2012/10/19 - 2012/10/25
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アクアマリンさん
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ライフワークで「日本統治時代の台湾」を調査・研究しています。対象は、「台湾で日本人たちがどう暮らしていたか」に関することです。
1895~1945年の50年間日本の統治下にあった台湾。終戦時点で台湾にいた日本人は50万人(軍人含む)というのですから、50年の間に台湾で日本人が繰り広げたドラマはどれほどの数にのぼったでしょうか。
それなのに、現代の日本ではあまりに影が薄い扱いを疑問に思い、細々と調べ始めました。
同時にそれは、観光ルートにもあまり上らない台湾の旅でもありました。ありきたりではない内容や、もっと深く台湾を知りたい人の参考にしてください。
メイン対象地域は台南エリアですが、今回は屏東&高雄編です。やはり素晴らしい所ばかりで、通いたい地域がまた増えました。
表紙は、屏東県東港の東隆宮。南部で信仰の盛んな王爺(病気関係の神様)を祀る有名な廟で、金ぴかの巨大な門に圧倒されます。
*アメーバブログ『海王星の魚座だより』http://ameblo.jp/kozakura11/entry-11390864605.html、note(ノート) https://note.com/takigami88でも、日本統治時代の台湾に関する解説をしていますので、合わせてご覧ください。
◎kindle本で「台湾南部で暮らしてみれば」(南部のエッセイガイド)、「台南夜話・フォルモサ昔がたり」(台南を舞台にした歴史解説を盛り込んだ小説)、「ガランピ魚」(高雄・屏東・台東を舞台にした短編小説集、「しんきゃう伝」(明治期の福島県開拓と実在した僧侶のノンフィクション作品)を発刊しました。Amazonのサイトをご覧ください
- 旅行の満足度
- 4.5
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 航空会社
- エバー航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
今回の旅でまず向かったのが三地門。屏東(高雄から電車で30分)からバスで1時間、山あいにあるパイワン族の村です。
漢人が渡ってくるまでの台湾には、マレー・ポリネシア系の原住民が暮らしていました。その一部族・パイワン族の伝統文化を見ることができます。
これは、村で見かけたパイワン族の盛装男女のパネル。 -
三地門で泊まった「山中天」という宿の中庭。
原住民民宿ということですが、お値段的にもリゾートホテルに近いと思います。自然の小川を利用した池を配した中庭が広がり、それに面して客室があります。
室内も広くてゆったりした造りです(ただどちらかというと、カップル向きのようです) -
宿併設のレストランで夕食。原住民料理のセットをいただきました。
炒め物やスープなど、どれも薄味でとても美味しかった!
左下はチナブという原住民独特の料理で、粟で作った餅で肉などを包んだもの。
真ん中にあるのは粟酒(中国語で小米酒)。焼き立てパンのような香り、甘口の白ワインのような味わいで、とても飲みやすくておいしかったです。
以前烏来(台北近郊)で食べた原住民料理もおいしかったし、台湾原住民料理は私の口に合うようです。 -
宿泊やガッツリ食事が無理なら、街角のこんな屋台を利用してはいかがでしょう。
猪(豚かもしれない)肉や巨大ソーセージ(芋が混ぜてある独特なもの)を炭火焼きして、ザクザク切ったものをつまめます。1人前20元?。原住民料理なのでやはり薄味ですが、香ばしくて美味しかった -
三地門はトンボ玉でも有名。これはパイワン族首長の首飾り。
アクセサリーよりもっと重要な意味合いを持ち、結納などにも使われたとか。模様ごとに意味があることも初めて知りました。
村のあちこちにある工房では手作りのネックレスやブレスを売っていますが、どれも本当に素敵でした。 -
三地門から屏東へ戻った後、バスを乗り換えて東港へ。
この町で3年に1度行われる「焼王船」というお祭りを見に行くためです。
台湾中から見物客が押し寄せるほど有名な祭りだけに、町なかはすでに大混雑。交通規制も始まっていました。
夕方、王船(神様がお乗りになる船)が町を巡行していました。
行く先々でものすごい数の爆竹が鳴らされ、身の危険を感じるほどでした。そんな中、大行列で王船が進んでいきます。 -
巡行の後、王船はいったん廟でお休み。左奥に見えるのはこの祭りの主役である神様(王爺)をお祀りする東隆宮の巨大な門(旅行記表紙でも使用)。
ここも王船を見に来る人、周囲にたくさん出ている夜店目当てで来る人で、ものすごい人出でした。 -
真夜中の焼王船まで時間があるので、夕食を取りに華僑市場へ。
漁港に隣接した魚市場で、併設の食堂では海鮮料理を安く楽しむことができます。
マグロの水揚げ高では、東港は台湾どころか、世界有数の漁港。それだけに、マグロが安くておいしい。「日本以上に刺身が美味しい所なんてない」と思っていたんですけどね。
一切れの厚さが1cm以上もあって食べごたえも十分。 -
午前2時。王船が海岸に向かって進み始めました。その後からさまざまな神様の輿もついていきます(もちろんこの周囲も人でごった返しています)。
台湾の寺廟の装飾はどこも派手ですが、神様の輿までこんな電飾仕様になるとは思ってもみませんでした。やっぱり神様の扱いひとつでも、日本とはちがいますね? -
待つこと2時間余り、ついに王船に火がつけられました。
病気関連の神として台湾人が篤く信仰する王爺は、疫病の神々や災難を連れて、燃え盛る船とともに天にお帰りになるといわれているそうです。
船の下には紙のお金が小山のように積まれています。
下が紙の山だから燃えること、燃えること。 -
「この船に乗って神様がお帰りになる」と思うと、何とも神秘的に感じます。
1時間以上炎上し続け、船が燃え尽きたのは7時過ぎ。あたりはすっかり朝です。
台湾人の信仰心とパワーが感じられるお祭りでした。これほどダイナミックなお祭りは、確かにそうそうあるものではないでしょう。台湾全土から見に来るというのも納得です(テレビニュースにもなっていました)。ひととおり見られて大満足ですが、体力的にはかなりきつい、たぶん2回目はないですね -
ひと眠りした後、東港からバスに乗ってさらに南の枋寮へ。
明治28年の台湾平定戦の折に、乃木将軍率いる援軍が上陸した地です。
日治時代の中でも、特に統治初期、ことに台湾平定戦に興味のある私は、是非行ってみたい場所でした。
枋寮の海岸にて。エメラルドグリーンに白を少し混ぜたような、南国らしい色をした海。「乃木将軍もご覧になったのだろう」と思い、胸がジーンとしました。 -
小さな漁港があり、そこに隣接した素朴な食堂で現地名物のシラス料理を食べました。
手前:シラスオムレツ=卵というより小麦生地に大量のシラスを混ぜたお好み焼き風。かすかにシナモンが入っているように感じたのは私だけですか?!
奥:シラスのスープ=これがうなりそうな絶品!!野菜やかまぼこも入れて、ちょっとトロミを付けたおすまし風。決して凝った作りではないはずなのに、何でこんなにおいしいの?! -
この町でもう一つ特筆すべき場所が東龍宮(僑徳国民小学向かい)。
田中元帥という日本の軍人を主神として乃木将軍、2人の従軍看護婦まで日本人ばかり5柱の神様をお祀りしているのです。日本人の神様をお祀りしている廟は他にもありますが、日本人だけ、しかもこの人数をお祀りする廟はおそらくここだけでしょう。
枋寮は高雄?墾丁(台湾きってのリゾート地)の途中にあり、この路線のバスがかなり頻繁に通るので、途中下車して寄ってもいいと思います。 -
東龍宮の入り口から撮影。
管理人さんの一人は日本語堪能ですが、普段いる方は全くできません。でも親切です。 -
再び東港にて。
ここは町の中心部に近い共和新村という地区で、軍人官舎として戦前に建てられた日本家屋群が残り、今も住居に使われています。
道路幅は広く、各家の庭木も緑豊かで、エリア全体が公園のように美しい場所です。
ただ残念なことに、近年は再開発の波が押し寄せ、写真のように取り壊した後にマンションを建設中の区域もありました。
写真手前は、今も残る防空壕です。 -
屏東へ戻りました。屏東夜市は名物料理が多いうえ美味しいことで、南部では結構有名らしいです。
夜市といっても昼過ぎから営業しているとか。
屏東に宿泊するなら一度は行きたい。 -
1836年築の屏東の城門。中山公園裏手のグランドの脇にひっそりとあって、場所はわかりにくい。正直わざわざ見に行くほどでもありませんが、屏東市内の散策をするなら寄ってみるといいでしょう。
この付近は市場になっており、買い物する市民で大変な賑わいでした。 -
屏東市街にも、日治時代に軍人官舎として建てられた日本家屋群が残っています(勝利地区など)。
ただ東港とちがい、こちらは文化人やアーティストの移住先として積極的に活用されていました。写真のようにカフェになっているものも。
建物は今もしっかりしていて、間取りも良く暮らしやすそうでした。
壊すのはいつでも出来るのだから、東港も建物が残っている間はこうしてうまく使えばいいのに・・・と思いました。 -
屏東から高雄へ移動、高雄駅からバスで1時間の旗山という町へ。
製糖産業で栄えた日治時代の街並み=「旗山老街」が美しいことで有名な街です。
1920?30年代の特徴である洋風の装飾を正面に施した商店街が続きます。 -
建物によっては、別の屋根を付けているのは老朽化による雨漏りを防ぐためかもしれません。
とにかくどれも保存状態が良く、高雄まで行ったなら足を延ばす価値があります。
こんな山あいに鉄道を敷き、こんな立派な町を築いたかつての日本人たちを同民族として改めて誇りに思いました。 -
アーケードの天井は、部分によっては当時の木造のまま。時々上を見てみてください。
-
旗山名物は、昔はサトウキビ、今はバナナ。そういうわけで昔からスイーツ作りが盛んだったのかもしれません。創業80年余の甘味屋さんもありました。そこの名物・タロイモサンデー。
タロイモとバナナのアイスに、小豆あんがたっぷり添えられています。結構な量ですが、あっさりした甘さのせいか完食しました。 -
高雄で泊まったホテルdua。MRT美麗島そばです。
旅行口コミサイトで高評価なだけあって、確かに良かった!
客室は広いし、設備も朝食ビュッフェも言うことなし。HPからの予約で8000円未満、台北なら倍以上するでしょう。 -
いつもお世話になっている知人たちに会いに台南へ。
2011年5月8日、烏山頭水庫湖畔にオープンした「八田與一紀念園区(八田與一記念公園)」に連れていってくださいました。
八田ほか日本人技師たちが工事中に住んだ日本家屋が、内部まで忠実に復元されています。家具類は八田の故郷・石川県の県民たちからの寄付。 -
台南から桃園空港まで利用した高速バス。
今回初めて両側1列シートに乗りました。やっぱり隣がいないと、気が楽。席も広々してくつろげます。
最近は日本の長距離バスもがんばっているようですね。台湾のバスを見習ってどんどん進化してほしいです。 -
今回はエバー航空を利用したので、待ち時間にかの有名な「ハローキティコーナー(で、いいんだろうか?)」に行ってみました。
特にファンでない私が見ても可愛いと思いましたよ。
というわけで無事帰国。でもまたすぐ行きたい!本当に南部は良い所です。もっと多くの日本人に南部を訪れていただきたいです。
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