2012/12/02 - 2012/12/02
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京妓さん
絶世の美女と伝えられる小野小町。
百人一首には、その美しい容姿の衰えを嘆く歌が選ばれています。
伝説が一人歩きして、小町の本当の容姿を伝える絵はないとされる中、
皮肉にも、衰えた姿は彫像や絵に残されています。
その小町老衰像を見に、随心院と補陀落寺(小町寺)を訪れました。
実像か否かはともかくとして強烈な姿です。
美しい小野小町のイメージを壊したくない方は、
このページを開かないでください。
〔第9首/小野小町〕
花の色は 移りにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせし間に
- 交通手段
- 高速・路線バス 私鉄 徒歩
-
【随心院】
小野小町といえば、まずは随心院。
地下鉄東西線 「小野駅」 下車。
駅の案内板もあったのですが、
地下鉄職員の女性にルートを尋ねたら
赤線を引きながら丁寧に教えてくださいました。
親切にして頂いて、ありがとうございました!小野駅 駅
-
【随心院】
境内案内図。 -
【随心院】
総門。 -
【随心院】
-
【随心院】
薬医門。
寛永時代の建築で、
徳川秀忠夫人お江 (お江与の方) の娘、
天真院尼の寄進によるものだそうです。 -
【随心院】
〔第9首/小野小町〕
花の色は 移りにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせし間に
絶世の美女・小町が、
その美しい容姿の衰えを嘆く歌。小野駅 駅
-
【競技かるたプチ情報】
「は」 で始まる札は4枚。
少ないけどちょっとやっかい。
「花の (いろは)」
「花さ (そう)」
「春の (よの)」
「春す (ぎて)」
音もモチーフも似通っているので、お手つきが生じやすい。
私は3枚詠まれた後の 「は」 決まりが大好物♪
もともと1字札のH・F音 「ほ」 「ふ」 より
ずっと速く突入します! -
【随心院】
小町は六歌仙の一人、優れた女流歌人。
・僧正遍昭
・在原業平
・文屋康秀
・喜撰法師
・大友黒主
・小野小町
多くの歌を残しています。
←その一部。 -
【随心院】
〔第9首/小野小町〕
花の色は 移りにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせし間に
小町の残した、数多の歌の中から
定家がこの歌を百人一首に選んだ意図は何だろう?
もとは、自然の移ろいにかけて
無常を詠んだ歌だからでしょうか?
結果的には 「老いて衰えた私」 が
後世に脈々と伝わることになってしまって、
女性としては哀しいだろうなぁ。
定家のイジワル!…とか思ってるかもしれませんね。 -
【随心院】
小町といえば深草少将。深草駅 駅
-
【随心院】
深草少将の百夜通いの折、
榧 (カヤ) の実を糸に通して日を数えたのだとか。深草駅 駅
-
【随心院】
榧(カヤ)の実。 -
【随心院】
榧(カヤ)の木。
境内の端にあります。 -
【卒塔婆小町絵】
九十九夜も通ってくれたんだから、
それでよしとすれば良かったのに…
驕慢だなんて言われてしまい、 -
【卒塔婆小町絵】
あげくに、
老衰した絵を残される…(>_<) -
【卒塔婆小町像】
恵心僧都の作。
小町晩年の姿を映したといわれる坐像。
実物は撮影禁止。
←なので、販売していた絵はがきを購入。
ところが、いつもなのか
その日だけなのかわかりませんが、
「先着50名に差し上げているので、どうぞ!」 と。
一般の方にとっては
あまりもらって嬉しい絵はがきではないかもしれませんが、
コレを見に来た私には何ともありがたい \(^o^)/ -
【随心院】
小野妹子や小野篁 (たかむら) の
血を引くといわれる小野小町。
ちなみに、百人一首に選ばれた小野篁の歌は、
〔第11首/参議篁 (小野篁)〕
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと
人には告げよ 海人の釣舟
遣唐使に任命されるも、渡唐に二度失敗。
三度目はトラブルも重なり、渡唐を拒否。
のちに作った遣唐使を風刺する漢詩が
嵯峨上皇の逆鱗に触れ、隠岐へ流罪となりました。
その時に詠んだ歌です。 -
【随心院】
-
【随心院】
-
【随心院】
この雅びな景色も
やがては移ろい枯れてゆく…。 -
【随心院】
-
【随心院】
沙羅双樹。 -
【随心院】
化粧井戸。 -
【随心院】
小町の屋敷跡に残る井戸。
朝夕、小町がこの水で粧をこらしたと
「都名所図絵」 に記されているそうです。 -
【随心院】
化粧井戸。 -
【随心院】
落ち葉だらけでしたが、
意外にも水は澄んでいました。 -
【随心院】
深草少将をはじめ、
当時の貴公子たちから送られた
恋文が埋められているといわれる文塚。
その数は千束にも及ぶというのが、
いかにも小町らしいエピソード。
千年前だからシュレッダーにかけろとは言わないけど、
本当にいらないなら、燃やしてしまえば良かったのに。
ちょっと、すがってたところもあったのかな…と邪推。 -
【随心院】
境内裏手の文塚へ向かう道には、 -
【随心院】
和歌や俳句を刻んだ石碑が、 -
【随心院】
ずら〜りと続きます。 -
【随心院】
まるで、文塚に埋まりきらない歌 (恋文) で
道が埋め尽くされているようで、ちょっとコワイ…。
(※刻まれているのは現代のものです。
おそらく和歌や俳句をたしなむ一般の方々の作) -
【随心院】
奥に見えてきました。 -
【随心院】
文塚だけで
こんな立派な石塔が建っちゃうんだから、
伝説の美女おそるべし。 -
【随心院】
それだけモテたんだから、
その中から誰か選んでおけば
晩年は違った人生になってたかもねむ…(^_^;) -
【随心院】
-
【小町寺】
帰りのフライトまで時間があるので、もう1ヶ所。
小町終焉の地とされる小町寺 (補陀落寺) へ。
このお寺に、小町老衰像があります。
叡山電鉄鞍馬線 「市原駅」 下車。 -
【小町寺】
市原駅からバスもありますが、
散歩がてらに歩いて行けます。
駅員さんや交番のおまわりさんに道を尋ねましたが、
正式名称の 「補陀落寺」 だと伝わらないみたいです。
帰りに乗ったバスの停留所名も 「小町寺」 だったので、
この辺りでは小町寺と呼ぶのが一般的なようです。市原駅 駅
-
【小町寺】
ガラスの向こうに
お目当ての小町老衰像が見えているのですが、
本堂は施錠中。
本堂の扉って結構重たいんですけど、
サルがこれを開けて
堂内のお供えを食べてしまう被害が続いているそう。
バチ当たるぞー。 -
【小町寺】
でも、隣の建物の呼び鈴を鳴らしたら、
住職の奥様が開けてくれました。
とても優しい奥様。
訪問客は私だけだったので、
付きっきりで色々教えてくださいました。
私と同様、BSの番組を見て訪ねてくる人が
よくいらっしゃるそうです。 -
【小町老衰像】
←お目当てはコレ。
もとは、
三途の川のほとりで亡者の衣を剥ぎ取る
鬼婆奪衣婆 (だつえば) 像。
それが、いつの頃からか小町像になったのだとか。 -
【小町老衰像】
何と言うか…
そりゃ、人間誰しも歳は平等にとるわけで、
小町だってお婆ちゃんになればそれなりだろうけど、
だからって、コレが小町の行く末ってねぇ (@_@;)
絶世の美女って、亡くなった後も色々大変だー。小野駅 駅
-
【小町老衰像】
「どうせ後世に残るなら、
人生で最も輝いていた華の時代の私を
残してくれればいいのにぃぃ… (@_@;) 」
と小町も思っていることでしょう、きっと。 -
【小町老衰像】
ちなみに、
百人一首の女流歌人の中には
やはり老いた姿を残された美女がもう一人。
【百人一首歌枕巡り】
難波潟 短き蘆のふしの間も 〜伊勢姫遺愛の品々〜
http://4travel.jp/traveler/korinori/album/10789842/ -
【小町寺】
美人で誉れ高い小町ですが、
昌泰3年 (900年) 4月1日、
流浪の果てに
この地で亡くなったと伝えられているそうです。 -
【小町寺】
「吾れ死なば 焼くな埋むな 野に晒せ
痩せたる狗の 腹こやせ」
という辞世の句を残したそう \(◎o◎)/
恵心僧都(源信和尚)が、
野晒しになっていた小町の亡骸を
哀れみ弔ったのだとか。 -
【小町寺】
小町の落魄伝説で最も有名なのは、
鴨長明 『無名抄』、あなめの説話。
在原業平が、
陸奥の八十島の野の中で
「目が痛い」 と呻くドクロを発見する。
目からススキが生えたドクロは、
この国に流れ着いて亡くなった小町の亡骸だったという。
ちなみに、在原業平といえば
マンガのちはやふる効果で今もっとも有名なイケメン歌人。
〔第17首/在原業平朝臣〕
ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川
からくれなゐに 水くくるとは -
【小町寺】
深草少将の供養塔 (1747年造立)。深草駅 駅
-
【小町寺】
深草少将の供養塔。深草駅 駅
-
【小町寺】
階段を上がっていくと、小野小町供養塔。
(室町時代のものと伝わるそう)小野駅 駅
-
【小町寺】
小町の誕生や終焉については、
京都に限らず、近畿から東北まで
各地に伝承が残っています。
亡くなってからも、
後世の人を惹きつけてやまない存在なのでしょうね。
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この旅行記へのコメント (5)
-
- とりのそらねさん 2014/09/12 13:21:33
- 素晴らしい書なのに・・・
- 歌碑を見て感動しました!!
歌碑が素晴らしすぎて、他があまりは言ってきませんでした(^^ゞ)スミマセン
私が見た歌碑の中で五本の指に間違いなく入ります。
線のきれいさ(細太)、連綿(つなげ方)、字のバランス・選び方、散らし(改行や行の配置)・・・
どれをとっても非の打ち所が無いですね。
いや〜本当に素晴らしい書です。
花のいろは
うつ(都)りに(二)
け(介)り(利)ないた(多)
つらに(二)
わか(可)身よに(二)ふ(婦)る
なかめ(免)せし
ま(万)に(二)
ただただ残念なのは右下の小町の絵
これぞまさに蛇足の典型・・・
書が格段に素晴らしいだけに本当に悔やまれます。
是非とも一度訪れてみたいと思います。
- 京妓さん からの返信 2014/09/12 21:44:33
- RE: 素晴らしい書なのに・・・
- この書、とても気に入られたようですね。
私が書いたわけではないのに、そんなに感動して頂けると何だか嬉しいです。
せっかくですから、ぜひ一度、実物を見に足を運ばれてみてください。
歌碑は素晴らしいようですが、
卒塔婆像はこの世から葬り去ってあげたいです。あれはひどい…(涙)
-
- savexさん 2013/01/06 10:45:58
- おはようございますっ
百人一首歌枕巡り、たくさんアップされましたね〜
歌のバックグラウンドは深い!
当時の人間模様も垣間見えますね!
競技かるたプチ情報も、ちはやふると合わせて楽しんでます♪
今回の小野には、わたし4年ほど住んでいたんですよ!
懐かしいです〜☆
随心院には、お散歩がてら行った事があります!
が、化粧井戸あたりをウロウロしただけだったような。。。
当時、若かったこともあって歌碑は完全スルーでしたし(笑)
住まいからすぐの観修寺にいたっては、結局行かないまま引っ越してしまいました。確か蓮池が美しいと有名なお寺だったかな・・・?
最近になって、住んでいたあたりをゆっくり歩きたいなと
思っているところです(^ ^*
savex
- savexさん からの返信 2013/01/06 12:08:01
- 追伸。。。
昨日、名人戦・クイーン戦が近江神宮であったのですね。
先ほど新聞で記事を見つけました(^0^*
ちはやふるやコリノリさんに出会っていなかったら、
この記事もスルーしたんだろうなぁと思います。
クイーンは9連覇!!
昨年までの名人は14連覇?!!
そんなに守り続けられるものなんですか??
ますます近江神宮に行ってみたくなりました!
- 京妓さん からの返信 2013/01/07 00:13:55
- RE: おはようございますっ
- savexさん
メッセージありがとうございました。今回も歌枕巡り、読んでくださって嬉しいです。
savexさん、あの辺りにお住まいだったんですね!
生活圏ってわざわざ観光しにいかないですし、
離れてから改めて訪れた方が感慨深いものがあるかも(*^_^*)
名人戦とクイーン戦、去年までNHKで放映されていたんですけど、
今年からニコ生になったんですよ。おかげでダイジェストでなく、
全試合リアルタイムで観ることができました。スロー再生がないのは残念でしたが。
挑戦者も東日本・西日本のトップで強烈に強い選手ですけど、
去年まで14連覇した西郷永世名人や今回9連覇した楠木クイーンが
飛びぬけて強すぎるんでしょうね…(笑)
仮に私が対戦したら、1枚も取らせてもらえないどころか、
お手つきで開始の25枚より増えて終わってるかも。
いや、お手つきすらさせてもらえないか…(>_<)
コリノリ
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