「19参III老場坊」で無限の宇宙を感じよう

2012/10/23 - 2012/10/23

最近、虹口区に開業した複合商業施設「１９参III老場坊（ラオジャンファン）」は租界時代、英国人が設計し租界当局が建築した食肉工場でした。
産業遺跡としても貴重な物件で、２００５年に上海優秀歴史建築にも指定されましたが、特異な構造空間を持つ建築は観光資源としても魅力的です。

複雑な立体空間を利用して再開発された商業施設のコンセプトは「宇宙」。
一度この空間へ足を踏み入れれば壮大な宇宙を感じ、小さな国境の島などは脳裏から消失するでしょう。

エリア 上海(中国)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 高速・路線バス
• 航空会社: 大韓航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

建物の正面外観はきわめて質素です。

１階広間では赤い毛氈が敷かれ、Ｗｉｎｄｏｗｓ８の発表会が行なわれていました。

虹口区の歴史遺跡記念地に指定されています。

黒い小さな木の扉は、西洋中世の映画の牢獄などに出てきそうで、ちょっと不気味ですね。

上海市の優秀歴史建築にも指定されています。

各階のテナントの表記。
テナントには「宇宙墓塚：はか」や「宇宙銀行」もあるようですが、いったいどんな物かは未確認。まさしくＵＦＯ（未確認飛行物体）です。

外星人：日本語の宇宙人のこと

星際　：「国際」ではなく、「星際」なのでしょうね

このスロープは食肉になる家畜が自力で登って行くためのもので、床には滑り止めが加工されています。

写真愛好家が来場していて、カメラ女子は作品の確認に夢中でした。

回遊できるようになっていまる外側の建築物から、内側の独立した円形５階建て建物に、放射状に空中廊下が渡されています。

外側建物３階から見た空中廊下。
全体で複雑な構造空間を形成しています。

４階から見た円形建物と外側建物。

まだ、テナントの入居が終わっておらず、内装工事やレストランの外国人出資者？によるメニュー試食会などが行なわれていました。

円形建物内部の中心円。
照明も宇宙をイメージしているようです。

中心円３階から４階の床が見えます。
４階を歩く人の靴の裏が見え、不思議な感覚です。

４階に上がろうとしましたが、階段が見当たりません。
エレベーターを利用すれば上がれたかもしれません。

人が歩くのを待って、靴の裏を撮影しました。

内部にも細い直線や螺旋の階段がいくつも設置されています。
人の通路は狭くし、動物の通路と分けたようです。

手前は吹き抜けになっていますが、転落防止のためかネットが張ってあり、ちょっと残念な景観です。

「洗面台」のような物は何を意味するのか不明です。

上海では有名な中華レストランが入居していました。
入り口の外装もイメージを宇宙に併せたようです。

その内、食事に来て見たい物です。

テナントの宝飾店の外装。

１階の台湾系結婚アルバムの製作会社の撮影用小道具。

白いスクーターは花嫁が「ローマの休日」を体験するのでしょうか。
オードリーヘップバーンは中国でも「午後の紅茶」のイメージキャラクターでした。

煙突のある建物は廃棄物の焼却場でした。
冷凍倉庫も併設され、製造された衛生的で高品質の食肉は海外にも輸出されていたそうです。
当時から環境保全や動物愛護の精神で食肉工場は運営されていたそうで、英国、米国、上海に同じ設計者が建てた食肉工場の内、一つは１００年近く経った今もまだ現役で運営されているそうです。

上海観光局発行の日本語パンフにも記載されていますが、新しい人気スポットになるでしょうか。