2012/12/21 - 2012/12/21
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世界攻略者さん
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ダージリン観光で最も定番とされているのが、町の南東に位置するタイガーヒル展望台(2590)。この場所はホテル街より400メートルほど高い位置にあるため、ヒマラヤのパノラマが満喫できます。ただ問題は、ほぼ100%の人が御来光目的で来るため、いつも初詣並みに混雑することです。そんな早朝の賑わい、現場からレポートいたしましょう。
**情報は2012年12月後半-1月のもの。1ルピー=1.6円で計算。
==シリーズ一覧==
ダージリン大百科① ダージリンから始まる旅
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10742974/
ダージリン大百科② タイガーヒルでご来光 <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10739496/
ダージリン大百科③ トイ・トレインの取説
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10744815/
ダージリン大百科④ 街歩きトレック編 (執筆予定)
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[目次]
アクセス
チケット
展望台 - 屋外
展望台 - 屋内ラウンジ
夜景と朝焼け
ご来光
ヒマラヤの展望
ラウンジ閉店
タイガーヒル・トレック
アーミー・トレイル
まとめ -
[アクセス]
タイガーヒルがあるのは、ダージリンから見て7キロ南東の丘の上。最寄りの町はグームになります。ダージリンの稜線東側からだと、南の山の上に大きな鉄塔が建っているのを確認できるでしょう。
写真: チョーラスタから見たタイガーヒルの鉄塔と展望台。 -
御来光に合わせるため、出発は夜明け前。オフジーズンでもなければ、ホテル街にほど近いクラブサイドから乗合ジープが出ているはずです。朝4時ごろから客引きを始め、4時半ごろ出発。12月後半のこの時は、ジープ一台分の客(10人)が集まっただけでした。
料金は往復で150ルピー(240円)。タクシーの公示運賃表には100ルピーと書かれていたので、もしかしたらボラれたのかもしれません。まあ、どちらにせよ安い値段です。
写真: クラブサイド。すぐ近くに時計塔とデケリン・ホテルがあります。 -
[チケット]
40分ほど走り、展望台手前の料金所に到着。ここで乗客は車を下り、各自入場チケットを購入します。その後、再び車に乗り込み出発。写真は帰りに通った時のもので、来た時は多数のジープと観光客でごった返していました。 -
なぜ別々にチケットを購入するかというと、展望ラウンジによって値段が違うからです。展望台エリアに入るだけなら10ルピー(16円)、ラウンジ1階が20ルピー(32円)、二階のデラックス・ラウンジが30ルピー(48円)、三階のスーパー・デラックス・ラウンジが40ルピー(64円)。ここからは建物が見えないので、想像で買うしかありません。これに加え、車一台につき10ルピーの入場料がかかります。
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とりあえず、建物の中に入れない一番安いチケット(10ルピー)を購入。この先チケットをチェックする人はいなかったので、買わなくても同じだったかもね。
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[展望台 - 屋外]
1分ほど走り、丘の頂上部分にある展望台へ。ここで車を下りた後は、各々自由行動。すでに多くの観光客が貸切ジープか自家用車で来ており、頂上の駐車スペースはすでに一杯です。4時半出発は早すぎると思ってましたが、駐車スペースのことを考えると、正解だったかもね。オンシーズンを過ぎた12月でさえ、この混雑ぶり。10-11月のピークシーズンには、150台近いジープがやってくるとのことです。 -
時刻は5時20分。空はまだ真っ暗。私を含め一番安いチケットを買った人達は、くそ寒い屋外で日の出を待つしかありません。地平線は少し明るくなっているものの、日の出時刻まではまだ1時間もあります。どちらかといえば、星空鑑賞会といった様相。
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[展望台 - 屋内ラウンジ]
場外組が寒さに震える中、迷わずラウンジチケットを買った小金持ちチームは、屋内で優雅な時間を過ごしていました。中はどうなってるのか、覗いてみましょう。私もありったけの服を着込んでやって来ましたが、寒いものは寒いんです。
再び料金所まで戻るのは面倒なので、建物入口でチケットをチェックしているおじさんに事情を話し、入場チケット(10ルピー) + 20ルピーで、モギリ済みのデラックス・ラウンジのチケットと交換してもらいました。 -
これが二階のデラックス・ラウンジ。椅子が数十席用意されており、ほとんどの人は太陽の出る東側を向いて、一部の人はヒマラヤのある北側に向かって座っています。建物自体は横長の北東向き。
写真: 北西側の窓 -
特に東側は人が多すぎて窓際にさえ近づけません。この状態が日の出まで続きます。なお、建物の1階にも、屋外スペースがあるので、全く外が見えないということはありません。
写真: 北東側の窓 -
部屋の端では、展望台からの眺めが印刷された絵葉書や防寒具が売られていました。テーブルの端には無料のコーヒーサーバー。外で売り子のおばさんから買うと10ルピー(16円)するので、これだけでモトが取れた気がします。
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さらに三階には、スーパー・デラックス・ラウンジという最高クラスの部屋があります。こちらはなぜか閑散としていて、ほとんど人がいません。たった10ルピー(16円)の違いなのになぜでしょう。みんな、「スーパー」の名前にビビったのかな。このラウンジでは、さらなるチケットチェックがあるので、写真だけ撮って退出しました。
写真: 椅子はフカフカですが、移動は難しそう。 -
これは一階の一般ラウンジ(20ルピー=32円)。椅子はないものの、屋内で寒さをしのげます。コーヒーサーバーや土産物売りもあり。一階と二階にはチケットチェックがないため、一階のチケットで二階に入ることも事実上可能です。もちろん、その逆も可。
しかし、なぜみんな二階にばかり集中しちゃうんでしょう。松竹梅で言えば竹。乗用車で言えば、日本車でもTATAでもなく、ヒュンダイ。インド人も、日本人同様、値ごろ感に敏感な中流志向があるようです。 -
[夜景と朝焼け]
そうこうしているうちに空は少しづつ明るくなってきました。でも、日の出はもう少し先。他の観光客が、まだかまだかと東の空を見つめている一方、私は北側の景色を楽しみます。写真はダージリンの夜景。明かりが見えているのは、町の中心部ではなく、稜線東側にある集落です。 -
時刻は6時12分。日の出より少しだけ早く、カンチェンジュンガに光が当たり始めました。
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見事な朝焼けですね。パシャパシャと写真を撮っていると、5分もしない内に後ろから歓声が聞こえて来ました。
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[ご来光]
6時17分。待ちに待った日の出の瞬間です。ご来光をありがたがるのは、日本人もインド人も同じ。DNAレベルの喜びです。 -
でも、玉のような太陽が見えるのは、ほんの2分くらい。それが過ぎると、ただの光の強い朝日に変わってしまいます。1時間寒さに耐えた後にやってくる2分間のクライマックス..うーん。ご来光ツアーとは、そんなエクスタシーを味わう観光なのかもしれません。
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一通り写真を撮り終えたところで、観光客はそそくさと車に戻り、次の観光ポイントへと向かっていきます。空も明るくなり、気分はスッキリ。さわやかなダージリン観光の始まりです。
乗合ジープの場合も、帰りの集合時間は6時半。日の出からわずか10分です。それでは忙しないので、私は帰りの車を放棄して、しばらくタイガーヒルに残ることにしました。 -
[ヒマラヤの展望]
雪山が最も映えるのは、澄んだ空気の中、強い日差しを浴びる時間帯。何度もヒマラヤに行っている私は、そのことをよく知っています。今朝は天気に恵まれ、稜線のラインや雪の斜面までもくっきり。誰にも邪魔されることなく、世界第三座の山容を、静かに、そしてじっくりと鑑賞させてもらいます。 -
実は、タイガーヒルからは、エベレスト山群も見ることができます。それが、ダージリン市内とこの展望台の大きな違い。写真は右から、マカルー、エベレスト、ローツェ。マカルーは比較的大きく見えますが、エベレストとローツェは稜線の上から頭が少し見えるだけ。カンチェンジュンガと比べると親指サイズなので、見えただけでもラッキーといえるでしょう。
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これは北西方面の眺め。赤い点は、左から、エベレスト、スリーシスター、ダージリン、カンチェンジュンガ山群。さらに東方向には、チベットとの国境を作る雪山が並びます。
よく見ると、ダージリンの上に小さな雲が浮いています。街中からヒマラヤはクリアに見えているのでしょうか。このように、ダージリンがガスっていても、タイガーヒルは快晴ということがよくあります。 -
[ラウンジ閉店]
6時50分。すでに観光客は去り、ラウンジには誰もいません。スタッフの男性は椅子を並び直した後、私に退出するよう促します。 -
午前7時。建物に鍵がかけられ、スタッフの男性は土産物売りの若者と共に、バイクで帰宅していきました。今、タイガーヒル展望台にいるのは私ひとりだけ。文字通り、そして誰もいなくなった..。
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[タイガーヒル・トレック]
さて、交通手段を失った私は歩いて帰るしかありません。でも、これは想定内。道ははっきりしているので、ダージリンまでのんびり戻ることにしましょう。
写真: 左矢印 - 丘を下るジープ道。右矢印 - 稜線東側の道路。 -
5分ほど下り、料金所の前を通過。そのすぐ後に廟のようなものが出てきます。
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この廟の反対側の小道を進んだ先に、ハヌマン像(写真)が祀られた寺院があり、インド人観光客が熱心にお祈りしていました。
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さらに5分ほど歩くと、正面にゲートのようなものが見えてきます。ここで車道を離れ、右側の草原に進みます。
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草原上の道を奥へ奥へ。この道がどこに続いているのか定かではありません。でも、現地の女性が一人歩いていたので、どこかの集落には続いているのでしょう。写真はタイガーヒル方面を振り返ったところ。
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4−5分歩くと、周囲がだんだん開けてきます。正面北側に見えるのは、もちろんカンチェンジュンガ。やはり、歩いて体を動かしながら見るほうが気持ちいいですね。
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さらに数分歩いて、民家と鉄塔の間を通過。鉄塔の左側から丘を下る山道が出てきます。ここからしばらく竹やぶや森の道が続きますが、道ははっきりしているので問題なし。基本的に電線沿いの道です。
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丘を下るにつれ、再び眺めが出てきました。これは北側の風景。カンチェンジュンガとダージリンに続く道。
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一方、西側(左側)は、グームの町並み。その奥には、ネパールとの国境線を作るシンガリラ山群が見えています。
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鉄塔から20分ほど下ったところで、丘の中腹にある集落に入ります。ここにはゴンパがあり、朝のお経が行われていました。
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ゴンパからさらに集落を下り。5分ほどでヒルカート・ロードに合流。ここからグーム駅までは、道なりに600メートルほど歩くだけです。 何の事前情報もないトレッキングでしたが、思ったより簡単でした。歩行時間は45分。目安時間は1時間といったところです。
さて、ここからダージリンまで、どうやって戻りましょう。幹線道路まで下りてしまえば、多くの選択肢があります。
1. 乗合ジープ(20ルピー=32円)を拾う
2. 9時発のトイ・トレイン(20ルピー=32円)で帰る
3. グームを観光してから乗合ジープで帰る。
4. ダイレクトに歩いて帰る
写真: 左に進むとグーム駅。右に曲がるとカリンポンへと続く道。 -
[アーミー・トレイル]
せっかくトレッキングでタイガーヒルから下りてきたので、この先も歩いてホテルまで戻りたいと思います。歩けそうな道は3本。線路沿いのヒルカート・ロード(写真左)。稜線東側を歩いてチョーラスタに向かう最短ルート(写真右)。そして、丘の上に伸びる正体不明のルート(写真中央)。 -
私がタイガーヒルを訪れたのは、ダージリンに来てまだ二日目。地理に不案内だったため、稜線上の道が一番眺めがいいのではと考え、正面の丘を登り始めました。もちろん、それがどんな道なのかも知らずに..。
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近道らしきものが見えたので、すぐに道路を離れ、斜面の山道を登っていきます。
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10分ちょっと登り、稜線上の道路に合流。ここには学校(写真)があり、名前は「アーミー・パブリック・スクール」。どうも、駐屯している兵士の子供らが通う学校のようです。何だかヤバイところに来ちゃいましたね。
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再び、斜面上の山道を強引に歩いて道路に合流。ここから先は、フラットな道がダージリン方向に伸びています。写真はタイガーヒル方面を振り返ったところ。
写真: 青い点は、左からタイガーヒル展望台、通過した鉄塔、ゴンパ、学校。 -
しばらくすると、軍の宿舎と訓練場のようなものが見えてきました。 おいおい、こんな所歩いてて大丈夫かよ! どうもこの高台部分は、すべてインド軍関係の施設で占められているようです。「ここ抜けてっていいですよね!」と兵士に目で合図しながら、このセンシティブなエリアを通過。
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さらに道路は続き、リクルートオフィスなどの建物を通過。学校から30分ほど歩いたところで、ダージリン側の入口ゲート(写真)を抜けました。なお、この区域は本来立ち入り禁止なので、このゲートに行っても守衛に追い返されるだけです。なにはともあれ、脱出成功です。
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この先、15分ほど道なりに歩き、ユースホステルやアリメントがあるホテルエリアに到着。この道はテレビ塔を経てチョーラスタまで続いています。
グームからここまで約1時間。結果的に危険を冒して歩いたルートですが、駐屯地内の道からは雪山がほとんど見えません。ゲートを出て、やっと見えたと思ったら、すでに曇りでした(写真)。ただ高い位置にあるだけの、ハイリスク・ローリターンな道。それが、この知られざるアーミー・トレイルの正体でした。 -
[まとめ]
前日のドン曇りから一転。今朝は早朝だけですが、いい天気に恵まれました。たった240円の交通費とはいえ、タイガーヒルは滞在中何度も通えるような場所ではありません。早起きは辛いし、朝四時の段階では天気がどうなるのかわかりません。そんな一発勝負の世界にあって、見事な快晴。ひょっとして、私は「持っている」男なのかもしれません。
このご来光をめぐるツーリスティックな喧騒。どこかで見覚えありますよね。そう、アンナプルナのプーンヒルです。あちらは車ではなく全員徒歩ですが、早起きして山に登るのは同じです。その時も、私は一人だけ残りヒマラヤの眺めを楽しみました。朝、静寂の中で見つめる山並みは、いつも私の心を穏やかに洗浄してくれます。でも、人山人海のような今朝の賑わいも決して嫌いではありません。たった1時間ならね!
参考: 最速のアンナプルナ② みんなのプーンヒル
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10445604/ -
[リンク集]
==東北インド旅行記一覧==
ダージリン大百科 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10742974/
==インド旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=609&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==ご来光関連==
[ネパール] アンナプルナ プーンヒル
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10445604/
[スリランカ] スリーパーダ
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10441779/
[日本] 富士山
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10705765/
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