を引き取って、新品を配る..。うーん、何の意味が..。通信スピードに違いがあれば、ユーザー側に多少メリットがあるかもしれません。
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私が買ったドングルは中国のZTE製。インストール画面やメニューは英語ですが、特に問題ないでしょう。付属ソフトやドライバーなどは、ドングルをPCに差し込んだ時に自動的にインストールされます。いわゆるゼロ・インストールで、付属CDなどはありません。
これは結構すごいことで、ドングルと残高のあるSIMさえ持っていれば、どのPCからでもネット接続できることを意味します。自分がPCもってなくても、人のパソコンをちょっと借りればOK。 実際、シッキム州のある村では、ネットのインフラがないため、ホテルオーナーが自分のドングルを使って、夜間だけネットカフェを運営していました。 -
[接続]
早速、ドングルをつなげてみましょう。ドングルをUSBに差し込むと、自動的にアプリが立ち上がり、写真のような管理画面が現れます。
一番上 - アンテナ強度と回線のタイプ HSPA(3G) または EDGE(2G)
二番目 - 接続しようとしているネットワーク名。 この場合、Aircel W.B & A&N
三番目 - ドングルの中に入っているSIMの名前。 この場合、Aircel。
この状態から、右下の[Connect]ボタンを押して接続開始。3Gで繋がれば、「7.2Mbps Connected」、EDGEで繋がれば「256Kbps Connected」というポップアップが画面の右下に現れるはずです。利用し終わったら、右下にある[Disconnect]ボタンを押して、終了します。 -
実は、接続を試す前にやっておくことがありました。それは、3Gサービスの有効化。ほとんどのキャリアでは、明示的に3Gサービスを有効にしておかないと、3Gにつながりません。3Gのアクティベーション方法は、後半の「各社の特徴」のところに載せておきます。
少しだけ例を挙げると、エアテルやアイデアの場合、特定の番号にSMSでコマンドを送るだけ。SMSは、管理画面のSMSサービス(左から2つ目のアイコン)から起動出来ます。まだ3GやEDGEに繋がっていない状態でも、PCに電源が入っていればSMSの送受信は可能です。 もちろん、携帯本体に刺した状態で同様の事を行なっても構いません。
写真: SMSの受信ボックス。 -
3G接続には、いくつか設定項目があります(管理画面のの一番右のアイコン)。基本的にはデフォルトの設定にしておけばOKですが、どうしてもうまくつながらない場合や、複数のキャリアを使い分けたりする場合は、まずAPNの設定と選択を疑ってみましょう。以下に、典型的なAPNの設定例を載せておきます。
設定例
Config Name - 何でもいい。
Dial Number - *99#
APN - airtelgprs.com (AIRTEL)、smartnet(Reliance)、internet(IDEA)、aircelgprs(AIRTEL)、bsnlnet(BSNL)、www(Vodafone)
Username/Password - 空白でいい。 -
設定の中に、ネットワークの選択という項目があります。通常はオートにしとけばいいのですが、それをあえてマニュアルにすることで、現地で利用可能な3G/2Gのネットワークを検出することができます。ちょうと、WiFiのシグナルを探し出すような感じです。左の画面で言えば、この場所では、Cellone(BSNL)、Airtel, Aircel, Reliaceの4社が3G(HSPA)を展開しています。2GのEDGEの場合、それらの4社に加え、VodafoneとIDEAもネットワークを提供しています。
ひとつ気になるのが、左端のAvailable/Forbiddenの項目。もし、これがAvailable(利用可能)になっていれば、他社のネットワークでも接続できるってこと? 試しにやってみましたが、ほとんどのケースで、うまく繋がりませんでした。 -
だだ、例外もあります。ダージリンでは、アイデアのSIMで、エアテルの3Gネットワークに接続することができました(写真、APNはIDEAのもの)。IDEAはダージリンで3G回線を持っていないので、提携でもしているのでしょう。 そういえば、IDEAもボーダフォンも、インド北東部で3Gの宣伝看板をガンガン出しているのに、肝心の3G回線が見当たりませんでした。詳しいことはカスタマーセンターに聞かないとわかりませんが、他社の回線経由で3G接続するというチョイスもあるようです。
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[回線スピード]
接続までこぎつければ、とりあえずは一安心。次に回線スピードを見てみましょう。各地で接続した感じでは、ほとんどの場合、安定して1Mbps以上出るようです。これまでの最大が、Youtube接続時の4.6Mbp(写真)。意図して調査したわけではないので、試せばもっと出るかもしれません。 -
少し専門的になりますが、GoogleなどのアメリカにあるサーバーにPINGを打った場合、速いケースで130ms台。遅い場合で、200台前半というのが、典型的なインド3Gの回線スピードです。ホップ数は45-50くらい。キャリアによっては、3Gでもたまに不安定な時があります。
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では、どれくらいのスピードが出れば十分なのでしょうか。私の場合、普段使うサイトで回線幅を食うのは動画サイトくらい。管理画面のデータレコード(真ん中のアイコン)を開いて、リアルタイムのデータ量を調べてみます。
Youtubeで新たな動画を開いた場合、最初に2-3Mbpsくらいのスピードで一気に映像データを取り込み、その後、800-900Kpbsくらいまでスピードを落として通信を続けます(写真)。もちろん、動画の解像度や内容によりますが、バラエティ番組でもスポーツ中継でも、だいたいこんな感じです。となると、1Mbps安定して出ればストレスなく動画が見れるということになります。町のネットカフェだと、なかなかこのスピード出ませんからね。3Gさま様です。ただ、問題はインドの携帯データプラン。基本的に使い放題ではないので、あっという間にバランスが減ってしまいます。動画ばかり見てれば、すぐに500MB以上消費しちゃうでしょう。 -
[残高確認]
こうしてネットを楽しんでいるうちに、いつ間にか購入したデータパックの容量を使いきってしまいます。その場合、すぐにメインのバランスも食いつぶしてしまうので注意が必要です。これを避けるためには、データ用と通話用のSIMを使い分けるのが得策です。
ドングル経由でネットを利用している場合、データ残高については何の警告も出て来ません。単に、突然ネットが使えなくなるだけです。その現象はさまざまで、リライアンスの場合、接続自体できなくなります(わかりやすい!)。エアテルの場合、接続ができてDNSにも繋がるのですが、PINGはタイムアウトし、ウェブなどのデータも取り込めません。これだけだと、ネットが遅い時と全く同じ現象なので、ちょっと混乱してしまいますね。
そんな時、役に立つのが管理ソフトのデータ・レコード画面。過去の接続時間とUP/DOWNのデータ量が一覧で表示されます(写真)。もし、最後にリチャージした日付を覚えていれば、そこから今日までのデータ量の合計を調べ、もし購入したデータ量(例えば1GB)くらいになっていれば、データを使い切ったということで納得です。そこまで達してなければ、使用期限が切れたか、別の問題ということになります。 -
前に、インドの携帯では通話したりSMSを送る度に、いくらかかったか画面に表示されると書きました。どうも、これは携帯からネットを使った場合も同じようです。ただ、ドングル経由でネットしている場合は、同じようなことは起こりません。では、現在の3Gデータバランスを確認する方法はないのでしょうか。あるにはあるようです。以下、私が実際に確認したコマンドを載せておきます。
エアテル - *123*11# 又は *121#でメニューをたどる。出てくる数字が微妙に違いますが、大体は合っています。
エアセル - *129#のはずなのですが、どうも出てくる数字がおかしい。
リライアンス - SMSで、55333に MBAL と送る。 その返事の中に「3G Fairusage Bal is XXX」と出てくる。
アイデア - 発見できず。
エアテルとエアセルは、*で始まるUSSDのコマンドなので、GSMまたは3Gの携帯にSIMを差し替えないと、バランスがわからないのが少し面倒です。 -
[リチャージ]
データを使い切った後は、リチャージの時間。リチャージや新規プランの購入は、以下の4つの方法で行えます。
1. 売店などでリチャージカード(バウチャー)を買って、番号を打ち込む。
2. 店の人に電話番号とリチャージの額を伝えて、オンラインでチャージしてもらう。
3. インターネットのホームページからチャージしたり、プランを購入したりする。
4. 携帯画面でメニューを辿って、自分の残高からプランを購入する。
#3は便利なのですが、どうも国外で発行されたクレジットカードは使えないようです。また、#4はキャンペーン商品が中心で、それほど一般的ではありません(バランスへの入金の時点で、税金分損してますからね)。よって、#1と#2について説明します。 -
まず#1のバウチャーですが、裏の銀色の部分をスクラッチして出てきた番号を打ち込むという、一般的なリチャージ方法です。ただし、インドの場合少々ややこしく、旅行者にとってあまり使い勝手がよくありません。ふたつ理由があり、ひとつは購入できるプランが限られていること。もうひとつは、SIMを購入したサークル内で発行されたバウチャーしか使えないことです。例えば、私がデリーのSIMを持っている場合、コルカタでバウチャーを買って番号を打ち込んでもチャージできないわけです。恐らく、Invalid Numberとかのエラーが出てくるでしょう。
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もしSIMを買った町にいて、ただ単に通話バランスを増やしたい場合は、バウチャーも利用可能です。バウチャーの利点は、自分の好きな時にチャージできること。店が開いていない夜中でも問題なし。最初は面食らうかもしれませんが、100ルピー分のバウチャーを買っても、100ルピー分バランスが追加されるわけではありません。税金11%と処理費2-10%が差し引かれるため、結構目減りします。
また、インドの携帯は、一般的に「バランス移行」の仕組みを備えています。つまり、同じキャリア内なら、携帯Aから携帯Bにバランスを移動できるのです。緊急時に友人や家族から通話バランスをもらうことができ、大変便利です。これは、メニューの「ギフト」などの項目で実行出来るはずです(試してません)。 -
現在、最も一般的なチャージ方法は、携帯画面を使った代行リチャージです。携帯のリチャージサービスを行なっている売店などでは、各携帯電話会社にリチャージ用の口座を持っており、そこから客の携帯番号に指定された残高を追加します。例えば、「Airtelのこの番号に100ルピー」という形で依頼すると、オンラインですぐにチャージしてくれます。うまくいけば、客と店主の携帯に処理結果のSMSが送られてきます。基本的に手数料はかかりませんが、お店が対象キャリアのSIMを持っていない時や口座にお金がない時など、10ルピー(16円)ほど送金手数料を請求される場合があります。
写真: 念のため客に番号とチャージ額を書かせます。 -
これは、番号を正確に打ち込む必要があるため、バウチャーの販売と違って、結構気を使います。しかも、間違った番号にチャージしたら店側の負担になるので、必ず客に番号を確認させます。バウチャー販売にせよ、オンライン・チャージにせよ、小売店がもらうコミッションはせいぜい3%程度。多くの客は100ルピー以下の少額しかチャージしませんから、「労多くして益少なし」を地で行く商売です。これらの店にいると、携帯のチャージにやって来た客でいつも混雑しています。売店よりもこっちが本業なのでは、と思うほど小忙しく繁盛! でも儲けは1ルピー、2ルピーのスケール。人生をのんびり過ごしたい人は、携帯のチャージ代行とビンロウ売りには手を出さないほうがいいでしょう。これが、今回のインド旅行から学んだ教訓です。何のこっちゃ!
写真は、チャージ成功の後、ユーザーに送られてくるSMSのメッセージ。その内容は、キャリアのサークルによって微妙に違います。このように購入されたプランの内容がわかりやすく書かれている場合もあれば、ただ単に入金された金額を記述するだけのものもあります。 -
と、ここまでがリチャージの方法なのですが、インドには、もうひとつ、旅行者を悩ます大きな問題があります。それは、客は正確なリチャージ金額を知ってなくてはいけないということです。何か変な話ですよね。例を挙げて説明しましょう。例えば、エアテルの西ベンガル・サークルでは、次のような料金表になっています。実際には細かく130以上のブランがあるのですが、その抜粋です。
10rs - 7.9ルピーバランスに追加
11rs - 7日間、110件のSMS
14rs - 2時間、2Gのデータ通信が使い放題。
25rs - 2G Data 150MB分のデータ通信
30rs - 23.7ルピーバランスに追加
31rs - 30日間、サークル外への電話1分0.4ルピー
34rs - アメリカ、中国、ネパールへの通話料金割引
100rs - 86ルピーバランスに追加。
124rs - 2G 1GB分のデータ通信
200rs - 該当プランなし。
255rs - 3G 1GB分のデータ通信
見ての通り、10ルピー、30ルピーなどのバランス追加の中に、ディスカウント・クーポンやデータ・パッケージの購入が紛れ込んでいます。1GBデータパックを買って255ルピー払うのではなく、255ルピーをチャージした結果、1GBデータパックが付いてくるのです。みなさん理解できてますか? こういう仕組みなので、同じ料金のプランはひとつもありません。
また、バランスに追加できる金額が決められているため、200ルピーバランスに追加したい場合は、100ルピーのプランを二回購入します。仮に200ルピーチャージしようしても、失敗に終わるでしょう(Airtelの場合)。
数学の得意なインド人が考えたとは思えない非論理的な仕組みですが、驚くことにすべてのキャリアがこの方法を採用しています。確かに、店によっては地元サークルの料金表ポスターが張ってあることもあります(最新かどうかは別として)。でも、店主が知っているのは、よく利用されるプランの金額くらい。膨大なプランの数を考えると、ただ店番しているだけのオジサン・オバサンに、そこまでの知識期待するのは酷でしょう。自分のサークルの料金を知るには、ホームページで調べるという手間が必要です。 -
さらに事情を複雑にさせる要素がひとつ。それは、プランの値段が各サークルでバラバラだということです。リライアンス、エアセル、ボーダフォンなどは、だいたい全国共通なのですが、エアテルとアイデアはかなり違います。例えばエアテルの場合、3Gの1GBパックが、西ベンガルでは255ルピー(400円)。ノースイースト・サークルでは249ルピー(私がいた時は150ルピーくらいで激安)。データ通信は、通話やSMSと違い、どの州でネットを利用しても1MBは1MB。何の違いもありません。でも、自分のSIMがどの州に属しているかで、プラン購入料金が違ってくるのです。
ここでも、やはり自分のサークルの料金を覚えている必要があります。もし、デリーのSIMを持っている人がコルカタでチャージする場合、デリーでの1GBの金額を店主に伝え、チャージしてもらいます。コルカタでの1GB料金は関係なし。キャリアのセンターの方で、電話番号からサークルとその対応料金を割り出し、対応したパッケージやプランを追加してくれるでしょう。
万が一、自分のSIMがどのサークルに属しているのかわからない場合、いくつか確認する方法があります。例えば、エアテルのホームページで、オンライン・リチャージを試みると、電話番号に対応したサークル名とプラン一覧を表示してくれます(写真)。 -
[各社の特徴]
ここでは、私がSIMを購入した6社について、そのプランの特徴と基本コマンドについて書いておきます。この6社以外にも、TATA・DOCOMOやUNINORなど準大手キャリアはありますが、ここでは割愛します。まずは、エアテルから。
===AIRTEL===
URL - http://www.airtel.in/
==特徴==
契約者数1.8億人を誇る最大手のキャリア。最大手といっても万能ではなく、田舎によっては、他のキャリアが通じてAirtelが通じないことも多々あります。だから、多くのインド人は複数のSIMを持っているわけです。 あちこちでみかける赤いブランド広告は、インド全体を埋め尽くす勢いで増殖中。
==基本コマンド==
121 - カスタマーセンター
*123# - メインバランスの表示
*123*11# - 3G バランス (MB)
*121#でメニューをたどる -> 恐らく、3G分も含めた2Gのバランス (1RS=1MBに相当)
*121*9# - 自分の電話番号の表示
*121*3*16桁のPIN# - バウチャーでリチャージ
==3G アクティベーション==
SMSで121に "3G" と送る。すぐに返事が返ってきて、それに"1"と返事するだけ。その後、しばらくすると、アクティベーション完了のSMSが来ます。これらは、すべてSMS上で完了するので、ドングルだけ持っている人にも使えます。
==3G データプラン(西ベンガル州)==
1GB(30日有効) - 255ルピー(408円)。
2GB(30日有効) - 455ルピー(728円)。 -
===AIRCEL===
URL - http://www.aircel.com/
==特徴==
全国的には、契約者数7位(6300万人)とほどほどの規模ですが、私が旅行したインド北東部では大きな存在感がありました。回線スピードも良好で、すべてのデータプランで「Unlimited(使い放題)」を提供しています。現在、SIMのアクティベーションと同時に、無料で250MB付いてくる太っ腹キャンペーン中。データプランの価格も相対的に安く、私のお気に入りのキャリアの一つです。
==基本コマンド==
121 - カスタマーセンター
*125# - メインバランスのチェック
*122# - メニュー
*129# - 3Gデータのバランス - どうも正しく表示されない。
*124*16桁PIN# - バウチャーからリチャージ
==3Gアクティベーション==
*122#でメインメニューを表示し、 2(VAS) -> 3(3G Activation) -> 1(START 3G)と選択する。
==3G データプラン==
1GB(30日有効) - 198ルピー(317円)。
2GB(30日有効) - 399ルピー(634円)。
共に使い放題(Unlimited)で、プランの容量を使い切った後は、128Kbpsで有効期限が切れるまで使えます。 -
===RELIANCE===
URL - http://www.rcom.co.in/
==特徴==
財閥系の雄。積極的に3Gサービスを展開中で、どれかひとつ選べと言われれば、このリライアンスをオススメするでしょう。
==基本コマンド==
198 - コールセンター
*306#/*367# - メインバランスのチェック
*367*3# -> GPRSのバランスとvalidityしか出ない。
SMSで55333に"MBAL"と送る。返事のSMSで、3G Fairusage balanceのところが3Gの残高と有効期限。
*368*PIN番号# - バウチャーでのリチャージ
==3Gアクティベーション==
SMSで、53739に"START 3G"と送信。変なメッセージ(no default configured)が返ってきましたが、プランを購入してしばらくしたら使えるようになりました(私の場合)。
==3Gデータプラン==
1GB(30日有効) - 255ルピー(408円)
2GB(30日有効) - 449ルピー(718円) -
===IDEA===
URL - http://www.ideacellular.com/
==特徴==
契約者数一億を超える業界第四位の会社。現在、アディティア・ビルラ・グループが主要株主。上の三社と比べ、これといった特徴は感じません。
==基本コマンド==
*212# - メインバランスの表示
*223*13桁PIN# - バウチャーからのリチャージ
data balance check - *125#Also Check SMS Inbox (not confirmed)
*147# - 3Gプランの表示。
==3G アクティベーション==
SMSで12345に"ACT3G"と送る。すぐに使えるようになる。
SMSで12345に"CHECK"と送る - 3Gの設定の確認
==3G データプラン(西ベンガル州)==
1GB(30日有効) - 251ルピー(402円)
2GB(30日有効) - 451ルピー(722円) -
===ボーダフォン===
URL - http://www.vodafone.in/
==特徴==
業界第三位。今回、試している時間ありませんでした。
==基本コマンド==
*141# - メインバランスのチェック
*140*PIN番号# - バウチャーからリチャージ
==3G アクティベーション==
SMSで"ACT 3G"と111に送る。その後、何の返事もないので、ちゃんと有効化されたか不明。データプランの購入コマンド(例 - 1GBパックの場合、SMSで144に"MI251"と送信、又は"*444*251#"とダイヤル)でもアクティベーションされる気がする。
==3Gデータプラン==
1GB(30日有効) - 251ルピー(402円)
2GB(30日有効) - 450ルピー(720円) -
===BSNL===
URL - http://www.bsnl.co.in/
==特徴==
政府系の携帯電話会社。公務員御用達? BSNLも試している時間がありませんでした。
==基本コマンド==
*123# - メインバランスのチェック
==3G アクティベーション==
いつの間にかつながっていた。
==3Gデータプラン==
1000MB(30日有効) - 250ルピー(400円)。
2000MB(30日有効) - 450ルピー(720円)。 -
[応用編]
最後に、応用編と題して、2G/3Gのニッチな利用法について考えてみたいと思います。
==使い放題プラン==
いくつかのキャリアが、使い放題(Unlimited)パックというものを出しています。でも、これは純粋な使い放題ではなく、一定データ量を過ぎた後、有効期限が終わるまで低スピードでネットが使えるというだけの話です。そのスピードではリアルタイムで動画などを見るには苦しいですが、ウェブ閲覧やメール、SNSなどを中心に考えているのであれば、お買い得なプランと言えるでしょう。以下、コルカタでSIMを購入した場合の料金。
エアセル - 1GB、30日、198ルピー、低速モード 128Kbps
エアセル - 5GB、30日、697ルピー、低速モード 128Kbps
リライアンス -1GB、 2日、 98ルピー、低速モード 64Kbps
リライアンス - 5GB、30日、800ルピー、低速モード 64Kbps
アイデア - 3GB、30日、649ルピー、低速モード 40Kbps
アイデア - 5GB、30日、851ルピー、 低速モード 40Kbps
エアテル - 3GB、30日、655ルピー、低速モード 80Kbps
エアテル - 5GB、30日、855ルピー、低速モード 80Kbps
「安く長く使う」という観点から見れば、エアセルの1GBパックが頭ひとつ抜けています。エアセルやリライアンスは、基本的に全国同じ料金なので、これらの値段を、損得のベンチマークとすればいいでしょう。 -
左のグラフは、エアセルで、低スピードに落ちた後、Youtubeにアクセスしているところ。確かに、安定して128Kbps前後のスピードが出ています(写真)。 これは、キャリア側でデータを絞っているからで、試しにPINGを打ってみると、制限が掛かる前と同じ130ms程度のスピードが出ています。
128Kbpsというのは、そこそこ早いスピードなので、動画などをダウンロードし終わるまで溜めて、最後にまとめて見るという使い方なら、最小限のストレスで済みそうです。 -
「使い放題」というのは、低速であれ、安心感のようなものを与えてくれます。気軽に常時接続できるしね。その他、データのバックアップにも利用できるかもしれません。私はよく、撮りためた写真をAdrive.com(60GB x アカウント数)などのサイトにバックアップしておくのですが、3Gでもない限り、大変時間がかかります。3Gだと、サーバー側のスピード制限いっぱいまで使って、1時間で200MBくらい。
そのため、WiFiのあるホテルに宿泊している時に、一日中プログラムを走らせて、なんとか数百メガから1GBくらいアップロードしていました。このエアセルの使い放題は、通信スピードの上限が128Kbps。同じようなことできないか試してみたところ..。
確かに、グラフのように120Kbpsを超える安定したスピードが出ています(赤の線はアップロードのスピード)。順調に行けば、1分間で1MB、1時間で60MBアップできる計算です。ただ、どうも途中で切れてしまうことが多く、思い通りには行きません。でも、よりインテリジェントなクラウド系のバックアップ(Dropbox, Google Drive, Sky Drive)なら、多分機能するでしょう。無料分の容量が少ないのがネックですが..。 -
==2G(GPRS)==
3Gの普及で、すっかり影が薄くなってしまった感のある2Gデータ通信。具体的にはEDGEを指します。ついこの前までは、こちらがデータ通信の主流だったため、各社2G用のプランをまだ残しています。先ほど、スピード制限のかかった3Gについて見てみましたが、よく考えたら、そのスピードは、EDGEの256Kbpsよりずっと遅め。なら、2Gでいいじゃん、と誰もが思うことでしょう。
一応、EDGEの理論値は256Kbpsで、キャリア側の回線が空いていれば、確かにそのスピードが出ます。左のグラフは、ネパールのNCELLでEDGE接続して、動画を読み込んだ時のもの。コンスタントに220Kbps出ています。しかし、インドでこの速さが出ることは、ほとんどありません。相対的に回線が混雑しているからです。私が見た最高で160Kbpsくらい。普通は40Kbpsから90Kbpsくらいの間です。でも、それだけ出れば普通にウェブがブラウズできるので、まだいい方でしょう。私がインド北東部を旅したときは、EDGE接続でまともに使えたのは、3回に1回くらいでした。 -
2Gのデータプランは、3Gよりずっと安く設定されています。例えば、エアテルの場合、1GB(30日)で124ルピー(200円)と3Gの半額。エアセルだと、15日無制限で、たったの51ルピー(82円)。回線が安定していれば、こちらも、いろいろと使い道がありそうです。
3Gのプランの場合、3G電波がない地域では2Gに接続され、その使用分も3Gパックのバランスから引かれていきます。わかりやすくていいのですが、ちょっと損した気分。では、その反対に、2Gのプランで3Gの回線に繋ぐとどうなるのでしょう。ドングルには、3つの接続設定(3Gのみ、2Gのみ、自動)があり、接続先を自分でコントロールすることができます。
そこで、わざと「3Gのみ」を選択して、2Gパックに入ったエアテルを3G回線に繋いでみたところ....普通につながりました。 ただし、回線スピードは80Kbps前後で推移しています(写真)。キャリア側で、「2G並」の速度まで絞られているようです。相手も、なかなかやりますね!でも、これをうまく利用しない手はないでしょう。2Gの回線が、運良く100Kbpsを越えるスピードを出している時は、2Gにつなぎ、2Gが不安定な時は、3Gで低速ながら安定したスピードを得る、ということができそうです。 -
[国際ローミング]
せっかく沢山のSIMを入手し、インド携帯のノウハウがわかってきたのですが、そろそろビザの関係で出国しなくてはなりません。 まだ少しバランスが残っているし、ほとんどのキャリアでは2-3ヶ月使用しないと、SIM自体が無効化されてしまいます。それではもったいないので、インド国外でローミング利用することにより、SIMを延命させたいところです。
しかし、少し調べた感じでは、ローミングの有効化は簡単ではないようです。例えば、エアテルの場合、支店に行って申請しなくてはなりません(私のSIMは他人のものなので、行きたくてもいけない)。リライアンスだと、ポストペイの顧客だけ。アイデアはできそうな印象ですが、月々149ルピーかかります。エアセルは、ローミング先がマイナーな国ばかり。結局、これといった手をうつことなく出国してしまったため、私のSIMコレクション(写真)は、ムダになりそうです。 -
[まとめ]
私が大量のSIMを手に入れたのは、インド旅行が終わりに近づいている時でした。短い時間内での調査だったため、まだまだわからないことがたくさんあるし、推測で書いた内容もあります。でも、これだけ調べれば十分でしょう。私も、それほど暇ではありません。
今回、ドングル+PCの組み合わせを中心にお話しましたが、携帯性に優れたスマートフォンを使えば、さらに応用範囲が広がります。例えば、市バスの中で現在地チェック。長距離バスや列車の中で暇つぶし。その場で為替レートチェックなど。インドの携帯は契約やプランの選択がややこしいですが、繋いでしまえば、あとは日本と同じ。まるで日本にいるかのように携帯が使えるはずです。その最初のステップとして、このインド携帯ガイドが参考になれば、幸いです。 -
[リンク集]
==インド旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=609&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=os&wide=&middle=&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&wide=&middle=&sort=when&view_mode=list
==携帯電話関連==
ネパールの携帯電話事情(NTC、NCELL)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10566797/
==インド旅行ノウハウ==
インド鉄道 達人の予約術
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10438828/
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