2012/05/19 - 2012/05/19
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naoさん
姫路文学館の特別企画展として開催された「没後80年 金子みすゞ展 〜みんなちがって、みんないい」を見に姫路を訪れました。
※ 表紙写真の出典:姫路文学館
2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、ACジャパン(旧公共広告機構)の公共広告として頻繁にテレビで放映された『こだまでしょうか』という詩を憶えておられる方も多いと思います。
『遊ぼう』っていうと
『遊ぼう』っていう。
『馬鹿』っていうと
『馬鹿』っていう。
『もう遊ばない』っていうと
『遊ばない』っていう。
そうして、あとで
さみしくなって、
『ごめんね』っていうと
『ごめんね』っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。
子供のいさかいを題材にしたこの詩を、歌手の「UA」が物静かに朗読するのを聞いて、稀有な大震災に遭遇した今の日本だからこそ、人と人のつながりを大切にすることの重要性に改めて気づかされました。
この詩の作者こそ、女性童謡詩人の「金子みすゞ」さんです。
1903(明治36)年4月、現在の山口県長門市仙崎に生まれた「金子みすゞ」さんは、デビュー当時から西條八十にその才能を認められ、「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛されるなど、めざましい活躍をみせます。
しかし、彼女の文学活動に理解を示さなかった夫と離婚することとなり、最愛の娘を奪われないためにと自らの手で命を絶つ道を選び、26歳の短い生涯を終えます。
その結果、彼女の作品は長い間世に埋もれてしまい、「幻の童謡詩人」と呼ばれるまでになるのですが、生まれ故郷にある「金子みすゞ記念館」の館長である児童文学者の矢崎節夫氏の努力により、再び日の目を見ることになりました。
自然の風物に慈愛の目を向け続けた、優しさに溢れる彼女の詩作の数々は、没後80年を経た現在も、いささかも色褪せることなく、今を生きる私たちの教訓となるメッセージを伝え続けています。
ここで、私の好きな『雀のかあさん』という詩をご紹介させていただきます。
この詩は、雀の親子の姿になぞらえて悲しい現実を謳ったものですが、私は、「抗いようのない現実の前では人間の力など無に等しい」というメッセージが込められていると解釈しています。
この、悲しいまでも美しい詩を初めて読んだ時、激しい衝撃を受けるとともに、言いようのない無力感を感じたことを覚えています。
子供が
小雀
つかまえた。
その子の
かあさん
笑ってた。
雀の
かあさん
それみてた。
お屋根で
鳴かずに
それ見てた。
姫路には、姫路文学館をはじめとして、安藤忠雄氏の設計になる建物がいくつかあるので、この機会に訪れることにしました。
今回訪れた建物
姫路文学館
星の子館
兵庫県立こどもの館
姫路文学館は、播磨ゆかりの文人たちが残した業績などを紹介する施設で、館内から世界遺産姫路城が望めるよう工夫されています。
建物は円形と正方形が組み合わされた平面形状で、一部架構を露出させたデザインになっています。
外部は階段状の池が巧みに配置され、その池に沿って建物へのアプローチが設けられています。
星の子館は、子供達が宿泊を通じて学びや遊びが体験できる楽しい施設で、天文台も設置されています。
先ず目に飛び込んでくるのは大階段とつづら折れの長いスロープで、その上に建物が載っかっています。
地上には円形劇場、見上げれば天文台と、子供のための楽しい仕掛けに溢れています。
兵庫県立こどもの館は、観る、聞く、遊ぶ、演じるなどの体験ができる大型児童館です。
敷地の傾斜をそのまま生かした設計で、低い所にある駐車場から緩やかな坂道を上って3階のエントランスにアプローチすると、勾配なりに設けられた階段状の池と広場が広がっています。
屋上には屋外劇場が設けられていて、演劇などのイベントが行われています。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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「没後80年 金子みすゞ展 〜みんなちがって、みんないい」の入場券です。
訪れた時は大勢の来館者で、彼女の人気のほどをうかがわせていました。 -
金子みすゞ展の第1会場になっている北館です。
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右下が北館のメインエントランスです。
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安藤さんの建物でよく見かけるデッキがあります。
このデッキは、2階から3階に通じる階段の踊り場を兼ねています。 -
2階からデッキ(踊り場)に通じる階段です。
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建物の周囲に池を配するデザインも安藤さんの常套手段です。
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池の向こうに見えるのは第2会場の南館です。
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手前の棟に特別展示室があります。
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左下のR部分は「播磨曼荼羅」と名付けられていて、播磨の文化風土に関する資料が経年に従って展示されています。
R部分の外部には1階へ通じる屋外スロープが張り付いています。 -
露出された架構がダイナミックにデザインされています。
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「播磨曼荼羅」外側の屋外スロープがここに通じています。
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北館へのアプローチです。
北館が直線と曲線で構成されているのがよくわかります。 -
南館です。
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ガラスの建物をコンクリートの箱が貫いています。
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ここから見れば北館と南館の位置関係がよくわかります。
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南館の周囲にも池が配置されています。
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前面道路からの見上げです。
この後、星の子館へ向かいます。 -
星の子館に着きました。
着いて早々、この大階段に驚かされました。 -
上を見れば天文台・・・
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下を見れば円形劇場が配置されています。
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スロープから天文台と宿泊棟を見上げました。
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スロープから見た円形劇場です。
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それにしても、この階段を昇るのは大変だろうな〜。
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円形劇場背面からの眺めです。
次は、兵庫県立こどもの館へ移動します。 -
兵庫県立こどもの館に着きました。
駐車場から建物の一部が見えています。 -
広場に居ついている怪獣がこちらを睨んでいます。
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かわいい女の子が走ってきます。
池に気をつけてね!
3階にエントランスホールがあるので坂道を昇って建物を見に行きます。 -
駐車場から緩やかな坂道を昇れば建物のアプローチに到着します。
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敷地の傾斜を巧みに活かして、建物と池が配置されています。
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エントランスホールへ来客を導くアプローチです。
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この池は建物に向かって段々低くなって行きます。
対策は施されているとは思いますが、漏水は大丈夫なんでしょうか? -
桜山貯水池が眼下に見えています。
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1階レベルには建物を横断する通り庭がしつらえられています。
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3階レベルの屋上には屋外劇場があります。
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突き当りは3階の親子遊戯室です。
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親子遊戯室前の階段です。
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先ほどの、建物に向かって低くなる池を下から見たところです。
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敷地の傾斜なりに設けられた広場と池が完全にシンクロしています。
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通り庭を反対側から見ました。
奥の方に親子遊戯室前の階段が一部見えています。 -
何か居るのでしょうか、親子ずれが池を覗きこんでいます。
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駐車場への坂道に面して、こんなモニュメントがありました。
では、そろそろ帰路につきます。
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