【百人一首歌枕巡り】 誰をかも　知る人にせむ　～高砂の松～

2012/10/28 - 2012/10/28

帰りのフライトまで余裕があったので、
百人一首にも詠まれた松の名所、兵庫県の高砂に寄り道。

〔第34首／藤原興風〕
　誰をかも　知る人にせむ　高砂の
　　松も昔の　友ならなくに


ちなみに、第73首は
兵庫県の高砂や尾上を詠んだ歌ではないようですが、
こちらの歌碑もあったので、オマケに付けておきます。

〔第73首／権中納言匡房〕
　高砂の　尾上の桜　咲きにけり
　　外山の霞　立たずもあらなむ

エリア 加古川・播磨・高砂(兵庫)

• 交通手段: 船 JALグループ 私鉄 徒歩

【高砂の松／曽根天満宮】

鳴門で渦潮を見たあと、高速バスで淡路島を横断。
（高速鳴門→高速舞子／2450円）。

がっ！　高速鳴門で楽しみにしていた
スロープカー 「すろっぴー」 がなんと故障中。

ワゴン車に乗せてもらってバス乗り場へ。

すろっぴー、現在は二代目が運行中。
http://www.narutokc.info/slopy.html

【高砂の松／曽根天満宮】


高速舞子で下車し、山陽電車に乗り換えて
「舞子公園」 → 「山陽曽根」

下車して松の並木を歩くと、正面に曽根天満宮。
http://www.tenmangu.net/

【高砂の松／曽根天満宮】

御祭神はあの菅原道真公。

なので、百人一首の道真公の歌碑もあるそうです。
気づかずに帰ってきてしまいました、残念。

代わりにコチラ↓をどうぞ。
【福岡】梅の季節じゃなくても梅づくし〜太宰府天満宮〜
http://4travel.jp/traveler/korinori/album/10599551/

【高砂の松／曽根天満宮】


曽根の松。

【高砂の松／曽根天満宮】


ここ高砂は古来、
松の名所として有名なのだそうです。


和歌の世界でも 「高砂の松」 は長寿をあらわし、
宴席などで好まれた、めでたい題材なのだとか。

【高砂の松／曽根天満宮】

菅原道真公の手植えの松は
火災で衰弱したのち、寛政10（1798）年に枯死。

その幹がこちらで保存されています。

中を覗いてみると、

【高砂の松／曽根天満宮】


なんだかスゴイことになってます　（*^_^*）

【高砂の松／曽根天満宮】

二代目の松が、大正13年に天然記念物に指定。
しかし、昭和27年に枯死。

現在の松は五代目。

長寿の象徴とはいえ、松も長生きは難しい。
こちら↓の松も、先代は枯れていました。

【歌枕巡り】まつとし聞かば今帰りこむ〜在原行平と須磨
http://4travel.jp/traveler/korinori/album/10650082/

【高砂の松／曽根天満宮】


松をぐるりと囲むのは、和歌が刻まれた石碑。

【歌 碑】

百人一首の歌もありました。

〔第34首／藤原興風〕
　誰をかも　知る人にせむ　高砂の
　　松も昔の　友ならなくに


競技かるたでは 「た」 の札は６枚。全て２字決まり。
「たか （さごの）」
「たち （わかれ）」
「たご （のうらに）」
「たま （のおよ）」
「たき （のおとは）」
「たれ （をかも）」

歌の情景としては、
「たれ」 「たち」 に松が、
「たれ」 「たか」 に高砂が、
「たか」 「たご」 に山が、
共に詠まれているので、並べた配置をよく見ます。

音の聴こえでは、
「たか」 「たき」　た＋Ｋ音
「たき」 「たち」　た＋イ行
のいずれかで、並べている人をよく見ます。

私は 「た」 札に友札感覚が持てないので、
左右の陣の上中下段に各１枚ずつ。
初めて対戦する人は、暗記に負荷がかかるみたいです。

【歌 碑】


〔第73首／権中納言匡房〕
　高砂の　尾上の桜　咲きにけり
　　外山の霞　立たずもあらなむ


高砂と尾上、
この地域の松の名所が出てきますが…

この歌は、藤原師道宅の歌会にて
「遙かに山の桜を望む」 の題で詠まれた歌。

高砂＝高い山、尾上＝山の峰や頂き。

「春霞よ立たないで、
　遠い山の峰の桜を隠さないでおくれ」

という歌だそうです。

【歌 碑】


「たれをかも」 の歌も、

【歌 碑】


「高砂の」 の歌も、
両隣は高砂の松を詠んだ歌に囲まれています。


たびたび歌に詠まれるほど、
松の名所だったことが偲ばれます。

【高砂の松／曽根天満宮】


境内には古い松だけでなく、
青く若々しい松も植えられています。

【尾上の松駅】

高砂の松を見たあと、
ただ何となく 「尾上」 「松」 という
キーワードにつられて下車。

駅の看板で見つけた 「鶴林寺」 へ行ってみます。

【尾上の松／鶴林寺】

これが意外と遠かった。

途中で３人の方に
道を教えてもらいながら辿り着きました。

そのうちの一人、高齢の女性が
「あらー、鶴林寺に行くの？　感心だわねー」 と。

行き当たりばったりで来たのに、褒められた気分♪

【尾上の松／鶴林寺】

60年に一度の秘仏開帳の時期で
とても混んでいました。

私はフラッと来ただけなので
境内を散策するだけで十分。

【尾上の松／鶴林寺】


国宝や重要文化財の多いお寺さん。

【尾上の松／鶴林寺】


菩提樹。

【尾上の松／鶴林寺】


沙羅双樹。

【尾上の松／鶴林寺】


本堂（国宝）。

本尊は薬師如来。

【尾上の松／鶴林寺】


境内の新薬師堂には、
「ウィンクする仏像」 が。


へえ〜。

【尾上の松／鶴林寺】


お釈迦様の足跡？

【尾上の松／鶴林寺】


やはり立派な 「松」 が。


しかし…

【尾上の松／鶴林寺】


花より団子。
松より最中。

歩き疲れてハラペコです　(^_^;)

【神戸空港→関空】


そろそろ関空に向かわないと。

けど、陸路に飽きてきた。
大阪湾をぐるっと回るのがめんどくさい…(>_<)

たしか、空港間のベイシャトルがあったはず。
大阪湾を横切ってしまおう…\(^o^)／

【神戸空港→関空】

「尾上の松駅」 から、阪急三宮経由で神戸空港へ。

ベイシャトルは確実に座れて、たった30分で関空到着。
とってもラクチン \(^o^)／

ＪＡＬ関空19:50→新千歳21:40　にて帰宅。


☆ 国民文化祭＆百人一首歌枕巡り＆渦潮観光、完 ☆