2012/12/20 - 2012/12/20
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世界攻略者さん
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ダージリンは、暑苦しいインドにあって、珍しく涼しげなイメージを持つ町。ただの避暑地ではない、アクティブな旅行先としても楽しめます。ただ、どうもその魅力が十分共有されていない気がします。そこで、ダージリン通の私が、くどいほど詳しい街案内を書くことにしました。タイトルは「ダージリン大百科」。クーラーの効いたお部屋で、お茶でも飲みながらお読み下さい。
**情報は2012年12月後半-1月のもの。1ルピー=1.6円で計算。
==シリーズ一覧==
ダージリン大百科① ダージリンから始まる旅 <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10742974/
ダージリン大百科② タイガーヒルでご来光
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10739496/
ダージリン大百科③ トイ・トレインの取説
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10744815/
ダージリン大百科④ 街歩きトレック編 (執筆予定)
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[目次]
イントロ
アクセス
ヒルステーション
旅の季節
ホテル
滞在環境 (食事、ネット、両替、ランドリー、郵便局)
交通
チョーラスタ周辺
カンチェンジュンガ・ビューポイント
トイ・トレイン
ダージリン・ティー
その他の観光ポイント
グルカランド
まとめ -
[イントロ]
有名観光地の割には、情報の少ないダージリン。例えば、地球の歩き方では全体で6ページ、みどころ案内には1ページ強しか割かれていません。
では、ネットの旅行記はどうかと検索してみると、ひっかかるのは「カンチェンジュンガが見えて超感動〜」とか「世界遺産のトイ・トレインに乗りました!」とか、そんな薄っぺらい一行旅行記ばかり。大半の旅行者が、さっとやってきて、さっと帰っていく。残念ながら、それがダージリンの現状です。
しかし、滞在型の旅を好む私としては、どうしてもこの町のポテンシャルが見過ごせない。地図を片手に自分の足で歩き、町の把握に努めました。その時集めた情報を整理したのが、今回の「ダージリン大百科」シリーズ。少々長いですが、お付き合い下さい。 -
[アクセス]
まずは、ダージリンへの行き方から。ダージリンがあるのは、西ベンガル州の北の端。最寄りの商業都市シリグリから、ジープで2時間半くらいの距離にあります。コルカタからシリグリまでは、列車やバスを使って一晩。翌日にはダージリンに着けるため、アクセスはそれほど悪くありません。
また、ネパールからのアクセスも良好で、カトマンズを夕方出発すると翌朝には国境に到着します。そこからシリグリまでは、わずか1時間。コルカタからアクセスするのと、大差ないのです。今回、私はネパールから、直接このエリアに入りました。
写真: 赤い点 - ダージリン。黄色い点 - 下から、コルカタ、シリグリ、カトマンズ。 -
12月後半、ネパールでビザを取得した私は、カトマンズからバスに乗り、国境の町カーカルビッタへと向かいました。800ネパールルピー(800円)。16時間バスに揺られ、朝8時半、カーカルビッタに到着。両替屋で現金をすべてインドルピーに変えた後、イミグレを通過します。その後、徒歩またはリキシャ(20rs=32円)で橋を越え、インドに入国です。
写真: 国境の橋。 -
インドのイミグレをパスした後、すぐにバスに乗りシリグリへ(20rs=32円、1時間15分)。あとは、頻発する乗合ジープ(120rs=190円)で2時間半ほど山を登っていくだけです。シリグリとダージリンの標高差は約2000メートル。進むにつれ、どんどん涼しくなっていきます。 後半はトイ・トレインの線路沿いに走り、午後4時、ダージリンに到着です。
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[ヒルステーション]
ダージリン(2050m)は、北インドのシムラやマナリーと並ぶヒルステーション。つまり、英国人が植民地時代に開発した避暑地です。避暑地といっても、地元民が多く住んでるし、年中観光客はいます。ですので、リゾート地というよりは、人気の観光地といった感じです。
ダージリン最大の売りは、すぐ北側に広がるヒマラヤの眺望。そして、その中心に位置するカンチェンジュンガ(8586m)。世界で三番目に高い山です。この山は、エベレストやK2ほど有名ではありませんが、展望ポイントの多さでは、他を寄せ付けません。ちゃんと麓から見えるし、しかも日当たりのいい南側から!恐らく、世界標高トップ10の中で、この規模の町からちゃんと見えるのは、カンチェンジュンガだけではないでしょうか。 -
と、ここまで青空の写真を掲載しましたが、私が到着した時は、霧の立ちこめるドン曇りの天気。正直、私はこの時期に来てよかったのだろうかと、一瞬後悔の念がよぎりました。
ダージリンの魅力は、その涼しさではなく、晴れ晴れとしたヒマラヤの眺望。天気が悪いとその魅力も半減してしまいます。こんな天気が続くようなら、ただ寒くて坂が多いだけの町に過ぎません。 -
[旅の季節]
ヒマラヤの麓に位置するダージリンは、ネパール同様、旅のシーズンに旬があります。ベストシーズンは快晴が続く秋。具体的には、モンスーン明けの9月終盤から12月初旬。ただ、この時期は最も観光客で混み合う時期でもあります。12月中盤から2月は寒いので、観光客はやや少なめ。天気はというと、晴れてても霧が出やすく、カンチェンジュンガがクリアに見えるかどうかは運次第。しかも、天気のいい時とそうでない時が数日置きに繰り返されます。私がいたのもこの時期。下界が猛暑の4-5月は、再び観光客が戻ってきて混雑します。この時期の天気については、よくわかりません。恐らく、晴れたり曇ったりだと思います。
写真: 霞が多いと水墨画状態のカンチェンジュンガ。 -
だったら最初からベストシーズンに来ればいいじゃん、と思うかもしれません。でも、短期旅行者にとっては、10-11月は正月休暇をすぐ後に控えた休みにくい時期。長期旅行者にとっても、ダージリンはメインの観光地ではないので、どうしても後回しにしてしまいます。その結果、オフシーズンの雨季や冬にのこのこやってくる人もちらほら。そういう私も、ネパールのトレッキングを優先したため、初冬という微妙な時期にやってきたわけです。
写真: タイガーヒルからの眺め。 -
[ホテル]
到着後、まずは拠点となる宿探しから。ホテルは無数にありますが、外国人旅行者が多いのは次の3つのエリア。
1.クラブサイドやチョーラスタ周辺。例: デケリン、ベルビュー。
2.郵便局から急な階段を登ったエリア。例: プレステージ、パゴダ、シャムロック。
3.チョーラスタからテレビ塔を経てユースホステルまで続く稜線エリア。例: アリメント、ロングアイランド、タワービュー。
写真: ピンクの点が、左からデケリン、プレステージ、アリメント。黄色い点が、左からチョーラスタ(ベルビュー)、メインジープスタンド、ダージリン駅。中央にある大きな森が、ロイド植物園。 -
それぞれ簡単に紹介しておきます。写真はクラブサイドに面したデケリン。目の前がジープスタンドで、チョーラスタにも近い便利な場所にあります。内装もオシャレで人気なのですが、経済宿としては少々お高い。2000ルピー(3200円)くらいから。
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こちらは、チョーラスタの真横にあるベルビュー。上に突きだしたゴンパ風の屋根と、中華どんぶり風の外壁。一度見たら忘れられません。
このホテルに滞在すれば、二階の広い応接間や上階の部屋から、チョーラスタの様子を一日中観察出来ます。 料金は、安い部屋で、確か1100ルピー(1760円)くらいから。悪くないですが、やはりまだ高い。 -
続いて、歩き方に「安宿街」と書かれたエリアにあるプレステージ。郵便局近くの階段を登った先にあります。薄暗く狭い路地に面しているため、中も狭くて汚いのかなーと想像しがちですが、それは誤解。オーナーの奥さんが日本人ということで日本人旅行者にも人気。アクティブな情報ノートもあります。
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部屋の料金は、ダブル400(640円), シングル300(480円)。写真のダブルの部屋には、電話、テレビ、鏡、ホットシャワーがついています。この料金でこの内容は、ダージリンでもかなりお得な部類でしょう。しかもWiFi付き。
ただ、問題は、他のビルに囲まれているため、窓からの景色がほとんどないことです。せっかくダージリンにいるのに、開放感のない部屋に泊まるってのはどうですかね。でも、どこに行くにも便利なロケーションなので、長期滞在者にはオススメです。 -
最後のエリアは、稜線上に並んだホテル街。チョーラスタからユースホステルまで十数軒のホテルが点在しています。その多くは外国人向けで、ロンプラにも紹介されています。
その中で、最も眺めがいいとされるのが、ユースホステル手前にあるアリメント。ここの屋上テラス(写真)からは、ヒマラヤ、ダージリンの町並み、西側の谷、すべて見渡せます。ただ、建物が西側を向いている関係で、部屋からの眺めはいまひとつです。 -
部屋の料金ですが、トイレ付きの狭いシングルで300(480円)、窓側の広いダブルが600(960円)。シャワーが出るのはダブルの部屋だけで、しかも夜6-8時の時間限定。 有名宿の割りには、いまひとつの内容です。一階にネットカフェあり。
アリメント最大の問題は、町の中心から遠いこと。駅やジープ乗り場からはかなりの登りだし、チョーラスタへも1キロ近く離れています。そういう意味では、あまり長期滞在者向けとはいえません。
写真: アリメントのレストラン。つゆだくの親子丼(80rs=128円)と、親子丼味のオジヤ(80rs=128円)が食べられます。 -
稜線エリアにあって、最もホテル密集度が高いのが、テレビ塔の周辺。この辺りには、タワービュー、ロング・アイランド、トランクイリティなどの安宿があります。
なぜか日本人に人気なのが、ロングアイランド。チベット系の家族が経営するアットホームな宿です。以前あった食堂は閉店、情報ノートは盗難、親父さんは金に細かい。それでも、ガイドブックに載っているため、そこそこ繁盛しています。トイレ共同250(400円), ダブル600-800(960円-1280円)。元食堂スペースにネット端末あり。
写真: ヒッピー・テイストの3人部屋。トイレ・シャワー付き500ルピー(800円)。 -
ロング・アイランドにも屋上があり、稜線東側の谷がよく見えます(写真)。カンチェンジュンガは、アンテナと並んで一応見える程度。
と、ここまで5軒の人気宿を紹介してきましたが、どれも一長一短。決め手に欠けます。それ以上に気に入らないのは、ダージリンのホテルでは、外国人が宿泊する際、必ず写真付きの滞在報告書を地元警察に届けなければならないことです。ホテルを変える度に写真が一枚減っていく..。ここで紹介したホテルの大半は、実際に泊まったわけではなく、ただ覗いただけ。でも、雰囲気をつかむのには十分です。 -
[滞在環境]
==食事==
続いて滞在環境です。まずは食事から。チョーラスタからテレビ塔に向かう路地や、クラブサイド周辺に食堂が何軒かあります。これらは地元向けですが、観光客も気軽に入れます。また、多くのホテルにレストランが併設されています。メニューは、カレー類やチャウメン、スープなど。
その他、市場近くにある揚げ物スナック屋(サモサ5rs=8円)や、一皿10ルピー(16円)からのチャウメン/モモ屋台など。ダージリンの相場は、インドの他の町と比べても安い気がします。
写真: 青空やきそば屋台 -
写真は、私がよく利用したチョーラスタ脇にある常設のファーストフード店。モモ、チャウメン、オムレツの他、ロール物、バーガーなどモダンな料理も提供しています。具が野菜だけなら20ルピー(32円)、鶏肉が入るともう少し高め。
3軒並んだ屋台はどれも安くていいのですが、いつもどの店に入るか悩みます。みんな顔を知っているので、理由もなく特定の店だけ通うのも悪いし、かといってきっちりローテーションするのも変ですしね。
写真: ファーストフード屋台。馬小屋の目の前という絶好のロケーション。 -
ダージリンやシッキムのいいところは、モモやトゥクパなどのチベット系料理が普通に食べられることです。私なぞ、毎日トゥクパばかり食べていました。日本で言えば、うどんやラーメンに相当する飽きのこない料理です。20-30ルピー(32-48円)。
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ある日、チョーラスタ近くの食堂街を歩いていると、店の入口に韓国語のメニューが書かれた張り紙を見つけました。気になりますねー。中に入り、「何だあれは。韓国料理か、それとも裏メニューか!」と問い詰めたところ、それは、常連韓国人オススメのメニューであることがわかりました。
具体的には肉まんサイズのモモ(20=32円)、牛の胃袋スープ(60=96円)、ビーフカレースープ(90=144円)。最後のやつは、カレーというよりはスパイスの効いた牛肉煮込み料理。サイコロ大の牛肉が沢山入っていて、肉食の私も満足な一品です。インドでこれらの料理を見るのはこの店が初めて。言ってみればチベット系裏メニューです。
写真: ビーフカレー・スープ セット。 -
==インターネット==
ネットカフェは、観光客の多いエリアに4−5軒。相場は一時間30ルピー(48円)。プレステージの上の道路にあるCompuset Centre(写真)は、日本語対応を謳っています。ここはプリント代が他より安いのがナイス。次にWiFiですが、ネパールと違いWiFiが使えるホテルはほとんどありません。私が知る範囲では、プレステージとユニオンチャーチ裏のリボルバーだけ。
WiFiがないとなると、部屋でのネットは3G頼みになります。ダージリンでは、エアテル、エアセル、リライアンス、ボーダフォンなどのキャリアが3Gサービスを展開。ただ、坂がちでコンクリートに囲まれたホテルの中では、なかなか電波が届いてくれません。3Gによるインターネット接続に関しては、次のリンクを参考にしてください。
インドの3Gインターネット事情:
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10757580/ -
==両替==
ATMは、チョーラスタにSBI、クラブサイドを下った先にICICIとSBI。引き出し手数料はかかりません。すぐ近くにあるICICIの支店や、私設の両替屋でも両替可能です。
==ランドリー==
ランドリーは、独立したお店が1-2軒。ホテルに頼むのが普通のようです。Tシャツ15-25ルピー(24-40円)。キロ単位の料金体系はなし。
==郵便局==
郵便局があるのは、ショッピングセンターRINK MALL(BIG BAZZAR)の目の前。インドは国際郵便料金がとても安いので、いらない荷物は日本に送ってしまいましょう。
郵便局でパッキング(70rs=112円)を依頼すると、何故か知りませんが、荷物を白い布で丁寧に縫い包んでくれます(写真)。宛先は布の上にマジックで記載。絶対に書き損じできません! 毎回こんな感じで送っても、ちゃんと配達されるから偉いものです。日本まで航空便で約2週間。 -
[交通]
ダージリンは坂の町。タクシーはありますが、オートリキシャや人力車などの割安な交通手段はありません。よって、町の中を移動する時は、徒歩! 下のメイン道路から上のホテル街までの坂道と階段を、毎日のように登ります。最初はしんどいですが、慣れてくると、結構気持ちがいいものです。
他の町へ移動する時は、基本的に乗合ジープ。バスも一部ありますが、本数が少なく不便です。ほとんどの行き先へは、メインのジープ乗り場から出発します。主な行き先は、シリグリ、ガントック、カリンポン、ジョレタン、スキアポカリなど。シリグリとガントックへは、クラブサイド他、複数の場所から出発しています。
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ダージリンの街歩きで欠かせないのが、読みやすい地図..なんですが、地形や道が複雑なため、読みやすい地図は存在しません。現地で見かける地図も、地球の歩き方と同じレベル。ミミズが寄り集まったような絵になっています。
その中で、比較的参考になるのが、地図の上に観光地の情報だけのせたシンプルなもの。具体的には、「Nathmulls」の観光案内図(写真)や「Golden Tips」が作成した旅行ガイド(40rs=64円)の地図です。なぜか、両方ともお茶の販売店。結局は、何度も道を間違いながら、自然に土地勘が養われるでしょうから、地図なんて何でもいいのかもしれません。 -
[チョーラスター周辺]
滞在環境を整えたところで、早速街歩きスタート。観光客にとって、ダージリンの中心は稜線上にあるチョーラスタ広場。さらに、そこからクラブサイドまで続くネルー通り(写真、The Mall)が、観光客向けの目抜き通りになっています。
クラブサイドから坂を下っていくと、郵便局とビッグバザール、さらに進むとトイ・トレインの駅に至ります。滞在中、この通りを何度も往復することになるでしょう。 -
クラブサイドから上はホコ天になっており、車は入れません。そのため、荷物を運ぶポーターをよく見かけます。もっとも、彼らはこの区間だけ運んでいるいる訳ではなく、下のメイン道路から上の街まで運ぶのが主な仕事です。
この通りには、ツーリスト向けの売店やレストラン、カメラ屋や服飾店などが並んでいます。 -
これは、若者が2日で描いたダージリンをモチーフにしたアート。ヒマラヤにトイ・トレイン、レッサーパンダにグルカ兵。さらにシャクナゲの花。ポイント抑えてますね。今も残っているかどうかは、知りません。
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クラブサイドから坂を登りきり、チョーラスタへ。ここには広場を中心として、東側にベンチ、西側に本屋やティーショップなどの店舗が並びます。雑然としたダージリンにあって、珍しく広々とした場所。ここは観光客が必ず訪れる場所ですが、道行く人もベンチでおしゃべりする人も、主に現地人です。なぜでしょう。それは、チョーラスタが、周辺の集落を結ぶ稜線上の十字路のような役割を果たしているからです。町に出る住民は、まずはチョーラスタまで来なくてはなりません。
私もベンチに座り、チョーラスタの様子を観察してみます。広場を行き来するのは、主流派であるネパール系の住民、民族衣装を着たチベット系の住民、日本人顔のレプチャ系の住民、平野部から商売に来ている色黒のインド人、サリーを着たインド人観光客、袈裟を着た僧侶、重い荷物を運ぶポーターなど、実に多種多様。民族も文化も、外観も社会的な地位もすべてバラバラ。それでいて、カーストのような上下関係を(表面上は)感じない、なんとも多様性溢れる場所なのです。 -
ここは、普段は何もないただの広場ですが、 時々ステージを使った催しが行われます。この時は「お茶と観光フェスティバル」と称して年末を跨ぐ17日間、歌や踊りのショーが行われていました。
クリスマスから新年にかけては、インドも休暇シーズン。ただし、標高2000メートルのダージリンはかなり寒いため、客足はいまひつです。そのテコ入れ策としてのイベントなのですが、効果はあったんでしょうか。 -
ところで、このチョーラスタ。高い場所にある割には、眺めがよくありません。建物や森に阻まれヒマラヤが全く見えないのです。じゃあ、観光客は何のためにここに来るかというと、そのひとつはすぐ近くにあるオブザーバトリー・ヒルを訪問するためです。
場所は広場北側の丘の上。チョーラスタからだと、右奥の道を進んだ後、左側に出てくる階段を登ります。 -
この丘は、かつて、ダージリンの名前の由来であるドルジェ・リン僧院があった場所。今では仏教・ヒンドゥー両方にとって聖なる場所とされています。敷地内には、チベット仏教のタルチョやゲートがある一方で、ヒンドゥーの牛の像やベルなどもあります。
現在、ここに祭られているのは、主にマハカリ。仏教的には、大黒天。ヒンドゥー教的には、「怒ったシバ神」になります。 -
丘の一番上にあるマハカリ寺院に入ってみると、祭壇のような場所をはさんで、チベット僧とヒンドゥー担当の男性が向かい合うように座っていました(写真)。訪問客は、自分の信じる宗教の方で、色のついた粉をおでこにつけてもらいます。
基本的に、ここを訪れる人の大半は観光客。地元では存在感のある仏教ですが、ツーリストは圧倒的にヒンドゥー。ですので、ヒンドゥー側に行列ができる一方、僧侶のほうが、暇そーな、寂しそ〜な顔をしている時もあります。
以上、チョーラスタ周辺の紹介でした。 -
[カンチェンジュンガ・ビューポイント]
私が考えるに、ダージリンの主な見どころは、1.カンチェンジュンガの眺め、2.トイ・トレイン、3.ダージリンティーの3つ。それぞれ見て行きましょう。
ダージリンはカンチェンジュンガが望める最も有名な観光地。でも、そのイメージとは裏腹に、町中のほとんどの場所からは山が見えません。なぜなら北側の丘が邪魔だから。写真はクラブサイドより少し高い場所からの眺め。この周辺のホテルからだと、カンチェンジュンガ山群が、白い建物の左横、または少し上くらいに見えるでしょう。
写真: ランドマーク的にそびえる白い大きな建物。これは、教会ではなく、Ranga Manchaというよくわからないホールです。 -
では、一番手ごろなビューポイントはどこかというと、チョーラスタからオブザーバトリー・ヒルに向かう道をそのまま5分ほど歩き続けた場所。ここは丘の裏側部分に当たるため、前方を遮るものは何もありません。間隔を置いて3ヶ所ほどベンチが並んだ場所があり、ゆったり眺めを鑑賞できます。写真はそこからの眺め。もしガスってなければ、川の向こうにあるシッキムの村々が確認できるはずです。
この場所は、現地人にとっては「当たり前」のデフォルト・ビューポイントなのですが、なぜかガイドブックの扱いは小さめ。そのため、ツーリストはあまり見かけません。逆に現地人からは愛されており、朝の絶好の散歩スポットとなっています。
写真: 2つ目の休憩所 -
でも、せっかくダージリンにいるのだから、ダージリンの町並と雪山を同じフレームに収めたい。そう考える人もいるでしょう。その場合、町の中心部から離れて、より南にいくと眺めがよくなります。高ければ高いほどベター。写真は、アリメント屋上からの景色。手前の木が一本邪魔なことを除けば、ほぼ完璧な眺めです。先ほどのクラブサイド近辺からの眺めと比べ、山の位置が全く違います。
幸い、アリメントには朝からやってる食堂があるので、そこに行くふりをして、1つ上の屋上に登れば、この眺めが拝めます。 -
角度にこだわらなければ、ダージリン駅からの眺めもグットです。手前が開けており、電線以外は視界良好。ダージリンの町は、丘に沿って西に曲がっているため、少し南に移動すれば、このようにヒマラヤが見やすくなるのです。
もちろん、ここで紹介したビューポイントは、天気のいい日に限って成立します。空気がクリアーな日の朝は、真っ先に、これらの場所に向かいましょう。 -
以上が、入門編的なお手軽ヒマラヤ鑑賞ポイント。さらなる絶景を求めるなら、ダージリンを離れ、タイガーヒルやシンガリラ尾根、シッキムに向かうことになります。
写真: サンダクプー(シンガリラ尾根)。 -
[トイ・トレイン]
続いて、世界遺産トイ・トレインです。これは、100年以上前に、英国人がダージリンに物資を運ぶために建設した狭軌の山岳鉄道。わずか61センチのレールの上を、オモチャのような列車がノロノロ走ります。列車自体は見たことなくても、町中に響く汽笛の音は、必ず耳にしているはずです。
このトイ・トレインの楽しみ方は2つ。乗るか見るか。現在、一日4-6本運行されていて、そのうち蒸気機関車が使われるのは2本。チケットの予約は、言われているほど難しくありません。当日でもチェックしてみましょう。 -
また、乗らなくても、走っている姿や出発準備している様子を見るだけでも、楽しめます。でも、それだと普通の蒸気機関車見学と変わらないじゃ..。確かにそうなんですが、トイトレインの場合、すぐ横でメンテ作業を見たり、走っているところに飛び乗ったり、ととても近寄りやすいのが特徴です。
トイ・トレインに関しては、語ることが多いので、別の旅行記で詳しく紹介します。 -
[ダージリン・ティー]
続いて、お茶の話。ダージリンという町が世界的に有名なのは、ひとえにダージリン・ティーという紅茶ブランドのおかげです。ダージリン・ディストリクトは、クルセオンやミリックを含む広いエリアで、そこで生産されたものは、すべてダージリン・ティーとされています。この一帯には、そこら中の斜面に茶畑があり、いくつもの茶農園が存在しています。 -
ダージリンでのお茶観光の仕方は2つ。ひとつは、茶農園の見学。すぐ近くのハッピーバレー農園や、クルセオン近郊のマカイバリ農園など、見学者を受けいれている農園はいくつかあります。そこで工場見学などをして、ついでに専売店でお茶の葉も買っていくのです。ただ、茶摘みのシーズン以外は閑散としていて、盛り上がりに欠けます。
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もうひとつは、町のお茶専門店でのショッピング。ダージリンには、チョーラスタと郵便局を結ぶ通りに、観光客向けにお茶の葉を売るお店が何軒かあります。売り物は、農園ごとのパックだったり、独自のブレンドだったりと様々。品質のいいもので、100グラム60rs(100円)から購入出来ます。
購入前、店内でお茶の葉の香りを嗅がせてもらったり、付属のカフェで試飲してみたり、と買うまでのプロセスも楽しい。あまりお茶に詳しくなくても、現地に赴き自分の眼と鼻で選ぶことに旅の意義があるわけです。 -
[その他の観光地]
ダージリン近郊には、ゴンパや動物園など、観光客が訪れる場所がいくつかあります。ただ、どれも微妙な場所ばかりで、時間つぶし的なスポットと考えた方がいいでしょう。 -
家族連れでバカンスに来ているインド人とかは、ジープをチャーターしてこれらの場所をくまなく回ります。でも、一人や二人ならそんなもったいないことはできない。そこで考えたのが、エリアを絞って徒歩で回るというプラン。ダージリンの街全体をトレッキング・ルートに見立てて、景色を楽しみながら観光スポット巡りをするのです。うーん、悪くない!
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今回、私が開拓したのは、①近場をコンパクトに回る「ハイライト・コース」、②グーム方面から攻める「グーム・ルート」、③ラバン方面を攻める「ラバン・ルート」の3つ。これらの街歩きトレックに関しては、別の旅行記で紹介する予定です。
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[グルカランド]
ダージリンを語る上で避けて通れないのが、町中で展開されているグルカランド運動。これは、ダージリンやカリンポン、ブータンと接したエリアなどを、グルカランド州として独立、またはより多くの自治を要求するというものです。
写真はグルカランドの旗。町のあちこちで、同じデザインのポスターやステッカーを見かけるはずです。我々部外者から見れば、そんな大した経済力もないのに州として独立なんて無謀では、と考えます。でも、この「グルカランド」の土地は、すぐ北のシッキム州より広いし、人口も多い。それに、いくら観光や茶農園を頑張っても、州政府に税金でもってかれる。なぜ、うちだけ西ベンガルとくっつかなきゃいけないんだ! というのが彼らの言い分です(たぶん)。 -
滞在中、何度かデモを見ました。基本的に平和なデモ・パレードですが、夜に行われるものは、それなりに迫力があります。まるで、革命前夜の集会でも見ているよう。「We want Gorkhaland!」
彼らの思いは中央政府に通じるのでしょうか。それは、何とも言えません。 -
元々人が住んでいない土地を切り開いたダージリンには、ネパールから多くのグルカ族の人達が移住してきました。だから、グルカランド州なのですが、今のダージリンはかなり多民族化しているように感じます。それが最も顕著にわかるのが、学校の通学風景。背が高かったり、色黒だったり、モスリムだったりと、明らかに地元系でない生徒が多数まじっており、仲良く肩を組んでに登下校しています。
民族背景が違えばアジェンダも違うわけで、みんなが同じ方向を向いているとは思えません。滞在中、イスラム系住民だけのデモも見かけました。 -
[まとめ]
こんな感じで、ダージリン滞在の基本情報をまとめてみました。気候は暑くなく、物価も安め。滞在環境も整っています。では、沈没地になりえるか、と聞かれれば、うーんそこまでの居心地の良さはないかもしれません。
私がこの地域に来た目的は、カンチェンジュンガの眺めを極めること。当初、ダージリンは、この後訪れるシングリラ稜線やシッキムに行く前の、単なる起点のつもりでした。それが、滞在するうちに面白さを見つけ、旅行記を何本も書けるほど充実した日々を過ごしました。
この後、②タイガーヒル編、③トイ・トレイン編、④ダージリン・ティー編、⑤街歩きトレック編、とこのシリーズは続きます。一見さんに優しく、リピーターにも参考になる。そんな情報源として、「ダージリン大百科」、ぜひご活用下さい。 -
[リンク集]
==東北インド旅行記一覧==
ダージリン大百科 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10742974/
==インド旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=609&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
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この旅行記へのコメント (6)
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- さなぁさん 2016/11/10 16:13:55
- 今月よりダージリンに
- ダージリン大百科、とても勉強になります!
今回、インドはダージリンだけなのでニューデリーからバグドグラ空港へ、そのままダージリンに行こうと思いますが、タクシーチャーターするより、シリグリ経由した方がいいのかと考えています。
まだ読み始めですが、全て読んでダージリン行きにのぞみたいと思いますー!たくさんの情報をありがとうございます!
- 世界攻略者さん からの返信 2016/11/26 21:33:12
- RE: 今月よりダージリンに
- さなぁさん、
こんにちは。そうですね。シリグリ経由の方が、交通費が節約できます。返事遅れましたので、すでに現地だと思いますが..。11月なので天候的には一番いい時期です。ご旅行楽しんで来てください。
> ダージリン大百科、とても勉強になります!
> 今回、インドはダージリンだけなのでニューデリーからバグドグラ空港へ、そのままダージリンに行こうと思いますが、タクシーチャーターするより、シリグリ経由した方がいいのかと考えています。
> まだ読み始めですが、全て読んでダージリン行きにのぞみたいと思いますー!たくさんの情報をありがとうございます!
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- インドにてさん 2013/08/26 01:40:21
- とても参考になりました
- インド在住者です。ダージリンにく計画中なので、とても参考になりました。
- 世界攻略者さん からの返信 2013/08/29 05:36:43
- RE: とても参考になりました
- いえいえ、楽しんできてください。実を言うと、ダージリン大百科はまだ半分しか書いてないのですが、最初の三作がメインなので、十分かな。
- インドにてさん からの返信 2013/11/10 10:48:59
- RE: とても参考になりました
- ダージリンからサンダクフへの日帰りジープサファリで行ってきました。サンダクフからの眺望は空振りだったのですが、途中のTongluからはカチュンチェンガが良く見えました。ジープでの日帰りは辛いものがあり、サンダクフ泊にすれば途中の景色も楽しめたかもしれません。
ToyTrainはクルシャン街中を走るところが気に入りました。
判り易い情報、ありがとうございました。
- 世界攻略者さん からの返信 2013/11/15 01:57:20
- RE: RE: とても参考になりました
- インドにてさん、こんにちは。
サンダクプーの件、残念でしたね。私が訪れた12月後半は、ダージリンは曇りがちだったのですが、トンルー以降は雲の上でカンチェンジュンガがよく見えました。仰るとおり、ロッジ街までジープで行けるのは便利なのですが、日帰りになると最も天気が良い早朝の時間帯を逃すことになるので、痛し痒しです。シンガリラ尾根へのトレッキングは、いつか旅行記としてアップしたいと思います。いつになるかはわかりませんが..。
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