2012/12/26 - 2012/12/27
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世界攻略者さん
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西シッキムには、モナストリー・ループ(僧院巡り)と呼ばれるトレッキング・ルートがあります。具体的には、ペリンからスタートして、ケチュパリ湖 - ユクサム - タシディン、とゴンパのある山村を回っていく興味深いコース。ただ、まともな地図も道案内もないため、試行錯誤の連続。でも、そんな予定調和でない旅が、楽しかったりするのです。
**情報は、2012年12月のもの。1ルピー=1.6円で計算。
== シッキム僧院トレック シリーズ一覧==
①ペリン豪遊物語
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10739504/
②ケチュパリ湖 - 地図のない旅 <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10739511/
③ユクサム - 心地よい静けさ(執筆予定)
④タシディン - ひとりゴンパ駅伝(執筆予定)
⑤ラバングラ - すべての道はゴンパに通ずる(執筆予定)
⑥ナムチ - 眺めのダークフォース(執筆予定)
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[目次]
イントロ
ルートと地図
ケチュパリ湖への道 - 山下り
ケチュパリ湖への道 - エンドレス道路
ケチュパリ湖
ケチュパリ・ゴンパ
ユクサムへの道 - 勘違いルート
ユクサムへの道 - ミスのない旅
地図
まとめ -
[イントロ]
私はインドの秘境シッキムを旅するにあたり、何かワイルドな体験はできないものかと考えていました。候補に上がったのが、ゴーチャ峠へのキャンプしながらのトレッキング(7日-)。さらには、制限区域である北シッキムへのジープ・ツアー(3日-)。残念ながら、どちらも人数が揃わないと割高になるツアーで、観光ピーク(10-11月)を過ぎた今では、同行する旅行者を見つけることさえ大変です。
そこで、ガイドブックを読んでいるうちに見つけたのが、ゴンパを巡りながら西シッキムの村々を移動していく「僧院トレック」。ロンプラのカラーページに載っていた写真を見て、俄然興味が湧いてきました。このルート、決して景色がいいわけではありませんが、他に変わりがないんだからしょうがない。秘境に行ったからって、イメージ通りの旅ができるとは限りません。 -
[ルートと地図]
僧院トレックのルートですが、ペリンからスタートして、ケチュパリ湖->ユクサム->タシディンと時計回りに進んでいくのが一般的。それぞれの村に見所があり、一泊づつしていくと、ちょうどいい感じに旅が仕上がります。
トレッキングなので、できる限り、道路ではなく山道を歩きます。基本的にそっちの方が近道だしね。ただ、ひとつ大きな問題があり、それはトレッキング用の地図が見当たらないこと。ガルーダホテル、観光案内所、観光協会など、いろいろ当たりましたが、結局入手できたのは、案内所の看板に書かれたこの大雑把な地図(写真)だけ。ないよりはましですが、これだけではねー。道が単純なのを祈るだけです。 -
[ケチュパリ湖への道 - 山下り]
充実のペリン観光を終え、いよいよ僧院トレックに出発です。ターゲットは、谷の向こう側に見えているユクサム村(赤い点右)。できれば一日で行きたいのですが、私はケチュパリ湖(赤い点左、山の裏側)にも立ち寄るため、時間的にはかなり微妙です。まあ、その時はその時。ケチュパリにも宿はあるので、何とかなるでしょう。
一応、乗合ジープの情報も載せておきます。ゲイジン発ケチュパリ行きのジープが、12:30以降に2,3本ペリンを通過します。ただし、帰りの便は早朝のはずなので、日帰りはできません。また、ケチュパリ発ユクサム行きの乗合ジープはないため、ペリン-ケチュパリ-ヨクサムという、乗合ジープのハシゴも無理でしょう。よって、日程だけを考えると、トレッキングした場合と大差ないのです。もちろん、ジープを一台チャーターできれば、思いのまま。ペリン-ユクサム間のみどころ、すべて効率よく回れるはずです。 -
朝9時、ガルーダホテル前からスタートし、ユクサム方面に進む坂道を下って行きます。途中、ミドルペリン、ローワーペリン(写真)のホテル街を通過。だいたい1キロ強歩いたところで、両脇の建物が途切れ、道が大きく左にカーブし始めます。
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その少し手前に写真のような案内板があり、ここからが近道のスタート。下の川まで山の斜面を一気に下っていきます。今思えば、これがこの日唯一出会ったまともな道案内でした。
写真: -> KHECHEOPALRI LAKE SHORT CUT(ケチュパリ湖への近道) -
10分ほど石段を下ると、孤立した民家が出てきます。この北側斜面は基本的に森ですが、小さな農地を耕して住んでいる家が何軒かあります。それらの家と道路を繋ぐのが、この山道。
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さらに15分ほど下り、写真中央に見えている旗の並ぶ民家を通過。ここでジープ道が出てきますが、それに惑わされず、さらに下ります。最終的には川底で橋を渡り対岸に見えている道路まで行きたいのですが、ここからではどこに橋があり、どの辺りで対岸の道に合流するのかわかりません。
写真: ピンクの線が、道路に上がっていく道(後日、グーグルマップで確認) -
この先、道は一本道ではなくなるので、民家と電線、そして大体の方角を頼りに進んで行きます。道といっても、種類はいろいろ。農地の間を歩くこともあります。
話は変わりますが、私は重度の方向音痴のため、車の運転などは苦手です。常日頃、「お前は地図が読めない」と妹や友人達にバカにされ、つらい思いをしてきました。そんな私ですが、なぜか登山の道探しだけは、何のストレスも感じません。直感がよく働く世界だからでしょうか。 -
念のため、時々現地人に道を確認。「Is this way to Yuksom? (ユクサムへの道はこっちでいいですよね)」とシンプルに尋ね、相手の反応を待ちます。道に確信がないため、これは必要不可欠なプロセス。そのため現地人と多く会話することになり、結果としてトレッキングを楽しめます。
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最後の方、少し左側にトラバースして、やっと川を渡る橋に到着。ペリンを出てから、ここまで70分。これは休憩や道探しを含まない時間なので、最低でも1時間半は覚悟しておいた方がいいでしょう。近道の割には長かった!
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[ケチャパリ湖への道 - エンドレス道路]
橋の後、上の道路まで登り、舗装道路に合流。これで、距離的には、だいたい14キロほどの道を3-4キロで歩いた計算になります。
さて、ここから先ですが、歩けそうな山道が見当たりません。それ以前に、手前の山が高すぎて、近道になりそうな雰囲気さえなし。念のため観光案内所の地図をチェックしたものの、全く役に立たないことを再確認しただけでした。困りましたねー。 -
ノープランのまま道路を1キロほど歩くと、ケチュパリ湖への分岐ポイントが出てきました。ここを左に行けばケチュパリ湖へ、まっすぐ行けばユクサム方面に向かいます。何となく、近くにある道標(写真)を見てみると..
何とケチュパリ湖まであと10キロ! 幹線道路から、そんなに離れているとは、想像もしてませんでした。まともに道路を歩いたら、往復20キロですよ。ついでに立ち寄るどころか、それだけでハーフマラソン。全く..自分の無計画ぶりに、半笑いするしかありません。 -
分岐の後、緩やかな坂を300メートルほど進むと、道路が左に大きくカーブする場所が出てきます。ここから先は山を登っていくようですね。目ざとく、斜面を横切るルート(赤い線)を見つけたので、ここで近道。800メートルほど節約できました。
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道路に再び合流した後、道は左にカーブ。そこから、長い谷沿いの道が続きます(写真)。でも、この谷がケチュパリ湖まで続いているわけじゃないでんです。後でわかりますが、4キロほど平坦な道を歩いた後、谷は行き止まり。道はそこでUターンし、さらに山を登って行くのです(赤い線)。もう心が折れそう!
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この道は、決して湖に行くだけのアクセス道路ではなく、ちゃんと周辺に村があり人が住んでいます。山奥感あふれるロケーションの中、売店、学校(写真)などを横目に、奥へ奥へ。
それにしても、一直線の道というのは、単調で長く感じます。途中、何とか近道できないものかと、周辺の地形を観察しながら歩きましたが、全く成果なし。もともとこういうモノなの? 今をもってしても、ペリン-ケチュパリ間の最短ルートがどこなのか、よくわかりません。 -
[ケチュパリ湖]
結局、最初の近道を除けば、ほとんど道路ばかり歩いてケチュパリ湖(1951m)に到着。歩行時間はトータル3時間半。何だかんだで4時間以上かかってます。長かった!
ここには駐車場、食堂、売店、ロッジなどがあり、写真の右奥に湖への入口があります。チケット(10RM=160円)を買い、敷地の中へ。 -
入ってすぐの場所に、土産物屋(写真)が一軒。さらに、新しめのゴンパがひとつ。そのお店の前を歩いていると、背後から日本人らしき女性の声が聞こえてきました。彼女は観光客にヒンドゥー語でセールストークしているのですが、その高音で聞き取りやすい話し方は、いかにも日本の若い女性風。本人の姿を見ることなく、確信しました。
そうか、彼女のことか..。ケチュパリに現地人と結婚した日本人女性がいるのは、ペリンの観光案内所で聞いていました。でも、お店でバリバリ働いていることまでは知りませんでした。 -
私は時間がないので、先を急ぎます。遊歩道沿いに400メートルほど進むと、マニ車で囲まれた湖への桟橋が出てきます。インドには、聖なる池とか聖なる岩とか、山ほど聖地がありますが、このケチュパリ湖も、そんな聖地巡りスポットのひとつ。シッキムらしく、仏教、ヒンドゥー両方の聖地になっています。
伝説によると、湖に落ちた枯葉は、すぐに鳥たちによって拾われてしまうため、水面には一切落ち葉がないとか。桟橋の先では、インド人観光客が、必死になってホーリーウォーターを手ですくったり、ポリタンクに汲んだりしていました。 -
ケチュパリ湖には、もうひとつ見所があります。それは、湖全体を見渡せるビューポイント。桟橋近くの道を登っていけば、10-15分ほどで、山の上の展望パビリオンに到着します。写真はそこからの眺め。すぐそばに売店などもあるので、湖を見下ろしながら、のんびりするのもいいでしょう。この丘の上にロッジとかあればいいのにね。
さて、今日のミッションは完了。入口ゲートまで戻ります。 -
敷地を出る前に、もう一度例の土産物屋さんをチェック。外から見ると、土産屋というよりは、オシャレな雑貨屋さん風。店頭には、日本国旗も飾られてます。ちなみに、このお店の名前は、「チベット屋」。現在は店名を変えて「シッキム屋」になっています。なぜ知っているかというと、この店が最新版の地球の歩き方に載っているからです。
URL - http://tashidelek.blog28.fc2.com/ -
入る時は気づきませんでしたが、チケット売り場の壁には、いくつか興味深い情報が貼られています。1つは、ソナム・ホームステイという、安宿の宣伝。もうひとつは、ケチュパリ湖周辺の手書きトレッキングマップ(写真、クリックで拡大)。そうそう、これこれ。こーいうのが欲しかったんです。インド人もやる時はやるじゃん(スケール無茶苦茶だけど..)。と思って地図の隅を見ると、「by Tibet-Ya」。
おそらく先の日本人女性が、ボランティアでこの地図を作成してくれたのでしょう。インド人がこんな手間なことする訳ないですからね。 -
[ケチュパリ・ゴンパ]
時刻はすでに2時半。予想以上に移動に時間がかかったため、一日でユクサムまで行くという野望はすでに消えました。気持ちを切り替えて、今晩の宿を探すことにしましょう。ケチュパリには、入口の駐車場周りに、ロッジが2,3軒(写真)。さらには、政府系ゲストハウスなるものが、近くにあります。ただ、湖見学を終えた今、どうも湖周辺に滞在する気にはなれません。
そこで、先ほど張り紙で見かけたソナム・ホームステイをチェックすることにしました。この宿があるのは、駐車場から見て南側の山の上。ケチュパリ・ゴンパがある場所として知られています。 -
道は駐車場の裏からスタート。道路はないようで、整備された山道が丘の上まで続いています。ここに来て、やっとトレッキングらしい道!途中から村の若者と競争しながら歩き、20分ほどで村に到着しました。
地図: 青い線 - 駐車場から村への道。水色の線 - その他の道。赤い点は、左から、ビューポイント、チケット小屋、ケチュパリ・ゴンパ。 -
着いてみると、ここは民家が数軒あるだけの小さな集落。丘のてっぺんの平地のような場所に位置しており、周囲は360度ビュー。こういう場所って、あるようでないんですよね。たいていの村は、山腹の斜面や稜線などに広がっています。
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村の名前の由来にもなっているケチュパリ・ゴンパは、村の東端にあります。ただ、肝心のゴンパは現在改築中で、僧侶の宿舎とともに無人の状態でした。
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それにしても、この村は眺めがいい。東側の稜線上には、18kmも離れたラバングラの町。南東側の山の上に見えるは、ペリンのホテル街(赤い点)。
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さて、そろそろ宿を決めなくては。この村には、ホームステイを掲げる家屋が2,3軒あります。チケット小屋で宣伝されていたソナム・ホームステイもそのうちのひとつ。そのソナムを最初にチェックしてみましたが、紹介された部屋(別の家屋)は、コンセントがなくて、いまひとつ。もっといい所はないかと、バックパックを背負って村を歩いていたところ、すぐ隣の家でホームステイを勧められました。こちらはパラズ・ホームステイ(Pala's)という名前で、ソナムの家族とは親戚関係にあります。
写真: パラズH.S.の母屋兼キッチン小屋(右)。 -
別棟にある部屋を見せてもらうと、こちらはコンセント+大きな窓付き。極めてシンプルな部屋ですが、今日はここに泊まることにします。料金は、3食付きで450rs(720円)。明日の昼めしは要らないので、350rs(560円)にまけてもらいました。もちろん、この村に食堂などありません。
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写真の老人が、この家の主人であるパマ長老。何十年も前にダライラマの料理人としてポタラ宮に住み、日本やアメリカを含む海外にも同行したというすごい経歴の持ち主です。なぜか私の顔を見て、「日本人、タイ人、自分たち、みんな目が同じ。同じ顔だ」とニコニコ嬉しそうに話します。このエリアの住民は、主に日本人顔のレプチャ人。あまり意識してませんでしたが、実際そうなんでしょうね。
この日は、なぜか40-50才くらいの女性を何人も見かけました。話を聞いてみると、彼女らはこの長老の娘たちで、奥さんが2週間ほど前に他界したため、実家に里帰りしてお手伝いしてるとか。パマ長老は、息子5人娘7人の大家族です。 -
5:30PM、部屋で過ごしていると、夕食の声がかかりました。賄いつきですからね。場所は、キッチン小屋の土間スペース。椅子などはないため、地面にしかれた敷物の上に座り、みんなで食事をとります。この日のメニューは、ブロッコリ入りのタリー。パマ一族の視線をヒシヒシと感じながら、お腹いっぱいいただきました。
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食事の後は、部屋でくつろいで寝るだけ..なのですが、そうは問屋が卸しません。夜7時だというのに、近くのキッチン小屋では長老がひたすらお経を唱え、無視できない大音量。すぐ隣の部屋も家族の誰か使っており、隙間だらけの板張りの壁を通して、会話が丸聞こえです。逆に先に就寝されると、早く消灯しなくてはいけないプレッシャーにかられるし...。ホームスティって、名前の響きはいいけど、何一ついいことありませんね。
写真: 泊まった小屋。 -
翌朝、今日も気持ちのいいスカッ晴れ。8時頃部屋を出てみると、外のテーブルに朝食が用意されていました。メニューは、ヌードルスープに、トマト、玉ねぎ、ブロッコリなどの野菜を加えたもの。
この天気で、この開放的な眺め。この村では、朝起きる度にハッピーな気分になれそうです。もしかすると、ここで食べる朝食は、どんな高級ホテルの屋外テラスよりも、ずっと価値があるかもしれません。 -
私が朝食をとっている間、テーブルの前では、村の若い女性が赤ん坊をあやしながら座っていました。うまく表現できませんが、何だか幸せそう。こういう生活も悪くないかな..。
退屈な田舎ではありますが、ここには先祖から受け継がれた家と農地があり、いざという時に頼りになる親戚や兄弟がいる。贅沢はできないけれど、生きていくことへの不安はないはず。彼女には、自分の進むべき道、将来像がはっきりと見えている気がします。 -
そういえば、先の日本人女性も、旅行でこの村に滞在したと聞きます。どういう経緯であれ、海外に嫁いで生活するというのは、大変なことです。心配性の人なら、国籍はどうなるのか、もし離婚したら..、老後はどんな生活に..、言葉のハンディを乗越えられるのか..。などと、不安を言いだしたらきりがありません。
特に、それが途上国ともなれば、全く先の見えない世界。いわば、「地図のない旅」に出かけるようなものです。道しるべのない場所で、一歩一歩自分の領域を切り開き、足跡を残していくしかありません。そして、そこに踏み出すためには、覚悟と達観、さらには前例のない旅を楽しむ心の余裕が必要なのでした。 -
[ユクサムへの道 - 勘違いルート]
朝食を食べた後、今日の目的地ユクサムに向けて出発です。ケチュパリゴンパはのどかなところですが、とても連泊する気にはなれませんでした。やはり、私は変化を好む人間。まだ見ぬユクサムへと歩を進めます。
まずは山を下ることからスタート。昨日と同じ道でもいいのですが、今日はゴンパ裏の山道を下っていきます(少し前の地図を参照)。スタスタ歩き、10分強で昨日通った道路に合流。そこに都合よく「ユクサムへ」という案内板(写真)があるので、そのまま茶畑の方に降りていきます。 -
案内板を見て安心したのか、私はここで大きな間違いを犯してしまいました。本来なら、西(写真左)の方に進むところ、直感でアンテナ塔(写真右)の方に進んでしまったのです。こちらからでもユクサムに行けますが、整備されたトレッキング道は別にあります。
それは、このチョージョ村(Chojo)とレタン村(Lethang)を結ぶルートで、部分的には、先のチベット屋の地図にも描かれていました。しかし、地図ではスタート地点が湖畔だったため、それをマニアックな散策ルートと勘違いして無視していたのです。この早とちりが! -
そんなことも露知らず、鉄塔方向に進んだ私は、こちらからユクサムを目指します。アンテナ塔の後、道を左に曲がると、チョージョ村の小学校(写真)がありました。小学校は閉まっていましたが、その裏にある保育園は開いていました。
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中を覗くと、先生はおらず自習タイム。覚えの早い子供が、先生代わりになって英語を教えていました。壁に貼られた時間割によると、月曜日がアルファベットの読み上げ。水曜日がゼロから50までの数字の読み上げ。この年から、1日1回英語に触れてるのって、すごくありませんか?
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この女の子は、竹の棒で数字表を指さしながら、「ファイブ、ワン、フィフティーワン!」と、まるで九九のようなリズムで、全数字読み上げていきます。ちょっと自分ができるからって..付き合わされている男の子は迷惑そう。他の子供らも無関心で、我ここにあらず。その気持ち、よくわかります。
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部屋の壁には、この村の周辺地図らしきものが貼られていました(クリックで拡大)。この時は写真を撮っただけですが、後でよく見ると、村からユクサムへの分岐の位置が正確に描かれています。おーっ、これを先に見ていれば、間違うこともなかったのにね。後からそう言うのは簡単ですが、私だって何から何まで注意を払っているわけにもいきません。ましてや、こんな子供用のシンプルな地図なんて。
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その後、時々現れる民家で道を尋ねながら、ユクサムへ方面へと進みます。やはり、この道は一般的ではないようで、人によりその答えは微妙に違っていました。20分ほどで民家や畑があるエリアを抜け、最後に急な下りが始まります。
これがまた草ボーボーの道で、ちゃんと最後まで続いているのか、半信半疑のまま下っていきました。私は通常、こんな怪しい道もとりあえず進んでしまいます。何というか..習性みたいなものです。幸い、私には間違った道を進む時間的な余裕もあれば、引き返す体力もある。ただ、それだけのことです。
写真: 下り始めの場所。 -
20分ほど下ると、下に村が見えてきて舗装道路に合流。はて、ここはどこでしょう。ユクサムまでは、まだまだ距離がありそうです。これ以上下っても意味がないので、とりあえず様子を見ながら、道路を進んでいきます。
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600メートルほど歩くと、ジープが多数駐車された場所が出てきました。どうやらここは、カンチェンジュンガ滝。ツアー客に人気の立ち寄りスポットです。入口近辺には簡易食堂や土産物屋が多数並び、大変賑やか。橋のすぐ奥には、高さ10メートルほどの滝が二本あります。
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観光客用にレプチャやブティア、ゴルカなどの各種民族衣装が用意されており、コスプレ写真も撮れちゃいます。
再び、ここで道を確認。売店のおじさんによると、さらに3キロほど歩いた先に大きな橋があり、その5分後にユクサムへの山道が出てくるとのこと。何だか順調そうですね。 -
2.5キロほど歩き、斜面に家屋が並ぶレタン村を通過。ここで、道路左側に「ケチャパリ<->ユクサム」という、見覚えのある案内板(写真)が出てきて、面食らいます。えっ、これどういうこと?
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この時初めて、私が非標準ルートを歩いてきたことを確信しました。写真の赤い点線が標準ルート(予想)。青い線が、私が今日歩いてきたルート。本来なら、ケチャパリからこの地点まで、道路を一切歩かずに来れたんです。上のルートなら、途中でゴンパも見れたことでしょう。でも、下のルートだから滝や保育園が見れたわけで、これはこれで良しとしましょう。
写真: ピンクの点は、左からケチュパリ・ゴンパ、案内板1(チョージョ)、チョージョ村の鉄塔、カンチェンジュンガ滝、ゴンパ、案内板2(レタン)。 -
[ユクサムへの道 - ミスのない旅]
終わったことは仕方がない。気をとり直して先に進みます。道標によると、ユクサムまであと8キロ。全部を歩くわけではありませんが、まだまだ長い道のりです。道路脇を歩いていると、頻繁にインド人家族を乗せたジープが追い越して行きやす。正直心の中で、ユクサムまで乗せてってくれないかな〜という気持ちがないわけでもありません。でも、せっかくここまで来たのだから、最後まで歩き通したい。
私は周りから、何でそんな面倒くさいことをするんだ!とよく言われます。確かに、ツアーに参加したり車を貸し切ったりすれば、今経験している苦労は味わわずに済みます。しかし、それと同時に多くのものを見過ごしてしまうわけで、私にはそれが耐えられない。何もかも事前にアレンジされてしまうと、レールに乗った人生同様、道草できないじゃないですか。 -
かつて、人生の高速バスに乗っていた私は、車内生活に退屈さを感じ、途中でバスを降りてしまった。何てもったいない! 他から何と非難されようが、私にとっては、ごく自然な決断でした。しかし、一度車から降りてしまうと、必死でヒッチハイクしても乗せてもらえないのが、日本社会のつらいところ。あとは、自分で道を探し、目的地に少しでも近づけるよう努力するしかないのです。私にとっても、地図のない旅。それでも何の後悔も感じないのは、私がそれを楽しんでいるからでしょう。
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案内板の後、300メートルほど歩くと、すぐに橋(写真1つ上)が出てきます。その後、5分後に出てくるはずの山道を探すのですが、それらしい道が見つかりません。結局、2.5キロほど歩いた次の村で、ユクサムへの近道(写真)を発見。民家と畑の間をサクサク登り、20分ほどで上の道路に到着しました。ここからユクサム中心部までは、1.5キロほど。やはり、こういう臨機応変な旅が自分には合ってます。
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しかーし! 私はここでまたミスを犯してしまいました。やはり、より近道のルートがあり、標識がないため見逃していたのです。写真の青い線が舗装道路。赤い線が私の歩いた近道。そして、ピンクの線が最短ルート。
旅の教訓1- 地図のない旅にミスのない旅なし。 -
そのことは、村の入口にあるユクサム周辺地図(写真、クリックで拡大)を見て気づきました。もう、勘弁してよ〜。後になってからわかること多すぎです。気がつけば、今日は半分以上間違った道を歩いてきました。でも、何の不便もなし。ちょっと遠回りして、ちょっと違った景色を見てきただけです。
旅の教訓2 - 結局、どうにでもなる。 -
道路沿いに歩いて、ユクサム中心部(1780m)に到着。ケチュパリゴンパからの純粋な歩行時間は、2時間40分。寄り道・道探しを含めて4時間くらいか。
ユクサムの第一印象ですが、「あっ、こんな感じの町なんだ。何となく波長が合いそう」。ペリンから見えていても、実際の町の様子は現地に着いてみないとわかりません。2日かけて来たからこそ、沸き上がってくるワクワク感。その高揚をそのままに、今日からユクサムをじっくり攻略していきたいと思います。 -
[地図]
この2日間で歩いたルートはこうなります。黄色い線が幹線道路。青い線が、ケチャパリ湖への道路。赤い線が、私が歩いた山道。ピンクの線が、正しいルート。ケチュパリからユクサムへは、歩いた方が断然近いのが、よくわかります。
さて、ついでに今回出会った地図も評価しておきましょう。
観光案内所の地図 - 全く役に立たず。
チベット屋の地図 - 湖の周辺だけなら使える。
チョージョ村保育園の地図 - シンプル過ぎて実用性なし
ユクサムの地図 - かなり使える。
文句言うならお前が描け、という声が聞こえてきますが、この旅行記で十分でしょう。 -
[まとめ]
さて、今回まともな地図のないまま旅をして、何か得るものはあったでしょうか。外から見れば、道を間違えたり、遠回りしたり、道探しに苦労したりと、ただの要領の悪い男です。でも、旅をしている本人は、そのプロセスを結構楽しんでいた。もしかすると、地図に頼らない旅というのは、それ自体がジャンルであり、そういうプレイなのかもしれませんね。
という訳で(どういう訳だ!)、みなさんも予定調和に別れを告げ、可能性に満ちた地図のない世界へ旅立ってみませんか? 場所はどこであれ、自ら道を見つけ、自ら地図を作るという行為は、いつだって楽しいものです。
おっと、話がずいぶん逸れちゃいました。僧院トレックの旅はまだ始まったばかり。この先は、ちゃんとゴンパを巡って行きます。 -
[リンク集]
==東北インド旅行記一覧==
ダージリン大百科 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10742974/
==インド旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=609&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
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